evmとは何?アーンドバリューマネジメントを知ってプロジェクト管理にいかそう

evmと聞くと、何だか難しく取っ付きにくい印象があります。しかし、もしもあなたがプロジェクトのリーダーならば、evmを知ることでプロジェクト管理に生かすことができます。この記事では、evmの意味やアーンドバリューの概念について解説し、evm手法について分かりやすく説明します。

evmについて知ろう!

evmとは何?アーンドバリューマネジメントを知ってプロジェクト管理にいかそう
「evmと言われても、何のことだかさっぱり分からない」という人も多いでしょう。英字だと難しい印象を受けますが、意味を知ると簡単に理解できます。まずはevmとは何か勉強しましょう。

evmとは何か

evmとはEarned Value Management(アーンドバリューマネジメント)の略称です。プロジェクトを「何時間かかるか」という時間ではなく、「人件費や労力はいくらか」というコストで進捗管理する手法です。プロジェクト管理を行うプロジェクトリーダーにとっては必要な知識で、プロジェクトマネジメントにおいて進捗管理を行う手法の一つです。目標への到達度を金銭といった価値に変換したEV(Earned Value:アーンドバリュー・出来高)という概念で考えます。

evmはプロジェクトが計画通りにスムーズに進行しているかを期間ごとの計画値(PV)や出来高(EV)、実績値(AC)を積み上げ折れ線グラフ表示にして管理します。計画値と出来高や実績値を比べることが大切で、スケジュールの進捗具合やコストのかかり具合が把握できます。

アーンドバリューの概念

アーンドバリューの概念は、米国国防総省(DOD: Department of Defense)で1963年に最初に導入されました。後に米国国防総省はアーンドバリューの概念を整え、C/SCSC(Cost Schedule Control System Criteria)として1967年にまとめました。その後、evmの概念は米国エネルギー省(DOE: Department of Energy)に採用され、一気に広がりを見せ、現代に至ります。

evmがプロジェクト管理に有効な理由

evmをプロジェクト管理に取り入れれば、進捗具合とコスト管理の両面でプロジェクトが今どのような状況になっているかを一目で把握することができます。万が一納期や予算が厳しい状況になってきたときに、出来るだけ早く問題解決へのアクションを起こすことができれば「納期に間に合わない」「赤字になった」などの最悪の事態は回避できます。evmから得られる情報からは、納期やコストを客観的に把握できるので、プロジェクトマネージャーが正しい判断で素早い行動に移ることが可能です。

evm手法の考え方を知ろう

「マークダウン記法」を知る
evm手法の考え方の基本は、ズバリ「コスト」です。プロジェクト管理を「時間」ではなく「コスト」で考えることができれば、客観的に進捗管理ができます。

進捗管理の単位を時間ではなくコストにするとどうなる?

進捗管理をするときの単位はどのように決めていますか?ほとんどの場合「時間」で決めていることが多いですが、単位を「時間」ではなく「コスト」にするとメリットが大きいです。例えば、チームメンバーから「明後日までには終わります」「作業量が多くて締切を少しオーバーしそうです」などといった時間を軸にした報告を受けた場合、抽象的過ぎて進捗具合を客観的に把握できません。報告を受けたプロジェクトリーダーも「じゃあ明後日までに終わらせてね」「締切をどれくらい延ばせばいい?」など、主観的でぼんやりとした返事しかできないでしょう。

もしも進捗管理の単位をコストにすれば「明後日までに終わらせるには残業が必要。残業にかかる人件費は○○円」「納期をオーバーした場合の損害は○○円」と客観的に把握できます。プロジェクトで最終的に求められるのは、コストを抑えて最大限の利益を出すことです。そのため、コストを重視した進捗管理が大切です。

アーンドバリュー分析の考え方

ここでは、アーンドバリュー分析の考え方を分かりやすく解説します。まずプロジェクト全体をできるだけ細かいタスクに分割しましょう。次にそれぞれのタスクにかかる予算やコストの見積もりを行います。これをプロジェクトのスケジュールに基づいて積算した計画値(PV:Planned Value)とします。プロジェクトが開始したあと、ある時点で完了したタスクの予算コストの合計を出来高(EV:Earned Value)で表します。その時点のEVとPVの差がプロジェクトの計画と実際のスケジュールの差異(SV:Schedule Variance)となります。更に、その時点までに投入した機材や人材といった実際にかかったコストの積算値(AC:Actual Cost)も算出しましょう。ACとPVとの差がプロジェクトの計画と実際のコストの差異(CV:Cost Variance)となります。

アーンドバリュー分析では、現時点までにかかったコストやスケジュールの進捗状況を客観的な尺度で把握することができます。また、プロジェクト計画とのズレがどの程度発生しているかを捉えられるので、完成するまでの総時間や総コストも予測することが可能です。コスト予算やスケジュール管理の観点から、プロジェクトの進捗具合を客観的に捉えるアーンドバリューマネジメントが出来れば、より効果的なプロジェクト管理ができるでしょう。チームメンバーに対しても「このままじゃ遅れそうだから頑張って」などといった抽象的な指示ではなく「今のままでは予算が○○万円オーバーしている上に、計画が遅れているから、もう一度体制を見直そう」といった具体的な提案をすることができます。

基本となる5つの指標を知ろう

evmの基本となる5つの手法

アーンドバリュー分析の考え方で触れたEV(出来高)、PV(計画価値)、AC(実コスト)、SV(スケジュール差異)、CV(コスト差異)についてそれぞれ詳しく解説していきます。この5つの指標はevmを理解するにあたって非常に重要なキーワードです。ここでは「1ヶ月でホームページを開設するプロジェクト」という例を基に解説していきます。

EVとは出来高のこと

EVとはEarned Valueの略称で「出来高」のことです。EVは現時点での成果の実績値です。例えば「ホームページを開設するにあたって、1日から15日現在までの出来高は○○円」というように、日にちを限定し、出来高を積算します。作業の到達度を時間という概念ではなく、金銭的な価値に換算する考え方で、大変重要な指標です。

PVとは計画価値のこと

PVとはPlanned Valueの略称で「計画価値」のことです。PVもevmで使用される指標で、計画時に見積もられた予算で特定の時点までに完了すべき作業の総予算コストの合計です。例えば「ホームページを開設するにあたって、1日から15日までにかかると考えられる予算が○○円」というように、人件費などのコストを予想して概算するのです。

ACとは実コストのこと

ACActual Costの略称で「実コスト」のことです。ACは、特定の時点までに投入された実際のコストの合計値になります。例えば「ホームページを開設するにあたって、1日から15日までに実際にかかったコストは○○円」と算出するのです。もしも業務の一部を外注したなら外注費、メンバーが残業をしたら残業代など、全てのコストを合算します。AC(実コスト)に対するEV(出来高)の比率をCPIと呼び、指標としてよく利用されます。CPIとはCost Performance Indexの略称で「コスト効率指数」のことです。

SVとはスケジュール差異のこと

SVSchedule Varianceの略称で「スケジュール差異」のことです。SVはEV(特定の時点で完了した作業の出来高)と、PV(プロジェクトを計画したときに予想されていた、予算コストの合計)の差になります。基本的な指標の一つでEVからPVを引いたもの、すなわち「EV-PV」という計算式で表されます。計算の結果がプラスならスケジュールは早く進んでいる、マイナスなら計画より遅れていることが分かります。例えば、「ホームページを開設するにあたって、1日から15日現在までの出来高(EV)が100万円」「ホームページを開設するにあたって、1日から15日までにかかると考えられる予算(PV)が50万円」なら「EV-PV=50万円」になるので、計画は早く進んでいると言えます。

CVとはコスト差異のこと

CVCost Varianceの略称で「コスト差異」のことです。CVはAC(特定の時点までに投入された実際にかかったコスト)と、EV(特定の時点で完了した作業の出来高)との差です。基本的な指標の一つで、EVからACを引いたもの、すなわち「EV-AC」で表されます。計算の結果がプラスならその時点までのコストは予算内であり、結果がマイナスなら予算をオーバーしていることが分かります。例えば、「ホームページを開設するにあたって、1日から15日現在までの出来高(EV)が100万円」「ホームページを開設するにあたって、1日から15日までに実際にかかったコスト(AC)は120万円」なら「EV-AC=-20万円」になり、マイナスになってしまうので予算内に収まっていないことが分かります。

プロジェクト管理をするならevmを知ろう

evmとはアーンドバリューマネジメントのことでした。プロジェクトを時間ではなく、コストで進捗管理する手法です。アーンドバリューは1963年に最初に導入された歴史ある概念で、プロジェクト管理には欠かせない考え方です。アーンドバリュー分析にはEV(出来高)、PV(計画価値)、AC(実コスト)、SV(スケジュール差異)、CV(コスト差異)の5つの指標があるのでそれぞれの意味をしっかりと理解しましょう。evmをプロジェクト管理に取り入れれば、プロジェクトの状況を一目で客観的に把握することができます。効果的にプロジェクト管理が出来るので、納期内、予算内にプロジェクトを成功させることができるでしょう。

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記事の監修
砂川 祐樹

Backlog開発チームで開発を担当する傍ら、プロジェクト管理について噛み砕いて解説する入門サイト、サルでもわかるプロジェクト管理入門サルでもわかるバグ管理入門の制作に携わった他、プロジェクト管理を楽しく学べるボードゲーム「プロジェクトテーマパーク」を制作。プロジェクト管理を身近なものとして広めるヌーラボの活動に関わっている。


記事の作成
Backlog編集部


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