ステークホルダー(利害関係者)の意味と関連語を例文付きで解説!

「ステークホルダー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

プロジェクト管理においてとても重要な言葉で、ステークホルダーを意識することはプロジェクトの成功に欠かせません。

この記事では、ステークホルダーの基本的な意味とプロジェクトでの使われ方を例文でご紹介します。

ステークホルダーとは?

まずは、ステークホルダーの基本的な意味を理解していきましょう。

ステークホルダーとは利害関係者のこと

「ステークホルダー(stakeholder)」を日本語に訳すと、「利害関係者」となります。

ステークホルダーとは直接的または間接的に利害(影響)が生じる全ての相手のことを指します。プロジェクトマネジメントの文脈では、プロジェクトを取り巻く全ての関係者を指します。また、それ以外の文脈で、企業や行政などの組織から見たグループ単位の利害関係者を表したビジネス用語としても使用されます。

プロジェクトマネジメントの文脈で利害関係者というと、金銭的な利害が発生する株主や取引先・顧客などが真っ先に浮かぶかもしれませんが、ステークホルダーの範囲はそれだけではありません。

自社の経営者、上長や、プロジェクトメンバー、PM、PLなども含みます。

また、一口に顧客と言っても直接間接の取引先、エンドユーザー、情報システム部門やバックオフィス部門など、プロジェクトと様々な関わりをする可能性があり、それらをきちんと把握、整理することが必要です。

ステークホルダーの一覧

一般的にプロジェクトのステークホルダーとされるのが下記です。

<プロジェクトから見たステークホルダー>

  • 直接の取引先
  • 間接の取引先
  • エンドユーザー
  • 経営者
  • 部門長
  • PM
  • PL
  • プロジェクトメンバー
  • 協力会社

元々、ステークホルダーとは投資家や株主など間接的に企業経営に関わる人を指す経営用語でした。しかし、プロジェクトマネジメントの文脈では上記のような分類をするのが一般的です。

プロジェクトメンバーやPM自身もステークホルダーで、プロジェクトメンバーに負担を押し付けるようなプロジェクトマネジメントでは、ステークホルダー・マネジメントができているとは言い難いことになります。

間違えやすい!ストックホルダーとの違い

似たような言葉として、「ストックホルダー」があります。
「ストックホルダー」とは、「ステークホルダー」の中の「株主」のみを指す言葉です。

「ステークホルダー」と「ストックホルダー」を間違えてしまうと、伝わる意味が変わってきてしまいますので、注意しましょう。

○ストックホルダーに対し、有意義な情報を開示しよう
→「株主」にとって有意義となる情報を開示する

○ステークホルダーに対し、有意義な情報を開示しよう
→「株主」には「株主」にとって有意義な情報、「取引先」には「取引先」にとって有意義な情報など、全てのステークホルダーごとに開示する

一緒に覚えておこう!ステークホルダー用語

ステークホルダーという言葉を使った用語はいくつかありますが、ここではプロジェクトマネジメント以外も含めて、ビジネスの中でよく登場する3つの用語を紹介します。

ステークホルダーマネジメント

ステークホルダーマネジメントは、プロジェクトマネジメントに関する知識体系をまとめたPMBOKで定義されている一つの領域です。

プロジェクトを取り巻く関係者は個別の目的や利害をもっており、それぞれと適切にコミュニケーションを取り、利害の調整をすることはプロジェクトを円滑に進行する上で必要不可欠です。

PMBOKによると、ステークホルダーマネジメントのプロセスは下記のように示されています。

①立ち上げプロセス
プロジェクトにおけるステークホルダーを特定し、プロジェクトにおける関与度、影響度を文書化し役割を決定する。(後述するステークホルダー分析で行う)

②計画プロセス
決定したステークホルダーに参画意識を強く持ってもらえるようなマネジメント計画を立案する。

③実行プロセス
計画プロセスに沿って、適切なコミュニケーションを図る。

④管理・監視プロセス
ステークホルダーごとの進捗状況を確認・監視する。

参考:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド PMBOKガイド 第6版(日本語) Project Management Institute (著)

ここでの「ステークホルダー」は、組織や機関などの広義のグループ単位だけではなく、組織の中で影響力を持つ個人や、方針を決定する権限を持つ人、主として関わりを持つ担当者など、細かく特定しててそれぞれの役割、影響度などを洗い出して整理しておく必要があります。

ステークホルダー分析

ステークホルダー分析は、ステークホルダーマネジメントに用いるツールです。
ステークホルダーそれぞれの権力、関与度、関心度、影響度をもとにステークホルダーの分類を行います。

利害が一致するステークホルダーからの支援を増やし、利害が一致しないステークホルダーからのネガティブな影響をできるだけ抑えることが目的です。

PMBOKでは上記4つのうち2つずつを用いた2×2のマトリクス分析が紹介されています。

また、マトリクスでは分析することができない複数項目を考慮する場合には、マトリクス分析と一緒に一覧表を使って文書化しておくと相対的に判断するときに便利です。

ステークホルダーエンゲージメント

ステークホルダーエンゲージメントは、プロジェクトマネジメントの文脈ではなく、企業や組織がステークホルダーと信頼関係を築いていくことを指します。

エンゲージメントという言葉自体は、企業や商品に対しての愛着度の指標として使われることが多いですが、この場合は「企業がステークホルダーのエンゲージメントを高めるために行っている活動」のアピールとして使われています。

例えば、株主に対し説明会を実施すること、顧客に対し情報を開示すること、地域社会に対し貢献活動を行うことなどです。

ステークホルダーにとって企業がなくてはならない存在として確立していくため、ステークホルダーエンゲージメントはCSRと同様に重要な役割を果たします。

有名企業のステークホルダーと取り組み事例

ステークホルダー

大手企業では、公式ホームページや公式パンフレットにて自社のステークホルダーの定義やステークホルダーとの信頼関係を築くための取り組みを公開しています。

ここでは、大手企業のステークホルダーエンゲージメントの一部をご紹介します。

トヨタ社の場合

【お客様】

お客様第一主義という信念に基づき、 お客様の声を、よりよい製品、 サービスに反映する活動の推進
引用:トヨタ 公式ホームページ

<実施例>

  • 電話およびメールフォームでのご意見対応
  • 会社情報 事業内容の発信
  • お客様にとってニーズの高い情報の発信
  • FAQの設置

【従業員】

労使相互信頼・相互責任の関係を原則 とする、チームワークや一体感の醸成 に向けた双方向コミュニケーション
引用:トヨタ 公式ホームページ

<実施例>

  • 労使懇談会
  • 労使協議会
  • 従業員意識調査

NTTグループの場合

【社員(従業員)】

社員が安心して働くことのできる職場環境を整えて生活をサポートすることで、一人ひとりが最大限の能力を発揮し、高いCSR意識を持って業務に取り組めるように実施。
引用:NTTグループ ステークホルダー・エンゲージメント

<実施例>

  • 従業員満足度調査の実施
  • 定期的な面談
  • 労使間の対話
  • 企業倫理ヘルプラインの開設
  • CSRカンファレンスの開催

【同業他社・業界団体】

業界全体の活性化を推進するとともに、情報通信の発展や進歩を通じて社会に貢献するために実施。
引用:NTTグループ ステークホルダー・エンゲージメント

<実施例>

  • 業界団体・イニシアティブなどへの参加
  • 会議などへの参加

東芝社の場合

【株主・投資家】

株主・投資家の皆様の利益に資するよう、東芝グループ全体の情報開示体制の充実を図り、リスク情報も含めた積極的な情報開示を行います。
引用:東芝グループのステークホルダー

<実施例>

  • 株主総会
  • 投資家向け説明会
  • アンケート
  • 投資家向けホームページ

【調達取引先】

定期的に開催する調達方針説明会および日常の調達活動を通じて、CSR経営の推進をお願いしています。これらに加え、調達取引先を対象に、東芝グループの調達方針に掲げているRBA行動規範の趣旨に基づいた調査を実施し、遵守状況を確認しています。
引用:東芝グループのステークホルダー

<実施例>

  • 日常の調達活動
  • 調達方針説明会
  • CSR調査
  • クリーン・パートナー・ライン

ミズノ社の場合

【従業員と経営層との対話】

社長や経営幹部と従業員が直接対話する場として、ミズノのブランドスローガンである「明日は、きっと、できる。」をテーマにした対話会を実施。引用:ミズノ ステークホルダーエンゲージメント

【地域コミュニティ】

ミズノテクニクス株式会社では、各工場が立地している地域の市役所や自治会を招いて、工場における環境保全活動について定期的な対話会を実施。
引用:ミズノ ステークホルダーエンゲージメント

【NGOとの協働】

公益財団法人「ケア・インターナショナル ジャパン」が主催するキャンペーン、歩く国際協力「Walk in Her Shoes」に2013年から協賛。
引用:ミズノ ステークホルダーエンゲージメント

ここに掲載したものはあくまでも一例に過ぎませんので、詳しく知りたい方は各企業サイトで確認してみましょう。

実践!ステークホルダーを使った例文

最後に、ステークホルダーという言葉がよく使われる場面での例文をご紹介します。

  • 例文①
    弊社はあらゆるステークホルダーの期待に応えられるよう、ステークホルダーの声を重視した経営を行う
  • 例文②
    全てのステークホルダーと真摯に向き合い、多くの情報を共有しながら信頼関係を構築していく
  • 例文③
    ステークホルダーの参画意識促進のため、ステークホルダーに向けた企業案内ページを作成する
  • 例文④
    ステークホルダーエンゲージメントの一環として、自社工場の見学を開催する

ステークホルダーは上記のように、企業理念や企業の行動指針を明確にする際に使われることが多いです。

ステークホルダーが使われている会話の意図を正確に理解するためには、自社のステークホルダーの範囲を理解しておく必要がありますので、確認しておくと良いでしょう。

ステークホルダーと信頼関係を築いていくことが重要

ステークホルダーは、プロジェクトを円滑に進行する上で考慮しなければならない大切な要素です。

用語として理解するだけではなく、ステークホルダーがプロジェクトにとってどのような影響を及ぼすのかを深く考えることで、日々の仕事に生かしていきましょう。

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記事の監修
藤田 正訓

2015年にヌーラボ入社。
Backlog開発チームで2016年のデザインリニューアルに携わり、ヌーラボアカウント組織との連携機能、カンバンボード機能の開発プロジェクトでプロダクトオーナーをつとめる。プロジェクトマネジメントに関する発表をすることが多い。


記事の作成
Backlog編集部


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