2025年6月、ヌーラボはプロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」に、生成AI支援機能「Backlog AI アシスタント」を搭載することを発表しました。現在は正式リリースに向けて開発を進めており、β版にはすでに100社以上の企業が参加しています。
今回は、株式会社ヌーラボ 執行役員 CPOの中島に、AI アシスタントに込めた思想や開発の背景について話を聞きました。
目次
「Backlog AI アシスタント」とは
Backlog AI アシスタントは、ヌーラボが蓄積した過去20年分の『Backlog』運用知見から生まれた、チームワークマネジメント*を実現するチャット型のAI支援機能です。
* チームワークマネジメントは、異なる職種や部門のメンバーで形成されたチームが、助け合いながら、共通の目的に向かって自律的に動けるチームを設計・運営するための考え方です。
従来のプロジェクト管理では、進捗確認や報告書作成などの業務が属人化しやすく、チーム全体の生産性を阻害する要因となっていました。Backlog AI アシスタントは、こうした課題を解消し、誰もがプロジェクトの全体像を把握しやすくなる環境づくりを支援します。
「プロジェクトには、進行を見守り、必要な時に必要な支援を行う“伴走者”のような存在が不可欠です。Backlog AI アシスタントは、まさにその役割を担うAIです。単なるツールではなく、チームの一員として機能することを目指しています」
Backlogが20年間にわたり蓄積してきたプロジェクト管理の知見と、国内14,000社以上の導入実績を活かし、AIが「空気を読む」ような支援を可能にすることを目指しています。
株式会社ヌーラボ 執行役員 CPO
中島 成一朗
Backlog AI アシスタントの4つの機能
Backlog AI アシスタントでは、以下のような機能を目指しています。
※開発中の機能となりますので、内容は変更される可能性があります。
- プロジェクト情報の整理と可視化
バラバラに存在する情報を文脈に沿って結びつけ、状況を明確化。継続的に学習・記憶し、背景や目的も共有可能に。 - 進捗レポートやドキュメントの自動生成
日次・週次・月次の進捗レポートや仕様書などを自動で作成。報告業務の負担を大幅に軽減。 - 会話ベースでの実務支援
「今どこまで進んでいる?」「遅延のリスクは?」といった質問に即座に対応。課題や担当者の提案も実行。 - リスクの予測と通知
過去の傾向から遅延や停滞の兆候を察知し、早期対応を促す。
「個人的には、専門性の高い壁打ち相手としても使える点が気に入っています。気づきをすぐに業務に落とし込めるので、生産性が上がりました」
AIがプロジェクト管理の“属人化”を解消する
従来のプロジェクト管理では、課題の起票や進捗管理、報告書作成などが人に依存しがちでした。中島はこうした“属人化”の問題を指摘します。
「結局、誰かが頑張らないとプロジェクトが回らない。楽しいはずの仕事が、管理業務に阻害されてしまうこともあります」
Backlog AI アシスタントは、こうした手間を減らし、人が本来集中すべき業務に専念できる環境をつくることを目指しています。
Backlog AI アシスタント UI
※実際のUIや仕様は変更となる可能があります
「AIと一緒に働く」未来へ
Backlog AI アシスタントの開発は、CPO就任からわずか3ヶ月でβ版をリリースするというスピード感で進められました。中島は、ユーザーからのフィードバックを迅速にプロダクトに反映することを重視しています。
「AIをチームの一員として迎え入れることで、個人プレイだった業務がチームで共有され、意思決定やアウトプットの最大化に集中できるようになります」
Backlog AI アシスタントが目指すのは、プロジェクト管理のナレッジを集約し、誰もがプロマネになれる世界。ヌーラボが提唱する「バックログスイーパー」の役割をAIが担う未来も、そう遠くないかもしれません。
中島へのインタビューは以下のWebページでもご覧いただけます。
Backlog AIはプロジェクト管理のゲームチェンジャーになるか?|チームワークマネジメント総研
「AIはチームの一員になれるか?」──Backlogが描く“進め方”から変えるプロジェクト・タスク管理の未来|株式会社ヌーラボ 公式note
続きは「Nulab Conference 2025」で
Backlog AI アシスタントが目指すのは、単なるツールではなく、プロジェクト成功の“伴走者”として機能するチームの一員になること。それは、ヌーラボが考える「チームワークの未来」の第一歩でもあります。
プロジェクト管理の未来は、もう始まっています。
この続きは、10月17日(金)開催の「Nulab Conference 2025」にて。
“AIがチームの一員になる日”を、ぜひ会場で体感してください。
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