金融業で「引継ぎ時の情報不足」が頻発する原因|異動に伴うナレッジ消失を防ぐには?

金融業で「引継ぎ時の情報不足」が頻発する原因|異動に伴うナレッジ消失を防ぐには?

金融業では、人事異動が頻繁に行われる傾向があります。異動の際に引継ぎが十分に行われておらず、必要な情報が不足していると感じたことがある方は多いのではないでしょうか。

本記事では、独自に実施した調査結果を基に、金融業で「引継ぎ時の情報不足」が生じやすい原因を読み解いていきます。主な原因を踏まえた解決策と、異動に伴うナレッジ消失を防ぐためのツールも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

【調査結果】金融業における業務引継ぎの実態

当社ヌーラボは、金融業に従事し、チームで仕事をしたことがあり、チーム人数増加経験がある方々46人を対象に、業務引継ぎの実態を調査しました。調査結果から浮かび上がってくる引継ぎ時の課題を見ていきましょう。

金融業における引継ぎ時の課題

金融業における引継ぎ時の課題

金融業に従事する方々(n=46)のうち、業務引継ぎ時に情報不足や伝達ミスが起きたことがあると回答した人は全体の73.9%にのぼりました。全業種の平均78.8%よりもやや低い傾向が見られるものの、後任者が業務を遂行する上で必要な情報が十分に伝わっておらず、業務に支障をきたす事態が一定数発生していることがうかがえます。

特に「ときどき発生していた」との回答が全体の52.2%(全業種平均43.2%)と高い割合を占めていることから、引継ぎの手順やプロセスが確立されている職場であっても、情報不足や伝達ミスは起こり得ると捉えられるでしょう。

【原因】金融業ではなぜ引継ぎ時の情報不足が生じるのか

金融業では、なぜ引継ぎ時の情報不足が発生しがちなのでしょうか。ここには業界特有の3つの要因が関わっています。

人事異動が頻繁に発生する傾向がある

1つめの原因は、他業種と比べて人事異動が高頻度で行われていることです。職務分離や属人性排除の観点から、金融業ではローテーション制度を採用しているケースが多く見られます。J-SOX(内部統制報告制度)においても、キーパーソン・ディペンデンシー(特定人依存)は内部統制上のリスクと見なされがちです。結果として、人事異動の頻度そのものが他業種よりも高い傾向が見られます。

異動に伴う引継ぎが頻繁に行われることは、前任者から新任者への情報伝達・共有の精度が問われる場面が多くなることを意味します。業界全体の傾向として、そもそも引継ぎの精度が課題になりやすい環境にあるといえるでしょう。

口頭・メール文化が根強く残っている

日常業務において、口頭やメールによる伝達が多く行われていることも原因の1つです。異動に伴う業務引継ぎに関しても同様のことがいえます。たとえば顧客対応の基準など、重要なノウハウが十分に伝わっておらず、引継ぎ後の業務遂行に支障をきたすことは十分に起こり得るでしょう。業務の引継ぎに限らず、日常の情報伝達のあり方を見直していく必要があります。

暗黙知が形式知へと十分に変換されていない

組織内に暗黙知が散在しており、言語化・明文化されていない情報が多いことも一因です。ベテラン担当者のノウハウが個人的な知見に留まってしまい、共有可能な知見(形式知)として共有されていない可能性があります。

監査対応に欠かせない経験知など、本来であれば必ず共有しておくべき事項が形式知化されていない可能性も否定できません。ガバナンスの観点からも、暗黙知が形式知へと変換されないまま残っている状況を解消していく必要があるでしょう。

【解決策】引継ぎ時の情報不足を未然に防ぐには

引継ぎ時に情報不足が生じるのを未然に防ぐには、どのような対策を講じればよいのでしょうか。原因別の解決策を見ていきましょう。

人事異動を前提とした情報共有の仕組みを確立する

第一に、情報共有の仕組みは人事異動が頻繁に行われることを前提として確立しておくことが重要です。現担当者だけが把握していること、判断できることを日常業務から極力減らしていくのが望ましいでしょう。

業務の属人化・ブラックボックス化を防ぐことは、内部統制の観点からも重要なポイントといえます。特定の担当者しか知り得ない情報が山積しないよう、組織内のナレッジを可視化するための仕組みを確立していくことが大切です。

散在している情報を集約・共有する

口頭メモや個人メールのやり取りを極力減らし、新任者が「ここを見れば間違いなく過去の経緯がわかる」という情報の統一ハブを作ります。

情報の集約・共有は、引継ぎ時のみ意識すれば実現できるものではありません。常日頃から口頭やメールによるやり取りを極力減らしていき、クラウドツールなどにナレッジを集約していく工夫が求められるでしょう。

暗黙知を言語化・可視化する

単なる作業手順だけでなく、「なぜその手順を踏むのか」「どのようなミスを防ぐためか」という理由や判断基準を言葉やチェックリストで定量化し、可視化します。

たとえば、ある業務内容や手順について「なぜその手順を踏むのか」「どのようなミスを防ぐためか」を言葉で表現したり、判断基準を数値やチェックリストによって定量化したりすることで、暗黙知を形式知へと変換してみてはいかがでしょうか。

異動に伴うナレッジ消失の防止にはBacklogがおすすめ

異動に伴う情報伝達不足やナレッジ消失を未然に防ぐには、プロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」の活用がおすすめです。とくに引継ぎ時に役立つ機能として、次のものが挙げられます。

過去の経緯を追跡できる「課題管理」

Backlogでは、一つひとつの業務が「課題(タスク)」という単位で管理されます 。完了した課題を検索すれば、過去にどのような議論を経て例外判断が下されたか、差し戻しの経緯や根拠資料までコメント履歴で一目で確認可能です。

異動期に前任者の記憶を頼りにヒアリングしたり、引き継ぎ書に手作業で書き起こしたりする手間がなくなります。

一つひとつの業務が「課題(タスク)」という単位で管理されているBacklog画面

常に最新へ更新できる「ドキュメント機能」

Backlogの「ドキュメント機能」に、業務フローやチェックリスト、個別の対応ルールを共同編集でまとめることができます。日常業務の中で気付いた人がその都度ドキュメントを更新しておくことで、異動のたびに「引き継ぎ書を1から手作業で作る」という無駄なプロセスを排除できます。

Backlogの「ドキュメント機能」の画像

過去の知見を即座に掘り起こす「Backlog AIアシスタント」

Backlogに蓄積された膨大な過去の案件履歴やドキュメントから、Backlog AIアシスタントが「新任者が今知りたい情報」を瞬時に特定して提案します。前任者がすでに異動して職場にいなくても、AI経由でベテランの知見をその場で引き出せるため、後任者の自己解決を強力に支援します。

・進捗状況の把握:ステータス別の件数や全体進捗、遅延状況をAIが即座に回答
・過去の経緯やナレッジの検索:前任者が担当していた課題から、経緯やノウハウを検索
・リスク管理:期限が迫っている課題や滞留タスクを自動で抽出し、対応策まで提案
・レポート作成:意思決定に必要な情報をAIが自動で集約し、レポート化

※ 利用できるプランには制限があります。詳しくは料金プランをご確認ください。

今回紹介したBacklogは、30日間無料でお試しいただけます。トライアル開始時の支払い情報入力も不要ですので、ぜひ組織のナレッジ共有と引継ぎの円滑化にご活用ください。

暗黙知を形式知化して引継ぎを漏れなく進めよう

金融業において引継ぎ時の情報不足が生じる原因は、引継ぎの進め方そのもの以上に日常の情報共有・可視化にあると考えられます。人事異動が高頻度で行われることを前提に、口頭・メールによる伝達をできるだけ減らし、暗黙知を形式知へと変換して集約・共有する仕組みを確立できるかどうかがポイントとなるでしょう。

金融業の業務引継ぎに関する調査結果と、暗黙知マネジメントの進め方をまとめたホワイトペーパーをご用意しています。無料でダウンロードできますので、ぜひ社内共有・社内提案にお役立てください。


【調査概要】※本コラムでは「金融業」のみに対象者を絞った結果を掲載しています
調査名:プロジェクト管理に関する調査
調査対象:金融業に従事し、チームで仕事をしたことがあり、チーム人数増加経験がある方(n数=46)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年2月20日~2026年2月24日
調査機関:株式会社ネオマーケティング

チームで使えるプロジェクト・タスク管理ツールならBacklog