効率的な管理で無駄な業務を減らす!事業部ごとのタスク管理の方法の違いを解説


さまざまな会社組織、またどの事業部においてもタスク管理は必須事項といえます。一方で、部署によって業務の性質が異なることから、タスク管理に取り組むべきポイントも少しずつ違いがあるはずです。

今回は、タスク管理のポイントと注意点を事業部ごとに解説します。ご自身が所属する部署に適したタスク管理方法への理解を深め、ぜひ実務に役立ててください。

開発・制作部門におけるタスク管理のポイント

システム開発やクリエイティブ系の部門では、プロジェクト単位で業務を進行するケースが少なくありません。チームやプロジェクトごとにタスク管理が求められることから、とくにチームリーダーやプロジェクトマネージャーの方は次のポイントを押さえておく必要があるでしょう。

プロジェクトの進捗管理はガントチャートで

プロジェクトの成否のカギを握るのが進捗管理です。プロジェクト計画全体の一覧化と進捗状況の可視化を両立させるには、必要なタスクを漏れや重複なく抽出しておく必要があります。抽出したタスクに優先順位を付け、タスクごとの進捗状況を管理しましょう。

タスクごとのまとまりで進捗管理を行うには、ガントチャートの活用をおすすめします。誰がどのタスクをいつまでに完了させるのか、現状の進捗状況は順調かどうかが一目でわかるため、タスクごとの遅延を早期に発見できるはずです。

チームメンバーのタスクを一元管理する

タスク管理は担当者が個人的に実施するのではなく、進捗状況を共有して管理者がいつでも閲覧できる状態にしておくことに意義があります。チームメンバーのタスクを一元管理し、各担当者が随時更新していくことで現状を把握しやすくなるでしょう。

タスクを一元管理する目的は、タスクが完了していないといった「結果」を知ることではありません。未着手のタスクが放置されていないか、ボトルネックになっているタスクがないかを注視し、遅れが生じる兆候を早い段階で感知することが大切です。

課題ごとにコミュニケーションを紐付ける

ガントチャートやTo Doリストでタスク管理をしていても、現状把握のためのコミュニケーションが煩雑だと漏れが発生しやすくなります。とくにメールでのやり取りは複数の課題に関わるトピックが混在しやすく、見落としや行き違いの原因になりがちです。

課題ごとにコミュニケーションを紐付け、チャット形式でやり取りをしていくのが望ましいでしょう。指示事項や決定事項を後から確認する際にも、検索機能を活用すれば必要な情報を素早く見つけられるはずです。

営業部門におけるタスク管理のポイント

営業部門のタスク管理は、売上目標を着実に達成していく上で不可欠です。進捗管理を営業担当者任せにするのではなく、管理者は適切なタスク管理によって現状を正確に把握しておく必要があるでしょう。

タスクを切り分けて細分化する

営業部門のタスク管理においては、タスクの細分化が非常に重要なポイントとなります。「商談」などの大きな単位でタスクを区切っていると、実際の進捗状況が見えにくくなる可能性が高いからです。下記の通り、商談をプロセス単位に区切ってタスク管理に取り組みましょう。

タスク管理を適切に行うことで、顧客ごとにどの段階までプロセスが進行しているのか、クロージングのタイミングとして適切かが判断しやすくなるはずです。

情報共有を促進し属人化を防ぐ

営業部門では、担当者ごとに業務が属人化しやすい傾向があります。担当顧客に関する情報や業界動向に関する情報など、本来は部門内で共有しておくべき情報は決して少なくありません。タスク管理に取り組む際には、情報共有もセットで進めることで業務の属人化を防ぐ効果が期待できるでしょう。

たとえば、ある顧客が提案に対して前向きな姿勢を示した場合、別の顧客にも同様のアプローチが有効な可能性があります。タスクの一元管理と進捗状況の把握は、再現性のある営業手法の共有化にもつながるのです。

活動量と成果を分けて管理する

営業部門でタスク管理に取り組む際には、具体的な活動内容や活動量にフォーカスされがちです。成果を挙げるには一定以上の活動量が必要となるものの、活動量さえ確保すれば必ず成果を挙げられるとは限りません。活動量と成果の両面からバランスよく管理していくことが大切です。

たとえば、日々の訪問件数を管理する一方で、担当者ごとの成約率を確認しておく必要があるでしょう。成約率が極端に低い場合はプロセスの見直しを図るなど、営業活動に改善余地があるかどうかをタスク管理の結果から客観的に分析することも可能です。

管理部門におけるタスク管理のポイント

管理部門では業務ごとに担当者が明確に決められているケースが多く、担当業務の固定化・属人化が生じやすい傾向があります。マネジメントが機能不全に陥らないよう、次に挙げるポイントを押さえておく必要があるでしょう。

作業手順の標準化とマニュアル化

タスク管理に取り組むにあたって、作業手順の標準化とマニュアル化を進めておくことをおすすめします。タスクの属人化を防ぎ、柔軟に分担できる仕組みを整えることで、タスク管理を実践するメリットが増すからです。

作業の標準化・マニュアル化を進める際には、担当者へのヒアリングを行う必要があります。担当者自身が理解しているだけでなく、タスクの内容や進め方が客観的にわかる状態にしておくことが大切です。

担当業務と締め切りを明確化する

タスクの漏れや重複を防ぐには、担当者と締め切りを明確化しておくことが欠かせません。誰がどのようなタスクに着手しているのか、いつまでに完了する予定であるのかを随時確認できる仕組みを整えましょう。

担当者と締め切りを明確にするには、担当者単位ではなくタスク単位で進捗管理を進める必要があります。タスク管理ツールを活用することで、未対応・処理中・完了といったステータスが一覧で確認しやすくなるはずです。

タスクの進捗状況を一元管理する

管理部門でマネジメントを機能させるには、タスクの進捗状況を一元管理することが重要です。各担当者の繁忙状況を把握し、ボトルネックとなっているタスクを洗い出すには進行中のタスクが一覧化されている必要があります。

タスクが標準化・マニュアル化されていれば、滞っているタスクに手の空いている別の担当者を投入することも可能です。タスクの進捗状況を一元管理することで、部門全体のリソースを有効活用しやすくなるでしょう。

すべての部門に共通するタスク管理の注意点

ここまで開発・制作部門、営業部門、管理部門のタスク管理のポイントを紹介してきました。これらの3部門に限らず、あらゆる部門のタスク管理に共通する注意点を確認しておきましょう。

タスク管理の目的と効果の周知を図る

タスク管理は部門のメンバーを「監視」するための施策ではありません。とくにテレワークなどお互いの状況が見えない環境下で就業している場合、進捗状況をこまめに報告するよう指示を受けると業務の状況を監視されているように感じる人もいるはずです。

タスク管理を徹底することによって、進捗が滞った際に客観的な原因分析がしやすくなったり、担当業務の再配分が容易になります。タスク管理の目的と効果を丁寧に説明し、周知を図っておくことが大切です。

エクセルによるタスク管理の弱点を知る

タスク管理をエクセルで実施するケースは多く見られますが、エクセルによる管理の弱点を把握しておくことは非常に重要です。エクセルファイルを社内サーバー上に置き、共同編集機能を使用することで複数名によるタスク管理表の更新が可能となります。

ただし、同じセルを同時に編集した場合にデータが競合するのは避けられないため、リアルタイムでの情報更新にはあまり適していません。編集した内容が正しく反映されないなど、トラブルの原因となる恐れがあります。

リアルタイムの進捗状況を確実に反映させるのであれば、タスク管理ツールを活用するほうが得策です。これまでエクセルでタスク管理を行っていた場合は、タスク管理ツールへの移行もあわせて検討しましょう。

マイクロマネジメントに陥らないように注意

タスク管理はあくまでも手段であり、管理すること自体が目的ではありません。手段が目的化することのないよう、管理者がタスク管理の趣旨を十分に理解しておく必要があります。

メンバーにタスク管理表の更新を依頼する際、更新頻度が高すぎると本来の業務に支障をきたす恐れがあります。全体の進捗に深刻な影響を与えかねない場合を除き、管理者が介入すべき範囲を線引きしておくことが大切です。タスク管理を徹底しようとするあまり、マイクロマネジメントに陥ることのないよう注意しましょう。

まとめ

タスク管理と一口にいっても、事業部ごとに業務の特性は異なります。達成するべき目標に合わせてタスク管理に取り組んでいくことが大切です。今回紹介した事業部別のポイントを参考に、ぜひ各部門の実態に即したタスク管理を実践してください。

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