障害対応の属人化を防ぐには?ナレッジ化に向けた4つのアクションとツール活用法

障害対応の属人化を防ぐには?ナレッジ化に向けた4つのアクションとツール活用法

「前回の障害対応ログが見つからず、また一から原因調査を行っている」
「特定の先輩社員しか不具合の復旧手順を把握していない」

IT企業の開発・運用の現場において、障害対応を適切に行うことはシステムの安定運用に欠かせない重要課題です。しかし、対応ノウハウが個人の記憶や一部のメンバーに偏り、毎回手探りで対応しているケースも多いのではないでしょうか。

本記事では、IT現場の実態に関する独自調査結果を踏まえ、障害対応のナレッジ化に向けて現場担当者が取り組むべきアクションをまとめています。暗黙知を形式知化するためのツール活用方法も紹介しますので、ぜひお役立てください。

IT開発現場における障害対応の実態

ヌーラボでは、IT・情報通信業に従事する方200名を対象に独自調査を実施。その結果を踏まえて、IT開発現場で発生しやすい問題について考察しました。

障害対応の属人化を感じることがある人は52.5%

同調査では、「障害対応の詳細を特定の担当者しか把握していないなど、属人化していると感じることがある」という設問に対し、「よくある」「時々ある」と回答した割合が52.5%を占めました。

IT開発現場における障害対応の実態

半数以上の現場で、トラブル発生時の手順や復旧ノウハウが担当者の記憶にとどまりやすい状況がうかがえます。過去の対応をたどれないために、毎回一から対応方法を考え直すことになりがちです。

レガシーコードの存在も属人化の一因

同調査では、過去に書かれた仕様不明なコードやレガシーシステムが存在している企業の割合に関しても、一定の傾向が見られました。

コードが書かれた背景や運用上の注意点がどこにも記録されていないため、仕様を解読できるのが当時を知る一部の担当者に限られてしまいがちです。担当者不在時にトラブルが発生すると、誰も手を出せない状況に陥りかねません。

調査結果については、資料をご覧ください。

障害対応のナレッジ化=「暗黙知の形式知化」

障害対応の属人化を防ぎ、トラブルへの対応力を高めるには、個人の頭の中にある「暗黙知」を文章やデータとして可視化した「形式知」へと変換することが重要です。

対応手順や原因の調査結果が共有されていない状態では、同様の不具合が発生した際にも過去の知見を活かせず、対応が遅れてしまいます。ノウハウをナレッジとして記録・蓄積する運用を定着させれば、チーム全体で初動対応の型がそろい、次に同じ障害が起きたときに過去の対応をたどれるようになります。

暗黙知の形式知化に向けて求められるアクション

障害対応の知見を暗黙知のままにせず、チーム全体の共有資産へと変えていくには、日々の業務運用で適切な取り組みを進めることが不可欠です。現場担当者が実践すべき4つのアクションを解説します。

障害報告の記録項目を統一

誰が記録を作成しても必要な情報が網羅されるよう、障害報告のフォーマットを固定化します。発生日時、影響範囲、原因、暫定対応、恒久対応といった項目をあらかじめ用意することが大切です。

記録の型を統一することで記載のばらつきを防ぎ、チャットツールやメールに情報が散在して後から探せなくなる事態を回避できます。

復旧後の迅速な振り返りと記録

障害の復旧完了後は、記憶が新しいうちにチーム内で振り返りを実施します。発生から復旧までの時系列なタイムラインを作成し、なぜ問題が生じたのかという原因の深掘りと再発防止に向けたタスクを整理しましょう。

個人の失敗を追及する犯人探しに終始するのではなく、システムや運用プロセスの改善に焦点を当てて検証を進めることで、次回に向けた貴重なノウハウがチーム内に蓄積されていきます。

継続運用に向けた仕組みづくり

一度作成したナレッジが更新されずに形骸化することを防ぐため、運用の仕組みを整える必要があります。誰もが手軽に情報を検索・更新できる環境を用意し、知見を追加するハードルを下げることがポイントです。

また、障害対応が完了した段階で対応ログやFAQをナレッジとして残す作業を業務フローに組み込むことで、後回しにすることなく自然と記録が更新されるサイクルが確立します。

AIや自動化ツールの活用

過去に蓄積された大量の対応ログから必要な情報を素早く引き出すために、AIや検索ツールの導入が効果的です。過去の対応記録を検索・参照できるAIを活用すれば、未知のトラブルが発生した際でも類似の過去事例や対応手順を探しやすくなります。

過去に誰がどう対応したかを自分でたどれるため、詳しい人の手が空くのを待たずに調査を始められます。

Backlogを活用した障害対応のナレッジ化

日々のタスク管理を進める中で自然と知見が蓄積されるプロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」は、障害対応のナレッジ化に役立ちます。具体的な活用方法について解説します。

課題管理による障害発生時の記録

不具合や障害が発生した際は、Backlogに専用の「課題(チケット)」を起票して対応を進めます。件名にシステム名や発生日を明記し、担当者に復旧の責任者を設定します。

詳細欄に発生日時やエラーログ、影響範囲をまとめることで、障害に関する一次情報が一か所にそろいます。情報が散在せず一覧で状態を確認できるため、初動対応の漏れや確認の手間を削減できます。

課題管理による障害発生時の記録

コメントで対応プロセスを可視化・共有

障害検知から復旧に至るまでの調査状況や対応プロセスは、課題のコメント欄にリアルタイムで記録していきます。調査の経過や原因の切り分け結果、エスカレーションのやり取りを時系列で残すことで、作業の経緯を後からたどれます。

エラー画面のスクリーンショットやログファイルも課題に添付できるため、判断とその根拠が同じ場所にまとまります。

コメントで対応プロセスを可視化・共有

ドキュメントを活用した復旧後の振り返りとナレッジ化

ドキュメントを活用した復旧後の振り返りとナレッジ化

復旧対応が完了した後は、対応内容や再発防止策をBacklogのドキュメント機能にまとめます。概要・原因・恒久対応といった項目を統一フォーマットで記録します。

課題に残した対応の経緯とドキュメントのナレッジが同じプロジェクト内にそろうため、類似の障害が起きたときにも過去の知見を探して再利用できます。

Backlog AIアシスタントによるナレッジ活用

Backlog AIアシスタントを活用することで、プロジェクト内に蓄積された膨大な課題やドキュメントから類似の障害履歴を素早く引き出せます。

「この不具合と似た事例の対応方法は」と聞けば、過去の課題やコメントから経緯を探せます。経験の浅いメンバーでも、まず過去の対応を確認してから動き出せるようになります。

Backlog AIアシスタントによるナレッジ活用

Backlogは30日間無料でお試しいただけます。

トライアル開始時の支払い情報入力も不要ですので、障害対応の属人化解消にぜひご活用ください。

障害対応のナレッジ化は、日々の記録から始まる

障害発生時に焦らず的確な暫定対応・恒久対応を行うためには、対応ノウハウを個人の記憶に頼らず、日々の作業の中で自然とナレッジ化するための仕組みを整えることが大切です。

IT現場の担当者やエンジニアの方々に向けて障害対応の記録項目や起票ルールをそろえ、日々の業務の中でノウハウを蓄積する手順をまとめた資料をご用意しました。

IT・開発現場の導入事例や、AIアシスタントで過去の経緯を引き出す活用例、現場に定着させるための4つのステップも紹介していますので、自身の業務改善やチームでの運用検討にぜひお役立てください。

【調査概要】※本コラムでは「IT・情報通信業」のみに対象者を絞った結果を掲載しています
調査名:仕事に関するアンケート
調査対象: 勤務先業種を「IT・情報通信業」と回答した方(n数=200)
調査方法:インターネット調査
調査時期:2026年8月6日〜7日
調査機関:株式会社ネオマーケティング

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