プロジェクト全体を可視化!ガントチャートでプロジェクト管理をするメリットを解説

プロジェクトマネージャーがプロジェクト全体管理に有効な手段が「ガントチャート」です。たとえば、取り組む仕事に対してマネージャーは締切を逆算して「確実に達成するために何が必要なのか」の行動を分解する必要があります。

全体を管理して、同時進行する複数のプロジェクトの関連性を客観的に見えるカタチにするために、誰が、何を、いつまでに、この三つを可視化したスケジュール表が「ガントチャート」です。

本記事では、プロジェクト管理に役立つ「ガントチャート」の特長、ガントチャートを作る際に欠かせないWBS、ガントチャートを導入するメリットについて解説します。初めてガントチャートの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ガントチャートの概要と3つの特長

ガントチャート(Gantt chart)」とは、縦軸をタスク、横軸をカレンダーとした表に、タスクごとの開始日から終了日までの横線を加えたものです。この表で今日の日付の列に縦線を引くと、現在進行しているはずのタスクを表す横線と交わり、現時点の進捗がどの程度なのかを簡単に把握できます。

ガントチャートでプロジェクト全体を可視化する

プロジェクトマネジメント用ソフトやアプリで、ガントチャート作成機能がついているものも多いです。簡単なものでしたらエクセルなどでも作成できます。

ガントチャートを導入する前に、知っておきたい3つの特長を紹介します。

関連機能: ガントチャート | 機能 | Backlog

プロジェクトの全体像を把握できる

ガントチャート最大の特徴は、チーム全体のタスクが項目別に分かれているため、プロジェクトメンバーが一見するだけで現状の把握が出来ることです。

ガントチャートを導入して見通しの良いプロジェクトを作成する

チーム全体のスケジュール管理ができる

ガントチャートには担当者と作業内容、開始日と完了予定日が可視化されており、全体のスケジュール管理が容易になります。一見するだけで誰が何をいつまでに完了させるのか分かるので、進捗状況も把握しやすくなります。

さらにガントチャートはチーム全体で共有するので、作業の効率化やプロジェクトの生産性を高める上でも効果的です。万が一、タスクの遅れやトラブルがあったときも、ガントチャートを見れば一目瞭然なため瞬時に対応できます。

チームワークや全体の足並みをそろえることは、プロジェクトの進行に重要な要素です。そのため、常に全体像を把握できるガントチャートを導入することは、大きな安心感にもつながるでしょう。

スムーズな情報の共有ができる

プロジェクト進行中には様々な出来事が起こり、スケジュール通りの進行が難しくなる場合があります。

例えば、プロジェクトメンバーの欠員、タスクの遅延、納期の延長などが発生した場合には、プロジェクト内容の見直しや、変更する必要が出てきます。

急なプロジェクト内容やスケジュールの変更が起きた場合も、ガントチャートを見ればすぐに最新の情報を共有することができ、最終的なプロジェクトの納期遅延なども事前に防止できます

さらに、ガントチャートは年単位の長期プロジェクトから日単位の短期プロジェクトまで、さまざまなプロジェクトに活用できます。プロジェクトの内容や期間、メンバーの人数などを選ばずにスムーズな情報共有に使えるのも、ガントチャートの特徴です。

参考: プロジェクト管理とは?目的や項目、管理手法について徹底解説!

ガントチャートで欠かせないWBSとは?

プロジェクトの目的と成功基準の設定など、大まかなアウトプットの成果物を考えるときに便利なのが、WBS(ワークブレークダウンストラクチャー)と呼ばれるタスクをツリー型にする方法です。このWBSとはプロジェクトに含まれる成果物や作業を階層化して分解したものです。

つまり、WBSは最終アウトプットを生み出すまでに、どんな中間成果物が必要であり、そのためにどんな作業が必要なのかを明らかにする手法といえるでしょう。

WBSを導入する目的

WBSには「100%ルール」といわれる重要なルールの存在があり、これがWBSを導入する目的ともいえます。例えば「子の要素を全て足すと、親の要素に等しくなる」というものです。

つまりWBSに含まれていないものは、プロジェクトの「範囲外」ということになるので、プロジェクトで扱うものは、全てWBSに含まれる必要があります。

とはいえ、企画段階でWBSをすべて詳細に決めることはむずかしいため、初期の段階で大切なことは、大まかなアウトプットを決定し、プロジェクトの範囲を定めることです。そのため、WBSもレベル1~3ぐらいまで大まかに分解しておけば十分でしょう。

ガントチャートとWBSの違い

ガントチャートとWBSの違いに混同するかもしれませんが、WBSはタスクを階層的に要素分解したものであり、ガントチャートを作成する前の準備作業ともいえるでしょう。

つまりプロジェクト達成するためにWBSで想定されるタスクを洗い出して、そのタスクをレベルごとに細分化し、そのタスクをガントチャートで縦軸にした表にするのです。つまり、WBSとガントチャートはプロジェクトを進行させるために両方必要な作業といえるでしょう。
スケジュールや作業進捗の共有・可視化を目的として使われる工程管理表のことです。

ガントチャートを使う3つのメリット

実際にガントチャートを導入すると、プロジェクトのどんな場面で活用できるのか、主な3つのメリットを見ていきましょう。

ガントチャートを導入するメリットとは

プロジェクトの納期がひと目で分かる

ガントチャートではそれぞれのタスクにも完了日を設定するので、プロジェクト全体の納期も一目でわかります。プロジェクトのメンバー同士だけでなく、クライアントにどこまでプロジェクトが進行しているのかも伝えやすく、多くの関係者と納期を共有できるメリットがあります。

プロジェクトの進行状況がわかる

プロジェクトには複数人が関わっていますが、ガントチャートを導入すれば自分のタスク管理だけでなく、他のメンバーの進行状況も確認出来ます。

他のメンバーの進行状況をプロジェクトマネージャーも把握できるので、プロジェクトが順調に進んでいるか判断し、必要に応じた計画変更や調整がしやすくなるのもメリットのひとつです。

ファイルや情報共有など、他の機能が活用できる場合がある

ガントチャートには、スケジュール管理以外の機能がついているツールもあります。

例えば、ファイル共有やメッセージ機能がある「Backlog」などのツールを使用すれば、プロジェクトマネージャーからメンバーへ、ファイルを楽に共有することやメッセージによる指示出し、フィードバックなどのコミュニケーションが可能です。

ガントチャート作成時に機能をつけたり、機能によってツールを選んだりすると、より円滑にプロジェクトを進行するツールとして活用できます。

Backlogの「ガントチャートでできること」については機能紹介ページからご確認ください。

ガントチャートの使い方

実際にガントチャートを導入した後、チーム全体でどのように使えば良いのか迷う人も多いです。次に、導入後の効果的なガントチャートの使い方を解説します。

ガントチャートの項目は適切に

プロジェクトマネージャーは、予定通りにプロジェクトが進まない場合には、タスクの割り当てを見直さなければいけません。プロジェクト開始時期から細かくタスクを割り当てガントチャートを埋めすぎると、縦長になり見づらくなるので注意しましょう。

逆に空欄がありすぎると、ガントチャートが有効に機能しないことがあります。プロジェクトマネージャーは個々に割り当てるタスクは優先順位を決めて、適度に決定すると良いでしょう。

チーム全体の作業を把握

プロジェクトの円滑な進行には、チームワークも重要な要素と言っても過言ではありません。そもそも、ガントチャートはチーム全体の状況を可視化し、プロジェクト進行の作業効率を高めるためにあります。さらに、ガントチャートによってプロジェクトが可視化されると、タスクごとに各メンバーの進捗状況が分かり、チームワークを高めるのにも効果的です。

スケジュール調整

プロジェクトマネージャーは、ガントチャートを見ながらプロジェクトの進捗管理をすることで、スケジュールを調整しやすくなります。万が一、作業の計画変更をしなければならない事態になっても、あらかじめ進捗状況を管理しているため、最小限の計画やスケジュール変更のみで良い場合も多いです。

緊急時のトラブル対応

プロジェクトの進行中に、「急にメンバーが作業できなくなった」「実際に稼働してみたら人手が足りない」などの不測の事態が発生することがありますが、ガントチャートを使っていると、新しいタスクの追加や共有がすぐにできるため、緊急時もすぐに対応できるメリットがあります。

ガントチャートを活用した事例記事

キリンホールディングス株式会社様


KIRINのICT活用における企画機能を担っているキリンホールディングス株式会社の情報戦略部DXP(デジタルエクスペリエンスプラットフォーム※)チームでは、2021年からプロジェクト・タスク管理にBacklogを活用しています。

ガントチャートは開発プロジェクトにおける進捗を管理する際に活用。各課題の始まりから完了までをメンバーが把握し、課題に紐づいたガントチャートでマイルストーンまで活用し、プロジェクトの進捗管理を行っています。

キリンホールディングス株式会社様の事例全文はこちら

株式会社マネーフォワード様


法人向けバックオフィスSaaSサービス「マネーフォワード クラウド」や、個人向けのお金の見える化サービス「マネーフォワード ME」をはじめ、個人のお金の悩みや不安の解決に向けた新サービスの提供や開発を進めている同社は2020年秋から、カスタマーサクセス業務にBacklogを導入。

会計ソフトを変更する際のデータ移行が最も大きな作業です。その移行スケジュールをお客様とすり合わせる際にガントチャートを活用しています。Backlogを導入するまではメールで確認しており、綿密なコミュニケーションが取れていませんでした。しかし、Backlog導入後にガントチャートを利用したことで、情報が可視化されてコミュニケーションの解像度が大きく上がりました。

株式会社マネーフォワード様の事例全文はこちら

まとめ

ガントチャートの最大のメリットは、「プロジェクト全体を可視化」できることです。

ガントチャートを取り入れることで、プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの効率化を驚くほど実感できるでしょう。ぜひガントチャートを導入して、プロジェクト管理、スケジュール管理、作業の進捗把握や情報共有を行い、円滑なプロジェクトの進行に役立ててください。

Backlogの「ガントチャートでできること」については機能紹介ページからご確認ください。

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