一度ゲームを始めると、とことんやり込む中村です、こんにちは。
「完全爆弾解除マニュアル : Keep Talking and Nobody Explodes」というゲームを、新入社員受け入れ時のチームビルディングに用いたので、そのときの流れや様子、感じたことを紹介します。
(なお、今回用いたゲームは実際にNitendo SwitchやPlayStationで売られているゲームです。チームビルディングやワークショップ用に作られたものではない、売り物として楽しむために作られたゲームです。)
目次
チームビルディングにおける、ゲームの意義と使い所
まず、どういう思惑があって、ゲームをチームビルディングに取り入れたのかの背景的なところを、タックマンモデルと絡めて説明します。
タックマンモデルについては、以前「チームの期待値を合わせる!ドラッカー風エクササイズとタックマンモデルを組み合わせた結果」というブログで取り上げました。
タックマンモデルは、チームビルディングのモデルの一つです。タックマンモデルでは、チームは以下のフェーズを順番に遷移するとされています。
- 形成期:メンバーはお互いを知らず、共通の目標も分からない中、各々が自分たちで考えながら手探りで進めている状態
- 混乱期:共通の目的やお互いの役割が徐々に判明しだすが、認識違いや考え方の違いから、対立が生まれる状態
- 統一期:目的や役割の認識が一致しはじめ、お互いを尊重して進めることができる状態
- 機能期:チームに結束力が生まれ、チーム一丸となって目的に向かっていける、成果が最大限に発揮できる状態
私が今回お伝えするチームビルディングは、新入社員の受け入れ時におけるものなので「形成期」です。新入社員の人となりを知らない状態で、接し方を探りながらコミュニケーションを取っていく段階です。
今までやってきたアクティビティは、先のブログで紹介したドラッカー風エクササイズや、自分が感銘を受けた本を紹介するビブリオバトルをアレンジしたものなど、対話を通じて自分の価値観を表明するものを多く用いてきました。
それはそれで有効ではある反面、よりコミュニケーションを活発にできないかなという思いがありました。その手段として、もっと頭を空っぽにして純粋に楽しめるアクティビティを試してみたく、ゲームを取り入れてみました。
ゲームの内容と進め方
今回取り入れたゲームは、「完全爆弾解除マニュアル : Keep Talking and Nobody Explodes」というゲームです。いくら楽しめるゲームとはいえ、一人でもくもくと進めるRPGみたいなタイプのゲームだとチームビルディングとしては意味がないので、コミュニケーションを行いながら進めるゲームを選びました。
このゲームの目的は、「爆弾を解体する」というものです。その目的に対して、以下の2つの役割に分かれて、適切にコミュニケーションをとりながらゲームを進めていきます。
- 処理担当者:爆弾が表示されたゲーム画面を操作して、爆弾を解除する
- 分析担当者:爆弾の解除方法が書かれたマニュアルを見ながら、解除方法の指示をする
具体的なゲームの内容や進め方は、以下の動画を参照ください。実際にゲームを行う際の、参加者へのゲーム説明にも使用できるかと思います。
ゲームを実際にやってみた様子
オンラインでできるか不安だったのですが、とある懇親目的のキックオフ飲み会で試しにやってみたところ、思いのほかやれそうということが分かりました。なので、新入社員の受け入れ時に取り込んでみました。
やり方は、Google Meetを使ったビデオ会議で、私の手元のPCで起動していたゲーム画面を画面共有で映すというベタなやり方です。
5人参加者がいたので、処理担当者1名・分析担当者1名をランダムに指名して、残りの人はガヤ的に画面を眺めていました。
面白いことに、爆弾の状態を表すメモをCacooで作った参加者もいました。
やってみた感想
ファシリテーターとして
やった結果の気づきや感想は、以下の点です。
- (想定通り)楽しみながらコミュニケーションできる
- プロセス面の改善を意識する方向もよさそう
- オンラインでの制限は考慮しておく
1. について、形成期における「頭を空っぽにして純粋に楽しめるアクティビティ」を意図していたので、あまり制限をかけずに自由に楽しんでもらいました。楽しい時間を過ごして関係を深めつつ、爆弾の内容について正しく伝えるコミュニケーションの練習にもなったかと思います。
2. について、プロセスの継続的な改善を体験する方向性にもっていくのも、チームの状況によってはありだと感じました。このゲームは、5分以内に爆弾を解除するという制限があるため、短期のフィードバックサイクルを回しやすいです。1ゲームごとにふりかえりの時間を1,2分程度設けて、次のゲームにのぞむというのも、いいサイクルが回せそうです。
3. について、やはりオンラインでの制限はあるので、そこを意識しないとゲーム(コミュニケーション)のリズムが悪くなりがちでした。たとえば、以下の点です。
- 画面共有のタイムラグがあるため、「爆弾のカウントの下一桁が5秒を指しているときに、ボタン押して」みたいな時間に依存する操作はちょっとやりづらい(「赤のコードを切って」などといった単純な処理は十分可能)
- 面と向かった場でやるより、聞き返しなども含めて単純な会話にも1.5倍程度は時間がかかるので、爆弾解除の制限時間が実質短くなって、ハードルが上がる
参加者の声
参加者してもらったメンバーからの感想をあげておきます。なお、評価もつけてもらったのですが、5段階評価の4.6でした。
- 相手の気持になって考えるのって大事だなって思いました。自分のコミュニケーションのしかたでマズいところが浮き彫りになるんじゃないかなー。ゲーム終わったら気づいたことを共有するってのも面白そうって思いました。
- もともとゲーム自体は知っており比較的プレイ動画を見ていたので、クリアできそうだなあと思い挑みました。しかし、思ったように言語化できなかったり、理解に時間がかかったりで、結果としてクリアできず、コミュニケーション能力全般を問われる非常に良いゲームだったと感じました。言語化のセンスを磨きたい……
- その人がどう伝えるか?を見れて楽しいですね。
- ゲームを通すことで、メンバーと一緒にミッションをこなす体験ができたところ
- ゲームだとフラットにコミュニケーションが取りやすいのに加えて、オンラインでの取組みで情報を正確に伝えようという意思が働き、とてもよいチームビルディングの機会になりました!
- パターンがたくさんあってやりがいがありそう。相手を配慮する心配りが身につきそう(分析者に最初にとりかかるモジュールを選んでもらうとか)担当者は状況を相手にわかるように説明する工夫が必要なので言葉選びやなにかに例えるなど国語のスキルが求められる
今回は、新入社員受け入れ時のチームビルディングで、ゲームを導入するというお話でした。
チームビルディングと一言でいっても、ドラッカー風エクササイズのように人柄や価値観について語る中でお互いの人となりを把握するやり方もありますし、今回のように純粋にコミュニケーションを楽しむ過程を通じて関係の質を高めるやり方もあります。
単一のやり方だけでなく、色々な引き出しを持って、チームメンバーのパフォーマンスを最大にできるようにしていきたいですね。
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