テレワークではお互いが働いている様子が見えないことから、仕事をサボろうと思えばサボることができてしまいます。オフィスワークからテレワークへ移行したことで社員のサボりが常態化し、パフォーマンスが下がるのは避けたいところです。
今回は、テレワークでのサボりを防ぐ方法について解説します。管理職・部下それぞれの視点から解説していますので、テレワーク時の課題解決にぜひ役立ててください。
目次
テレワーク中の「サボり」をどう捉えるべきか
テレワーク時の「サボり」をどう防ぐべきか?という議論を耳にしたことがある方は多いでしょう。まずはテレワーク時のサボりをどう捉えるべきか、管理職・部下それぞれの視点から整理しておきます。
管理職は部下のサボりに不安を抱えている
管理職にとって、担当部署の業務が滞りなく進むよう管理することは重要な役割の一つです。オフィスワークからテレワークに移行すると、部下が働いている様子を自分の目で確認できなくなります。テレワーク時に「部下が真面目に仕事をしているだろうか?」「サボっているのではないか?」と不安を感じるのは、管理職として自然な心境といえるでしょう。
部下はサボっていると上司に思われないか不安
一方、部下にとってテレワークは1人で気楽に仕事を進められる面ばかりとも言い切れません。たとえ仕事をサボっているつもりがなくても、手を抜いていると上司に思われていないか不安を抱えながら就業しているケースもあるのです。とくに定量的な成果が見えにくい性質の業務を担当している社員にとって、この傾向はいっそう顕著なものとなるでしょう。部下にとってテレワークの就業環境は「サボらないようにする」という心がけの問題のみならず、「サボっていると思われるのではないか」といった不安を抱える原因にもなるのです。
サボっていると思われることにストレスを抱える人も
実際にサボっているかどうかに関わらず、仕事をサボっているかもしれないと思われること自体にストレスを抱える人もいます。下図は、テレワーク時に「仕事をサボっていると思われているのではないか」と感じ、ストレスを抱えたことがある人の割合を年代別に示したものです。
(株式会社ヌーラボによる調査結果)
調査結果から、年齢が低い層ほどテレワーク時にサボっていると思われることに対して不安を抱えていることがわかります。20代の約2人に1人、30代では約3人に1人がストレスを抱える原因になっているのです。
テレワークでサボりが発生しやすい原因
そもそも、なぜテレワーク時にはサボりが発生しやすいのでしょうか。テレワークの環境下で社員がサボる主な原因について解説します。
仕事とプライベートの切り分けが難しい
在宅勤務の場合、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちです。オフィスに出社する場合、プライベートの空間と仕事をするための空間は明確に切り分けられます。一方、在宅勤務の場合はプライベートの空間で仕事をすることから、オン・オフの切り替えが容易ではないのです。
見られていないという安心感
テレワーク時には1人だけの空間で仕事をすることになります。周囲に同僚や上司がいない環境で仕事をするため、人から見られていないという安心感があるのです。きちんと仕事をしているのかサボっているのか確認する方法がなければ、ついサボってしまう人がいたとしても不思議ではありません。
評価に対する不安とモチベーション低下
テレワーク時にしばしば課題になるのが評価方法です。仕事への取り組み方を、働いている様子や態度から推し量ることができなくなるため、アウトプットを重視した評価に偏る傾向があります。評価される側としては成果が重視されることにプレッシャーを感じたり、正当に評価されていないと感じ、不満や孤独感を抱えたりする原因にもなるのです。
テレワークの導入そのものに納得していない
テレワークを導入するにあたって、社員の受け止め方に温度差が生じる場合があります。育児や介護などの事情で業務以外にやるべきことを抱えている社員の場合、仕事に集中できる環境で就業している社員との待遇差を感じることも少なくありません。業務を離れている時間がある=サボっていると決め込まないことが大切です。
テレワークでのサボりを防ぐ四つのポイント
テレワークでのサボりを防ぐには、どのような対策を講じればよいのでしょうか。具体的な対策として、次の四つが挙げられます。
コミュニケーションのあり方を改善する
テレワーク時に人から見られていないという安心感や、孤独感から来るモチベーションの低下を未然に防止するには、コミュニケーションのあり方を改善することが大切です。コミュニケーションをより密にする工夫を紹介します。
【テレワーク時のコミュニケーション改善策】
- チャットツールの導入
- Web会議システムの導入
- 1on1ミーティングの実施
疑問点や不明点が発生した際、いつでも気軽に質問できる仕組みが用意されていることが重要です。日頃から意識的に対話の機会を設け、コミュニケーションのハードルを下げておく必要があります。
できるだけオフィスに近い環境を整える
周囲に人がいたほうが、ほどよい緊張感が生まれる場合もあります。同僚や上司が周囲にいるオフィスの環境にできるだけ近づけることで、テレワーク時のサボりを防止する効果が期待できるのです。たとえば、Web会議ツールでつながった状態で業務を進める「もくもく会」を定期的に開催するのも一つの方法でしょう。
注意点として、就業中の様子を「監視」されていると社員が感じることのないよう配慮する必要があります。オフィスに近い環境を整える際には、趣旨や目的を十分に説明し共有しておくことが大切です。
評価方法を見直す
上司から部下の様子が見えない状態であっても、公平に判断しやすい評価方法を導入するのも有効な対策の一つです。下図は、「仕事をしているかどうか」の判断基準について調査を実施した結果を示しています。
(株式会社ヌーラボによる調査結果)
仕事をしているかどうかの判断基準は「プロセス」と「成果」にほぼ二分されていることがわかります。評価基準に関してもプロセスと成果のいずれかに偏らないよう、定性評価と定量評価をバランスよく取り入れることが重要です。
たとえば、成果物によって判断する定量評価を取り入れつつ、進捗状況や報告内容といった定性的な要素も加味した上で評価していくとよいでしょう。
進捗管理の仕組みを導入する
業務の進捗状況を共有できる仕組みを導入することも大切です。担当者ごとの進捗状況が見えないと、どの業務がどの段階まで進んでいるのか社員に逐一確認しなくてはなりません。結果として報告を義務づける頻度が高くなったり、報告事項が増えたりする原因となります。
進捗管理は日常的に必要とされるプロセスのため、あらかじめ仕組み化しておくことが非常に重要です。進捗管理システムを導入するなど、進捗状況を可視化・共有化できる仕組みを整えましょう。
テレワークでのサボりを防ぐ際の注意点
テレワークでのサボりを防ぐための対策を講じたことによって、かえって社員のモチベーションが低下しないよう注意する必要があります。次に挙げる2点については、サボりを防ぐための対策を講じる際に十分注意しましょう。
マイクロマネジメントに陥らないようにする
業務の進捗状況や部下の様子を詳細に把握しようとするあまり、マイクロマネジメントに陥らないようにしましょう。細部にわたってルールを定めたり、頻繁に報告を義務づけたりすると、「自分は信頼されていない」と部下が感じる可能性があります。
ルールを設けて制約を増やすよりも、テレワークの趣旨や目的を社員に理解してもらい、自主的に取り組める状況を作っていくほうが得策です。ルールが増えすぎていないか、部下にとって窮屈なルールになっていないかチェックする必要があります。
社員 が「放置されている」と感じないようにする
細かすぎるルールを設定しないように注意する一方で、テレワークに従事する社員が「放置されている」と感じないよう配慮することも大切です。たとえば、部下から送られてくる報告書や日報に目を通していたとしても、フィードバックなどの具体的な反応がなければ部下は「読まれていない」と捉える可能性があります。
放置されていると感じると、「サボってもわからないだろう」といった考えを誘発しやすくなります。適切な距離感を保ってコミュニケーションを図り、社員が孤独感を抱えることがないようにしましょう。
テレワークの進捗管理にBacklogを活用しよう!
テレワーク時のサボりは、「サボらないようにする」ための対策を講じるだけでなく「サボっていると思われていないか」といった社員の不安にも対処していく必要のある課題といえます。進捗管理を適切に行い、業務の実態を客観的に把握できるようにしておくことが大切です。
進捗状況を可視化・共有化するには、進捗管理ツールを導入することをおすすめします。プロジェクト管理やタスク管理を一元化できるBacklogを活用することで、チームの動きをリアルタイムで把握することが可能となるのです。Backlogの機能について詳細はサービス資料で確認できますので、テレワークの進捗管理の仕組みを構築する際にぜひご活用ください。
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