業務の属人化を防ぐBPMとは?「作って終わりのフロー図」から抜け出す始め方

業務の属人化を防ぐBPMとは?「作って終わりのフロー図」から抜け出す始め方

「うちの経費申請、Aさんに聞かないと進め方が分からない」
「担当者が休むと、その業務だけ止まってしまう」
——多くの職場で、一度は経験したことがある光景ではないでしょうか。仕事は毎日ちゃんと回っている。でも、その“回し方”を説明できるのは、いつも決まった誰かだけ。

こうした状態を変えていく考え方が、BPM(Business Process Management、業務プロセス管理)です。そして、そのBPMの入り口として欠かせないのが「ワークフローの可視化」です。

BPMとは何か

BPMとは、業務の流れ(プロセス)を明らかにし、継続的に見直し、改善し続けていくためのマネジメントの考え方です。難しく聞こえるかもしれませんが、やっていることはシンプルです。

  • 業務の流れを「見える形」にする
  • そこから改善できるポイントを見つける
  • 実際に改善し、また流れを見直す

このサイクルを回し続けることがBPMの本質です。ところが多くの現場で、最初のステップ「見える形にする」につまずいてしまいます。
BPMの概念図

多くの現場が、最初の一歩で止まってしまう

ここまで読んで、「たしかにフローを書き出したほうがいい」と思われたかもしれません。ただ、実際に手をつけようとすると、多くの現場がこの最初の一歩で止まってしまいます。

書き出すという作業は、思っている以上に重いのです。担当者一人ひとりに「普段どうやっていますか」と聞いて回り、マニュアルに載っていない例外対応まで引き出し、それを図の形に整理して、関係者に「これで合っていますか」と確認を取る。本来の業務の合間に進めるとなると、一つの業務でも数週間かかります。

しかも、苦労して完成した図は、その時点のスナップショットにすぎません。承認者が交代する、使うシステムが変わる、例外パターンがひとつ増える。そのたびに実態とのズレが生まれますが、更新する担当者は決まっていないことがほとんどです。誰も直さない図は、やがて誰も見なくなります。そして「この業務、Aさんに聞いて」に戻っていきます。

もう一つ見落とされがちなのが、この構造そのものです。「フローを書き出す係」を誰か一人が引き受けている限り、その人がいなくなれば可視化も止まります。属人化を解消しようとして、新しい属人化を作っていた——そんなケースは少なくありません。

可視化が「一大プロジェクト」であるうちは、BPMは一度きりのイベントで終わってしまいがちです。続く仕組みにするには、書き出すこと自体のコストを下げる必要があります。

それでも、可視化を諦めてはいけない理由

属人化の解消 ― 「あの人しか分からない」をなくす

多くの職場では、業務の進め方は個人の頭の中にしまわれています。マニュアルに書かれていない「実際はこの順番のほうがスムーズ」「このケースだけは例外対応」といった暗黙知は、担当者本人の経験としてしか存在していません。その結果、次のような問題が起きます。

  • 担当者が変わるたびに、やり方や判断基準がバラバラになる
  • 引き継ぎのために手順書を一から作ろうとすると、時間がかかるうえに抜け漏れが出やすい
  • 休職や異動、退職のタイミングで、業務そのものが止まるリスクを抱え続ける

ワークフローとして可視化することは、個人の頭の中にあった暗黙知を、チームで共有できる「形式知」に変換する作業でもあります。一度フローの形になれば、そのやり方は特定の人がいなくてもチーム全体で再現できます。新しく担当になった人も、フローを見れば同じ手順で進められる。「誰かに聞かないと動けない」状態から抜け出す、最初の一歩です。

ボトルネックが「感覚」ではなく「事実」で見えるようになる

流れを図として書き出すと、「この承認ステップ、実はなくても回るのでは」「ここで毎回止まっている」といったポイントが、感覚ではなく事実として浮かび上がってきます。長年続けてきた手順ほど、本当に必要なのか誰も疑問に思わなくなっていくものです。可視化は、その思考停止に「これ、本当に要りますか?」と問いかける機会にもなります。

改善が一度きりで終わらず、続けられる仕組みになる

可視化されたフローは、一度直したら終わりではありません。運用しながら「ここはもう少しこうできそうだ」と気づき、また見直す。このサイクルを支える土台になるのが、可視化された業務フローです。BPMが「管理」ではなく「マネジメント(継続的な運用)」と呼ばれるのは、この点にあります。
フローを可視化しているイメージ

【具体例で見る】ある承認フローの場合

たとえば、社内の経費申請フローを考えてみましょう。可視化する前は「とりあえずAさんに聞けば教えてくれる」という状態で、Aさんが不在の日は誰も申請を進められませんでした。

このフローを一度書き出してみると、承認者が二重になっている箇所や、確認だけのために存在していたメール連絡があることが分かりました。整理したことで、誰が申請しても同じ手順で進められるようになり、Aさんへの問い合わせも自然となくなっていきます。どの申請がどこで止まっているかもひと目で分かるようになり、催促のための声かけも不要になりました。

特別なことは何もしていません。書き出してみて初めて見えたものに、手を打っただけです。

「書き出す」を、「AIとの対話」に変える

Nulab Flowbase(ヌーラボフローベース)は、AIと対話しながら業務をワークフロー化できるツールです。

やることは、いつも人に説明しているのと同じです。「経費申請って、どうやって進めるんですか」と聞かれたときに答える内容を、普段の言葉でAIに話す。専用の記法を覚える必要も、作図のスキルも要りません。

この違いは、思ったより大きく効いてきます。それぞれの担当者が、自分の担当している業務について話せばいい。誰かひとりが全部署にヒアリングして回り、図に起こす役を背負い込む必要がなくなります。業務のやり方が変わったときも、変わった部分を直すだけ。更新が「作り直し」ではなくなります。

私たちが大事にしているのは、自動化して楽になることだけではありません。書き出すコストが下がることで、可視化が一度きりのイベントではなく、回り続けるサイクルになる。個人の中にしかなかったやり方が、チームで共有でき、更新し続けられる資産に変わっていく。それが、Nulab Flowbaseで実現したいと考えていることです。

Nulab Flowbaseで「業務改善」を始めてみませんか?

ワークフローを可視化することは、それ自体がゴールではありません。属人化していた業務が誰にでも再現できる形になり、ボトルネックが見え、継続的な改善が回り始める。可視化は、そうした変化への入り口です。

Nulab Flowbaseは、対象プランのBacklogをご利用中であれば、追加料金なしでお使いいただけます。詳しくは「Nulab Flowbase 有効化マニュアル」をご確認ください。

まだBacklogを使っていない!という方も、ぜひBacklogの無料トライアルをご利用ください。30日間の無料トライアル期間中、BacklogもNulab Flowbaseもあわせてご利用いただけます。

もし今、「この業務、あの人しか分からないな」と思い当たるものがあれば、まずはその業務について、AIに話しかけてみるところから始めてみませんか。

Nulab Flowbaseの使い方や具体的なユースケースはこちら

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