Web制作現場のBacklog活用を学ぶ|JBUGイベントレポート

2026年5月30日(土)、札幌にてBacklogユーザーコミュニティ「JBUG」のイベントが開催されました。

今回のテーマは「Web制作現場のBacklog活用を学ぼう」。Backlogを現場で使い続けてきたウェブディレクターの方々が、その経験から得た知見とAI活用の実践を共有される場となりました。

Backlogを長年使い続けることで現場はどう変わったのか。AIはその変化をどう加速させたのか。そして、それでもBacklogが手放せない理由とは何か。2名の登壇者が、現場の実践をもとに語ってくださいました。

当日の内容をまとめましたので、ぜひご一読ください。
※掲載内容はすべてイベント開催当日時点の情報です。

BacklogとAIで変わった、ウェブディレクターの仕事のリアル

ご登壇者紹介

株式会社Gear8
待島 亘 様

Backlog歴12年、常時20件前後の案件を並行して管理する待島さんは、Backlogを使い続けてわかったことを3つのパートで語りました。

まず、Backlog導入前の課題として「メールが埋もれる」「言った言わない」「進捗が見えない」「タスクが散乱する」という4点を挙げました。これらを解消するために徹底したのが、「Backlogで進めます」と言い切ることです。受注後すぐにクライアントを招待し、制作・運用フェーズのやり取りを一本化する。「使うことを当然として伝えると、相手も迷わない」という姿勢が、スムーズな浸透につながりました。

課題設計では「誰が・いつまでに・何をする」の3原則を重視します。「議事録」ではなく「議事録を確認する」と動詞で書くだけで、次のアクションが誰の目にも明確になります。クライアント向けプロジェクトと社内専用プロジェクトを用途で分け、課題テンプレートを整備することで、情報の抜け漏れとやり取りの往復を減らしています。

AI活用では、ミーティング録音をNotebookLMで議事録化しBacklogへCSV一括登録するフローや、GA4データをClaudeで整形してBacklog記法に変換するレポート作成など、具体的な実践を紹介しました。AIをうまく使うコツは「わからないをそのまま伝える」「伝え方をAI自身に聞く」「往復しながら精度を上げる」の3点。AIがある時代でも、情報を蓄積・参照できる場所としてBacklogの役割は変わらないと語り、「最適化に終わりはない、だから面白い。貯めるところは、Backlog。」という言葉でセッションを締めくくりました。

▼登壇資料はこちら(Speaker Deck掲載)

AIを活用した調査・整理から始めるWeb制作の進め方

ご登壇者紹介

株式会社HAMWORKS(ハムワークス)
長谷川 広武 様

札幌を拠点にエンジニア兼代表として活動する長谷川(ハム)さんは、「コードを書く前」の前工程に着目したBacklog活用を紹介しました。競合調査・要件整理・タスク分割・Backlog登録という一連の流れを、AIを使いながら効率化する実践です。

特徴的なのは、Backlog MCP(Model Context Protocol)サーバーをClaudeに直接接続し、AIが課題登録まで担う運用です。調査結果をもとに要件を定義し、仕様から考えられるタスクを分割したうえで、BacklogのプロジェクトへAIが登録していく。前日夜に依頼したタスクが翌朝には93件登録・第4章まで完了していたという実例が共有され、会場の関心を集めました。

チームでの運用については、ルール化の重要性を強調しました。一人で完結する案件ではある程度自由に動かせるものの、複数人で進める場合はルールをしっかり整備しないとAIへの指示がばらつく。プロンプトを共有し、「こう投げた方がいい」というノウハウをチームで積み上げていくことが、AI活用の精度を高める鍵だと語りました。最後は「CLIだけでなく、チャット形式でもBacklogにつなぎながら試してほしい」というメッセージで締めくくられました。

Backlog AIアシスタントで変わる、制作現場のコミュニケーション

ご登壇者紹介

株式会社ヌーラボ
河野千里

元・請負系システムエンジニアとして現場マネージャーを経験してきた河野は、「チームが前に進むためにBacklogがある」という信念のもと、Backlog AIアシスタントの活用を紹介しました。

制作現場では「プロジェクトを前に進めるために集まっているはずなのに、コミュニケーションの中心が”確認”になってしまっている」という課題が根強く残ります。マネージャー層の業務時間の約60%が情報収集・報告作成に費やされているという実態も示されました。汎用AIで解決しようとしても、社内情報を持たないAIには毎回前提説明が必要となり、「結局、自分で探してまとめた方が早い」という壁にぶつかります。

そこで紹介されたのがBacklog AIアシスタントです。Backlog上の課題・Wiki・コメントをそのまま参照できるため、前提説明なしに日本語で話しかけるだけで自社データに基づく回答が得られます。朝の状況確認や過去のナレッジ検索など、「確認」に費やしていた時間をAIが担うことで、チームのコミュニケーションは”確認中心”から”創造的対話中心”へと変化します。データはAI学習に利用されず、国内サーバー保管・権限に基づく安全な参照という堅牢なセキュリティ体制も整っています。
 

登壇者とBacklog開発者へ質問タイム

登壇者のみなさんと同じテーブルに座って、一人ずつ質問できる時間。

また、急遽、Backlog開発者への質問タイムも実施され、孫課題機能やBacklog AIアシスタントについて現地開催ならではの話が盛り上がりました。

ユーザー会を終えて

今回のJBUG札幌.Springでは、Backlogを長年使い続けてきたウェブディレクター2名の実践から、「仕事の仕組みをどう整えるか」というテーマで深い議論が交わされました

待島さんが示したのは、「言い切る」姿勢と課題設計の積み重ねがチームの信頼を守るという実感です。長谷川さんが示したのは、制作の前工程からBacklogにつなぐことで、調査からタスク登録までを一気通貫で回せるという可能性です。どちらのセッションにも共通していたのは、Backlogに情報を残し続けることがチームの仕事を支える土台になるという考え方でした。

参加者それぞれが自分の現場に照らしながら持ち帰っていただけたなら幸いです。ご登壇いただいた待島さん、長谷川さん、そしてご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

JBUGでは今後も、Backlogユーザー同士が実践知を共有し合える場をつくっていきます。次回のイベント情報もぜひお楽しみに。

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