Backlogユーザーのみなさま、こんにちは!
2024年12月14日、横浜みなとみらい パシフィコ横浜ノースにて「Backlog World 2024 in Yokohama 〜 Grow Together 〜」が開催されました。
今回は、招待講演より、株式会社サービシンク 名村 晋治氏「チームを楽に、プロジェクトを早く進めるためのBacklog」のセッションレポートをお送りします。
不動産関連サービスを中心としたWebサイト構築を行っている株式会社サービシンク。2006年頃からBacklogを活用されている名村さんが、今回はあえて“Backlogを使いたくない人”に向けて、Backlogの魅力と使い方を語ります。
目次
Backlogは、チームの未来がラクになるツール
「私はBacklogを、『未来がラクになるツール』と捉えてほしいと思っています。ただし私の話は“正論ではある”が“正解ではない”と思っています。みなさんがご自身で最適解を見つけていただく“ひとつのヒント”になればうれしいです」と名村さん。
実は名村さんもBacklogを使い始めた当初は「なんでこんな事しないといけないの?」「Excelでなんとかなるでしょ」「このツールに書き込んでる間に作業終わるって」と思いながら使っていたそうです。
そうして毎日イヤイヤBacklogを使い続けること5年、2011年に名村さんは気づきます。「あ、そういうことか!」「これを使わないとやばい…」「これを使っててマジで良かった」と。
記憶に頼らず、“忘れるため”にBacklogを使う
Backlogは、情報共有の手間を減らし「今」を助けるツールです。ではなんのためにBacklogのようなチケット管理システムを使うのか。それは「覚えないため」だと語ります。もっと言うと「忘れるため」だとか。
ディレクター、プロデューサー、プロジェクトマネージャーは細かなタスクのあれこれを覚えている時間はないはず。記憶に頼っている限り、人間は必ず忘れます。いっそ“忘れるため”にBacklogにちゃんと書こうと名村さんは提唱するのです。
これからAIによって仕事がどんどん細分化され、より人間の使いやすさのようなエモーショナルな部分にこそ気を遣わなければならなくなるはずです。そのためにタスク管理はBacklogに任せてしまおうというのです。
Backlogを初めとしたタスク管理ツールは「タスク管理が明確になる」「複雑なプロジェクトや日常業務に最適」「プロジェクト、それぞれのタスクの進捗状況をチームで共有しプロジェクトの進行を支援」をうたい文句にしています。「まあそれはそうだ」と、みなさん納得の内容です。
でも、みんなそんなに複雑なことをしているでしょうか。こういったうたい文句が管理者以外に響くでしょうか。そうでないからこそ「使うのが面倒だな」と思ってしまうわけですね。クリエイターからすれば「それよりもメールでもチャットでもいいから指示をくれ!」と、使えば使うだけ手間も面倒も増えるように感じるかもしれません。
情報がナレッジに。絶大な効果を発揮するのは“1年後”
そもそもBacklogのチケット管理システムは、使い始めはまったくラクにはなりません。1カ月目、まだまだ意味不明です。これが1年経つと、ものすごく便利なことに気づきます。書きためた情報がナレッジになってくるからです。
時間が経つとなぜ気づくのか、それは過去の経緯が分かるからです。同じ作業、似た作業のやり方がわかり、Backlogを探すだけで解決します。
サービシンクでは、例えばエンジニアリングの調査をするとき、SQLの文章まで書き出し、どのような結果が出たのか、まで記録しています。これによって記憶に頼った引き継ぎがほぼ不要になります。
そしてメールやチャット、ペーパーに残っている情報は全てBacklogに残す習慣を付け、Backlogに全てのやりとりを集約します。こうすることで、なにが起きてもBacklogだけ検索すれば見つかるようになります。急ぎの案件はついついチャットで仕様やスケジュールを決定しがちですが、チャットはあくまで連絡のためのツールに徹するわけですね。
名村さんは「Backlogにまとめなければ意味がない。チャットでコメントのやり取りは絶対しない」と念を押します。
これらを徹底した結果、メンバーとのチャットでのやり取りは「回答しました」「コメントを確認してください」といった、一見ぶっきらぼうなやり取りになっています。
登録ルールを徹底し、あとで読み返せるように
Backlogを浸透させるうえで、実際にどのような工夫を行っているのでしょうか。サービシンクがBacklogで登録を必須としているのは以下の4点です。
これらを登録していない人には、何十回でも注意をし続ける覚悟をしているそうです。また、「状態」が変わるたびに「担当者」を切り替えます。「担当者」に割り当てられている人が責任者なので、変更していない限り、その担当者が責任を持っていると判断されるからです。
そして大切なのは、「あとで『読み返す』ことを考慮する」ことです。英語・カタカナの表記揺れ、微妙に正しくない単語、雑なタイトル付けは「だめ、絶対!」になるんですね。
ちょっと難しいのは、Wikiの取り扱いです。複数人で作業すると、どうしてもプロジェクトごとにWikiの構造にばらつきが出てしまいます。それを解決すべく、独自の「共通フォーマット」を策定して運用しているのだとか。全てのプロジェクトで同じ構造であれば、探す手間を圧倒的に削減できます。
全ては未来の自分と仲間を救うため
「Backlogを使うことを嫌がらないでいただきたいなと思います。手間がかかるかもしれませんが、今だけではないということです。そしてこれは仲間のために存在しているものです」と、セッションをまとめます。
おわりに
「Backlogを使い続ければ、1年後には続けてきた自分を褒めたくなるはず」という名村さんの言葉が印象的でした。
Backlogを使うことを“今”面倒だと感じていても、信じて使い続けることで、未来の自分と仲間が救われるときがきっとやって来ます。
みなさんもぜひ、未来の自分と仲間たちのために、Backlogの活用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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