プロジェクト管理者になったら進捗管理がマスト!生産性向上に繋がる手法とは

プロジェクトを成功に導くには、進捗管理を上手に行い、生産性向上を目指すことが重要です。この記事では、進捗管理とは何かを徹底解説し、プロジェクト管理者なら知っておきたい進捗管理のメリットに迫ります。進捗管理を効率的にするための手法や、チームメンバーとどのように協力していけば成功に近付くかを、詳しくご紹介します。

プロジェクト成功の鍵は進捗管理

プロジェクト管理者になったら進捗管理がマスト!生産性向上に繋がる手法とは
どのようなプロジェクトや製品開発でも、納期内に商品やサービスを完成させることは、とても重要です。確実に納期に間に合わせ、プロジェクトを成功に導くには、進捗管理がポイントになってきます。

進捗管理とは何か

進捗管理とは、プロジェクトにおける作業計画と、実際の進捗具合がズレていないかどうかを管理することです。英語では「progress management」と言います。プロジェクトでは定期的に進捗管理を行い、スケジュール通り進捗していない場合は、スケジュールの見直しや、作業内容の変更を行います。スケジュールが遅れ納期に間に合わない場合、信用や売り上げを失ってしまうこともあるので進捗管理は重要です。

製造業や、システム開発を行うIT業界では、進捗管理は品質管理の一環として扱われることが多いです。進捗状況が管理できていなければ品質管理を正しく行うことは難しく、品質管理が正しく行われていないと、システム障害や、リコールを引き起こす原因となってしまいます。会社の信用だけでなく、余分な人件費や時間などもかかってしまい、会社にとっては致命的なダメージになってしまうのです。そのため、業界に関わらず、進捗管理を行うことは会社にとって重要なことなのです。

進捗管理のメリット

進捗管理を行うメリットは主に「優先すべきものが分かる」「作業やスケジュールの把握ができる」「問題を早期発見、早期解決できる」の3つです。それぞれの利点を具体的に見ていきましょう。

優先すべきものが分かる

進捗管理を行う上で、必然的にどの作業を先に取り組むべきかという優先順位について考えることになります。プロジェクトに取り掛かるときに、優先順位の低いものから取り組んでいては効率的とは言えません。プロジェクトを効率的に進めるためには計画の時点で「どの作業から行いどれを優先するべきか」を可視化させ、作業工程を明確化する必要があります。作業工程とそれに必要な人材を洗い出し、それを踏まえて計画することは生産性向上に繋がる重要な過程です。チームメンバーも優先順位の高い作業から着手できれば仕事の効率化が図れます。

作業やスケジュールの把握ができる

一つのプロジェクトを複数人で受け持つことは珍しくありません。進捗管理をすれば、チームメンバーが現在抱えている作業量や遅延状況も一目で分かります。それによって、特定のメンバーに偏っている仕事の負荷を減らしたり、遅延しているメンバーをフォローしたりなど、アクションを取りやすくなります。

問題を早期発見、早期解決できる

プロジェクトを進行していく中で、何かトラブルが生じた場合、プロジェクト管理者が中心となって解決していかなくてはなりません。進捗会議(MTG)でチームメンバーと定期的にコミュニケーションをとっていれば、現在の進捗具合の他に潜在的な課題などに気づける場合があるので、進捗会議(MTG)は定期的にすることをおすすめします。

プロジェクト管理者には進捗管理能力が求められる

プロジェクト管理者には、チームメンバーが効率良く仕事を進められるようにサポートするスキルが必要です。管理者に進捗管理能力が備わっていないと、納期に間に合わなくなってしまったり、チームメンバーの進捗具合が分からなくなってしまったりするからです。
プロジェクト管理者は、常に納期やチームメンバーの進捗具合を確認しつつ、同時に、進捗を加速するためには何ができるか、進捗が芳しくない時にどうリカバリーするかを考えながら、メンバーそれぞれのタスク管理を行う必要があります。

進捗管理をするときに押さえておきたいポイント

進捗管理で抑えるポイント_プロジェクト管理者になったら進捗管理がマスト!生産性向上に繋がる手法とは
「進捗管理をしたいけど、どんなことに気をつければいいの?」と悩んでいる人もいるでしょう。進捗管理を成功させるには大きく分けて「タスクの明確化・適度な細分化」「定期的な進捗会議」「進捗管理ツールの導入」の3つが重要です。それぞれ解説していきます。

タスクを明確化・適度に細分化する

基本的にプロジェクトは「タスク①が終わったらタスク②、その次はタスク③」というように、いくつかの工程を踏まえて続きます。例えば「タスク①~③」をまとめてざっくりと管理していては「タスク①」が終わったのかどうかも、「タスク③」はいつから始めたら良いのかも、全く分からず、気付いたら納期に間に合わないという事態になってしまいます。

そのため、タスクは適度に細分化して管理する必要があります。どこからどこまでが「タスク①」なのか、どこからが「タスク②」なのかを明確にして、それぞれのタスクを「完了」「未完了」で分類すれば、残っているタスクがすぐに分かります。

「いつまでに」「何を」やればいいのか明確んいして、チームメンバーが混乱しないようにタスク管理をするのが進捗管理のコツです。

進捗会議を定期的に行う

プロジェクトの進捗状況やチームメンバーの仕事量などは、プロジェクト管理者だけが把握するのではなく、チーム全体で共有するべきです。そのためには、定期的に進捗会議をすることが重要です。チーム全体が「今どの程度作業が終わっていて、あとどれくらい残っているのか」「問題をかかえているメンバーはいないか」などを進捗会議で確認し合えれば、チームの生産性向上に繋がります。万が一重大な問題が起きていたとしても、早期発見・早期解決をすることもできます。

ただ、働き方が多様化している現代「遠方のスタッフや在宅勤務の社員がいて、定期的に集まるのは困難」という場合もあるでしょう。進捗会議は顔と顔を合わせて行うことができればベストですが、それが出来ない場合はチャット会議やビデオ会議などで対応しましょう。重要なのはチームメンバー全員の意思疎通です。

進捗管理ツールを導入する

効率的に進捗管理をするなら専用の管理ツールを使うのがおすすめです。進捗管理にかける予算があれば、有償のツールやアプリを使いましょう。予算が無いなら無料のフリーソフトを使ったり、エクセルで自作したりするという手もあります。

チームメンバーと協力して進捗管理を成功させよう

チームメンバーと協力する_プロジェクト管理者になったら進捗管理がマスト!生産性向上に繋がる手法とは
進捗管理はプロジェクト管理者一人の力では上手くいきません。チームメンバーと協力してこそ、スムーズに進捗管理を行うことができます。ここではチームメンバーと協力するために重要なことをご紹介します。

信頼関係を構築する

チームメンバー内の信頼関係が十分に構築されていないと、プロジェクト全体の雰囲気が悪くなります。人間関係がギスギスしていると「分からないことがあるけど、周りに聞きづらい」「作業が間に合わなさそうだけど、ヘルプして欲しいなんて言えない」など、チームメンバーを頼ることが出来なくなります。その結果、聞けば一瞬で解決するようなことを自分で何時間も調べたり、作業量が負担で過剰な残業をして体調を崩したりなど、結果的に作業効率がダウンしてしまう事態が発生します。

お互いに気分良く助け合える雰囲気を作ることができれば、上記のようなことは起こらず、安心して仕事に集中できる職場になります。「そう言われても、どうやって信頼関係を築けば良いのか分からない」という人は、まずはチームメンバーに笑顔で接することから始めましょう。基本的なことですがとても重要です。いつも不機嫌な表情をしていたら、チームメンバーが萎縮し、質問や相談をしづらい雰囲気になってしまいます。また、もしチームメンバーがミスや間違いをしたとしても一方的に責め立てるのではなく、上手にカバーし2度とミスが起こらないように建設的な話し合いや指導をしましょう。

職場内の信頼関係が構築されていれば、チームメンバーが「進捗が悪いから、誰かにヘルプして欲しい」「今、余裕があるからもっと作業を請け負えそう」といったことが自然に言えるようになります。結果的に生産性向上に繋がり、納期に間に合わせることができるのです。

チーム一人一人の状況や性格を把握する

チームメンバーには、それぞれが持つ性格やプライベートの事情があります。プライバシーに配慮した上でそれらを把握し、タスクを振り分けることが進捗管理成功の近道です。

たとえば、納期に対する意識が薄いメンバーに対して、タスク完了のデッドラインを取引先に商品を渡す納期日当日にしてしまったと仮定しましょう。そうすると「のんびり仕事をしていたら、残務量が思ったよりも多くてタスクが完了できない」という事態になった場合、納期に間に合わなくなるかもしれません。このようなトラブルを防ぐためには、そのメンバーにはギリギリのデッドラインではなく、余裕を持たせたデッドラインを提示するなど、個人の性格に合わせた進捗管理を行うことが大切です。

ほかにも、細かい部分でミスが多い人に対しては、タスクの中に「見直し」を追加したり、真面目過ぎて作業に必要以上に時間をかけたりする性格の人には「やらなくていい仕事」を教えてあげた上で、作業効率を上げるよう導くと良いでしょう。

チームメンバーの中には、子育て中や介護中、定期的に病院に通っているなどの事情を抱えている人もいるでしょう。その事情を知らないで、作業量の負荷が多いものを担当させたり、早朝や夜間も対応しないといけないような仕事を任せたりしては、チームメンバーの負担が大きくなり、作業が遅れがちになってしまいます。チームメンバー1人1人と面談を行って、どの程度の作業量なら滞りなく終わらせることが可能か、どれくらいの時間をかけられそうかのすり合わせをすることが、進捗管理成功のポイントです。

適材適所に配置する

人にはそれぞれ向き・不向きがあります。効率よく仕事をするには、チームメンバーを適材適所に配置するのが一番です。例えば、新規のゲームアプリを開発するにあたって、コストを抑えるために専門外の業務(営業)も兼務させる場合を想像してみましょう。「プログラミングが専門領域で、コミュニケーション能力も高く、交渉が上手いAさん」と、「プログラミングやデータ入力のスキルは高いが、人と接するのが苦手なBさん」の2人がいた場合、明らかに「Aさんをディレクション兼プログラミング担当」「Bさんを専任のプログラミング担当」に任命した方が効率が良いです。万が一逆にしてしまっては、チームメンバーのストレスにもなりますし、作業にも時間がかかってしまいます。進捗管理にはチームメンバーの適材適所への配置も忘れてはいけません。

進捗管理がプロジェクト成功の命運を分ける

プロジェクトを納期内に終わらせるためには進捗管理が大切です。
定期的に進捗会議を開いてチームメンバーの状況を把握し、もしも問題があれば解決に努めましょう。チーム全体の雰囲気を良くし、個人の性格や状況を考慮した上で適材適所に配置すれば、作業効率もアップしプロジェクトが成功に近づきます。

タスク管理、ファイル共有もできるプロジェクト管理ツールBacklog

記事の監修 砂川 祐樹

Backlog開発チームで開発を担当する傍ら、プロジェクト管理について噛み砕いて解説する入門サイト、サル先生のプロジェクト管理入門サル先生のバグ管理入門の制作に携わった他、プロジェクト管理を楽しく学べるボードゲーム「プロジェクトテーマパーク」を制作。プロジェクト管理を身近なものとして広めるヌーラボの活動に関わっている。

記事の作成
Backlog編集部


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