【漫画10選】ヌーラボの社員が厳選するチームワーク・コミュニケーション・プロジェクト管理を学べる漫画を紹介

4月から新年度がはじまり、新しいチームに配属されたり、チームリーダーに任命されたりプロジェクトマネージャーを任される方も多いでしょう。

「新しいチームで上手にコミュニケーションする方法を知りたい…」

「チームワークって何からはじめるべき?」

「プロジェクトマネジメントってどう進めれば良いの?!」

その不安やお悩みを解決するヒントを、あなたの身近にある「漫画」で見つけてみませんか?

本記事では、タスク管理・プロジェクト管理、ビジネスチャットなどのコラボレーションツールを開発しているヌーラボの社員が本気で厳選した、チームワークやコミュニケーションを学ぶのに最適な「漫画」を10冊をご紹介します

組織づくり / チームワークを学ぶ

■ あらすじ

ジャズに心打たれた高校3年生の宮本 大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。

出典:Amazon

■ ヌーラバー的な見所

世界一のジャズプレイヤーを目指して、高校生の主人公、宮本大が奮闘する物語です。「仲間あつめにはリーダーの芯の強さが重要」と気づかせてくれる漫画です。

それを象徴するシーンに、主人公がジャズメンバーの参加を断られたフランス人に本音を伝える場面があります。この会話では、主人公が相手の強みをしっかりと見きわめて、相手の強みと良さを言葉でまっすぐ伝えます。これがきっかけで相手が翻意して、メンバーに加入するのですが、自分の理想をつたえて仲間を共鳴させることは難しいことであると同時に、シンプルであることに気づかされます。

また、主人公の凄まじい努力に心を打たれて、チームがまとまっていくのですが「技術力の高いメンバーを惹きつけるには、まずは自分自身が魅力的な存在になければならない」という事実に、心を打たれました。
(Backlog カスタマーサクセス)

■ あらすじ

アオき原石よ、「Jユース」で飛翔せよ!愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに―――。そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!?将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!

出典:Amazon

■ ヌーラバー的な見所

アオアシは、田舎出の主人公が名門ユースチームのストライカーとしてプロ入りすることを夢見て、敏腕監督のもとで挫折を経験しながら成長していく物語です。

この漫画では、チームに理念や行動を浸透させる上で「考える」ことの重要さを学べます。それを象徴するのに印象的なシーンとして「真摯に考え続けていたら、だんだんそれが染み付いて、考えなくても自然とできるようになる。だからガンバレ」というのを、ヒロインが応援してくれる場面があります。

サッカーに限らず、個人やチームに一度染み込んだ理念や行動は、いずれ考えなくても無意識にできるようになるでしょう。KPTで言うと、最初はKeepに掲げていちいち意識しないと続けられなかったことが、だんだん当たり前になってくるイメージです。

なお、主人公の名前は「青井葦人」で、「人間は考える葦である」や漫画タイトルの「アオアシ」は、そこにかけているものと思われます。
(Backlog 課長)

■ あらすじ

A.D.1600天下分け目の関ヶ原・・・敵陣突破の撤退戦”島津の退き口””捨てがまり”で敵将の首を狙うは島津豊久!生死の狭間で開いた異世界への扉・・・。

出典:Amazon

■ ヌーラバー的な見所

ドリフターズは織田信長、ジャンヌ・ダルク、土方歳三、ハンニバル・バルカなど、時代も国も超えた歴史上の偉人たちが壮絶なバトルを繰り広げる、異世界転生アクション漫画です。

かなりぶっ飛んだ設定ですが、圧倒的なカリスマ性を有する偉人たちによって編成されたチームは、個が立ちつつも、独特なチームワークを築いていたり、うまい具合にパズルのピースがハマっていたりと「調和」をしているから不思議です。それを象徴するシーンに、軍の参謀役である信長が敵の挑発に乗り理性を欠き、不利な状況に置かれるシーンがあります。そこで、信長は同じ軍の特攻隊長、島津豊久に「な〜にしてんだオメェ」と横から突然頭をはたかれます。信長は激怒……するかと思いきや、この “ツッコミ” を受けたことで、理性を取り戻し、いつもの冷静さで軍を立て直します。

私はこの「ツッコミ力」こそ、これからのチームや組織に必要だと考えています。チームのリーダーだから必ずしも正しい判断ができるわけではない。間違っていることがあれば、ポジション関係なくお互いに「ツッコミ合っていく」。ただし、気をつけないといけないのは、ツッコミ合うためには、信頼関係が不可欠ということ。

日頃からお互いの仕事に関心をもち、サポートしていくことで信頼感は醸成され、ツッコミ合える関係になっていきます。こうした向き合い方は、自律した組織やチームを形成していく上で欠かせないのではないでしょうか。

レビューを書いていたらまた読みたくなってきました!皆さんもGW中にぜひ読んでみてください!ゾンッッ!
(ヌーラボ テクニカルライター / 漫画部 部長)

コミュニケーションを学ぶ

■ あらすじ

小学生の頃テレビで観た光景に、つばさは心を奪われた。それは甲子園のアルプススタンドで、熱い声援を送るブラスバンドの姿だった。いつか私もあの場所に――。憧れと希望を胸に入学したブラバンの名門・白翔高校。だが、つばさはブラバン初心者! 同級生の野球部員・山田くんの励ましを支えに、いま小さな一歩を踏み出す――。

出典:Amazon

ヌーラバー的なマンガの見所

名門吹奏楽部に初心者で入部した女の子(主人公)と野球部の男の子の恋愛もの少女漫画。なのですが!けっこうスポ根が入っている青春漫画です。

部員がみんな目標にむかってひたむきに努力していて、それゆえにメンバー同士でぶつかってしまうこともあるのですが、そんなときの誠実な会話のやりとりや、お互いを思いやる行動などに心が動かされます。パートメンバーと心を一つにするために、お互いの良いと思っているところを言い合う場面があるのですが、この「相手の強みを認め合う」というのは、チームビルディングの手法としてワークショップでもよく取り入れられますよね。

また、主人公の好きになった男の子の関わり方も見逃せません。本人以上に主人公の夢の実現を信じて応援し続け、優しく、厳しく、主人公にとってよきメンターとして働きかけしてくれます。そりゃあ惚れてしまいます。(確信)

チームメンバーと信頼関係を築くためのコミュニケーション方法やメンタリングを青空エールからは学べますね。
(Backlog カスタマーサポートマネージャー)

あらすじ

『アイドルマスター シンデレラガールズ』に新たな輝きが紡がれる。小さなアイドル達と小さな新人プロデューサーが贈る新しいシンデレラストーリー、開幕!!

出典:Amazon

ヌーラバー的な見所

過去にプロデューサーとアイドルのコミュニケーションが何度か失敗している部署に、新しいプロデューサーが配属されて物語がはじまります。プロデューサーに対して多少の不信感を持ったアイドルたちが、徐々にコミュニケーションの取り方やコラボレーションの仕方を学んでいくところが見所です。

特に印象的なシーンは、失敗したときにプロデューサーとアイドルが協力して、逆に信頼関係を構築していく描写ですね。他にも、プロデューサーがそれぞれのアイドルにあわせたアプローチを考えて行動していくところも見所です。プロデューサーとアイドルの間に年齢差がありつつも、子供扱いしせずに個人としてちゃんと認めて、性格を観察した結果このアプローチを取ったのだ、という納得感があるシーンが多く、こうした姿勢はマネージャーやリーダーがチームのコミュニケーションを円滑にするために必要なスキルですね。

また「チームで改善しながら仕事する」ことも丁寧に描かれています。第5巻の市原仁奈回はその点を味わいながら読み進めてみると、とても面白いと思います。

別件でアニメのシンデレラガールズの方は失敗も含めてチームビルディングの良い教科書です。
(Backlog エンジニア)

プロジェクトマネジメント / タスク管理を学ぶ

あらすじ

小学生のときから、成績はずっとオールA!几帳面でマジメな“エーちゃん”は、高校進学を機に軽〜い気持ちでテニススクールに通い始める。そこで、ちょっぴりいい加減!?でも、テニスに懸ける情熱だけはマジメな美少女“ナツ”と出会い、テニスの魅力に取りつかれて人生激変!!

出典:Amazon

ヌーラバー的な見所

特別な才能がなく圧倒的経験不足な高校1年生の主人公が、周りと比べて遅いスタートながらも、最終的にプロテニスプレイヤーを目指す話です。

この漫画は几帳面な性格の主人公が目標を達成するための努力や考え方が、プロジェクトマネジメントのタスク管理・ロジカル思考・ステークホルダーの巻き込み方などの考え方にもつながる内容になっています。

なかでも見どころは、感覚的なことが求められるテニスを自分なりの論理で分析してオリジナルノートにまとめたり、そのノートを使って対戦相手に勝つための道筋を模索したり、不足している能力を分析し補おうとする姿勢など、プロジェクトを成功させるために必要な要素が詰まっています。

また目標達成できなかったときのリカバリーの考え方や両親というステークホルダーを説得する場面なども、プロジェクトマネジメントに求められる要素の参考になるとおもいます。
(ヌーラボ フロントエンドエンジニア)

7. 東京トイボックス 全2巻 / 大東京トイボックス 全10巻  (バーズコミックス)

著者:うめ(小沢高広・妹尾朝子)

■ あらすじ

東京・秋葉原の弱小ゲーム制作会社、スタジオG3。社長は「面白いゲーム」を作ることに全てを掛ける男・天川太陽。東京・大手町の大企業のキャリアOL、月山星乃。その仕事ぶりは誰もが認めるやり手。そんな二人がある日最悪な出会いを果たし、そのうえ月山がG3を立て直すべく出向させられることに!!「売れるゲーム」を求める月山と理想を追求する太陽、そして大手ゲーム会社による画策。働くオトナたちの青春を描く熱血ゲーム業界物語。「大東京トイボックス」へと続く原点、ここにスタート!

出典:Amazon

■ ヌーラバー的なマンガの見所

小さなゲーム会社の社員が一丸となって、ゲーム制作に関する様々な障害を乗り越えていく熱いお話しです。

チームワークはもちろん、プロジェクト管理やタスク管理の”教訓”も学べます。仕様をコロコロ変更するディレクターに疲弊するチームメンバーを描いた姿が漫画の中にたびたび出てきますが、これを逆から見れば、失敗するプロジェクトマネジメントの教訓”とも捉えられます。

でも、みんなが夜通しでプロジェクトに対して言いたいこと言い合ったり、最後はチーム一丸となって走りきったりするのがすごく気持ちの良い漫画で、エンジニアをはじめとした、ものづくりにたずさわる人たちに知って欲しいことが詰まった漫画です!

また、ちょっと恋あり、政治あり、社会人を経験した人であれば誰しもが味わう挫折も共感できるポイントです。
(Typetalk プロダクトマネージャー)

コラボレーションを学ぶ

8. ダイの大冒険 (ジャンプコミックス)全37巻

原作:三条陸
漫画:稲田浩司

あらすじ

モンスターが平和に暮らすデルムリン島。その島で唯一の人間・ダイは、魔法が苦手だが勇者に憧れている少年。ある日、島を訪れた“勇者育成の家庭教師”アバンに才能を認められ、ダイは勇者になる特訓を開始! だが、そこへ復活した魔王が出現し!?

出典:Amazon

■ ヌーラバー的な見所

最初は未熟な主人公が師の意思を受け継いで仲間と協力して強大な敵を倒していくという王道ストーリーですが、味方も敵もクセのある魅力的なキャラクターばかりで、王道ファンタジー・竜族・必殺技・かっこいいオヤジ・四天王・覚醒などのワードが琴線に触れる方には是非読んでいただきたいです作品です。

魔法名や設定などはドラゴンクエストをベースにした世界観なので、ドラクエをなんとなく知っている方であればすんなり入ることができると思います。敵と呼ばれるキャラクターも、信念に基づいて行動している姿がふんだんに描写されていたり、死闘を繰り広げた敵が仲間になったり、お荷物キャラだった仲間が欠かせない存在に成長したり、ブチ切れたお父さんに本当の意味で雷を落とされたりしながら、毎章毎章、胸が躍る最高のコラボレーションを見ることができます。

ちなみに全巻セットを2セット持っていた私の推しキャラは、陸戦騎ラーハルトと竜魔人化してない時のバランです。
(ヌーラボ マーケター)

9. キングダム (ヤングジャンプコミックス)57巻〜

原作:三条陸
漫画:稲田浩司

■ あらすじ

時は紀元前――。いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は、500年の大戦争時代。苛烈な戦乱の世に生きる少年・信は、自らの腕で天下に名を成すことを目指す!!2013年、第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞!

出典:Amazon

ヌーラバー的な見所

キングダム、古代中国の春秋戦国時代末期を舞台とする主人公・信(しん)を中心とした時代劇。2006年から連載が始まり、アニメ化され、実写映画にもなった人気コミックです。

非常に魅力あふれる将軍たちが多く描かれ、読んでいて面白い。リーダーシップにあふれ、自身が先頭を切り、チームを率いる。そういうリーダーが多く出てくるため、リーダーにあこがれるビジネスパーソンたちに多く読まれている納得の一冊となっています。このような魅力あふれる将軍について語るのではなく、主人公・信こそが実は不確実な現代におけるリーダーとしてのあるべき素質を持つ人物ということに触れてみます。

主人公・信は、飛信隊(ひしんたい)と呼ばれる自身の隊を率い、先頭を切って戦場に立つタイプ。ただ戦術に対してはずば抜けているわけではありません。キングダムは50巻以上も発売されていますが、中でも印象に残るのが第12巻。

戦局が不利になった状況で、飛信隊の老兵が副将に対して「このままここで戦っていてもらちがあかんぞ。そこでじゃよ…」というシーンがあります。
この老兵によれば、隊を2つに分離し敵の虚をつく、という方法が有効だと説明します。それを副将が納得して、隊を率いる信に進言します。副将の説明を聞いた信も反論しますが、その後の説明で納得します。そして、納得したことをすぐに実行します。

これはいわゆるリーダーシップが突出した組織では、聞き入れられないことでしょう。
組織の誰もが発言できる組織。発言しやすい風土を持った組織。こういう組織でないと、何か言っても怒られてしまうという「心理的な安全性」が確保されない状況であるためそもそも組織のメンバーによる発言は積極的に行われません。

突出したリーダーが役に立つという時もあります。それは、時代の流れが一つの方向に定まっている場合。
今の不確実性の高い現代においては、多くの人の意見を取り入れ環境の変化に柔軟に対処できるようにしておくことで、組織が生き残る確率は高まります。生物の生存確率をあげる方法をみると、同じように不確実性に対処できるような戦略を取り、種の保存確率をあげているようです。

環境の変化に柔軟に対処できる戦略を立案できるようにする方法は、コンティンジェンシー戦略といわれます。
市場環境が目まぐるしく変化する時代において、コンティンジェントな組織を作る、つまり発言しやすい「言ってもいいという安心感」を熟成しておくのは今のリーダーのあるべき姿かもしれません。

歴史マンガ「キングダム」。キングダムから学ぶことはいろいろとありそうです。新型コロナウイルスで家で過ごすことが増えた今、じっくりと読むといいかもしれませんね。
(ヌーラボ 経営企画室室長)

ダイバシティ(多様性)を学ぶ

■ あらすじ

待ってろドラゴン、ステーキにしてやる!九井諒子、初の長編連載。待望の単行本化!ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう! 」スライム、バジリスク、ミミック、そしてドラゴン!!襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、ダンジョンの踏破を目指せ!冒険者よ!!

出典:Amazon

ヌーラバー的な見所

食べ物の好みや異国の食文化の受け入れ具合って生まれ育った環境や価値観に左右されがちですよね。日本では当たり前に食べているものでも海外では珍しかったり、その逆もあったり。

ダンジョン飯はファンタジー作品で定番のモンスターの生態を論理的に考察して、それに基づき「いかに調理すれば美味に食べられるか」を主眼に置いた作品で、食事という視点から一種の多様性を感じれる作品になっています。登場する種族も複数存在していて、共通語という言語でコミュニケーションをとりつつも、それぞれ固有の言語や文字を持っていたり、種族ごとに特徴的な外見や生態系があったりと様々な世界観で構築されているため、価値観や倫理観の違いなど多様な考え方を感じれるところがオススメです。

またそういった異なる種族同士でパーティを組みダンジョンへと進み、数多の苦難を乗り越えながらもお互いの信頼感を高め合い価値感を認めあっていく様子はチームビルディング的な要素も含まれていて見どころ満載です。
(ヌーラボ フロントエンドエンジニア)

総評「漫画からビジネス(チームワークやコミュニケーション)を学ぶことの良さ」について
漫画評論家 山内康裕 氏

漫画評論家 山内康裕さん漫画評論家 山内康裕 氏

プロフィール:2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、“マンガ”を軸に施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。「さいとう・たかを劇画文化財団」理事、「これも学習マンガだ!」事務局長、「東アジア文化都市2019豊島」マンガ・アニメ部門事業ディレクター、「立川まんがぱーく」コミュニケーションプランナー等も務める。共著に『『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方(集英社)』、『人生と勉強に効く学べるマンガ100冊(文藝春秋)』等。

多様な切り口からマンガを楽しむ

今回、記事で選ばれたマンガは切り口が多様で、同じカテゴリーにおいても違った観点から楽しめる作品が並んでいます。両作品を読むことで、より幅広い学びにつながるでしょう。

例えば、チームワークで紹介した2作品は、チームのそもそものあり方に違いがあります。『BLUE GIANT』では、登場人物がそれぞれプロのプレイヤーとして自分のスタイルを持っています。メンバー全員が「専門家」としてのチーム作りです。一方、『アオアシ』の主人公はフォワードからサイドバックへポジションが変わったように、「ポリバレント(複数のポジションをこなせる選手)」な存在。個人の役割を絶対的に固定化はせず、戦う相手に合わせた環境対応型のチームと言えます。属している業界や組織に応じてウェイトは変わりますが、どちらも参考になるでしょう。

コミュニケーションを学べる作品として紹介された『青空エール』と『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』の舞台は、部活動とアイドル業界。前者が同じ目的を持った仲間との、フラットな関係であるのに対し、後者はアイドルとプロデューサーという上下関係のある、縦のコミュニケーションになります。現実世界でも、同僚・上司によってコミュニケーションの取り方が大きく変わるように、両作品からもそれぞれ違った角度からコミュニケーションの取り方を学べます。

プロジェクトマネジメントにおいては、プロジェクトの成功が何を指すのかによって過程は大きく変わります。『ベイビーステップ』の目標は、テニスの試合に勝つということ。ゴールが明確にあるため、何が不足しているのかを分析して、少しずつ成功・勝利を積み上げていきます。一方、『大東京トイボックス』の目指しているものは、新しいものを創造すること。プロジェクトの納期を厳守しながら、チームで「いいゲームを作る」ためには、どんなマネジメントが必要になるのかを作品を通じて考えられます。

ビジネスにおけるコラボレーションの多くは、単独では成し得ない創造的成果を、複数の人や組織の協働によって生み出すことを目的として行われます。目的を達成するために、かつての敵とも手を組む展開が熱い『ダイの大冒険』はある意味、個人同士のコラボレーション。国や部族間で共通の敵に勝つために同盟を結ぶ『キングダム』は組織間のコラボレーションといえます。どちらの作品も、お互いの力を認めあい得手不得手を理解したうえで、チームとして「1+1=2」以上の力を発揮していく作品です。

『ダンジョン飯』は、それぞれの利害が一致したメンバーがパーティーを組んでダンジョンに挑み、その過程の副産物としてダンジョンでの食事を楽しむ作品です。作中では、食事シーンなどを通じて、一人ひとりの価値観や楽しみの違いを理解し合う様子が描かれます。ビジネス上で個人の価値観や考え方が違った時でも、主目的達成のために、尊重しあい折り合いをつけるのかを考えるヒントになるかもしれません。

「マンガ」と「ビジネス」の相性がいい3つの理由

娯楽として楽しむだけではなく、ビジネスを学ぶ指南書にもなるマンガ作品。マンガでビジネスを学ぶことを勧める理由は3つあります。

まず、ビジネス書と比べて物語性が強いことで読み始めるハードルが低く、のめり込んで読み進められることが挙げられます。ビジネス書の多くの場合は、「何かを得たい」といった強い目的がないと、話になかなか入り込めない一面がありますし、興味が薄いパートは読み飛ばしてしまうことも多々あります。一方、今回紹介したようなストーリーマンガの場合は、物語がメインになるため、読者は登場人物への共感から作品世界に入り込めます。主人公に自分を重ね合わせ、困難な状況や喜びを追体験でき、知らないうちに学んでいけるという良さがあります。

次に、アニメや映画などの動画コンテンツと比べた場合、マンガは自分のペースで楽しめるという利点が挙げられます。忙しいビジネスパーソンは、時間を確保するのもなかなか難しいもの。動画コンテンツは視聴者に一定の時間をコンテンツに費やすよう強制する力が強いですが、マンガの場合は、自分のスピードで読み進められるため、隙間時間で作品を享受できます。また、作品を繰り返し読みやすく、自分でめくって読むという能動的な行為からも、当事者性として作品に入り込み、より腑に落ちやすくなるとも考えられます。

3つ目の理由として、ここ数年のマンガ業界の状況が挙げられます。マンガが実写化やドラマ化されるようになり、リアリティーのある作品が増えてきています。昔は「マンガみたい」といえば、荒唐無稽なものだというイメージが強くありました。最近ではフィクション作品であっても、心情描写にリアリティーがあり、ビジネスに活かせるマンガが、昔に比べて格段に増えてきています。

マンガは娯楽としてだけではなく、少し観点を変えれば、様々な学べる要素があります。マンガをあまり読んでいないという方も、そして普段マンガをよく読んでいる方は改めて、ビジネスを「学べる」という視点で作品を読んでみてはいかがでしょうか。

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