世界中のBacklogユーザーのみなさま、こんにちは! コミュニティマネージャーのTanny(タニー)こと、谷山鐘喜(たにやましょうき)です!
今回はオンラインでの開催が初めてとなるJBUG静岡です。
プロジェクトマネジメントを学ぶべく、リモートワークでのコミュニケーション方法やBacklog活用方法など、多くの事例や考え方が紹介されました。
その時の様子をレポートとし、コミュニティマネージャーとしての所感をお届けします。
セッション1:中西さんによる「Backlogに自動翻訳機能を付けてみた!」
前回のJBUG静岡で運営の栗原さんが言っていた「オフショア先のメンバーとBacklogでコミュニケーションを取る際に、その都度翻訳しながらコメントをしている」という話を聞き、その手間を解決する為に自動翻訳機能を実装してみたという中西さん。
Google Natural Language APIを使用する事でBacklogに投稿されたコメントを検知し、AIが言語判定を行った後、翻訳された言語が再度コメントされるという仕組みらしいです。
実際にデモンストレーションでは日本語サイトからニュースをコピペして投稿してみると、その内容が英語と中国語に翻訳されてコメントとして投稿されていました。
しかもintegromatを使ってNoCodeで実装されたそうです。
自動翻訳もGoogle翻訳と同等の精度との事なので、余程の長文や専門的な文章にならない限り、ある程度は理解できる翻訳内容になるそうです。
Tanny’s eye
毎回自分で翻訳サイトにコピペする手間が省けるので一つ一つは小さな手間でもその積み重ねで大きな効率化に繋がります。またブラウザを切り替える事なく、同じコメント欄に表示されるのは記録にも残りますしとても便利です。
そんな便利な機能をNoCodeで実装したとの事なので、エンジニアではない方々にとっても希望が湧く内容でしたね。
特にこれからの時代は様々な国の方々とコミュニケーションを取る機会が増えますし、翻訳の精度も上がっていくでしょうから、まさにノーボーダーという考え方が浸透していく事でしょう。
セッション2:野末さんによる「数千人からの問い合わせを15人で捌くために出来ること」
RPAやDXなど、業務改善のサポートを行っている野末さん。
サービスデスクとして顧客の業務改善を行う為、以前は現地まで赴き対応されていた事もあるそうです。
寄せられる問い合わせ内容も様々な上にチャットや口頭、紙やメールなど様々な方法で連絡があるそうで、タスク管理やメンバー間での情報共有に課題を抱えていたそうです。
当初はExcelで管理していたそうですが、管理する案件の件数が増える度に業務に支障をきたしていたそうです。
やはり表計算ソフトなのでこのような業務管理には適していないと感じ、Backlogに移行したそうでその結果業務における全ての課題が解決できたそうです!
Tanny’s eye
今回、野末さんのお話で面白かったのは普段から取り組む管理業務に、まずはExcelから始めた事です。その後必要に迫られBacklogに移行したという実体験から様々なメリットを解説頂きました。
僕自身Excelのマージ作業やファイル名を日付に書き換えてのキャッチボールは経験した事ありますが、作業しながら「これはヒューマンエラーが生じる可能性が至る所にあるなぁ」という事を感じておりました。
こうしたリスクは当然発生しない方が良いですし、後からデータなどの移行作業が生じる事も避けた方が良い為、最初からBacklogを導入した方が良いという事でした。
特にExcelからBacklogに移行する時など、変化の嫌いな人に対しては旧式のツールや、やり方になぜこだわるのか丁寧に紐解いた上で、「新しいツールを導入した先にも思い描いている世界がある事」をしっかり伝える。という相互理解が必要そうです。
清水さんによる「スモールチームの或る一個人のプロジェクト管理」
Web制作の請負業務からコワーキングスペースの運営など、様々な事業を展開されている清水さんの会社では、プロジェクト数は89個あり、全てのプロジェクトに全メンバーが参加しているそうです。
また、事業の一環であるWordPressのテーマを開発する際は、その都度プロジェクトを立てていたとの事でした。
しかし、次第にプロジェクトの量が増える事により検索性が悪くなり、目的のプロジェクトや課題に辿り着くまで時間がかかるようになってしまった為、下記の3つのルールを設ける事で解決したようです。
- 課題に接頭辞をつける
- 件名は簡潔にする
- 重要度の高い課題はSlackで共有
開発案件ごとにプロジェクトを立てていたが、そうする事で却って非効率な場合もあったと振り返っていました。
Tanny’s eye
とても勉強になったのは、案件ごとにプロジェクトを立てるという習慣に基づいて業務を進めていた所、「これって必ずしもプロジェクトを立てる必要がない」という事に気づいた点だと思います。
つまり、プロジェクトを毎回立てる事で「知りたい内容」を検索する際はプロジェクトを跨いで課題やWikiを探さないといけません。
知りたい内容がある対象のプロジェクトが思い出せないという事は良くありますが、この場合検索に引っかかったプロジェクトの中身を一つ一つ確認する必要があります。
しかし、「WordPressテーマ開発」など、一つのプロジェクトの中で一定のルールを設けて課題登録を行う事で少なくともその手間は省けます。
その上、「カテゴリー」や「マイルストーン」などでも絞り込めますので、検索性や課題の整理という意味では更なる効率化に繋がるかもしれません。
大石さんによる「とある会社のBacklog使用砲(初級編)」
システム開発を請け負っている大石さんの会社ではBaklogを全社的にご利用頂いているそうです。
例えば監視対象システムでアラートが発生すると自動的にBacklogにチケット起票がされるようにしており、インシデント管理にもご利用頂いているようです。
また各種手続きや申請におけるワークフローにおいても細かくルールが分かれているそうですが、その全てにBacklogをご利用頂いており、手続きの方法もWikiにまとめているとの事でした。
例えば、とあるシステムのログイン情報の発行申請をする時は課題起票時に課題のテンプレートを使い申請フローを記載しているそうで、その他にも捺印申請や事業部のルール、新入社員のガイダンスまで全ての情報がBacklogにまとまっている為、業務の際にはBacklog以外は見ないと言っても過言ではないそうです。
また、プロジェクトに無関係な人を招待する事で情報漏洩に繋がらないように、登録メンバーの正当性判断もプログラムで自動チェックできるようにしているとの事でした。
Tanny’s eye
このように全ての情報を同じツールにまとめるという事は非常に大切だと思います。
今回、資料は非公開となりますが、ご紹介頂いたBacklogの活用方法の中にWikiや課題のテンプレートがあり、それらを活用する事で圧倒的な業務効率化に繋がっていたと思います。
具体的には、Wikiに各種ワークフローや運用ルールなどをまとめる事で情報という資産を共有できる上、引継ぎなども可能です。
また、課題のテンプレートを使用すれば「新入社員が入社した際の手続き」や「受注報告」「稟議申請」など、ありとあらゆる場面で雛形を作成できる為、人により処理や報告の内容がバラバラで確認作業が必要になるという事態も避ける事ができるでしょう。
最後に
今回の開催に向けご尽力された、JBUG静岡の吉田さん、大石さん、栗原さん、お忙しいところお疲れ様でした!!ありがとうございました!!
参考資料につきまして
次回予告について
是非下記のページよりお申し込みください。
- 2020/10/08(木)20:30〜「JBUG 東京#18 #オンライン 〜かつての自分に伝えたいコト〜」
- 2020/10/11(日)14:00〜「【オンライン】JBUG広島#6 制御不能な時代に立ち向かえ」
JBUGについて
JBUG(ジェイバグ:Japan Backlog User Group)は、Backlogユーザーによるコミュニティです。現在はオフラインやオンラインでのイベント開催をメインに、Backlogの話だけに止まらず、プロジェクトマネジメント全般やチームコミュニケーション、働き方などについても意見交換を図っています。
プロジェクトマネジメントは、全ての業種/職種において必須のスキルである一方、そのノウハウが学べる場はあまり多くありません。
Backlogは国内最大級のプロジェクトマネジメントツールであり、すでに170万人を超えるユーザーがいることから、「プロジェクトマネジメント」「仕事のうまい進め方」に関する知識やテクニック、ノウハウを学び合うことをねらいとして、Backlogユーザーによって、JBUGが発足されました。
実体験から学んだ知見やノウハウのシェアを通し、より「働くを楽しくする」を実現したいと思っています。
あなたの街でもJBUGのイベントを開催しませんか?
これまで、北海道、東京、愛知、静岡、大阪、兵庫、高知、岡山、広島、福岡、宮崎、沖縄にてJBUGのイベントが開催されました。
いずれも、「イベントをやろう!」というBacklogユーザーさんが主体となり、リーダーとして話を進めてくださっています。もしあなたがBacklogユーザーで、「私の住む街でもJBUGを開催しようかな?」と思ったら、ぜひお気軽にJBUGのフォームからご連絡ください!Backlog運営メンバーの方々と一緒に、開催時期やテーマについて考えましょう!
Backlogの開発・提供のみならず、プロジェクトマネジメントのリアルなノウハウや知見を共有する場をオフライン、オンライン問わず増やしていくことにより、「働く」を楽しくしていきたいと考えています。
それでは、JBUGのイベントでBacklogユーザーのみなさまにお会いできることを楽しみにしています!
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