仕事をしていると「プロジェクト」という言葉をよく耳にします。この記事では、プロジェクトの意味やタスクとの違いを解説し、プロジェクトマネージャーの役割についても紹介します。
普段耳にする「プロジェクト」について詳しく知ることで、プロジェクトを成功に導きましょう。
目次
プロジェクトとは何か詳しく知ろう
仕事をしていると「新規プロジェクト」や「○○プロジェクト」といった言葉に触れることが多いのではないでしょうか。
ここでは、プロジェクトの意味をおさらいし、混同しがちなプロジェクトとプロダクトの違いを説明します。また、プロジェクトマネジメントやPMBOKについても解説します。
プロジェクトとは何?
プロジェクトとは、事業や業務などのうち、期間や目標といったゴールが定められ、事前に業務開始から終了までの計画をしっかり立てた上で実行されるものを指します。
分かりやすく言うと「目標遂行のための業務」で、その業務を遂行するためのチームを「プロジェクトチーム」と呼びます。
次にプロジェクトの特長を6つ挙げます。
- ひとつの目標を達成するための複数の業務の集合体である
- 目標の規模が、例え小さくても大きくてもプロジェクトと呼ぶ
- 機械やAIで自動で処理するのではなく人の手を介す
- 社内だけではなく、他社や専門家と協力する場合もある
- プロジェクト完了の期限が決まっている
- プロジェクトの開始地点と終了地点が明確である
プロジェクトはほとんどの場合、複数人で取り組み、プロジェクトの途中で進捗管理をします。
このプロジェクトの定義はあくまでも一般的な定義の例です。例えばPMBOKでは、期限があることをプロジェクトとして成立する要件の一つとして定義していますが、この定義が絶対普遍のものではありません。プロジェクトの参加メンバーで、プロジェクトの定義を話し合ってみるのも良いでしょう。
プロジェクトとプロダクトの違いとは
混同しがちな「プロジェクト」と「プロダクト」の違いを説明します。「プロダクト」とは、製品や商品、製作物といった「成果物」のことです。この成果物には、機械や製品といったものだけでなくソフトウェアやアプリ等も含まれます。
語感はプロジェクトと似ていますが、意味は全然違うので間違えないようにしましょう。
プロジェクトマネジメントとは何か
プロジェクトの計画を綿密に決めたり、チームメンバーが順調に業務をこなしているか進捗管理をすることを「プロジェクトマネジメント」(project management)と呼びます。
プロジェクトマネジメント業務をする人は「プロジェクトマネージャー」(project manager)と呼ばれています。
プロジェクトマネージャーの業務は、プロジェクトの進捗管理やチームが抱えている問題の洗い出しから予算とコストの見直し、顧客との調整、チームメンバーのケアなど多岐に渡ります。
目標を達成するために、チームをひとつにまとめることも大きな仕事となります。
PMBOKとは何か
PMBOKとはProject Management Body of Knowledgeのことで、プロジェクトマネジメントに関する知識をまとめたものです。プロジェクトマネジメントに関する要素を体系だてたものであり「どのように管理すればうまくいくか」までは踏み込んではいません。プロジェクトマネジメントのノウハウではないことに注意が必要です。
アメリカの非営利団体PMIが1987年に「A Guide to the Project Management Body of Knowledge」で発表してから知名度が上がり、現在はプロジェクトマネジメントの世界標準になっています。
プロジェクトとタスクの違い
「プロジェクト」と「タスク」は同じような意味だと思っている人も多いのですが厳密には違います。ここではプロジェクトとタスクはどのような関係性があるのか説明します。
タスクとは何か
タスクとは「やるべきこと」という意味です。英語で直訳すると「骨の折れる仕事」なので、何か重い仕事を想像してしまいますが、重い仕事だけでなく、軽い仕事や一瞬で終わるような簡単な仕事もタスクに含まれます。
具体的には「クライアントと予算の打ち合わせをする」といった重い仕事も「○○さんにメールの返信をする」といった軽い仕事も同じ「タスク」です。
プロジェクトとタスクの関係性
プロジェクトは一つの大きな目標達成のために、さまざまな業務を構成して、業務遂行に必要なプロジェクトメンバーを集めて計画するものです。プロジェクトを構築しているさまざまな業務のことを「タスク」と呼んでいます。
多くのタスクを一つひとつ完了させることで、最終的には大きな一つの目標を達成できます。ここからは、タスクが集まってプロジェクトになることを「育成ゲーム開発」を例に具体的に説明していきます。
「育成ゲーム開発」を例にプロジェクトを考えてみよう
プロジェクト「育成ゲーム開発」を想像してみてください。このプロジェクトの最終目標は「育成ゲームを開発して市場にリリースする」ことです。
次に、育成ゲームを開発するには、どのようなタスクが考えられるか細かく挙げていきます。
- どんな育成ゲームが人気があるか市場調査をする
- クライアントとゲーム内容の打ち合わせをする
- 予算を決める
- キャラクターを考える
- デザイナーを決める
- ゲームを開発する
- 正常に稼動するかどうかテストをする
- ゲームをリリースする
など、次々出てきます。
これらのタスクを一つひとつ完了させることで最終的には「育成ゲームを開発して市場にリリースする」という目標が達成されます。
今回は簡単な例を挙げましたが、実際にはもっと細かく、たくさんのタスクがあるでしょう。
このように、プロジェクトとは全体の計画で、タスクとはプロジェクトの中に存在するたくさんの業務を指します。
ちなみに、プロジェクトとタスクの関係は、組織だけではなく個人の意識の中にも存在します。例えば「育成ゲームのキャラクターを決める」というタスクを任されたなら、それを個人の中でプロジェクト化します。
「育成ゲームのキャラクターを決める」というプロジェクトを成功させるためのタスクを考えてみます。
- キャラクターの方向性を決める
- キャラクターのデザインを決める
- デザイナーを選定する
- デザイナーにキャラクター案を送ってもらう
- クライアントにキャラクターを確認してもらう
など個人でできる、無数のタスクが思いつきます。
このようにプロジェクトは個人で遂行することもできますが、一般的にプロジェクトと呼ばれるものは複数人で達成する目標や計画を指します。
プロジェクトの進め方のポイント
プロジェクトマネージャーが重要になる
一つのプロジェクトの目標を達成するためには、多くの人材を集めて、たくさんの業務を遂行し、決められた期限内に終わらせる必要があります。
しかし、全ての業務を個人の裁量に任せてしまっては、品質や納期にばらつきが出てしまいます。そこで重要なのがプロジェクトマネージャーの存在です。
プロジェクトマネージャーとは、その名の通りプロジェクトをマネジメントする人のことです。一般的にはプロジェクトマネージャーがプロジェクトの指揮を執り、プロジェクトメンバーにタスクを振り分けます。
それぞれのタスクを期日までに遂行し、次のタスクを振り分けるといった工程を繰り返しながら最終的な目標達成を目指していきます。
大規模なプロジェクトならプロジェクトマネージャーの管理項目が増えすぎてしまうので、その補助としてプロジェクトリーダーを置いたり、中間管理者を置いたりすることもあります。
プロジェクトマネージャーが不在の場合
プロジェクトマネージャーがいないと、目標達成が遠のく場合もあります。
プロジェクトマネージャーとは、いわば船長のようなもので、地図やコンパスを頼りに船員を目的地まで導いています。
しっかり管理するからこそ、最初に決めた目標や方針に向かって進んでいけるのです。プロジェクトマネージャーが不在では、チームがバラバラになってしまい、最終目標が何か見失ってしまう可能性もあります。
プロジェクトマネージャーがいないと、プロジェクトが遅延する可能性もあります。
プロジェクトが計画通りに進まず、遅延に遅延を重ねてしまえば、その分、人件費や光熱費などのコストがかかってしまいます。
プロジェクトの進め方を間違い、期日通りに完了しないということは、赤字になってしまう可能性が高いということです。
プロジェクトを成功させる秘訣はプロジェクトマネージャーがしっかりと進捗管理をして、チームメンバーを正しい方向に導くことが欠かせないのです。
プロジェクト成功のポイント
プロジェクトを成功させるためのポイントは4つあります。
1.チームとプロダクト(成果物)両方の成長を促す
プロジェクトは社内の人や社外の人も混ざり合い、状況に応じてメンバーが変わります。どんなに技術が高いメンバーが集まっても、コミュニケーションが不十分では力を発揮することができません。
したがって、プロダクト(成果物)そのものだけでなく、チームメンバーも同時に成長させていかなくてはなりません。
2.ゆとりを持たせる
いくら低コストでプロジェクトを遂行したいからといって、カツカツの予算、タイトな納期、最低限の人員でサービス残業に頼って業務をこなす方法では消耗戦になるだけです。
プロジェクトマネージャーは、チームメンバーが心身ともに健康的に働けるように、予算・納期・人員の配置にはゆとりを持たせる必要があります。
3.チームメンバーが高く意識を持つ
プロジェクトマネージャーはチームを導くのが仕事ですが、プロジェクト自体はチームメンバーで成功させなくてはなりません。そのため、チームメンバー一人ひとりが「私がしっかり遂行しなくては」という意識を持つことが大切です。
4.「人」を大切にする
最も大切なポイントは「人」を大切にすることです。クライアントも、プロジェクトメンバーも、プロジェクトに協力してくれる人も、つまるところ「人」になります。
プロジェクトメンバーや委託先のスタッフを家来のように扱っては人望を失ってしまいます。みんなで協力して目標達成のために業務をこなすことが大切です。
ツールの選び方のポイント
優れたプロジェクト管理ツールの活用ができれば、プロジェクトマネジメントの精度が上がります。
プロジェクトはたくさんの人が関わっています。どんなに努力をしても人はミスを犯します。
ちょっとした見積もりのミスや発注ミスで赤字になったり、進捗管理のミスで納期に間に合わなくなったりと、小さなミスが大きなダメージにつながることもあります。
さまざまなプロジェクト管理用のツールがありますが、プロジェクトマネジメント専用のツールを導入すると、手軽にプロジェクト管理ができます。
ツールを選ぶときのポイントは、プロジェクトによって管理する対象や項目が異なることを考慮して、管理項目が自由に追加、削除できるツールを選ぶことがポイントです。
例えば、プロジェクト管理ツールのBacklogはこのような機能が備わっており、効率的にプロジェクト管理ができます。
プロジェクトマネジメントでチームを成功に導こう
プロジェクトの計画を綿密に決めたり、チームメンバーが順調に業務をこなしているか進捗管理をしたりする人を「プロジェクトマネージャー」と呼びます。
プロジェクトを構築しているさまざまな業務を「タスク」と呼び、タスクを遂行することでプロジェクトが完成します。
プロジェクトマネージャーは、チームとプロダクト(成果物)を成長させることが必要です。
プロジェクト管理ツールを取り入れて効率的にプロジェクトマネジメントを行うと良いでしょう。
ヌーラボではプロジェクト管理ツールのBacklogを提供しており、さまざまな事例があるので、ぜひ参考にしてください。
こちらもオススメ:
プロジェクト管理とは?目的や項目、管理手法について徹底解説! | Backlogブログ
プロジェクト管理の基本や主な項目を紹介。CCPMやWBSなどのプロジェクト管理の代表的な手法やプロジェクト管理全体の流れを解説。これからプロ…
backlog.com