新しい取り組みは大きな計画でなく「小さな計画」で考えよう

アジャイル☆ライダー長沢です。新しい取り組みをするときに予算や巻き込む人、望む成果もつい大きな計画で考えていませんか?新しい取り組みによるパフォーマンスの低下を防ぎ、効果がでるまでの期間を短くするためにも、できるだけ“計画を小さく考えること”が重要です。

そこで本記事では、新しい取り組みを大きな計画で考えることで起きるデメリットと小さな計画で考えることで起きるメリットについて考察します。

これまでのあらすじ

これまで複数回にわたって「新たな取り組み」に対する考え方をご紹介しました。前回までの内容をさらっとご覧いただければ幸いです。

  1. 新しい取り組みをするときに知っておきたい「落とし穴」とは
  2. 新しい取り組みを成功させる!導入計画の考え方
  3. 新しい取り組みを正しく評価する!段階に応じた評価の仕方
  4. 新しい取り組みで協力者を巻き込む方法とは?

前半の2回は新たな取り組みをするときの計画について、後半の2回は実行中の評価や人の巻き込み方について紹介しています。

大きな計画とは

さて、5回にわたって紹介した内容には決定的な欠陥があります。

それは「一発勝負である」ということです。

新たな取り組みを一発勝負で実施することは、計画が大きくなりがちです。一回しかチャンスがないならば、そこに念入りな計画を立てることになります。そして、その一回に盛れるだけもってしまいたくなるものです。

もちろん、今までに紹介してきた内容は一発勝負でも参考にできるように書いてきたつもりです。しかし、新たな取り組みの真髄は「一発勝負にしないこと」です。

新しい取り組みを一発勝負にしないこと

定着フェーズ」について過去に紹介した際に「次の改善の旅へ向かうことが、新たな取り組みの本当の意味での成果となるはず」と書きました。つまり、新しい取り組みを一発勝負にせずに、次の取り組みへ進んでいくことがとても重要なのです。

言い方を変えるならば、一回で改善できるものだったらさっさと予算や人を投入してやってしまえば良い話になるでしょう。

一発勝負は必然的に大きな計画になる

一発勝負で盛りに盛った場合は、必然的に大きな計画となります。

大きな計画は予算も書き込む人も、そして結果も大きくなりがちです。すると、前回までに紹介した事柄を慎重に検討し、実践することが求められます。

各フェーズで実施と評価をしていき、場合によっては残念ながら成果がみられずに中止になってしまうこともあるでしょう。

大きな計画は、覚悟もリスクも大きくなりがちなので、まさに呪いのように推進者や現場メンバーに降りかかってきます。そして残念なことに取り組みが中止となってしまった場合は「今後同様な改善ができなくなる」「また失敗するのではないか」という呪いになります。

大きな計画からの脱却

ではどうすれば良いかというと、大きな計画をやめてみれば良いのです。新しい取り組みを成功させる!導入計画の考え方で触れているように、定着するまでの期間とリスクを明確にすることは大事ですが、そもそも計画は一発勝負で立てなければならないルールなどないはずです。

大きな計画を小さな計画にする

大きな計画は、それだけパフォーマンスが一時的にも落ちやすいわけですし、効果がでるまでにも時間を要します。

これを小さな計画にすることができれば、それだけ新たな取り組みの導入時のパフォーマンスの低下も軽減できるし、効果がでるまでの期間も短縮できます

せっかくだからと計画にあれもこれもと盛り込みたくなるものですが、そこはグッとこらえて実施可能な最小限の取り組みに絞る勇気を持ちましょう

前回までに紹介した図をもう一度ご覧ください。 

この一発勝負の計画を最小限の取り組みに分割してみると以下になります。

すると、複数回実施する最小限の取り組みは、一時的なパフォーマンス低下も効果がでるまでの期間も一発勝負と比べたら最小限の見込みになることがわかります。

したがって、新たな取り組みの計画を立てるときには、最終目的は見据えつつも、そこに至る計画は段階的に分割した方が良いことになります。

小さな計画は呪われにくい

小さな計画は、大きな計画と比べてリスクを少なく期間も短くなることが期待できます。その分、計画が頓挫する可能性も少なくなります

また、仮に数回の段階的な取り組みを行った結果、途中で中断せざるを得なかったとしてもそれまでに実施した成果は無駄にならないことが多いです。

要するに、計画の重圧で呪われることも、計画が途中で中断してやりきれなかったトラウマ、次も失敗してしまうのではないかという呪縛も、最小限にできるのです。

まとめ

今回は、新たな取り組みを計画するときに小さく分割するメリットをお伝えしました。

次回は「そんなこと言っても、段階的にやらせてもらえない」という方に、段階的に計画を立てることが妥当だと思える方法と実際にその方がざっくり計画するよりも成果がでることを解説します。

▼チームや組織の新しい取り組みに関する記事はこちら

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