新規事業「オリペ」のリリースをBacklogで推進!〜“このチームで一緒に仕事できてよかった”を生み出す「プロジェクト」を応援するGood Project Awardの舞台裏ストーリー〜

Backlogユーザーのみなさま、こんにちは!

2023年12月9日土曜日、Backlog World 2023「Re:Boot-未来への帰還」が開催されました。イベントプログラムの中で、今回で4回目となる 2023年の最も素晴らしいプロジェクトを表彰する「Good Project Award 2023」も同時開催。全国から集まったプロジェクトの中でも先行を勝ち抜いた3チームがピッチバトルを行いました。

今回、惜しくも最終ピッチコンテストには選ばれなかったものの、素晴らしい取り組みをご紹介したく、株式会社タブコードの新田洋祐さんにお話を伺いました。既存のフォームに入力するだけでオリジナルのWEBページを作成し、公開することができる無料サービス「オリぺ」は、どのようにして生まれたのでしょうか。

プロジェクト名 「オリぺ」プロダクト開発プロジェクト
プロジェクトメンバー 事業開発3名、プロジェクト全体30名
プロジェクト概要 既存のWEBの受託制作を進めながら取り組む新規事業開発
既存事業では応えきれない顧客ニーズを救うためのプロダクト「オリぺ」
成果
  • 既存のお客様の応えきれなかったニーズに応えられた
  • パートナー企業との連携が密になった
  • グループ企業間のメンバーの交流・連携が生まれた
利用しているヌーラボサービス プロジェクト・タスク管理ツール「Backlog
サイボウズライブのサービス終了のタイミングで乗り換え、利用歴約5年。
社内では「Gmailの次に登録するのがBacklog」

 

利用用途

  • メンバーの入社時のタスク管理
  • パートナー企業間でのプロジェクト管理
  • お客様との案件上のコミュニケーションツール
    その他

既存のホームページ作成サービスでも「難しい」そんな顧客を救いたい

— 今回のプロジェクトが発足したきっかけについて教えてください。

新田さん:まず弊社には、ホームページ制作のパッケージプラン「TWO by TWO」があります。初期費用は無料で、月1回更新の2年間契約となっています。費用は、24回更新で48万円です。このパッケージプランの顧客となる中小企業は、介護施設や美容院、ディーラーのように業種も多様で、IT担当が不在のところが多いです。

既存のパッケージプランでは、対応できない顧客の課題に対して、他社が提供している既存のWebサイト作成サービスやノーコードツールの提案を行っていました。そこで聞こえてきたのが、「難しい」「広告が出て使いづらい」「費用がかかる」といった顧客の声でした。また、コロナ禍の顧客と接触しづらい状況が続くなかで、当社としても新規パートナーとの新たな繋がりを作りたいと考えていました。

これらの背景から、既存のパッケージプランや他社サービスでは、解決することができない顧客の課題を解決し、新しいパートナーとの繋がりを作るキッカケとなるようなツールを自分たちで開発したいと考えたことからプロジェクトが始まりました。

 

— 「オリぺ」というサービスが生まれるまでについて教えてください。

新田さん:メンバー3名でオリぺのプロダクト開発プロジェクトが発足。メンバー全員がメイン事業のWEBの受託制作も進めながら、2022年にプロトタイプの作成に着手し、構想に半年、プロトタイプの作成に半年かけ、動くサービスにするのにさらに1年を要し、2023年にリリースに漕ぎ着けました。現在も調整を行っている状況です。

オリぺは、既存サービスの「TWO by TWO」の提供を通してお客様から届いていた声はもちろんのこと、今流行しているノーコードツールをお使いのお客様からも届く「最終的にはコストがかかる」「完成画面に広告が出て使いづらい」という声も解決したいと考えていました。そんな声を反映した製品にするため、オリぺの広告表示は、一般的な完成したサイトの画面への広告表示でのマネタイズではなく、管理画面に広告表示をすることで解決しています。また、ノーコードツールで作れたサイトも、将来的にサイトを拡大するにあたり「データ移行ができない」「データ移管のしづらさを感じる」との声も多く聞かれるため、オリぺでは有料サービスとしてHTMLのダウンロードを可能にしています。

 

— プロジェクトを推進する上で、苦労された点について教えてください。

新田さん:苦労した点は、スケジュールの調整です。システムに合わせたデザインテンプレートの構築に慣れていなかったため、初期で構築していたデザインをすべて破棄し、一から作り直したんです。

また、開発を行っているうちに、どんどん機能を追加したくなってくるんです(笑)機能が増えると便利になったようで実は、直感的に分かりづらくなってしまうという課題が生まれます。そのため、「機能を追加しては削る」作業を繰り返しました。

他社のサービスでも、最初はシンプルだった機能が、顧客の要望で機能追加を重ねた結果、複雑な仕様になり使いづらくなってしまっているサービスもあります。オリぺは、「機能を複雑化しすぎない」と決めています。レイアウトもできません。テキストと地図、写真と動画しか入らないシンプルな機能にしています。

 

— オリぺは、無料のサービスですが、どのように収益が出ているのでしょうか。

新田さん:オリぺは、収益を作るためだけの事業ではなく、受注を増やすための事業として考えて、赤字にだけならないようにと計画を立てています。単一事業として「オリぺ」のようなツール開発に取り組む会社であれば、オリぺで収益を上げる必要があると思います。しかし弊社は、複数の事業を展開しているので、「オリぺ」を使ってページを作成してもらった上で、次のステップとして当社のサイト制作サービスを含めたグループ全体のサービスを使って、認知拡大をしてもらうことを想定しているんです。

オリぺが生み出したのは、お客様だけでなくパートナーやグループ会社間のつながり

— 今回のプロジェクトを経て、会社としてどんな成果を得られましたか?

新田さん:これまで対応できていなかった顧客の悩みにも、オリぺで対応ができるようになったと実感しています。顧客に提案できるツールが一つ増えたことは、顧客と関係性を築く上で大きいですよね。オリぺがあることで、初めて接点を持つ顧客への提案のハードルも下がりました。

僕らは、メンバー全員が「ディレクター集団」なんです。仕様が決まった仕事は原則受けず、顧客の要望や課題を実現する段階からサポートすることに注力しています。そのため、開発やデザインを担ってくださるパートナー企業との関係性構築が非常に重要なのですが、オリぺのおかげでパートナー企業と繋がりやすくなったと感じています。その一つとして、元々私が在籍していた印刷会社と業務提携を行い、付加サービスとしてオリぺを使ってもらうことにもつながりました。

 

— オリぺを開発したことで、副次的な変化があれば教えてください。

新田さん:グループ会社の顧客にオリぺを勧めてもらうなど、グループ間や社員間での連携が、以前より増えています。毎週、グループ会社を含めてメンバー30名程が集まり、オリペの提案方法などの勉強会も行っています。オリぺのプロジェクトが立ち上がったことで、グループ会社間での一体感の醸成にも効果があると感じています。

 

— すでにオリぺの導入事例があると聞いています。ぜひ教えてください。

新田さん:さいたま市の大川家具では、リーズナブルに採用サイトを作りたいとのご要望に、オリぺで対応することができました。

また、埼玉の某スポーツ関連組織では、組織に所属する、数百のスポーツチームの情報を、随時更新できるようにしてほしいとのご要望をいただきました。一からシステムを作るとなると100万円単位で初期コストが必要となりますし、保守費用も発生してしまいます。オリぺであれば一覧の検索ページのみを30万円かからずに対応することができます。オリぺで各スポーツチームのページを作成し、詳細を別のページで作成。そこに全てのページをリンクさせる形で、安価で簡単にご要望にお応えすることができました。

その他、久喜三菱自動車販売株式会社というディーラーのお客様は、ホームページを「TWO by TWO」で作成いただいていますが、「災害時協力協定活動」などイベントのトピックスのページを、オリぺで作成し、ホームページに掲載いただいています。トピックスのページだけでもオリぺにしておくことで、簡単にページを追加することができ、更新がしやすくなります。

 

新たな事業で狙う新たな顧客と海外展開

— 今後の展望について教えてください。

新田さん:さらにオリぺの事例をたくさん作っていきたいですね。今後は海外展開を積極的に行うためにコムニカという関連会社を作りました。少し前に、FCバルセロナ・ユースチームのコーチのWEBページを「オリぺ」で作成したんです。その際に感じたオリぺの海外ニーズや外国語対応の必要性を事業に昇華していきたいです。

 

— これまで支援ができていなかった顧客に、今後オリぺを導入していただくようなイメージでしょうか。

新田さん:まずは、顧客にWEBページを簡単に作ることができるツールがたくさんあることを知ってもらいたいですね。実際にツールを触ってもらうことがファーストステップになるのではないかと考えています。「無料サービス」は、怪しいと思われがちなので(笑)既存の繋がりのなかで、有名企業さんにもオリぺを使ってもらえると嬉しいですね。

— プロジェクト推進者として、この記事を読まれている方へメッセージをお願いします。

新田さん:プロジェクトメンバーが離れていても、異なる会社に在籍していても、Backlogに支えられ、スムーズに連携することができました。課題も明確に分けていたので、To Doや保留中のタスクを把握して動く上で、ツールに助けられた部分が大きかったです。本当に便利なので、Backlogがないと仕事が回らない状況です(笑)弊社では受託制作でBacklogを使い慣れていたため、プロジェクトの進行ルールさえ決めていれば、プロジェクトが途中で止まってしまった場合にも、スムーズに再開することができました。

今後もこのオリペを軸に、お客様、そしてパートナー企業、グループ会社で連携を深めていきたいです。

 

— 新田さん、ありがとうございました。

 

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