パレート図とは?エクセルでの作り方と見方を解説

製造業で働く人やシステム開発に携わる人であれば、パレート図という言葉を耳にしたこともあるかと思います。しかし、具体的に何をするためのツールなのか、そもそも意味を理解していないという人もいるのではないでしょうか。

製造業であれば品質保証、システム開発であればプロジェクトマネージャーやPMOにとってパレート図は理解必須の用語です。

今回はパレート図の意味や導入のメリット、作り方から活用方法まで網羅的に解説していきます。

パレート図とは?

パレート図とは?エクセルでの作り方と見方を解説パレート図とは?エクセルでの作り方と見方を解説

パレート図とは「発生している問題の中で大きな割合を占めているモノは何かを明確に特定するための手法」です。QC7つ道具の1つとして紹介されることが多いです。

パレートの法則をご存知でしょうか。「全体の数値の80%は、全体を構成する20%の要素が生み出している」という理論です。80:20の法則とも呼ばれています。

この法則を言い換えれば「20%の要素を改善すれば80%の結果を改善することができる」ということになります。品質管理は時間との勝負です。優先度や費用対効果の高いモノから順に手を付けて製品の品質を高めていかなくてはいけません

パレート図を使う目的

品質管理をするうえで「どこに問題があるのか」「どんな処置を講ずるべきか」を判断するのはとても重要な仕事です。ここでの判断ミスは命取りです。それを防ぐために、現状を客観的に俯瞰することができるツールが「パレート図」です。

パレート図は「品質不良の内容」「不良数」を項目ごとに表にまとめ、数量の多いモノから順に並べていきます。つまり、上位にある問題から解決に向けて着手すれば、製品全体の品質向上につながります。

パレート図を活かして効果的な品質向上を目指すのであれば「不具合件数が多い」「損失金額が多い」「致命的な欠陥かどうか」という点を重点的にチェックするのをおすすめします。

パレート図を使うべきタイミングとは?

パレート図を使用すべきシーンとして「重点的に取り組むべき問題を特定したい」「問題の影響がどの程度か把握したい」「改善前と後の効果を確認したい」ときが挙げられます。

特に「たくさん品質不良の箇所があるけど、項目が多すぎて何から手を付けたらよいか分からない」というときにパレート図を利用しましょう。

品質不良の箇所が多く、取り扱う製品群も多様になるほど直感的な問題解決は不可能になります。パレート図は問題個所と発生件数を可視化するツールです。多忙な中でも必ず作成することをおすすめします。

パレート図を使うメリット

重要な品質問題の項目と数量、影響度が一目でわかるという点がメリットです。問題が視覚化することによって「どの問題解決に重点をおくか」「どの問題解決を優先すべきか」を論理的に判断することができます。

プロジェクトを進めていくうちに想定外の事態がいくつも発生し、手広く対応しているうちにどれも中途半端な対策になってしまった経験はありませんか。

中途半端な対策は問題解決につながりません。大切なのは「選択と集中」です。重要度の高い問題を徹底的に潰すことによって、効率的な品質向上が望めます。

手広く品質対策しているけど効果がでてこない、解決すべき問題が多すぎてどこから着手してよいか分からず混乱している人こそ、パレート図を活用するメリットがあります。

パレート図の作成方法

パレート図の特徴やメリットが分かったところで、具体的なパレート図作成の手順について解説していきます。

手順自体は簡単で、「分類項目を決める」「期間を決めてデータの収集をする」「表やグラフに落とし込む」これだけです。ただし、のちに解説しますが注意点もあるので気をつけましょう。

パレート図といっても表で表しただけのモノから棒線・折れ線グラフを活用したモノまでさまざまです。ここではすべて紹介しますが、実際にあなたが使うべき図は場面に応じて判断しましょう。

データの収集と整理

まずは不具合内容のデータ収集と整理をする必要があります。まずはデータの分類項目を決めましょう。「不良項目」「発生工程」などカテゴリーを分けて分類しましょう。

データとして数字を収集する場合は「不良数」「欠点数」「所要時間」「損失金額」などにして分けましょう。

カテゴリーとデータの分類が完了したら、次は期間を決めてデータを収集します。その後、分類項目別にデータを集計し、数字の大きい順に項目を並びかえましょう。分類項目が多数ある場合は、小さい項目をまとめて「そのほか」として最後に置きます。

エクセルで表の作成

パレート図の作成はエクセル表を利用しましょう。分類ごとに累計数を求め、全体の不具合に対してどの程度の割合を占めているのかパーセントでも表示しましょう。

縦列に分類項目とその他、一番下に合計を記入します。横の行に「不具合件数」「全体に占めるパーセント割合」「累計件数」「累計のパーセント割合」を記入しましょう。

パレート図の基本は「発生件数の多い事項を上位におく」ことです。分類項目は常に発生件数の多い順番に並びかえましょう。

棒線グラフと折れ線グラフの追加

表でまとめることができたら、次はグラフを使って視覚的に分かるようにしましょう。まずは棒線グラフを作ります。

グラフの縦軸に発生件数、横軸に分類項目を記入します。必ず発生件数の多い項目から順に並べていきましょう。「そのほか」は件数の多さに関わらず一番右側に置きます。

これだけでも分かりやすいですが、最後に折れ線グラフも追加しましょう。グラフ右側の縦軸に累積割合(%)を追加します。

折れ線グラフの終点を100%とし、10%ごとに目盛りを入れます。このとき、折れ線グラフの最初の点は、棒グラフの1項目の右肩につくのもパレート図作成のルールです。

最後に、データの記録期間や記録した人物、記録した目的を書き込んでおきましょう。後に見直すときにデータとして役立てるには、詳細な記録が必要です。

パレート図の活用方法

パレート図の見方と書き方が分かったので、次は具体的な活用方法について紹介していきます。パレート図は単純に発生項目別に分けることもできますし、金額との関係をあわせてまとめることもできます。

また、最後にパレート図作成の注意点についても触れます。設定方法によってはパレート図が正しいデータを反映しないケースもあるので注意しましょう。

パレート図は実際に品質改善を達成することによってはじめて導入した意味があります。効果が出るまで、粘り強く分析と改善を繰り返しましょう。

パレート図の見方


パレート図を作ったら、まずは一番左側にある発生件数の多い問題解決に向けて行動することが多いです。しかし、発生件数が多いからといって必ずしも一番に取り組むべき問題とは限りません。優先順位など総合的に考慮する必要があります。

パレート図を見れば「どの項目が最も問題発生数が高いか」「優先順位や深刻度はどうか」「全体に対する各項目の割合はどうか」「どの項目を解決すればどの程度の効果が得られるか」「不具合対策や改善案がどの程度の効果があるか」「品質不良などの内容がどう変わったか」
といったことが分かります。発生している問題を俯瞰して、適切に対処していきましょう。

パレート図の使い方

パレート図の具体的な活用方法について見ていきましょう。分類方法の例を列挙すると以下のとおりです。

発生件数と損失金額、というテーマで分類すると「不良発生件数と損失金額の分析」「クレーム件数と対応コストの分析」「設備故障の発生件数と修繕費・機会損失の分析」「在庫数と保管コストの分析」などです。

品質改善をするのであれば、原因別の分析をしましょう。例を挙げると「不具合原因別の分析」「クレーム発生原因別の分析」「故障原因別の分析」「在庫発生原因別の分析」などです。

パレート図を作成する前に、どんな分類で分析すると改善につながるか、という点を考慮することが大切です。

パレート図運用の注意点

最後に、パレート図を使うときの注意点をご紹介します。まずは「細分化のし過ぎに注意」です。

問題や原因を詳しく追及しようと、パレート図の項目を細分化しすぎるのは良くないです。なぜかというと、問題の大きさに対して項目が分散しすぎているので、「本当の大きな問題はどこか」が分からなくなってしまいます。

たとえばA工程での不良率が50%であったとします。項目を詳細にしすぎると、「A工程の設備ごとの不良率」「A工程の作業員の不良率」など細分化します。

この状態になると、A工程の不良率を下げる包括的な対策が求められているのに対し、A工程の特定の設備や人員に対してのみの改善策で終わってしまうリスクがあります。

取り上げる問題を絞り込みすぎると、得られる成果が減少するリスクがある、ということを理解しておきましょう。

次は「分析期間の設定」に注意しましょう。

パレート図の正確な分析には「同じ条件」であることが重要です。あまりに長期間を分析対象にすると、工程変更や設備変更、商品のモデルチェンジや従業員の退職など変化点が多く発生します。

変化点が多い状態でパレート図を作成すると、適切なデータを示さないことがあります。パレート図の作成期間は数か月、最長でも1年程度に留めておくことをおすすめします

全体のまとめ

パレート図を活用すると「今取り組むべき品質課題は何か」が分かります。実際の現場では常に複数の問題を同時に抱えています。すべて解決できれば理想ですが、現実には常に問題は発生し続けます。そこで選択と集中をするためには、パレート図を使って優先度の高い品質課題を絞り込まなくてはいけません。

パレート図を作るときは分類項目とデータ収集期間を先に決めましょう。分類項目は多すぎると問題の正確な絞り込みに悪影響です。またデータ収集期間が長すぎても変化点が多く、正確なデータを示しません。分類項目は細かくなりすぎず、データ収集期間は最長でも1年程度にしましょう。

品質課題が多すぎてどこから着手して良いか分からない、重要な課題が分からない、というときにパレート図を使いましょう。優先順位付けしたり品質問題・マネジメント問題を解決したりするのにとても有効です。

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記事の監修
中村 知成(ikikko)

ソフトウェアエンジニアとしてBacklogの開発・運用両面を担当。
並行して「共に働く人たちが、より輝けるように」という思いのもと、CI/CDや環境整備に対する取り組みも行う。2016年頃に知人のアジャイルコーチの活動に触れたことによって、技術的なプラクティスだけではないチーム作りや改善活動の重要性や難しさ・楽しさを実感し、以後アジャイルへの興味とそれを突き詰める活動を始める。
現在は、Backlogチームの開発マネージャーをしつつ、社内の各チームへの支援活動を通じて、ヌーラボのサービス開発を影から支えている。
著書に「現場のインフラ屋が教える インフラエンジニアになるための教科書」(ソシム) 等がある。


記事の作成
Backlog編集部


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