
業務を円滑に進めるために欠かせないタスク管理。近年は生成AIの普及により、タスクの洗い出しや要約、進捗確認、報告書の作成などにもAIを活用できるようになりました。
ただし、AIにすべてを任せればタスク管理が自動的に改善するわけではありません。AIが得意なのは、蓄積された情報を読み取り、整理し、候補や下書きを作ることです。優先順位の決定や担当者との調整、最終的な判断は人が行う必要があります。
本記事では、AIをタスク管理に活用するメリットと具体的な方法、ChatGPTとAI搭載タスク管理ツールの違い、利用時の注意点を解説します。後半では、Backlogに蓄積された情報を活用する「Backlog AIアシスタント」についても紹介します。
参考: Backlog|チームで使うプロジェクト管理・タスク管理ツール
目次
タスク管理で活用できるAIとは

AIを使ったタスク管理とは、会議メモ、依頼文、課題、コメント、ドキュメントなどをAIに読み取らせ、タスクの整理や要約、検索、文章作成を支援させることです。
例えば、会議メモから実行事項を抽出したり、大きな業務を小さなタスクへ分解したりできます。タスク管理ツールの情報をAIが参照できる場合は、期限切れの課題や進捗が止まっている課題を探し、週次報告の下書きを作ることも可能です。
タスク管理にAIを活用するメリット

タスク管理にAIを活用することで、組織やチームには大きなメリットがあります。具体的には以下の3点が挙げられます。
- 業務の効率化
- 生産性の向上
- 意思決定の迅速化
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
業務の効率化
AIは、文章の要約や分類、情報の抽出、下書きの作成を得意としています。会議メモからタスクを洗い出す、長いコメントのやり取りを要約する、進捗報告の下書きを作るといった作業を支援できます。
人が一件ずつ情報を探して転記する作業を減らせるため、確認や関係者とのコミュニケーションに時間を使いやすくなります。
生産性の向上
タスク管理では、実作業だけでなく、状況確認や報告のための情報収集にも時間がかかります。AIで情報を整理できれば、チームメンバーやマネージャーは、本来の作業や課題への対応に集中しやすくなります。
ただし、AIを導入しただけで必ず生産性が上がるわけではありません。担当者、期限、ステータスなどの情報が更新されていることや、AIの出力を確認する運用が必要です。
意思決定に必要な情報整理の迅速化
AIは、複数のタスクやコメントから、期限切れの課題、優先度の高い課題、確認待ちの課題などを整理できます。これにより、マネージャーやプロジェクトリーダーは、どこを確認すべきか把握しやすくなります。
AIは判断材料を整理できますが、顧客との関係や経営方針、担当者の事情など、登録されていない背景までは把握できません。最終的な優先順位や対応方針は人が決めます。
タスク管理でAIを利用する方法

タスク管理でAIを活用する方法は、主に「ChatGPTなどの生成AIを補助ツールとして使う方法」と「タスク管理ツールに搭載されたAI機能を使う方法」の2つです。
ChatGPTを利用する
ChatGPTは、会議メモや依頼文など、入力した情報をもとにタスクを整理する用途に活用できます。特に、個人が一時的に情報を整理したい場合や、タスクのたたき台を作りたい場合に適しています。
-
- 会議メモからタスクを洗い出す
- 大きな業務を実行可能な単位へ分解する
- 期限や影響度をもとに優先順位の候補を整理する
- 進捗報告や依頼文の下書きを作る

ChatGPTで使えるプロンプト例
例1:会議メモからタスクを洗い出す
以下の会議メモから、実行が必要なタスクを抽出してください。
出力項目:
・タスク名
・担当者
・期限
・完了条件
・確認が必要な事項
メモに書かれていない内容は推測せず、「要確認」と記載してください。
例2:大きな業務をタスクへ分解する
以下の業務を、1つずつ担当者を割り当てられ、完了したか判断できる作業単位に分解してください。
出力項目:
・タスク名
・成果物
・前提となるタスク
・完了条件業務内容:
(ここに入力)
例3:優先順位の候補を整理する
以下のタスクを、期限、事業への影響、他の仕事への依存度、想定工数の観点で整理してください。
最終順位を断定せず、優先順位の候補と理由、追加で確認すべき情報を示してください。
ChatGPT単体では、チームのタスクの最新状態を自動的に把握できません。状況が変わるたびに情報を入力する必要があり、担当者、期限、ステータス、権限、変更履歴などを継続的に管理する正式な場所にはなりにくい点に注意が必要です。
また、社内情報を入力する場合は、利用している契約やデータ設定、社内のAI利用ルールを確認し、機密情報や個人情報を無条件に入力しないようにしましょう。
タスク管理ツールのAI機能を利用する
タスク管理ツールに搭載されたAI機能を利用する方法もあります。普段使っているツールに登録された課題、コメント、担当者、期限、ドキュメントなどをAIが参照できる場合、毎回背景情報をコピーして入力する負担を減らせます。
| 比較項目 | ChatGPTなどの生成AI | AI搭載タスク管理ツール |
| 向いている用途 | 個人の一時的な整理・下書き | チームの継続的な進捗確認・報告・検索 |
| 参照する情報 | 利用者が入力した情報が中心 | ツール内の課題、コメント、ドキュメントなど |
| 最新状態の管理 | 元データを都度入力する必要がある | 日常的に更新されるタスク情報を参照しやすい |
| 権限管理 | 別途運用を設計する必要がある | 製品によってプロジェクト権限と連動できる |
ツールを選ぶ際は、AI機能の多さだけでなく、既存情報を参照できるか、権限範囲を制御できるか、入力データがモデル学習に使われるか、普段の業務フローに組み込みやすいかを確認しましょう。
一般的なタスク管理ツールでAIができること

AI搭載のタスク管理ツールで利用できる代表的な機能は、次のとおりです。実際に利用できる範囲は製品やプランによって異なります。
課題(タスク)の作成・整理
会議メモや依頼内容から、実行事項を抽出し、タスク名、担当者、期限、完了条件などの候補を整理できます。大きな業務を小さなタスクへ分解する用途にも活用できます。
元の情報に担当者や期限が書かれていない場合は、AIに推測させず「要確認」として出力させると安全です。
課題(タスク)の要約

AIにタスクの内容とそれに関連するコメントを分析させ、重要なポイントをまとめた要約を生成できます。タスク管理ツール「Backlog」には、この機能が標準で搭載されています。
プロジェクトに途中参加した人にとって、情報のキャッチアップは大きな負担です。特に、複雑で長期的なプロジェクトでは、タスクがどのような状態になっているのか把握することは困難です。
このAI要約機能を使うことで、タスクの現状を素早く理解できるようになります。チームメンバーは、長文を読み解き、整理する時間を節約でき、キャッチアップの負担を大幅に軽減可能です。

課題の「AI要約」機能をアップデート!UIの改善と返信提案機能が追加されました | Backlogブログ
課題の「AI要約」機能がアップデートしました!画面の右下にAI要約ボタンが追加されたので、これまでよりスムーズに要約機能を活用いただけます。…
backlog.com課題の検索・整理

課題(タスク)の検索や整理にも、AIを活用できます。AIに質問をすることで、タスク管理ツールに記録されたデータをもとにした回答が受けられます。
また、AIにタスクを分析させ、カテゴリや優先度でタスクを分類することも可能です。このような判断をAIに任せることで、タスク管理の効率を向上させられます。ただし、AIの分類は必ずしも正確とは限らないので、ダブルチェックは忘れないようにしましょう。
進捗状況や遅延リスクの整理
期限、ステータス、最終更新日などをもとに、期限切れや進捗が止まっているタスクの候補を整理できます。複数のプロジェクトを横断して確認できる製品もあります。
更新されていないだけで実際には作業が進んでいる場合もあるため、AIが示したリスクをそのまま確定せず、担当者へ確認します。
報告書やドキュメントの作成
指定した期間の完了タスク、進行中のタスク、懸念事項などを整理し、週次報告や進捗報告の下書きを作成できます。
外部へ共有する文書では、数字、固有名詞、期限、評価表現などを人が確認してください。
Backlog AIアシスタントでタスク管理を支援
Backlog AIアシスタントは、Backlogに蓄積された課題、コメント、ドキュメントなどを読み取り、タスクの作成や要約、プロジェクトの状況整理、ナレッジ検索、週次報告の作成などを支援する機能です。
利用者が参加しているプロジェクトの情報を横断して整理できるため、複数プロジェクトの進捗確認や、優先度・緊急性の高い課題の抽出にも活用できます。

課題の作成と長いやり取りの要約
作成したい課題の内容を自然な文章で伝え、タスク名、詳細、担当者、期限などを整理しながら課題の作成を支援できます。
また、課題とコメントのやり取りを要約し、現在の状況や次に必要な対応を把握しやすくできます。
進捗・優先課題・遅延リスクの整理
「今週の成果をまとめて」「期限切れの課題を整理して」「優先して確認すべき課題を教えて」などと質問し、プロジェクトの状況を整理できます。
AIが示した内容は、判断のたたき台です。期限やステータスが最新かを確認し、実際の対応は担当者やマネージャーが決めます。
週次報告とナレッジ検索
複数の課題やコメントから、完了したこと、進行中のこと、懸念事項、次に行うことをまとめ、週次報告の下書きを作成できます。
過去の課題やドキュメントから、類似事例、手順、判断の経緯を探す用途にも活用できます。新しく参加したメンバーが、プロジェクトの目的や現在の状況を把握する際にも役立ちます。

利用条件とデータの取り扱い
2026年7月24日時点で、Backlog AIアシスタントはプレミアムプランとプラチナプラン(クラシックプランを除く)で利用できます。管理者および一般ユーザーが対象で、ゲストユーザーは利用対象外です。利用には月ごとのBacklog AIクレジットが使われます。
Backlog AIアシスタントへ入力した内容と生成結果は、AIモデルの学習には利用されません。また、AIが参照するのは、利用者自身が参加しているプロジェクト内のデータに限られます。機能の提供にはAmazon Bedrockを含む第三者サービスが利用され、必要な範囲でデータが送信・処理されます。
最新の対象プラン、利用上限、データの取り扱いは、Backlog AIアシスタントの公式ページおよびリリース記事をご確認ください。
タスク管理でAIを利用する際の注意点
タスク管理でAIを安全かつ実務的に活用するには、次の点に注意が必要です。
入力する情報とデータの取り扱いを確認する
AIへ入力した情報がモデル学習に使われるかどうかは、サービス、契約、設定によって異なります。「AIに入力した情報は必ず学習される」「有料プランならすべて学習されない」と一律には判断できません。
利用前に、モデル学習への利用有無、データの保持、第三者サービスへの送信、管理者設定、社内の利用ルールを確認してください。特に、個人情報、顧客情報、契約情報、認証情報などの扱いには注意が必要です。
適切な指示の仕方を理解する
AIから必要な回答を得るには、対象、期間、判断基準、出力形式を具体的に指定します。
- 何を整理してほしいのかを最初に伝える
- 対象となる期間やプロジェクトを指定する
- 必要な出力項目を示す
- 不明な内容は推測せず「要確認」とするよう指定する
- 数字、期限、担当者、決定事項は元情報と照合する
タスク管理の運用を整える
AIは、登録されている情報をもとに回答します。担当者が未設定、期限が古い、ステータスが実態と異なる、重要な判断が口頭だけに残っているといった状態では、AIの回答も不完全になります。
AIの導入とあわせて、少なくとも「目的・担当者・期限・完了条件・判断の経緯」を記録するルールを整えましょう。
AIの回答をそのまま採用しない
AIは事実と異なる内容を出力したり、重要な情報を見落としたりする可能性があります。優先順位、担当者の評価、顧客への回答、法務・契約に関する内容などは、必ず人が確認して判断します。
チームのタスク管理ならBacklog AIアシスタントも選択肢
AIを使ったタスク管理では、タスクの洗い出し、要約、検索、進捗整理、報告書作成などを効率化できます。ChatGPTなどの生成AIは、個人が情報を一時的に整理する用途に適しています。
一方、チームのタスクを継続的に管理する場合は、担当者、期限、コメント、ドキュメントなどの最新情報を参照でき、権限を管理できるタスク管理ツールが適しています。
Backlog AIアシスタントは、すでにBacklogへ課題やコメント、ドキュメントを蓄積しており、進捗確認や報告作成、過去情報の検索に時間がかかっている組織に向いています。まずは「今週の成果をまとめて」「期限切れの課題を整理して」など、確認結果を検証しやすい質問から試してみましょう。
30日間の無料トライアルをご用意しているので、実際に操作しながら導入するかを検討いただけます。下記ページで、より詳しい資料を公開しています。利用事例や料金プラン、セキュリティ、サポートについて解説していますので、お気軽にお申し込みください。
状況や数値は予告なく変更される可能性がありますので、最新情報は公式発表をご参照ください。
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