テレワークを「見える化」する方法とは?進め方と注意点を解説

テレワークを推進するにあたって、オフィスに出社していた頃とは異なる工夫が必要になることがあります。お互いが離れた場所で業務を進めるため、従来はあまり意識していなかった課題が浮き彫りになることも少なくありません。

今回取り上げる「見える化(可視化)」も、テレワークでしばしば挙がる課題の一つです。テレワークで「見える化」するべき項目や具体的な進め方、「見える化」を進める際の注意点について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

テレワークで見える化を推進するべき項目とは

テレワークの見える化と一口に言っても、具体的にどの部分を可視化すればいいのでしょうか。見える化を推進するべき項目を明確にした上で、各項目の見える化を進める方法を検討することが大切です。具体的には、次の4項目に分けて見える化を推進していきましょう。

スケジュールの可視化

テレワークでは一人ひとりのメンバーが異なる場所で就業するため、個々のスケジュールを把握する方法を決めておく必要があります。オフィスに出社している場合はミーティングなどの日程調整をその場で行えますが、テレワークでは一人ひとりの状況が見えづらくなるからです。

また、1日のタイムスケジュールを見える化しておくことも重要です。メンバー間で誰がどの業務に取り組んでいるかを共有することで、作業の連携がしやすくなります。マネージャーが部下の予定を把握するだけでなく、メンバー同士がお互いのスケジュールを共有できる仕組みにすることがポイントです。

タスクの可視化

業務の進捗状況や各自が担当している業務量を一覧で確認できるようにしておくことも大切です。納期と進捗度合いが共有できれば、各自の負担や業務の優先度を判断しやすくなり、実態に即してタスクを割り振ることができます。

とくに急なタスクが発生した際、どのメンバーがすぐに対応できるのか、何名の人員が確保できるのかを素早く判断する必要があるでしょう。タスクを可視化しておくことで、急ぎの用件にも対応しやすくなり業務の遅れや停滞を防ぐことができるのです。

評価の可視化

テレワークでは個々のメンバーがどのように仕事に取り組んでいるのか、様子を把握することが難しくなります。メンバー側としても自身がどのように評価されるのか、評価の基準を知っておきたいと感じる人は少なくないでしょう。

テレワークで遂行した業務の成果をどのように測定し、人事評価にどう反映されるのかを明確にしておく必要があります。評価を可視化することによって「何を頑張れば評価が高まるのか」が提示され、目標や目的を達成しやすくなるはずです。

勤怠の可視化

テレワークでは、メンバー各自がどのタイミングで業務を開始・終了したのか、いつ休憩を取ったのかが把握しにくくなります。メンバーの勤務実態を把握しておくことは、長時間労働の常態化や社員のメンタルヘルスの悪化を防ぐためにも重要なことです。

具体的にはクラウド勤怠管理ツールの活用や、チャットによる出退勤報告などを通じて勤怠を可視化する方法が想定できます。出退勤の報告は出勤日のたびに必要なタスクとなるため、メンバーにとって負担が少なく忘れにくい方法を考えることが大切です。

テレワークを見える化する三つのメリット

テレワークを見える化することで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットとして次の3点が挙げられます。

1. 生産性が向上する

メンバーのスケジュールや業務の進捗状況が可視化されることにより、業務の無理や無駄を削減できます。業務量の偏りが生じていないか、手の空いているメンバーに割り振れる業務がないかを随時確認できるからです。

結果として人員を効率よく活用しやすくなり、チーム全体の生産性を高めることにつながります。オフィスワークからリモートワークへ移行したことで生産性を低下させないためにも、スケジュールやタスクの可視化は重要な課題となるのです。

2. マネジメントの合理化につながる

マネージャーにとって、部下が目の前で働いていない状況には不安がつきものです。日々の業務内容や進捗状況を日報で把握するのも一つの方法ですが、毎日のこととなるとマネージャー・部下の双方にとって大きな負担になりかねません。

メンバーの動きを可視化する仕組みを構築しておけば、マネージャーは優先度の高い事柄に絞って部下に指示を出せます。テレワークの見える化は、マネジメントの合理化につながるのです。

3. プロセスを評価しやすくなる

テレワークによる業務を評価する場合、成果の評価に偏りやすくなる傾向があります。業務に取り組む姿勢や途中経過がほとんど見えなくなるため、成果によって評価するほうが公平性を担保できると思われやすいからです。

業務の進捗状況や達成度を可視化することで、成果だけでなくプロセスを評価しやすくなります。より多面的な評価が可能となるため、メンバーにとって納得できる評価にもなり得るでしょう。

テレワークの見える化を進める方法

テレワークの見える化を成功させるには事前準備が重要です。運用を開始してから見える化を進めようとしても、すでに定まったルールを変更するのは容易ではありません。不可視化の原因になりやすい点については、あらかじめ見える化するための対策を講じておきましょう。

報告のルールを決める

テレワークの見える化を支える土台となるのが報告のルールです。いつどのような形式・内容の報告をするべきか、明確なルールを定めておく必要があります。報告の方法やタイミングをメンバー任せにすると、業務への習熟度や個々人のスキルによって報告の精度にばらつきが生じやすいため注意が必要です。

チームリーダーやマネージャーが知りたい情報のうち、とくに優先度の高い項目を報告用のフォーマットとして用意しましょう。報告ルールの一例として、下記のような運用方法が考えられます。

【報告のルール例】

  • 報告フォーマットの「本日の業務予定」に記入し、勤務開始時にクラウドへアップロード
  • 勤務終了時に「本日の業務実績」を追記し、記入が完了したことを上長にチャットで報告
  • 報告事項へのフィードバックを翌営業日の午前中に上長から各メンバーへ送信

管理ツールを導入する

業務のプロセスを確認するために、進捗管理に活用できる管理ツールを導入しましょう。スケジュールやタスクを見える化することで、メンバーが現在何の業務に取り組んでいるのか、優先順位は適切であるかを判断できます。

管理ツールはマネージャーだけでなく、メンバー間でも共有できる仕組みになっていることが重要です。オフィスワークで周囲のメンバーがどのように働いているのかが見える状況を、テレワークでも再現できるでしょう。

コミュニケーションの文化を確立する

お互いが離れた場所で就業するテレワークにおいては、コミュニケーションが課題となりがちです。チャットや社内SNSを活用して、ささいな質問や確認事項であってもやりとりをしやすい状況にしておく必要があります。

メンバー間でやりとりをしやすい環境を整えるには、テレワーク導入初期にコミュニケーションの文化を確立しておくことが大切です。チャットや社内SNSに発信する内容の例を示し、返信や「いいね」といったリアクションを促すことでコミュニケーションの習慣を形成していきましょう。

テレワークを見える化する際の注意点

テレワークを見える化することで得られるメリットは数多くあるものの、見える化を推進する際には注意しておくべきポイントもあります。次に挙げる2点に関しては、テレワークの見える化に失敗するのを防ぐためにも必ず実践しておきましょう。

見える化の目的を共有する

テレワークを見える化する目的をメンバーに共有しておくことは非常に重要です。目的が不明確なまま見える化を推進すると、「監視されている」「信頼されていない」とメンバーが感じる原因にもなりかねません。

見える化の目的が共有されれば、目的に応じてメンバーが自発的に報告やコミュニケーションに協力しやすくなります。マネージャーがメンバーの動きを逐一チェックするマイクロマネジメントに陥らないためにも、目的を共有しておくことが大切です。

振り返りと効果測定を実施する

テレワークの見える化に着手したら、定期的に振り返りと効果測定を実施しましょう。メンバーにヒアリングやアンケートを行い、業務に取り組む上で不便に感じていることはないか回答してもらいます。また、マネージャーから見た課題とメンバーから見た課題との間にずれが生じていないかチェックしていくことも大切です。

課題が見つかった場合は、ルールの不備や管理ツールの運用に関する問題点がないかを精査し、改善を図る必要があります。必要に応じてオンライン会議を実施し、メンバーの意見を取り入れていく機会を設けましょう。

テレワークの見える化にBacklogを活用しよう!

テレワークの見える化は、生産性の向上やマネジメントの合理化を推進する上で重要な課題の一つとなり得ます。離れた場所で就業するメンバー間で情報を共有しやすい仕組みを整え、できる限りオフィスワークとの差を縮めていくことが重要です。

プロジェクト管理やタスク管理を効率化するには、管理ツールとしてBacklogを導入することをおすすめします。ガントチャートによるプロジェクト全体の流れの把握や、タスクの優先順位の設定を一括して行えます。Backlogの基本的な機能や導入事例、セキュリティサポートなどの詳しい情報をサービス資料で確認できますので、ぜひテレワークの見える化を推進する際に役立ててください。

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