ヌーラボでは、全部署のタスク管理をBacklogで行っています。開発部門ではもちろんのこと、管理部門のメンバーもフル活用して業務効率化をしています。
定型業務の量が多い管理部門は、実はタスク管理ツールの導入で業務を効率化しやすい部門です。それぞれの部署でどのようにBacklogを活用しているのか、具体的な業務例とともにご紹介していきます。
人事編、労務編、経理編、総務編に続き、最終回となる今回は、広報編をお届けします。日々の発信に関して他部門や社外との確認や連携が欠かせない広報業務において、どのようにBacklogを活用しているのか、ヌーラボの管理部 広報担当 五十川(いそがわ)さんに聞きました。
※所属部署は取材日当時(2022年9月22日)のものです。
目次
ひとりでは完結しない。社内外との連携が必須な広報業務
——ヌーラボの広報業務について教えてください。
一般的に広報業務と言われるものに幅広く対応しています。自社サービスを世に広め、ヌーラボのファンを増やすことが広報担当としての大きなミッションです。
会社やサービスの認知を向上させるために行う「攻め」の広報業務としては、プレスリリース、会社ブログ、SNSでの発信、メディアとの関係構築などがあげられます。また、社内のメンバーにもより深く会社のことを知ってもらうため、社内報の発刊や全社イベントの企画・開催も広報の仕事です。
危機管理をメインとする「守り」の広報業務では、メンバー向けのSNSガイドライン・マニュアル策定や発信に関する勉強会の開催などを行うほか、IR業務のサポートにも携わっています。
——広報ならではの仕事の特徴はありますか?
とにかく、他部署や社外と連携することが多いという特徴があります。広報ひとりでプレスリリースなどのネタを探して発信まで完了することは基本的にありません。
販促に関することならマーケティングチーム、新機能のリリースなら開発チーム、法務に関連することなら管理部門。発信内容によっては社外の方々にも確認を取りながら各施策を進めているんです。
広報のBacklog活用方法
発信情報の広報確認は、課題のテンプレートを活用して漏れなく正確に
——広報業務における、Backlogの具体的な使い方を教えてください!
まずはヌーラボから発信する情報の確認作業での活用です。ヌーラボから発信する情報に関しては、「誤った情報が混ざっていないか」「このタイミングで出すべき内容か」といった観点で広報の確認を挟むことにしています。発信の内容に対して、誰かひとりが責任を追うのではなく、複数の視点でレビューする仕組みにしたいと考え、ヌーラボ社内では「複眼チェック」と呼んでいます。
流れとしては、まずブログ記事やSNS投稿、求人票など確認対象となる原稿、誰がどのような順番で確認するのかを課題の詳細に記載。主には、執筆者以外にファクトチェックをする担当と、広報IR観点でチェックする担当の確認を通すケースが多いですね。複眼チェックが終わったら、発信後にコンテンツのURLを残して、完了となります。
すべてやり取りの履歴が残るので、誰のチェックがいつ終わったのか、どの段階で内容に変更があって最終的なアウトプットに至ったかが後から振り返っても明確です。
課題を起票する際には、執筆者が依頼する際に確認依頼の粒度が揃うように、課題のテンプレートを利用してもらっています。それにより、追加で確認が生じるなどの手戻りもなくスムーズに進められるんです。
また、Backlogで課題の進捗を示す「状態」を工夫しています。標準で設定されている「未対応」「処理中」「処理済み」「完了」の4つの状態に加えて、「ファクトチェック済み」「広報IRチェック済み」という状態を追加しました。さまざまな部署から依頼される複眼チェックの進捗をよりわかりやすく管理できています。
プレスリリース作成は企画に紐づく子課題で。関係者の巻き込みもスムーズに
プレスリリースの作成は、単体の施策ではなく対外的に広めたい企画に対する施策の一つとして取り掛かることがほとんどです。そのため、企画概要を親課題として立て、その中の子課題に位置づけています。
親課題で常に企画の詳細情報をたどれることにより、企画本来の目的に常に立ち返れるんです。広報は「プレスリリースを書く担当」ではなく、各部門の課題解決や目標達成を広報活動で後押しする立場です。Backlogを使うことで、その基本を忘れずに業務にあたれていると感じます。
また、連携をお願いしたい部門の担当者を巻き込みやすいのも助かります。たとえば、2021年の勤労感謝の日に行った「期間限定スター機能」のリリースでは開発チーム、UIUXチーム、サポートチームなど多くの部署とコラボレーションをしながら進める必要がありました。そのような時でも、必要なタスクを子課題に追加しながら、適切な人をアサインしていくことでリリースまでスムーズに進められました。
毎月さまざまな社員に登場してもらう社内報。課題の一括登録で業務を効率的に
社内のさまざまなメンバーに登場してもらう社内報は、制作過程においてとくに関わる人数が多い取り組みの一つです。
月刊で発行しているため、月ごとに親課題を作成、掲載する各企画を子課題として立てています。各企画に対してどのように協力してほしいのか、依頼などのやり取りをBacklogの課題上で行っているんです。原稿の提出、内容のチェック、完成原稿のデザイン業務、最終チェックとそれぞれの工程で担当者が異なるため、ボールを持っている担当者と期限をどんどん変えていきながら、進捗を追うようにしています。
毎月関係者は変わりますが、掲載する企画の枠組みはおよそ同じです。そのため、課題を起票する際にはスプレッドシートによる課題の一括登録を利用しています。
また、完成した社内報はすべてBacklogのファイル機能で公開しています。バックナンバーも同じ場所に格納して、新しく入ってきた方でも入社前の社内報を参照できるようになっているんです。
社内へのルール周知にはWiki機能が最適
情報発信に関する社内ルールなど、全社に周知したいマニュアルを発信する際は、Wiki機能を活用しています。
外部ツールを参照せずともBacklog上でマニュアルを参照できるので、動線を減らせるというメリットを感じますね。
また、BacklogのWikiは、誰がいつ編集したか、更新履歴が残ります。ヌーラボの場合、昨年6月の上場前後にはとくに情報発信のルールを更新することが多かったんです。そのような時に、どのタイミングで誰が変更したかがわかると情報を読む側も安心ですよね。
Backlogが関係者との気持ちの良いコミュニケーションを助けてくれる
——広報業務でBacklogを使うメリットは、どのような点にあると感じますか?
少し抽象的かもしれませんが、関係者に対して「コミュニケーションがやわらかくなる」点がいいなと思います。
他社さんでもたまに聞くのですが、広報はともすると「こういうことを言ってはダメ」「こういう振る舞いはやめてください」などと、社員の行動を制限する立場になりがちです。ただ、会社や個人をリスクから守るために大切な役割を担っている立場でもあります。だからこそ、周りからの理解と協力を得られるようにコミュニケーションを取っていきたいと考えています。
Backlogでは、課題を介していろいろな人とやり取りを行いますよね。メールのように広報担当から社員への依頼、という一方通行ではなく、課題に対してお互いにコメントを入れながら一緒に取り組んでいく、「課題 対 チーム」の構図になるんです。スターで感謝を示せたり、絵文字が使える点もコミュニケーションがやわらかくなる理由かもしれません。
広報は、決して1人では業務を完遂できません。他部門とのスムーズなコラボレーションを実現するうえで、Backlogのありがたみを日々感じています。
——五十川さん、ありがとうございました!
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