工程表とは？作り方やエクセル・ツール・アプリの活用術を解説！テンプレート例つき

工程表は、プロジェクトや作業を円滑に進めるために欠かせない計画管理ツールです。工程ごとの作業内容やスケジュールを可視化し、納期の遅延や作業の重複といったトラブルを未然に防止できます。

本記事では、工程表の種類や作り方、そしてエクセルやツールの活用方法を詳しく解説します。実際の業務で使えるテンプレート例もご用意しました。最後には工程表の作成に役立つ「Backlog」の魅力も紹介します。

効率的で精度の高い工程管理を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。プロジェクト成功のためのヒントがきっと見つかるでしょう。

工程表とは？目的や概要

工程表とは、プロジェクトや作業の進行を時系列で計画・管理するための表です。業務の各段階を細かく分解し、作業の開始日や終了日、担当者、進捗状況を明示します。

工程表を作成する目的は、プロジェクトの全体像を整理・可視化し、管理と共有を可能にすることにあります。工程表があれば「今どの作業を進めているのか」「次に何をするのか」を誰でも把握することが可能です。納期遅延や作業の重複といったリスクの低減にもつながるでしょう。

また、工程表は建設業や製造業だけでなく、ソフトウェア開発やマーケティング計画など幅広い分野で役立つツールです。プロジェクトの規模や目的に応じて柔軟に設計でき、スムーズな進行や効率的なリソース配分を支援します。

工程表と行程表の違い

「工程表」と「行程表」は同じ読み方をしますが、意味や用途は大きく異なります。

工程表は作業の手順や進捗状況を管理するための表です。プロジェクト全体を俯瞰し、スムーズな進行や効率化に役立ちます。

一方、行程表は、移動や旅程のスケジュールを示す資料です。主に移動経路や時間、交通手段などを記載します。全体の流れを把握するには適していますが、細かな作業単位の管理には向いていません。

両者を混同すると、管理方法の誤りや混乱を招くおそれがあります。プロジェクトの目的に合わせて、正しく使い分けるようにしましょう。

工程表を作成するメリット・効果

工程表を作成する最大のメリットは、プロジェクトの進捗状況を可視化できることです。関係者が共通認識をもって作業を進められるようになり、次のような効果が期待できます。

• 納期を守りやすくなる（納期遵守）
• トラブルの発生や対応遅れを防げる（リスク低減）
• 無駄をなくし工期を短縮できる（業務効率化）
• 人員・資源を最適に配分できる（コスト最適化）

工程表はプロジェクト管理の透明性を高め、効率的な業務推進を実現するツールです。ここからは、それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

納期を守りやすくなる（納期遵守）

工程表では、各段階の開始・終了時期を明確にし、スケジュールを細かく設定します。

進捗状況を関係者間で共有することで、納期に対する意識が高まり、優先順位の調整もしやすくなります。

さらに、全体の進捗を可視化できるため、遅れが生じた工程を早期に発見し、納期を守りやすくなるのが特徴です。

トラブルの発生や対応遅れを防げる（リスク低減）

工程表を活用すれば作業全体の流れを把握でき、トラブルの発生や対応の遅れを防ぎやすくなります。作業間の依存関係も明確にできるため、順序の調整や予備日の設定など、必要に応じた柔軟な対応が可能です。

また、関係者間で情報をスムーズに共有できることで、トラブル発生時にも迅速に連携しやすくなります。想定外のトラブルによる停滞を最小限に抑えられるのも大きなメリットです。

無駄をなくし工期を短縮できる（業務効率化）

工程表を使って各工程の作業内容とスケジュールを可視化すれば、重複作業や待機時間の無駄を削減できます。並行して進められる工程を見極め、担当者やリソースを適切に割り当てることで工期の短縮が可能です。

優先すべき作業やリソースの使い方も整理できるため、全体の工期を短縮しながら、生産性の向上にもつなげられます。

人員・資源を最適に配分できる（コスト最適化）

工程表で各作業の工数や担当を明確にしておけば、過剰な人員配置や資材の重複発注を防止できます。必要なリソースを的確に配分できるため、人件費や資材費の削減につながるのがポイントです。

また、プロジェクト全体のリソース状況を見渡せることで、急な人員不足や資材不足にも柔軟に対応できます。資材や設備の使用タイミングも調整でき、無駄な待機や余剰在庫を減らすことが可能です。結果として、コストの最適化を実現できるでしょう。

【テンプレート例つき】工程表の種類｜メリット・デメリットを比較

工程表には以下のように複数の種類があり、それぞれ特徴や使用目的が異なります。

各工程表にはそれぞれメリット・デメリットがあります。プロジェクトの規模や目的に合わせて、最適な形式を選ぶことが重要です。ここからは、各工程表の特徴と活用に適した場面を詳しく見ていきましょう。

1. バーチャート工程表

バーチャート工程表は、縦軸に作業項目・横軸に作業時間（日数）を設定し、バー（棒グラフ）で作業期間を表す形式です。担当者や開始日・終了日も入れると見やすくなります。

もっとも基本的な形式で、工程全体の流れを直感的に把握しやすいのが特徴です。エクセルや手書きでも簡単に作成できるため、建設現場の内装工事やイベント運営の準備など、小規模プロジェクトに適しています。

ただし、工程間の関連性がわかりにくいという課題があります。依存関係が多い大規模プロジェクトでは、進捗管理が難しくなる点がデメリットです。

2. ガントチャート工程表

ガントチャート工程表は、縦軸に作業項目、横軸に進捗率を配置し、各作業の進行度合いを横棒で示す工形式です。横軸には期間（時間軸）をとり、各作業の開始日・終了日を記載したソース、作業の期間を示すこともあります。

複数の工程を並行して管理できるため、進捗の可視化に優れ、プロジェクト管理の標準的な手法として広く利用されています。また、バーチャート形式と同様にエクセルでも簡単に作成できる点も魅力です。

一方で、ガントチャートでは工程間の依存関係を詳細に表現することが難しい場合があります。工程数が多い大規模プロジェクトでは、ネットワーク式工程表との併用を検討するとよいでしょう。

3. グラフ式工程表

グラフ式工程表は、縦軸に進捗率、横軸に工期・日時を配置し、各工程の進行を折れ線や斜線で示す形式です。バーチャートとガントチャートの長所を併せ持ち、作業ごとの進捗を視覚的に把握できるのが特徴です。

作業間の関係性や遅延の影響範囲も見えやすいため、生産管理・品質管理など大規模で複雑なプロジェクトに適しています。

ただし、作成や更新に手間がかかり、正確に描くには慣れが必要です。詳細なスケジュール管理には適していません。必要に応じてガントチャート工程表と併用するのが効果的です。

4. 出来高累計曲線（工程管理曲線）

出来高累計曲線（工程管理曲線）は、縦軸に出来高（進捗率）、横軸に期間をとり、許容限界曲線（※）を描く形式です。バナナ曲線とも呼ばれています。進捗の遅れや前倒しなど、プロジェクト全体の進捗傾向を把握するために用いられます。

計画と実績を客観的に比較できるため、早い段階でリソースの再配分やスケジュール調整を行えるのがメリットです。ただし、個別作業の詳細までは把握できないため、現場レベルでの進捗確認や細かな工程管理には向きません。

（※）許容限界曲線には、上方許容限界曲線と下方許容限界曲線があります。前者はスケジュールを先行して進められる許容範囲、後者はスケジュールが遅れても許容できる範囲を示しています。

5. ネットワーク式工程表

ネットワーク式工程表は、プロジェクトの作業をノード（点）で表し、矢印で依存関係を示す形式です。作業の前後関係を正確に把握できるため、大規模で複雑なプロジェクト管理に最適です。

特に、クリティカルパス（最重要経路）を明確化できる点が大きな強みです。最も時間がかかる作業やリスクの高い工程を把握することで、効率的な工程管理や工期短縮につなげられます。

ただし、作成・修正には専門知識が必要になります。チームで共有する場合は専用のソフトウェアを活用するとよいでしょう。

見やすい工程表の作り方のコツ

工程表をチーム全員で共有し、日々の業務に活かすためには、見やすさを重視して設計することが大切です。以下のようなポイントを重視し、誰でも直感的に理解できる工程表を作成しましょう。

• 担当者の明確化
• 視認性の向上
• 情報の整理
• 休日情報の管理
• 時間単位の切り替え

ここからは、見やすい工程表の作り方のコツを詳しく解説します。

担当者の明確化

担当者を明確にすることで、責任範囲の曖昧さを防ぎ、作業遅延やタスク抜けを防止できます。工程表の作成では、各タスクに対して誰が責任を持つのかをはっきりさせることが重要です。

具体的には、工程表の中に「担当者」欄を設け、氏名や部署を記載する方法が一般的です。複数人で担当する場合は主担当とサポート担当を分けて記載すると、トラブル発生時の対応も迅速になります。

視認性の向上

工程表は、誰にとっても直感的に理解できるわかりやすさが大切です。表やグラフを色分けしたり、マイルストーンを太字で強調したりすれば、必要な情報をひと目で確認できます。

また、大人数で共有する場合は、できる限り専門用語を避け、一般的な用語を使うのがポイントです。視認性の高い工程表は現場での意思疎通を円滑にし、伝達ミスや作業の重複防止にもつながります。

情報の整理

情報を整理して配置することで、誰が・何を・いつまでに行うのかを正確に把握できます。工程表には多くの情報が含まれるため、カテゴリ別に分けて管理することが大切です。

特に「タスク名」「担当者」「開始日・終了日」「進捗率」など、必要最低限の情報に絞ると見やすさが向上します。情報過多になると全体像を把握しにくくなります。判断ミスや作業遅延の原因になるので、用途に応じて情報を取捨選択しましょう。

休日情報の管理

正確なスケジュールを立てるには、休日・祝日を反映した現実的なカレンダー設定が欠かせません。休日を考慮しない工程表では、実際の納期とズレが生じるリスクがあります。

特に建設業や製造業の現場作業員にとっては、必要な情報だけを簡潔に把握できることが重要です。休日の情報を表示・非表示で切り替えられる工程表なら、現場の実態と工程計画のズレを防ぎ、より現実的なスケジューリングが可能になります。

さらに、休日情報を自動で反映できるエクセルテンプレートやツールを使えば、管理の手間を大幅に削減できるでしょう。

時間単位の切り替え

工程表は、プロジェクトの規模や性質に応じて時間軸を柔軟に切り替えられる設計が理想です。日単位・週単位・月単位など、目的に応じて粒度を変えることで、管理の精度が向上します。

例えば、長期プロジェクトでは月単位で全体を把握し、週単位で進捗を確認、日単位で作業内容を細かく管理するといった多層的な方法が効果的です。

プロジェクトの特性に合わせて時間単位を切り替えることで、より現場の進行状況に即した工程管理が可能になります。

エクセルを使った工程表の作り方

エクセルを活用すれば、特別なツールを導入しなくてもすぐに工程表を作成できます。ここからは、エクセルを使った工程表の作り方を、次の3つの視点から解説します。

• エクセルで工程表を作成するメリット・デメリット
• エクセルのテンプレートを使って無料で作成する
• エクセルで工程表を一から作成する簡単な手順

エクセルは手軽で柔軟性が高い反面、プロジェクトの規模が大きくなると管理・共有が煩雑になるという課題もあります。まずはその特徴を理解し、必要に応じて工程管理ツールとの併用も検討しましょう。

エクセルで工程表を作成するメリット・デメリット

エクセルなら、導入コストをかけずに工程表を作成できるのが最大のメリットです。関数や条件付き書式を活用すればカスタマイズも可能です。進捗状況を自動で色分けしたり、休日を自動的に反映したりと高機能な工程表を作成できます。

一方でエクセルはリアルタイムで情報共有をしづらく、最新版のファイル管理が難しいのがデメリットです。また、大規模プロジェクトでは、管理が複雑になることもあります。チーム管理には不向きなので、専用ツールと組み合わせて活用するのがポイントです。

エクセルのテンプレートを使って無料で作成する

エクセルで工程表を作成する際は、テンプレートの活用が便利です。テンプレートを使えば、基本レイアウトや自動計算式があらかじめ設定されており、初心者でもすぐに実践できます。

テンプレートの主な活用メリットは次の通りです。

• 無料で利用でき、作成時間を短縮できる
• 自社業務に合わせてカスタマイズ可能
• 表計算ソフトの関数や条件付き書式で自動的に進捗を可視化できる

一方で、複数人による同時編集には制約があり、更新にタイムラグが発生しやすい点に注意しなければなりません。 チーム全体での管理には、Backlogのような専用ツールを活用するのがおすすめです。

エクセルで工程表を一から作成する簡単な手順

エクセルで工程表を一から作成する場合は、まず全体の作業工程をリストアップし、タスクを順序立てて並べることから始めましょう。次に以下の手順でエクセルに必要な情報を入力していきます。

1. 新規ワークシートを開く
   1. 新しいシートを作成し、ファイル名を「工程表_プロジェクト名」と設定します。
2. 日付や期間を入力する
   1. 列に日付（横軸）を、行に作業項目（縦軸）を配置します。
3. タスクや作業項目を入力する
   1. 作業名・担当者・開始日・終了日・進捗率など、必要項目を記載します。
4. 作業期間を示すバーを作成する
   1. セルを塗りつぶして作業期間を視覚化します。関数を使えば日付変更にも柔軟に対応可能です。
5. 条件付き書式で進捗を色分けする
   1. 進捗率に応じてセルの色を変えることで、完了・遅延状況をひと目で把握できます。
6. 見やすくレイアウト調整する
   1. 担当者名・メモ欄・休日設定などを追加し、全体を整えます。

工程表を作成する際は、はじめから複雑な表を作成しようとせず、シンプルな構造からスタートし、徐々に機能を追加していくことが重要です。

工程管理アプリやツールの活用で業務を効率化

エクセルは簡単で柔軟に使える一方で、リアルタイム共有・進捗通知といった面では限界があります。 チームでの共同作業や複雑なプロジェクトには、専用の工程管理アプリやツールの導入が効果的です。

クラウド型の工程管理ツールなら、複数人で同時に編集・閲覧できます。最新の工程表をリアルタイムで共有します。ガントチャート機能やタスク管理機能が標準搭載されているため、エクセルよりも直感的に進捗を把握できるのもメリットです。

なかには、通知機能やファイル共有機能でコミュニケーションまで一元化できるツールもあり、情報の遅延や齟齬を防止できます。ツールによって操作性やカスタマイズ性が異なるので、費用対効果を考慮して選ぶことが大切です。

また、ツールによっては通知機能やファイル共有機能も備わっており、コミュニケーションを一元化させられます。情報の遅延や齟齬を防止し、コミュニケーションコストの削減にもつながるでしょう。

工程表の作成に「Backlog」がおすすめな3つの理由

Backlogは、チームで協力しながら作業を進められるプロジェクト管理ツールです。以下のような特徴があり、スムーズな工程管理を実現します。

• ガントチャートで進捗を可視化できる
• 直感的な設計でチーム全員が使いやすい
• リアルタイムに更新できる

Backlogを使えば、エクセルによる工程管理で起こりがちな情報のズレや更新遅延を防ぐことが可能です。ここからは、工程表の作成に役立つBacklogの魅力を詳しく解説します。

ガントチャートで進捗を可視化できる

Backlogのガントチャート機能では、各タスクの開始日と終了日を時系列で表示でき、進捗状況を直感的に把握できます。作業の遅延や前倒しの状況がひと目でわかるため、早期にスケジュール調整やリソース配分の見直しが可能です。

また、表示設定を変更すれば、担当者別の進行状況や優先タスクの確認も容易になります。プロジェクト全体の進捗も関係者間で可視化できます。管理者とチームメンバー共に作業計画の共有をスムーズに進められるでしょう。

参考：ガントチャート | 機能 | Backlog

直感的な設計でチーム全員が使いやすい

BacklogはシンプルなUI・UXを備えており、初めてでも迷わずにタスクの追加や進捗更新が可能です。直感的に操作できる設計なので、エンジニアだけでなくデザイナーや営業など多様な職種が混在するプロジェクトにも適しています。

また、タスクの状態は視覚的なインターフェースですぐに把握できるため、チーム全員が同じ情報を共有しやすくなるのもメリットです。

リアルタイムに更新できる

Backlogはクラウド型サービスなので、どこからでもアクセスでき、メンバー全員がリアルタイムで最新の工程状況を把握できます。進捗の変更やコメント追加も即時に反映されるため、タイムラグが発生する心配はありません。

また、お知らせ機能を活用すれば、関係者に自動で通知が飛びます。これにより変更や更新の見落としリスクも軽減できます。

一斉に最新情報を確認しながら作業を進められるので、複数プロジェクトの横断管理にも最適なツールです。

Backlogの導入事例｜エクセルの工程表からの移行で作業コストを削減

Backlogを導入し、エクセルでの工程表管理から脱却することで、作業コストを大幅に削減した企業の事例を紹介します。

業務用家具メーカーの株式会社アダルでは、これまでエクセルを使って家具製作の工程表を管理していました。しかし、データ修正や更新のたびにファイルのやり取りが発生し、メールや電話での確認作業にも多くの時間を費やしていました。その結果、業務効率の低下や情報共有の遅延が課題となっていたのです。

課題解決のためにBacklogを導入したところ、ガントチャートで進捗状況を可視化できるようになり、エクセルでの工程表作成や修正にかかっていた時間を大幅に削減できました。さらに、コメント機能や通知機能により、1日20件以上発生していたメール連絡が不要になりました。

現在では、部門をまたぐプロジェクトでもBacklogを活用しており、生産性とコミュニケーションの質が大幅に向上しています。

Backlogで工程表を作成し、スマートな工程管理を実現しよう

工程表を作成すれば進捗状況を可視化でき、業務効率化や納期の遵守につながります。

工程表はエクセルでも作成できますが、大規模なプロジェクトや多人数の連携管理には専用ツールの活用がおすすめです。Backlogは多機能なガントチャートや直感的な操作性を備えており、工程表の作成から進捗管理、共有まで一元化できます。

ほかにも以下のような機能を標準搭載し、工程管理はもちろん、チームのコラボレーション向上にも有効なツールです。

＜基本的な機能の一覧表＞

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