属人化したコードに潜む経営リスク|暗黙知を組織知に変える3ステップ

属人化したコードに潜む経営リスク|暗黙知を組織知に変える3ステップ

「とりあえず動いているものの、誰もコードの全体像を把握していない」
「特定の開発者しか触れられないコードが存在する」

このような状況は、IT開発現場においてしばしば発生しがちです。いわゆる「属人化したコード」に代表される暗黙知は、経営層の方々にとって重大な経営リスクになり得ます。

本記事では、開発現場の実態を独自に調査した結果を踏まえつつ、「属人化したコード」がもたらす経営リスクと脱却ステップをまとめています。

暗黙知を組織知化するためのツール活用方法もあわせて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

IT開発現場における「属人化したコード」の実態

ヌーラボがIT・情報通信業に従事する方200名を対象に実施した独自調査では、プロジェクト管理に関する課題や悩みが浮かび上がってきました。IT・情報通信業に関しては、次の点に現場の実態が表れていると考えられます。

一定数の開発現場で暗黙知(属人化したコード)が存在

同調査では、過去に作成されたレガシーコードや特定の担当者しか理解できないプログラムが存在している傾向が見られました。コードを書いた本人以外が設計の意図を読み取れず、保守改修やシステム変更のたびに大きな負担が生じることになりかねません。

全体の構造を誰も把握していないコードの存在が、開発のスムーズな進行を阻む要因となっています。

属人化したコードに対して現場が感じ取っているリスク

調査結果では、障害対応の詳細が特定の担当者に集中しており、対応の遅れが顧客への影響拡大につながるリスクを危惧する声が見られました。さらに、特定のエンジニアの異動や退職に伴って引き継ぎ負担が重くなり、人材の入れ替わりによって組織の開発力そのものが左右されてしまう課題感も浮き彫りになっています。

現場が抱えるこうした課題に関する調査結果は、ダウンロード資料をご覧ください。

「属人化したコード」がもたらす経営リスク

暗黙知化したコードの存在は、開発現場の作業効率を低下させるだけでなく、企業の成長や事業継続において深刻な経営リスクをもたらしかねません。代表的な3つのリスクについて解説します。

属人化がもたらす事業継続(BCP)リスク

システムの構成やコードの仕組みを特定の古参エンジニアしか把握していない場合、その担当者の退職や異動によって運用のノウハウが失われてしまいます。仕様の確認や不具合の調査を行える人がいなくなると、既存システムの保守や機能追加が滞りやすくなります。

その結果、復旧に時間がかかり、事業継続計画(BCP)の観点でもリスクとなります。

誰も手を入れられないコードが、改修を止める

全体像が不透明なコードには「一部を修正すると別の機能が不具合を起こす」という危険が潜んでいるため、開発者が手を加えにくくなります。改修が敬遠され続けると、古いライブラリの更新やセキュリティ対応といった、本来は定期的に行うべき保守まで先送りされます。

書いた本人以外が意図を読み取れない状態が、技術的な負債を蓄積させていきます。

開発生産性の低下

複雑化した解読困難なコードを読み解く作業や、強引に運用でカバーするために多大な時間を奪われ、開発チーム全体の生産性が低下します。追加開発を行うたびに過去の検討内容を改めて調査し直す必要が生じるため、不要なリソースの消費が重なり、事業成長の足かせとなります。

その結果、企業の成長に寄与する新機能の開発やDXの推進といった優先すべき施策に、開発力やIT投資を割り当てにくくなります。

「属人化したコード」がもたらす経営リスク

属人化したコード=暗黙知を組織知化するためのステップ

属人化したコードによるリスクを解消し、暗黙知をチーム全体の共有資産である「組織知」へ移行するには段階的なアプローチが必要です。組織知化に向けた3つの手順を紹介します。

現状の可視化と棚卸し

まずは社内のどのシステムやツールが特定の個人に依存したコードに頼っているかを把握し、現状を整理します。担当者不在時に発生する障害の影響範囲や、事業活動における該当システムへの依存度を評価してリスト化しておくことが重要です。

情報やノウハウがどこに散在しているかを把握することで、課題の優先度を正しく判断し、今後の対策に向けた基盤を整えられます。

記録が、業務の流れの中で残る状態にする

記録を「対応が終わったあとの作業」にしていると、忙しい部門ほど後回しになります。業務を進める流れそのものに記録が残る仕組みであれば、後回しにする判断が起きにくくなり、経験が次の開発で使える形で積み上がります。

どこに投資すべきかを判断する際も、過去の対応実績を参照できる状態かどうかが分岐点になります。

脱属人化のための標準化

属人化を防ぐために、仕様やコードの設計思想をドキュメントとして残す運用を標準化します。特定のエンジニアのみに依存しない開発体制を築くため、何を残すか、どの項目を必ず記録するかをチームの共通ルールとして定めておくのが効果的です。

書き方や記録の残し方をチーム全体で統一することにより、個人の記憶に頼っていた知識が組織知として定着していきます。

属人化したコード=暗黙知を組織知化するためのステップ

Backlog活用で実現する「属人化したコード」の組織知化

暗黙知を組織知に変える具体的なツールとして、プロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」が役立ちます。コードの属人化を防ぎ、ノウハウを蓄積する活用法の概要を見ていきましょう。

ドキュメントで属人化したコードを形式知化

コードの背景にある仕様や実装理由、注意点をBacklogのドキュメント機能に記録し、チーム全体で参照できるナレッジとして蓄積しましょう。

複雑な処理手順や注意すべきクエリもわかりやすく残せるうえ、実際の修正依頼(課題)とあわせて確認することが可能です。過去の経緯を遡りやすくなるため、コードのブラックボックス化を抑えられます。
ドキュメントで属人化したコードを形式知化

判断の経緯そのものを、課題に残す

技術選定や仕様変更の検討は、チャットや口頭ではなく課題のコメント上で進めるのがおすすめです。

「なぜこの案を採用し、どの案を見送ったのか」という議論の経緯そのものが、時系列で残ります。決定事項だけを共有していた状態から、判断に至る過程まで参照できる状態へと移行できます。

実装の背景が残っていれば、後任のエンジニアも影響範囲を見極めたうえで改修に着手できるでしょう。ただし、どの議論を課題上で進め、どこまでをチャットで済ませるかの線引きは、運用としてあらかじめ決めておく必要があります。

判断の経緯そのものを、課題に残す

AIアシスタントによる開発生産性の向上

Backlog AIアシスタントを活用することで、プロジェクト内に蓄積された課題やドキュメントの情報を生成AIが要約・整理。専用のAIを構築せずに、過去の対応手順や設計意図を探しやすくなります。

AIアシスタントによる開発生産性の向上

Backlogは30日間無料でお試しいただけます。

トライアル開始時の支払い情報入力も不要ですので、開発現場における暗黙知の形式知化・組織知化にぜひご活用ください。

属人化したコードの組織知化は経営リスク回避に向けた重要な課題

IT開発現場における属人化したコードや暗黙知の解消は、組織全体の開発スピード向上や障害復旧時間の短縮につながります。自社の開発力が、特定の担当者の在籍に左右されない状態になっているか、ぜひこの機会に自社の体制を見直してみてはいかがでしょうか。

IT業界の経営層や部門責任者の方々に向けて、開発現場で知見が属人化・暗黙知化してしまう構造的な原因や、それらを組織の共有資産(組織知)に変えるための考え方・仕組みをまとめた資料をご用意しました。

障害対応や引き継ぎの効率化に向けた具体的な活用例や導入事例も掲載していますので、組織体制の強化や今後の投資判断にぜひお役立てください。

【調査概要】
調査名:「仕事に関するアンケート」
調査対象: 会社経営者・役員、正社員(全体n=400)のうち、勤務先の業種を「IT・情報通信業」と回答した人(n=200)
調査方法:インターネット調査
調査期間: 2026年8月6日~7日
調査機関:株式会社ネオマーケティング

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