2026年9月10日、大阪の株式会社ビーワークス様オフィスにて「JBUG大阪」を開催しました。
今回のテーマは「Backlogで実践する情報集約とガントチャート活用」です。
「あの資料、どこにあっただろう」「このプロジェクト、今どこまで進んでいるのだろう」。Backlogで課題管理をしていても、スケジュールはExcel、やり取りはチャットツールと情報が分散してしまい、状況を把握するために複数のツールを行き来している方も多いのではないでしょうか。
今回のJBUG大阪では、提供開始された「プロジェクト横断ガントチャート」の開発秘話から、普段の小さな締め切りをガントチャートで管理する工夫、SSoTとSPoGという2つの視点から見たガントチャートの価値まで、ヌーラボとユーザーの双方から実践知を共有いただきました。後半には、参加者同士で情報集約について考えるグループワークも実施しました。当日の内容をまとめましたので、ぜひご一読ください。
※掲載内容はすべてイベント開催当日時点の情報です。
目次
プロジェクト横断ガントチャートで、木を見て、森も見る進捗管理
ご登壇者紹介
株式会社ヌーラボ 砂川 祐樹

以前から多くのご要望をいただいていた「プロジェクト横断ガントチャート」が、プレミアムプランとプラチナプラン向けに提供開始しました。
開発にあたって見えてきた課題は2つ。複数プロジェクトの中から「今気にすべきプロジェクト」を俯瞰したいというニーズと、複数案件を掛け持つメンバーの稼働を課題レベルで把握したいというニーズです。視点の高さが異なるこの2つに対し、「木を見て森も見る」両方を取りにいく設計を目指したといいます。
画面に追加されたのはプロジェクト選択フォームのみで、これまでと同じ感覚で使えます。選んだプロジェクトごとに自動でグルーピングされ、「期限超過」「開始遅延」の件数がアラート表示されるため、手を入れるべきプロジェクトが一目でわかります。グルーピングを解除して担当者ごとに並べれば、メンバーの状況もまとめて確認できます。
最初の要望は2010年5月。16年越しの実現です。複数選択やアラート、表示の最適化は既存のガントチャートにも還元されており、「Backlogの機能開発はますます加速していく」という言葉でセッションが締めくくられました。
締切のある「ちょっとしたこと」を、ガントチャートにしてみる
ご登壇者紹介
株式会社ロフトワーク
テクニカルディレクター
川竹 敏晴 様

セッションは「世界で最初のガントチャートが生まれたのはいつ頃でしょう」というクイズから始まりました。正解は約100年前。そのガントチャートを、もっと身近な場面で使ってみようというお話です。
川竹様が担当する3ヶ月程度の案件では、クライアントと共有するBacklogのガントチャートを種別で絞り込み、URLを渡して「ここだけ見てください」と伝えているそうです。種別は「スケジュール」「課題」「その他」程度にシンプルに整理しています。
Backlog初心者の後輩に「1日1冊漫画を読む」課題をガントチャートで渡したところ、毎日取り組んでくれるようになり、半年後にはクライアントとのやり取りもこなすようになりました。今ではプロジェクトマネージャーとして活躍しているといいます。今回の登壇準備も64の課題に分けて管理し、遅れをリカバリーして当日を迎えました。
締め切りがあって、やることが複数あれば立派なプロジェクトです。課題を分けて開始日と期限日を入れ、ガントチャートに並べるだけで、今日やるべきことが見えてくると語られました。
エンジニア視点で紐解く!SSoTとSPoGで考えるガントチャート活用
ご登壇者紹介
株式会社ビーワークス
マーケティングデザイン事業部
徳津 珠紀 様
ビーワークスでは、タスク管理のほぼすべてをBacklogで行う一方、社内アンケートでは「スケジュール管理は別ツール」と答えたメンバーが54%で最多でした。そんな中でガントチャート派の徳津様が、その理由を2つの考え方から言語化しました。
1つ目はSSoT(Single Source of Truth)、「正しいデータはここにある」と決めておく考え方です。スケジュールもBacklogに置けば常に最新の状態を保て、Excel出力やAPI、MCPで必要な形に取り出せます。ClaudeとBacklog MCPを組み合わせ、期限日も踏まえた朝会のアジェンダを作る使い方も紹介されました。
2つ目はSPoG(Single Pane of Glass)、「ここだけ見ればOK」という状態をつくる考え方です。ガントチャートなら状態や担当者を一覧で確認でき、遅延している課題に絞って話し合えます。プロジェクト横断ガントチャートによって、週単位のリソース調整がしやすくなることにも期待を寄せていました。
帯が課題単位でしか引けないといった弱点も、孫課題機能で3階層まで表現できるようになり、改善が進んでいます。「別ツール派の方も、一度ガントチャートを使ってみては」という呼びかけでセッションが締めくくられました。
グループワーク

休憩を挟んだ後半は、近くの参加者同士で3〜5名のグループをつくり、実際の業務を題材に「情報をどう集約し、どう見える化するか」を考えました。ゴールは、自分たちの仕事でBacklogをどう使えば、情報共有や進捗管理がもっと楽になるかを持ち帰ることです。①身近で情報が散らばっている業務を共有する、②なぜ散らばるのかを考える、③Backlogならどう解決できるかを考える、の3ステップで進めました。
最初のステップでは、20年、30年と続いている古い案件はどこに何があるかわからない、自社内の情報整理はつい後回しになりがち、といった声があがりました。家庭のことも誰が何をやっているかわからず、宙に浮いているタスクがあるという話も出ていました。定年で退職する方の知識が頭の中にしかない、部門をまたぐとデータがBacklogにあるのかサーバーにあるのかわからない、という悩みも共有されました。
続く原因の検討では、ルールが徹底されていないこと、書くこと自体が面倒なこと、人や組織、会社をまたぐほど最新の情報が散らばっていくことなどが挙げられました。
最後のステップでは、習い事など日常の情報をまとめたいという話から、「チャットツールとBacklogが連携できれば、普段のやり取りから頑張らなくても課題が立ち、情報が集まる状態をつくれる」というアイデアが出ました。別のグループからは、Claudeを使って過去の散らばった情報を整理し、1つにまとめている実践例が紹介されました。同じ悩みを持つ人同士だからこそ、自分の現場に置き換えて考えられる時間になりました。
ユーザー会を終えて

今回のJBUG大阪では、プロジェクト横断ガントチャートの開発背景から、日常の締め切りをガントチャートにする工夫、SSoTとSPoGという視点まで、「情報をどこに集め、どう見渡すか」を多角的に考えました。
共通していたのは、スケジュールや状況をBacklogに集めておくことで、「ここを見ればわかる」状態をチームでつくれるということです。課題を分け、開始日と期限日を入れ、件名に大事な情報を書く。そうした小さな積み重ねが、俯瞰と詳細の両方を見渡せる土台になります。
ご登壇いただいた砂川、川竹様、徳津様、会場をご提供いただいた株式会社ビーワークスの皆さま、そしてご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
今後もJBUGでは、Backlogユーザー同士が実践知を共有し合える場をつくっていきます。
