技術選定の属人化はなぜ起きる?レガシーコードのリスクと解消の第一歩

技術選定の属人化はなぜ起きる?レガシーコードのリスクと解消の第一歩

「技術選定の経緯が誰にもわからない」
「特定のベテラン社員しかシステムを保守できない」

こんな悩みを抱えていませんか?

IT開発現場において、技術選定の経緯がブラックボックス化したり、レガシーシステムの仕様が特定メンバーの頭の中にしかなかったりする「属人化」は、多くの部門長を悩ませる課題です。

本記事では、開発現場の独自調査の結果を交えながら、誰も全体像を把握していないコードがもたらすビジネス上のリスクと、その根本原因について解説します。

暗黙知を組織のナレッジへと転換し、開発生産性を向上させるための管理手法やツール活用法の概要も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

開発現場における技術選定の属人化の実態

ヌーラボでは、IT・情報通信業に従事する方200名を対象に独自調査を実施。プロジェクト管理に関する課題や悩みが浮かび上がってきました。IT・情報通信業に関しては、次の2項目に現場の実態が表れていると考えられます。

開発現場に潜むレガシーコードのリスク

同調査において、過去に構築されたレガシーコードが残存していると答えた企業の割合に、一定の傾向が見られました。長年にわたって継ぎ足されたプログラムは、開発当時の担当者が不在になると誰も全体像を把握できなくなるケースが少なくありません。

技術的な負債がそのまま放置され、新しい技術への移行や日々の運用を阻害する要因となっています。

書いた本人しか読み解けないコードが残る

誰も全体像を把握していないシステムが存在することで、現場はどのような危機感を抱いているのでしょうか。

同調査では、誰も全体像を把握していないレガシーコードが現在も存在すると答えた人が一定数にのぼりました。書いた本人以外が意図を読み取れないため、異動や退職のたびに引き継ぎの負担が生じます。

現場の実態に関する調査結果は、ダウンロード資料にてご覧いただけます。

レガシーコードや技術選定のブラックボックス化がもたらすリスク

コードの複雑化や技術選定の経緯が特定個人の頭の中にのみ存在する状態は、開発現場の作業効率を落とすだけでなく、組織全体の対応力低下を招きます。

部門長が直視すべき3つのリスクについて見ていきましょう。

障害対応が、担当者探しから始まる

障害や不具合の対応履歴が特定の担当者に集中していると、復旧手順も確認ログも残っていません。そのため対応は、まず当時の担当者を探すところから始まります。担当者が不在であれば、原因の切り分けに入る前の時間だけ、顧客への影響が広がっていきます。

追加開発・改修コストの増大

技術選定では結論だけが共有され、比較した案や見送った理由までは記録されないことが多くあります。判断の経緯が残らないため、追加開発のたびに「なぜこの仕様なのか」を調べ直すところから始まり、過去の議論が再燃して意思決定がループします。

本来不要な確認作業にリソースが割かれ、開発投資を重ねても開発速度に結びつきにくくなります。

組織の持続可能性への影響(引き継ぎリスク)

特定のエンジニアしか解読できない「レガシーコード」が放置されていると、その担当者が異動や退職をした途端にシステムの保守や改修が立ち行かなくなります。書いた本人以外が意図を読み取れないため、引き継ぎ作業にも相応の時間と労力がかかります。

人材の入れ替わりによって組織の開発力そのものが大きく左右されてしまう状況は、長期的かつ安定的なシステム運用を脅かし、組織の持続可能性を低下させる重大なリスクです。

なぜ属人化するのか?「暗黙知」を生み出す管理構造の課題

なぜ属人化するのか?「暗黙知」を生み出す管理構造の課題

知識が属人化してしまうのは、個人の資質の問題ではなく、情報を管理する構造そのものに原因があるケースが大半です。知見が組織に定着しない3つの構造的課題を見ていきましょう。

情報が別々の場所に分散している

対応を進めるためのタスク管理はスプレッドシート、技術選定の議論はチャットツール、仕様書はファイルサーバといったように、ツールが分断されていると情報は散在してしまいます。業務にあたるメンバーは複数の場所を横断して情報を探さなければならず、経緯の全体像をつかむのは容易ではありません。

結果として、過去の経緯を思い出せるのは作業を担当した本人だけになり、他のメンバーには再現しにくくなります。

判断の理由を記録する運用ルールがない

技術や設計の選定では、決まったことだけを共有し、比較した案や採用・見送りの理由までは記録しない現場が多くあります。記録が「対応が終わったあとの作業」になっていると、忙しいときほど後回しになり、判断の経緯は担当者の記憶にしか残りません。

結果として、後から同じ検討をやり直す原因になります。

過去の対応記録が「再利用」できない

設計判断の理由や障害対応の記録を残していても、その型や残し方が担当者ごとに異なっていれば、いざというときに必要な情報を検索できません。採用された案の理由だけでなく、見送られた案の背景などが記録されていなければ、後から同じ検討を繰り返す二度手間が生じます。

引き継ぐべき項目のルールが定まっていない環境では、せっかくの記録も個人の記憶の延長にしかならず、組織の資産として再利用することは困難です。

Backlogで実現する「暗黙知の組織知化」と開発生産性の向上

暗黙知を組織の共有資産である「組織知」へと変えるには、ツールを活用した適切な業務管理が欠かせません。プロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」を用いて開発生産性を高める方法を解説します。

業務履歴を組織知に変える基本設計

レガシーコードや技術選定の属人化を防ぐ第一歩は、「対応に必要な情報を1か所に集める」「記録を別の作業にしない」「記録の型を決めておく」という基本設計を整えることです。

日々の業務を進める流れの中で自然と記録が残る仕組みを構築すれば、情報を残す手間を抑えられます。作業の進捗と判断の経緯を1か所に集約することで、個人の記憶に頼らない情報管理に近づきます。

タスクと「判断の経緯」を紐づけて蓄積

Backlogの課題(タスク)管理機能を活用し、技術選定や仕様変更の作業を課題として登録します。

課題のコメント欄を使って決定理由や影響範囲を議論することで、チャット等に情報が流れることなく、作業と判断理由がセットで蓄積されます。一度検討した見送り案や決定経緯が時系列で残ります。

ただし、どの議論を課題上で進め、どこまでをチャットで済ませるかの線引きは、運用として決めておく必要があります。

タスクと「判断の経緯」を紐づけて蓄積

引き継ぎに残す項目を、あらかじめ決めておく

レガシー領域の改修や引き継ぎでは、何を残すかが担当者ごとに異なることが、記録が再利用されない最大の原因です。

Backlogでは、課題の入力項目をテンプレートとして固定できるため、何を書くかを毎回考えなくても同じ粒度の記録が残ります。どの項目を固定すべきかは、現場の運用によって変わります。

引き継ぎに残す項目を、あらかじめ決めておく

Backlogは30日間無料でお試しいただけます。

トライアル開始時の支払い情報入力も不要ですので、技術選定とレガシーシステムの標準化にぜひご活用ください。

技術選定の記録から、属人化の解消に着手する

部門長にとって、特定メンバーの記憶に依存したレガシーコードや技術選定の属人化解消は、組織の開発生産性向上を図る上で急務といえます。

まずは部門内に残るレガシーコードと、技術選定の記録の実態を把握するところから着手します。次に、判断の理由をどこに、どの型で残すかを決めます。

IT業界の部門責任者やマネージャーの方々に向けて、開発現場で知見が属人化してしまう構造的な原因や、情報を組織資産に変えるための基本設計をまとめた資料をご用意しました。

課題テンプレートで入力項目を統一し、会議を議論の場に変えた導入事例も掲載していますので、組織体制の強化や経営層への提案にぜひお役立てください。

【調査概要】
調査名:「仕事に関するアンケート」
調査対象: 会社経営者・役員、正社員(全体n=400)の内、勤務先の業種を「IT・情報通信業」と回答した人(n=200)
調査方法:インターネット調査
調査期間: 2026年8月6日~7日
調査機関:株式会社ネオマーケティング

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