JBUG札幌 #8 「仕事の”うまい”進め方」を振り返る!! #JBUG

世界中のBacklogユーザーのみなさま、こんにちは! コミュニティマネージャーのTanny(タニー)こと、谷山鐘喜(たにやましょうき)です!

今回はBacklogのユーザーグループ、JBUG(ジェイバグ)が札幌で開催されました!その様子を登壇された方ごとにレポートします。

オープニング 巻さん

オープニングトークはJBUGのメンバーとして長く活動している巻さんです。

現在テックタッチ株式会社のQAエンジニアとして品質管理に携わる巻さんですが、休日は二人のお子さんと遊んだり、趣味で焼き鳥の串打ちをしているそうです。

そんな巻さんは2018年7月にJBUG札幌を立ち上げました。そこからこれまでに8回JBUGを開催しており、積極的に活動をしていただいております。

コロナ禍で思うようにできないこともありましたが、2020年10月には初めてとなるオンライン開催にも試みたり、当時の状況を鑑みた上でJBUG東川をオフライン開催いただいたりしました。

今回久々に開催されたオフラインのJBUG札幌も数ヶ月前から相談いただきました。

実際に開催が決まると、企画から諸々の手配、そしてタスク管理から企画の推進まで非常にスムーズに進んだので、さすがベテランJBUGerの巻さんでした。

巻さんの資料の一部巻さんの登壇資料

Backlogを活用して業務課題をなんとかする 垂水さん

エンジニアの垂水さんは2020年2月に現在務めるネオス株式会社へ転職しました。

その際にご自身の仕事の進め方やタスク管理を見直したそうで、その時の経験を共有いただきました。

元々業務を進める上で下記のことに困っていたそうです。

  • チャットの返事がなかなか来ない
  • ステータス「保留」だらけ

その結果、スケジュールを遵守できないという問題があったそうです。

そこでまずはExcelを使ってタスク管理を始めたようですが、うまくいかずに失敗。
試行錯誤しましたが結局うまくいかなかったようで、自分自身のコミュニケーションの取り方や動き方も含め見直したそうです。

その後新たに参画したプロジェクトでは既にBacklogを使用していたこともあり、二つの機能に焦点をあて、使い方を工夫したそうです。

【着目した機能】

  • コメント
  • ウォッチ

コメント機能

今まではローカルのファイルにメモを書いていたが、課題コメントにまとめることで情報が整理でき、関連情報にもアクセスしやすい状況を作り出せた。
情報が多くなる時は別課題を起票したり、文章を装飾することで第三者が見ても理解しやすくできた。

ウォッチ機能

自分自身に関連しそうな課題をウォッチ登録、「メモを追加」から自分なりのコメントやステータスを記入していくことで定期的にタスクの棚卸しができるようにしておく。

垂水さんの登壇資料垂水さんの登壇資料

元々抱えていた業務上の課題も「Backlogを活用したら なんとかなりました!!」と言っていただいたのはとても嬉しくありがたいです。

最初はExcelでのタスク管理から始まり、試行錯誤した結果、なかなかうまくいかなかった、という経緯も、業務改善においては大切なプロセスだと思います。

だからこそよりよく考え、なんとかしなければという危機感がさらなる工夫に繋がったのではないでしょうか?

今回はたまたまBacklogに落ち着いていただいたようですが、この業務上における連携や情報共有における工夫は状況に応じてカスタマイズしたり、やり方をアップデートしていくことも大切だと思います。

登壇資料はこちらから

「無ければ作る」Backlogに欲しい機能を自分で作った話  鈴木さん

BacklogにはWikiという機能があり、議事録や作業結果をまとめられます。

その際にBacklog記法Markdown記法のいずれかの方法で記載していく必要があります。
今回鈴木さんが作った欲しい機能とは、Backlog記法でリアルタイムプレビューができる機能です。

もちろんBacklog自体にもプレビュー機能はあるのですが、書きながらその場でどのように反映されているのかは確認できません。

リアルタイムプレビュー機能のデモンストレーションはこちらから👇

Backlog Realtime PreviewというChrome拡張の開発に取り掛かるもBacklog記法のパーサ
(構文解析/変換)の開発に関しては難しく、一筋縄ではいかなかったようです。

しかし、各文法を正規表現で検査し、合致したら文字列操作により直接HTMLに変換するという方法でできるようになったそうです。

そして最後に今後はMarkdown記法にも対応していきたいと話していました。

鈴木さんの登壇資料鈴木さんの登壇資料

鈴木さんがデモンストレーションを行った時、会場からは「おー!!」と歓声が上がっていました。僕もその一人です。

BacklogだけではなくCMSなど、様々なツールにあるプレビューですが確認するためには一度作業の手を止める必要があります。

このリアルタイムプレビューはその必要がなく、書きながら確認でき、「手を止めて確認する」という手間が毎回省けるので1回1回は小さくても全体で見ると大きなコスト削減に繋がると思います。

「手を止めて確認する」という行為は都度作業の手が止まるので、意外とストレスを感じている方も少なくないですよね。

作業が途切れてしまうのは集中力やモチベーションにも影響を与えてしまう可能性があるのでリアルタイムプレビューで作業が継続できるのは、単純に作業効率を上げるだけの効果だけではないと思います。

実際に会場やSNSからも「素敵すぎる!」や「これ欲しい!」など、共感の声が多くあがりました。

登壇資料はこちらから

スポンサーセッション:ネオス株式会社の会社紹介  小林さん

会場と飲み物をご提供いただいたネオス株式会社のスポンサーセッションです。

小林さんは過去に2回、JBUGに登壇いただいており、2回目はコロナ禍で実施したオンライン開催でした。
Backlogとの関わりも10年近く経つようで、ネオス社ではプロジェクト数が400以上になるそうです。

Backlogの好きな所として、「シンプルで使いやすく、動作が安定している」と仰っていただきました。とてもありがたいですね。

一方、「孫課題が欲しい」などのご要望もいただきました。代替案の使い方をYouTubeで公開しておりますのでご参考にしてください👇

その後、事業内容や実際に開発されているサービスのご紹介がございました。

AIチャットボットをはじめ、さまざまなサービスを開発しているようです。

この度は改めて、素敵な会場のご提供や飲み物の手配をいただき、ありがとうございました。

小林さんの登壇資料小林さんの登壇資料

登壇資料はこちらから

見える化だけじゃ進まない!Backlogを使った課題管理術  川筋さん

バックエンドエンジニアの川筋さんは過去にBacklogの未完了課題が300件以上あり、Wikiも無法地帯で歴代リーダーが棚卸しに挫折してきたという案件を引き継いだ経験をお持ちです。

その時にとても大変な思いをしたので新規案件に参画した時に、運用ルールをガチガチに決め過ぎず、自身が積極的に使い、週次会議で棚卸しすることを決めて臨んだそうです。

しかし、下記の状態となったことから使い始めればそのうち浸透するという考えが甘いと痛感したそうです。

  • 起票した課題が更新されない
  • Backlogで投げてもチャットで返ってくる
  • Excelの課題管理表が添付されてくる

そこで運用ルールを意識しながらもメンバーが自発的にBacklogを利用している状態が理想と考え、工夫をしていったそうです。

【Backlogを習慣化するための工夫】

  • とにかくBacklogに誘導する
  • 運用ルールは相談しながら決める
  • 課題管理以外の機能も活用する
  • スター機能を積極的に使う

このように全員が参加し、自ら積極的にコミュニケーションを図ることで徐々にBacklogが浸透していったそうです。

また、結果的に川筋さんからは「さまざまなプロジェクトマネジメントツールを使ったけど、Backlog推し!使いやすいし、コミュニティもあるし!」と言っていただけました。

とても嬉しいですね。

川筋さんの登壇資料川筋さんの登壇資料

Backlogだけではないと思いますが、社内やクライアントなど、組織への各ツールの浸透を行うのはさまざまな現場で課題となっているようです。

他のJBUGメンバーからも同様の課題は聞いたことありますが、やはり川筋さんのように、都度Backlogへ誘導したり、情報を一元化させることで皆が迷った時にBacklogから検索して情報を探せる状況を作り出す。ということが地道だけど大切な一歩となると思います。

そこに加えて感心したのは、ルール作りからメンバーに参加してもらっていることと、自分がされて嬉しいコミュニケーション(スター機能の活用)などを積極的に行い、主体的になって進めているということでした。

こうすることで周りの方も感化され、徐々にツールを使って業務を進める習慣がモチベーションと共に向上していくと思いました。

また、Backlogチャンネルでは「クライアントにBacklogを導入する時のやさしいステップ」も公開しておりますのでよろしければご参考にしてください👇

登壇資料はこちらから

全ての仕事は合意形成だとしたら、病気のサルを生み出さないために僕たちは他者に対して何を書き伝えるべきなのか  中道さん

ヌーラボでプロジェクトマネージャーとして働く中道に、JBUG札幌の運営チームの皆さんから登壇のご依頼をいただきました。JBUG札幌の皆さん、貴重な機会をありがとうございました。

中道さんはご自身の経験を踏まえて、プロジェクトマネジメントに関する合意形成についてお話ししました。

合意形成が全ての仕事の核である

利害関係者が多くその間を飛び回り、議論を交わしていく中で、どのように合意形成をするか話していました。
まず、「合意形成こそがプロジェクトマネージャーの仕事の核」と定義付けをし、失敗した場合の原因を下記の通りに挙げていました。

  • 約束があやふや
  • 見当違いな約束をする
  • そもそも無理な約束をする

そこでチーム間や企業間の合意という考え方ではなく、各組織の中で意思決定権を持つ人を決めてもらいその人と認識を合わせ、約束することの大切さを訴えておりました。

つまり、「誰と握るか?」ということですね。

そして各メンバーへの相談や報告もその意思決定者達が行い、チームとしてまとまってもらうとのことです。

またプロジェクトの状況を鑑みて、その都度合意形成をアップデートすることも大切とのことです。

他人のサルの世話に明け暮れてはいけない

あくまで比喩ですがここで言うサルとは「炎上する前のボヤ状態のトラブル」と捉えていただいて良いかもしれません。

中道さんの登壇資料その1中道さんの登壇資料その1

ここで「考えさせて」など、あやふやな返事をすると、そのサル(問題)は自身の肩に乗り移って来て、気づかないうちに世話を引き受けたことになっていくそうです。

その後そのサルは増えたり、別の所から新たにやって来ては、頭を悩ませるタネとなり、プロジェクトの進行を大きく阻害する要因となっていくようです。

また、本来自身がサルを監督しコントロールする立場ですが、このような状況に陥るといつの間にか自分自身がサルにコントロールされてしまうこともあるようです。

そこでサルの対応に臨む姿勢として下記の点を挙げていました。

  • マネージャーの場合は自分しか対応できないサルのみを世話すること
  • 大抵、現場の担当者の方がマネージャーよりもサルをうまく扱えるので任せる
  • 目指すべきは、大量のサルの世話ができることではなく、いつでもつかまるマネージャーである

合意形成をする際に、何を書き伝えるべきなのか?

前述したサルの対応に臨む際のBacklogの運用ではテンプレートを使用しているそうです。

中道さんの登壇資料その2中道さんの登壇資料その2

そこでこちらのテンプレートの内容について解説します。

課題のゴールを書いてください

誰が読んでも明確に伝わるように、次の対応と完了条件を書く。その際に期限日と担当者を必ず設定する。

課題の説明や背景を書いてください。

対応策の実施条件を明記し、関係者の承認が必要かどうかをはっきりとさせる

なぜ対応する必要があるのか?

相談者や依頼者が主に記入する。中道さん曰く、最も重要な要素だと考えているそうです。

以上、このようなプロセスをきちんと設計することで責任の所在を明らかにしていくそうです。また、相談事項にも情報に漏れがないようにするので、初めて依頼として成立するとのことでした。

僕自身、中道さんの話を聞いて腑に落ちる部分が多かったです。

例えば、合意形成を進める部分です。各利害関係者の間を周って話を聞くだけでも大変ですが、それぞれの立場で正しいと思える意見を述べるので落とし所を見つけたり、どこで妥結するかの調整は時には厳しい判断もしないといけません。

しかしそれこそがプロジェクトマネージャーの仕事と断言していたのはその通りだと思いました。

また、トラブルをサルに例えて話を進めるのはその内容自体も面白く、内容も多くの方が経験あることだと思います。特に「あやふやな返事」や「後手に回す」、「初動が遅れる」などは忙しい日々の中では起こりがちです。

それらが多くのケースで別のトラブルの引き金になることもあります。
これは多くの人が悪気はないけどやってしまった経験があることだと思います。

本来なら「トラブル」や「クレーム」こそ前のめりで潰しにいかないといけません。
そしてそこから得た経験やデータを後学のために活かすのです。

言うのは簡単ですが、なかなかできないこともあると思います。僕も自分自身に言い聞かせて頑張っていきたいと思います。

最後に話していたトラブルを防ぐためのBacklog活用方法はさまざまな業種業界の方にとって参考になる話だと思います。

特に「なぜやるのか」を伝えるのは僕も大切なことだと思っています。
実際にやる方にとって、理由を理解して仕事を進めるのと、理解をしないで仕事を進めるのではモチベーションやパフォーマンスに影響がありますよね。

つまり「相手が納得しているかどうか」ということですが、「仕事なんだからしのごの言わずやれ」的な考え方は少々乱暴であり、理由や背景を伝えて理解と納得をどのように得ていくかのコミュニケーション設計が大切だと考えています。

そして中道さんも言っていましたが、「なぜ」が分かると他の対応方法が浮かんだり、別のアイデアが出てきたりと、より本質的な問題にメンバー全員で向き合えるようになれると考えています。

登壇資料はこちらから

レポートブログについて

今回登壇頂いた巻さんと小出さんにレポートブログを書いて頂きました。ありがとうございました!

巻さんのブログ:ひさびさの #JBUG札幌 オフライン開催 〜仕事の”うまい”進め方〜
小出さんのブログ:JBUG Sapporo #8 Report

交流会

今回、JBUGが終わり懇親会への参加を募ると、多くの方が手を挙げ、参加してくださいました。
それだけ楽しいと感じていただけたのだと思い、とても嬉しかったです!

JBUGから懇親会まで、今までオンラインだけでの交流だった方々がお会いでき、現地で実際に会える楽しさを感じていました!

居酒屋でもJBUGの余韻に浸りながらも、業務上の悩み相談からプライベートの話まで多くの方が交流して盛り上がっていました!
改めて会場提供いただいたネオス社及び、開催に向け準備された運営の皆さん、ありがとうございました!!

また登壇者の皆さまもお疲れ様でした!お忙しい中ご準備いただきありがとうございました!

次回は10月頃の開催を予定されているそうです!その際もぜひよろしくお願いします。
一緒に北海道を盛り上げて行きましょう♪

集合写真集合写真

懇親会の様子懇親会の様子

Togetterについて

当時のTwitterの様子をJBUG札幌運営の方にまとめていただきました。
ありがとうございました!!

togetterの内容はこちらからどうぞ

次回以降のJBUGについて

JBUGについて

JBUG(ジェイバグ:Japan Backlog User Group)は、Backlogユーザーによるコミュニティです。現在はオフラインやオンラインでのイベント開催をメインに、Backlogの話だけに止まらず、プロジェクトマネジメント全般やチームコミュニケーション、働き方などについても意見交換を図っています

プロジェクトマネジメントは、全ての業種/職種において必須のスキルである一方、そのノウハウが学べる場はあまり多くありません。

Backlogは国内最大級のプロジェクトマネジメントツールであり、すでに100万人を超えるユーザーがいることから、「プロジェクトマネジメント」「仕事のうまい進め方」に関する知識やテクニック、ノウハウを学び合うことをねらいとして、Backlogユーザーによって、JBUGが発足されました。

実体験から学んだ知見やノウハウのシェアを通し、より「働くを楽しくする」を実現したいと思っています。

あなたの街でもJBUGのイベントを開催しませんか?

これまで、北海道、宮城、東京、愛知、静岡、大阪、兵庫、高知、岡山、広島、福岡、宮崎、鹿児島、沖縄にてJBUGのイベントが開催されました。

いずれも、「イベントをやろう!」というBacklogユーザーさんが主体となり、リーダーとして話を進めてくださっています。もしあなたがBacklogユーザーで、「私の住む街でもJBUGを開催しようかな?」と思ったら、ぜひお気軽にJBUGのフォームからご連絡ください!Backlog運営メンバーの方々と一緒に、開催時期やテーマについて考えましょう!

Backlogの開発・提供のみならず、プロジェクトマネジメントのリアルなノウハウや知見を共有する場をオフライン、オンライン問わず増やしていくことにより、「働く」を楽しくしていきたいと考えています。

それでは、JBUGのイベントでBacklogユーザーのみなさまにお会いできることを楽しみにしています!

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