
製造業の工程管理は、長年にわたって培われた経験や知見が発揮される局面の1つです。製造現場において、ベテラン技術者に聞かなければわからない・判断できないことが数多くあると感じている現場リーダー・担当者の方は多いのではないでしょうか。
本記事では独自調査の結果を基に、現場で起きやすい工程管理ノウハウの失敗事例をまとめています。工程管理ノウハウの属人化が招くリスクと、属人化解消のための具体的なステップも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
製造業における工程管理ノウハウ属人化の実態
製造業の現場では、「あの人しか知らない」「聞かないとわからない」といった業務の属人化が依然として大きな課題となっています。ヌーラボが独自に実施した「仕事に関するアンケート」においても、多くの製造業の現場で特定の担当者しか把握していないノウハウが存在している傾向が明らかになりました。
また、新人の配属時や担当者が変更となった際に、過去の経緯や基本的なノウハウを説明することが現場の大きな負担になっている傾向も見受けられました。こうした現場の状況は担当者の努力不足によるものではなく、情報の残し方や引き継ぎの仕組みに根本的な原因があると考えられます。調査結果については、以下のダウンロード資料をご覧ください。
現場で起きやすい工程管理ノウハウの失敗事例
製造現場においては、工程管理上どのような失敗が発生しやすいのでしょうか。よくある失敗事例をまとめました。
マニュアル・手順書の形骸化
文字や図面を掲載したマニュアルを作ったものの、実際のイレギュラー対応の方法や、状況に応じた適切な手順の分岐などを言語化・共有できていないため、結局誰も見なくなってしまうケースです。現場作業の実態や過去の対応履歴を考慮せずに、管理者主導で画一的な手順書を押し付けてしまうと、作業者の反発を招き、マニュアルが形骸化してしまいます。
事前準備作業の無理な推進
機械を止めずに行う事前準備作業を無理に進めようとした結果、かえって準備や片付けのための歩行ロス、情報の確認漏れが発生し、作業者の負荷が増加してしまう失敗事例です。工程管理の効率化を目指すあまり、現場の動線や情報共有の仕組みが追いついていない場合に起こりがちです。
工程停止時間の短縮への固執
機械停止中の作業時間を短縮しようとするあまり、高額な専用治具や自動化設備を導入したものの実運用に合わず、かえってコストパフォーマンス(費用対効果)が悪化してしまうケースです。柔軟な工程管理の仕組みを作らずに設備投資に頼ると、かえって現場に負担がかかることにもなりかねません。
測定・調整作業のブラックボックス化
工具の設定や各種条件の微調整に関するノウハウが、ベテランの頭の中の記憶や過去の個人用メモに依存している状態です。若手・中堅の作業者が、過去にどのようなトラブルがあり、どう対処したかという「対応履歴」や「正しい手順」を参照できないため、同じ品質を維持できず属人化の温床となります。

工程管理ノウハウの属人化が招くリスク
工程管理が属人化することで、現場には主に以下の3つの大きなリスクが生じます。
リードタイム増大と生産性の低下
ベテラン技術者が不在の時や、予期せぬトラブルが発生した際に、状況を把握して判断できる人材がいないため、機械の停止時間(ダウンタイム)が長引いてしまいます。結果として全体のリードタイムが増大し、生産性が低下しがちです。
品質のばらつき
設定ミスや作業の手法・判断基準が作業者によって異なるため、製品の品質が安定しません。特定のベテランが担当する時は問題ないものの、他の担当者が行うと不良率が減らない・高まる原因となりかねません。
技能伝承の難化
業務の手順や過去の経緯がベテランの経験に依存している状態が続けば、若手や他の担当者が業務の全体像を把握できなくなってしまいます。将来的にベテラン技術者が定年を迎えた際や休職した際に、スムーズに引き継げる状態になっていなければ、事業継続の大きな壁となることも十分にあり得るでしょう。

Backlogを活用した属人化解消のステップ
前章で挙げた3大リスクを解消し、属人化した知見を「組織知」に変えるために、プロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」を活用する具体的なステップをご紹介します。
1. 手順書のナレッジ化
機種ごとの基本手順や必要な工具、注意事項をドキュメントにまとめ、誰でも参照できる環境を整えます。個人のメモや記憶に埋もれていた基礎知識を可視化しておくことで、後続の作業指示や工程管理をスムーズに進める下地が作れます。
2. 作業の業務フロー型化
工程管理における一連の作業を1つの「課題」として登録し、サブタスク機能(親子課題・孫課題)を用いてプロセスを型化します。例えば「工具の準備」「旧設備の取り外し」「清掃」「新設備の取り付け」「試運転」といった一連の工程を階層構造で切り分け、各作業に担当者と期限を設定することがポイントです。従来は口頭やメールで個別に依頼されていた複雑なプロセスを1か所に集約して可視化できるため、担当者の記憶や経験値に依存しない標準化された工程管理が実現します。
3. トラブル対応事例の共有
過去に発生したエラーや不具合の対処法を課題のコメント欄に集約し、同様のトラブルが起きた際に参照できる仕組みを整えます。さらに「Backlog AIアシスタント」を活用すれば、課題に蓄積された過去のコメントや対応履歴を横断的に検索・要約することが可能です。蓄積された知見を手軽に引き出せる環境を構築することで、類似トラブル時の調査時間を削減できます。
Backlogは30日間無料でお試しいただけます。トライアル開始時の支払い情報入力も不要ですので、工程管理ノウハウの属人化脱却にぜひご活用ください。
「あの人しか知らない」は仕組みで解決
業務の属人化は、個人の能力不足ではなく「情報を共有し、蓄積する仕組み」が整っていないことに起因します。ツールを活用してタスクや履歴を一元管理することで、ベテランの知見を組織全体の資産にしていくことが重要です。
製造業のリーダーや現場担当者の方々に向けて、製造業における技能伝承・現場ノウハウの成功事例7社分をはじめ、各社の導入前後の変化や、属人化解消に共通する成功要因、運用定着のコツをまとめた資料をご用意しました。無料でダウンロードできますので、ぜひ社内共有や社内提案にお役立てください。