マーケターも開発者も!明日から使えるマイルストーンと発生バージョン活用のヒント

Backlogサポートチームのchihiroです!突然ですが、みなさんは「マイルストーン」や「発生バージョン」をご存知でしょうか?

いずれもシステム開発などでのプロジェクト管理ではなじみのある単語ですが、Backlogをお使いのマーケータや広報、サポートの方は「一体どう使うんだろう…?」と思ったことがあるのではないでしょうか?

本記事では、マイルストーンや発生バージョンの基本説明から、Backlogでの使い方、システム開発、マーケター、広報などの幅広い職種での活用例まで、丁寧にご紹介します。

そもそも「マイルストーン」ってなんだ?

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マイルストーンとは、プロジェクトの進捗を管理するために途中に設ける節目、またはチェックポイントのことです。マイルストーンで区切られた期間をフェーズと言うこともあります。プロジェクトにマイルストーンを設定することで、プロジェクトの成功に関わる主要なポイントや、遅れると大きな影響が出てしまうフェーズがどこなのかを明確にできます。

マイルストーンを設定したプロジェクトでは、そのマイルストーンの範囲内では予定通りに進捗しているか、つまりマイルストーンのリリースまでにやるべきことをすべて完了できるかという点で進捗を管理できます。

Backlogでマイルストーンを使うメリットは、マイルストーンごとに課題を追加していくことで事前計画しやすくなることや、ステークホルダー間でプロジェクトの進み具合を検討する時に分かりやすくなることなどが挙げられます※。システム開発からWebサイト制作、さらにはマーケティング施策の実施など、業界業種を問わず、複雑で長期間に渡るプロジェクトを管理する時に大きな威力を発揮します。

※現実のプロジェクトでは、プロジェクトのことを詳しく把握していない外部のメンバーや上司など様々なステークホルダーに説明する必要が生じます。その時にマイルストーンを設定していれば、ステークホルダーにも状況が分かりやすくなり、それを元に問題点の洗い出しや、今後の対策の検討がしやすくなります。

Backlogの課題における「マイルストーン」

Backlogでマイルストーンを使用するための最初の手順として、プロジェクト全体のおおまかなフェーズとスケジュールを元に、Backlogのプロジェクトにマイルストーンを追加しましょう。

この時「マイルストーン」には、このマイルストーンまでに必ずこの課題を完了させる!という作業計画や期限をいれましょう。

プロジェクトのチェックポイントをマイルストーンで決めておくことで、実作業にあたる課題の期限も決めやすくなります。

マイルストーンを応用した使い方として、なんらかの理由でプロジェクトをリスケジュールしなければならない場合にマイルストーンごと期限を変更することができるので、個々の課題の期限日などのスケジュール調整もかなり楽になります。

「発生バージョン」ってなんだ?

次に「発生バージョン」について解説します。発生バージョンは、課題がどのマイルストーンで発生したのかを入力する項目です。

発生バージョンの項目の選択肢はプロジェクトに追加したマイルストーンと同じものが並びます。Backlogにおいては、マイルストーンと発生バージョンが同じ概念上に存在しているため、課題が発生した原因となったマイルストーンのリリースを特定して記録しておくことができます。

では、次に実際にどのように運用していけばいいのか、具体的な例を紹介いたします。

【職種別】マイルストーン/発生バージョン活用例

マイルストーンと発生バージョンの利用例(システム開発プロジェクトの場合)

ここではシステムを開発するプロジェクトを例にご説明します。フェーズを3段階に分けてリリースする場合、以下のようなマイルストーンを作成します。

  • 新規(Ver 0.0)
  • 開発フェーズ1(Ver 1.0)
  • 開発フェーズ2(Ver 2.0)
  • 開発フェーズ3(Ver 3.0)

ここでのポイントは、まだリリースされたものがない状態の新規開発においては「発生バージョン」に該当するマイルストーンが存在しないため、新規(Ver. 0.0)という新規開発用の発生バージョンを用意しておくことです。これで明確に「発生バージョン」と「マイルストーン」の項目の役割を分けましょう。

1.新しい機能を開発する場合

新規開発の場合は「発生バージョン」を「新規(Ver 0.0)」として、「マイルストーン」には、その課題が関連する機能のリリースを予定しているマイルストーンを設定します。

  • 開発フェーズ1(Ver 1.0)でリリースする機能についての課題
    • 発生バージョン: 新規(Ver 0.0)
    • マイルストーン: 開発フェーズ1(Ver 1.0)
  • 開発フェーズ2(Ver 2.0)でリリースする機能についての課題
    • 発生バージョン: 新規(Ver 0.0)
    • マイルストーン: 開発フェーズ2(Ver 2.0)

2.すでにリリースした機能を修正する場合

開発を終えリリースされたものから、不具合などにより修正の必要が発生することがあります。

修正すべき内容を課題として登録することで、修正漏れを防ぎつつ、いつのリリースに起因した不具合なのか、いつのリリースで修正するのかを「発生バージョン」と「マイルストーン」にそれぞれ設定していきます。

  • 開発フェーズ1(Ver 1.0)でリリースした機能の不具合修正を次のリリースまでに対応する場合
    • 発生バージョン: 開発フェーズ1(Ver 1.0)
    • マイルストーン: 開発フェーズ2(Ver 2.0)

開発リソースや他課題の優先度等によっては、マイルストーンを開発フェーズ3(Ver 3.0)に延ばすという対応も考慮できます。

システム開発でのBacklog活用例をみる

 

マイルストーンの利用例(マーケティングプロジェクトの場合)

マイルストーンは、システム開発というシチュエーションにこだわらず、ビジネスでも活用することができます。

ここではサンプルとして、LPの改善などのデジタルマーケティングのプロジェクトを例にご説明します。フェーズを3段階に分けてリリースする場合、以下のようなマイルストーンを作成します。

  • LP改善(ページ分析、設計)
  • LP改善(ページコンテンツ作成)
  • LP改善(コーディング)

システム開発のように全体の作業を「開発まとめられないマーケティングプロジェクトは、フェーズごとに担当者(例:ディレクター、ライター、コーダー)や作業内容がまったく異なります。マイルストーンを設定するときは、ページ分析・設計、コンテンツ作成、コーディングなど、作業フェーズごとに設定しましょう。

1.LP改善(ページ分析/設計)

プロジェクトの第一段階はLP改善のためのページ分析と設計です。

  • 1.xxxプラン申し込みLP改修:ページ分析/設計
    • 担当者:ディレクター
    • 【対応事項】(※マイルストーンの「詳細」に記入する内容)
      • ①申し込みフローページをどうするか策定する
      • ②上記①の各ページのワイヤーフレームを作成する

2.LP改善(コンテンツ作成)

プロジェクトの第二段階はLP改善のためのコンテンツ作成です。

  • 2.xxxプラン申し込みLP改修:コンテンツ作成
    • 担当者:ライター
    • 【対応事項】(※マイルストーンの「詳細」に記入する内容)
      • 対象ページのコンテンツを作成する
      • 対象メールのテキストを作成する
      • リニューアルページに載せたいFAQを整理する

3.LP改善(コーディング)

プロジェクトの第三段階はLP改善のためのコーディング作業です。

  • 3.xxxプラン申し込みLP改修:コーディング
    • 担当者:コーダー
    • 【対応事項】(※マイルストーンの詳細に記入する内容)
      • 各ページのコーディングをする
      • スクリプト作成、設置をする

 

マーケティングでのBacklog活用例をみる

 

マイルストーンと発生バージョンの利用例(プレスリリース/広報の場合)

マーケティングの例ではマイルストーンのみを使用する例をあげましたが、リリースに伴う反響などを次回リリースに反映させるようなケースの場合、発生バージョンの項目も利用することで、PDCAを回しやすくなります。

例えば、広報担当者がAという機能のプレスリリース配信を起点として、その反響やメディア掲出成果を見ながら今後のマーケティング手法を調整していく場合は、以下のような使い方ができます。

  • プレスリリース配信準備
  • A機能プレスリリース配信
  • 効果測定
  • B機能プレスリリース配信

1.プレスリリースを出すまで

プレスリリースを出すまでに必要なタスクは「発生バージョン」を「プレスリリース配信準備」として、「マイルストーン」には「A機能プレスリリース」として課題を作成します。

  • プレスリリースを出すために必要なタスクについての課題
    • 発生バージョン: プレスリリース配信準備
    • マイルストーン: A機能プレスリリース

2.プレスリリース配信後

プレスリリースへの反響やフィードバック以下のように課題とし、その後の対応方針を検討します。新たなアクションが生まれたり、適宜内容を変更することで、より効果的なマーケティングの効果を期待できます。

  • プレスリリースの効果測定の内容についての課題
    • 発生バージョン: A機能プレスリリース
    • マイルストーン: 効果測定
  • 効果測定の内容を次回プレスリリースに向けて反映させる場合
    • 発生バージョン: 効果測定
    • マイルストーンB機能プレスリリース

この方式をとることで、後々アクションに対しての反響やフィードバックをまとめて見返したりすることもでき、その後の計画にも有効に活用できるデータなります。

まとめ

マイルストーンと発生バージョンの基本、Backlogでの使い方、職種ごとの活用例をご紹介しました。

ご自身のワークフローに応じて「マイルストーン」「発生バージョン」を設定することで、業種や職種を問わない円滑なプロジェクト管理を実現できるだけでなく、ステークホルダーへの進捗共有やボトルネックの洗い出しもできます。

この機会にあなたのチームでもマイルストーンや発生バージョンを使ってみませんか?本記事をチームメンバーに共有して、チーム一丸でプロジェクト管理を見直してみましょう。

もしご相談ごとやご不明な点があったらこちらのフォームでご相談を受け付けますので、お気軽にお問い合わせくださいね💡

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