Backlogを活用した業務標準化と組織定着・AI活用ノウハウ|JBUG名古屋#8イベントレポート

2026年10月16日、名古屋の株式会社コラボスタイル様が運営するコラボベースNAGOYAにて、JBUG名古屋を開催しました。

今回のテーマは「Backlogはプロジェクト管理だけじゃない!営業チームのBacklog活用事例」です。

「新しいツールを入れたのに、気づけば誰も開かなくなっている」「状況を知りたいときに、チャットで『今どうなってる?』と確認している」。エンジニア以外のチームでBacklogを使い始めた際、こうした壁にぶつかる方も多いのではないでしょうか。

今回のJBUG名古屋では、ヌーラボのセールス部がBacklogを情報の集約先にして確認の手間を削減してきた実践と、コラボスタイル様が営業組織にBacklogを約9か月かけて定着させてきた取り組みを共有いただきました。後半には、参加者同士で日頃の悩みを持ち寄る座談会も行いました。当日のセッション内容をまとめましたので、ぜひご一読ください。

※掲載内容はすべてイベント開催当日時点の情報です。

「今どうなってる?」を聞かなくていい営業チームへ〜インサイドセールス・ウェビナー・SFA設計をBacklogで回す〜

ご登壇者紹介

株式会社ヌーラボ
セールス部 牟田 かおり

Backlogを利用しているユーザーの過半数は、非エンジニア職の方々です。牟田からは、ヌーラボのセールス部が実際にBacklogをどのように運用しているかを紹介しました。

セールス部が立ち上がったのは約3年前。3人の小さな部署に専用ツールを導入する余力はなく、まずは社内にあるBacklogで商談管理をスタートしました。予約ツールから届くメールを「メールによる課題登録」で課題化し、提案内容はコメントに残していく運用です。金額や見込み時期といったヨミ管理には向かないためスプレッドシートと併用しながらも、サポートチームとの情報連携、フルリモートでの状況把握、チャットの返信を待つ時間の削減を目的に、Backlogへの記録の徹底を続けてきたといいます。

メンバーや商談件数が増加し、商談管理がSalesforceへ移行した現在も、商談予約のログやウェビナー・インサイドセールスの業務管理、Salesforceの設計といった施策管理はBacklogで継続しています。予約管理プロジェクトは個人情報を扱うため閲覧権限を限定し、施策は種別ごとのテンプレートとサービス別のカテゴリーで整理しています。テンプレートには必ず「完了条件」を明記しているそうです。これにより「どこまで作業すれば完了か」が明確になり、課題が滞りなく進むようになりました。

情報が蓄積されていたことで、3月に実装されたBacklog AIアシスタントを活用し、過去の商談から類似提案を検索したり、週次・月次のレポートを作成したりできるようになりました。「書く手間はかかっても、一度残しておけば何度も確認されるストレスが減る」。情報の集約先をBacklogに定めることが、確認コストを減らす近道だと語られました。質疑応答では、AIアシスタントは参加していないプロジェクトの情報を参照しない仕様のため、共有可能な情報はオープンにしておく運用が推奨されました。

Slackの検索地獄から脱却!部門横断プロジェクトから始める、営業チームのBacklog浸透奮闘記

ご登壇者紹介

株式会社コラボスタイル
小棚木 志津香 様

小棚木様は前職のシステムエンジニア時代からBacklogを活用してきた1人です。今回は、営業組織にBacklogを導入して約9か月の実践的な取り組みを共有いただきました。導入前のチームでは「タスク管理は個人で行うもの」という認識が強く、Slackへの投稿は3か月で2,000件を超える状態でした。依頼した内容も依頼されたタスクも、都度検索して探し直す日々が続いていたといいます。

そこで採用したのが、全員一斉ではなく展示会とセミナーの2つのプロジェクトメンバーに絞ったスモールスタートです。毎週「もくもく会」も開催しました。当初の参加者は少数だったものの、告知を通じて「Backlogに詳しい人が身近にいる」と認知が広がり、他チームからも「使ってみたい」と声がかかるようになりました。

使い方は極力シンプルに絞り込みました。工数や優先度は入力不要とし、種別は「タスク」「ミーティング」「その他」の3種類、確認画面はガントチャートに限定。Wikiやファイル機能は非表示にし、タイトルのみの入力でも可としました。テンプレートなどの機能は、現場から要望が出たタイミングで順次追加していったそうです。また、週次定例をBacklog上で進行し、ファシリテーターと議事録係を持ち回りにすることで、全員が画面操作に慣れる工夫を行いました。課題の追加時には通知を飛ばさず、コメントのみをSlackに連携することで通知疲れも防止しています。

その結果、進捗の遅れに早期に気づけるようになり、マーケティングから引き継いだ業務の属人化も解消に向かいました。「業務を細分化しすぎていないか」「負荷が高い作業はどれか」など、メンバー間で業務を分担し合うコミュニケーションも生まれています。定着のポイントとして、各チームに相談窓口となるアンバサダーを配置すること、定例会議などの業務プロセスに組み込むこと、操作に迷う余白をなくすことの3点が挙げられました。

座談会

休憩を挟んだ後半は、参加者が2つのテーブルに分かれて座談会を実施しました。テーマはあえて固定せず、「自社で直面している課題」や「セッション内容の深掘り」など、関心のある話題を自由に共有し合う形式としました。

あるテーブルでは、「顧客ごとに親課題を立てると、リリース後の保守や追加開発まで1つの親課題に抱え込んでしまう」という悩みが共有されました。これに対し、顧客名の親課題の下にフェーズごとの子課題を設け、細かな作業を孫課題で管理すれば、フェーズ完了後も顧客単位の履歴を親課題から辿ることができる、という運用案が提示されました。

そのほか、取引先のセキュリティ規定によりAI利用が制限される場合の運用や、課題単位での閲覧権限設定に対する要望、課題テンプレートに記入ガイドをコメントアウト形式で残し、AIアシスタントに課題作成を補助させる工夫などが話題に上りました。

全体の振り返りでは、「やり取りが増えてコメントが10件を超えると、初期の経緯が追えなくなる」という課題に対し、「重要な最新情報は課題の詳細欄に随時上書き更新していく」という運用ノウハウが特に参考になったという意見が寄せられました。各社が日頃の課題を持ち寄り、具体的な解決のヒントを得られる場となりました。

ユーザー会を終えて

今回のJBUG名古屋では、ヌーラボのセールス部による情報集約の実践と、コラボスタイル様における営業組織への定着プロセスから、非エンジニアチームでBacklogを活用するための多くの知見が得られました。 

両セッションに共通していたのは、「記録を残しておけば確認の手間が省ける」という状態を無理のないステップで構築していくアプローチです。完了条件を定義する、最初はタイトルのみで運用を始める、定例会議の場でBacklogを開くといった小さな工夫の継続が、社内コミュニケーションの効率化を促し、AIを活用するための土台形成にもつながります。 

ご登壇いただいた皆さま、会場をご提供くださった株式会社コラボスタイルの皆さま、そしてご参加いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。 

今後もJBUGでは、Backlogユーザー同士が実践知を共有し合えるコミュニティの場を広げてまいります。

今後のイベント情報

Backlog World 2026

JBUG東京#30

Backlogハッカソン作品発表会(福岡)

チームで使えるプロジェクト・タスク管理ツールならBacklog