JBUG沖縄 #4「スタートアップがみせるプロジェクトマネジメント」を振り返る!!

世界中のBacklogユーザーのみなさま、こんにちは! コミュニティマネージャーのTanny(タニー)こと、谷山鐘喜(たにやましょうき)です!

今回はBacklogのユーザーグループ、JBUG(ジェイバグ)が前回の宮古島での開催に続き、3年半振りに沖縄で開催されました!その様子を登壇された方ごとにレポートします。

オープニング 鈴木さん

オープニングトークはJBUG沖縄リーダーの鈴木さんです。

鈴木さんは株式会社Re:Buildの代表としてシステム開発案件や自社サービスの運営をしています。
そのかたわら、様々なコミュニティ運営もしています。

今回はコザスタートアップ商店街の方々との繋がりから3年半ぶりに沖縄で開催することになりました。以前は那覇市や宮古島で開催したので、沖縄市コザで開催するのは初めてでした。

鈴木さんから開催経緯の話やご挨拶があった後に早速乾杯し、JBUGのスタートです!

鈴木さんの登壇の様子鈴木さんの登壇の様子

楽しいふりかえりでチームを成長させよう 岩村さん

岩村さんはフリーランスのエンジニアとしてアジャイル研修の講師をしており、ご自身でも
アジャイルゆいまーるという、アジャイル開発を勉強したい人が集まって助け合うコミュニティを運営されています。

そんな岩村さんに「楽しいふりかえりでチームを成長させる方法」について語って頂きました。

まず代表的なふりかえりのフレームワークを紹介頂きました。ただの反省発表会になってしまいがちなケースなど、ふりかえりの残念な例もいくつか挙げていただきました。

そして「良いふりかえり」をする為にはノーム・カースの最優先条項という考え方をご紹介いただきました。これは、「チームの全員が置かれた状況下でベストを尽くした。ということを疑わない」という考え方のもと、メンバーを信じるということです。

その上で、ふりかえりの進め方を教えて頂きました。

【ふりかえりの進め方】

  1. チームの状況(事実)をありのままに見る。
  2. それに対して思ったこと(感想)を感じる。
  3. 各メンバーが見たことや感じたことを発表し、チームで話し合う。

このように進めるとメンバーの認識が共有されるのでチームの能力が向上するとのことでした。

普段の業務でふりかえりに課題を抱える方はぜひ、岩村さんのお話をご参考にしていただき、岩村さんが開発するふりかえりツールのanycommuを使ってみてはいかがでしょうか。

岩村さんの登壇資料岩村さんの登壇資料

岩村さんはエンジニアですが、お話しいただいた内容は全ての職種の方に当てはまると思いました。

また、【ふりかえりの進め方】にある1〜3のステップはとても大切なことです。当たり前の話のように感じるかもしれませんが、意外とこれはできないと思います。

なぜなら個人の主観や感情が入るためです。

だからこそ、事実を全員で正面から見つめることは大切で、それらに対して感じたことを全員が述べる機会は貴重です。

遠慮や忖度は不要ですが、言い方や伝え方への配慮や気遣いは必要です。
それも、チームメンバーがノーム・カースの最優先条項という考え方に忠実であればできることだと思いました。

登壇資料はこちらから

学生企業のプロジェクトオンボーディング Yasubeiさん

Yasubeiさん株式会社Hugkun(ハグクン)で代表取締役会長をしており、沖縄国際大学の非常勤講師も務めています。
元々プロジェクトマネージャー(以下PM)やエンジニアとしてゲームやアプリ開発に従事していたのでその経験を活かし、企業のアドバイザーや講師をしているようです。

Hugkunでは、実践的な経験を積みたい学生に、チャレンジできる場所を提供し、企業と学生を繋いでいます。

学生にはHugkunの中でCEOやCTOを務めてもらい、経営を体験してもらい、視座を高めることで意識の底上げをします。その状態で社会へ送り出すので就職先の会社では即戦力で活躍できるというシステムです。

そんなHugkun社の取引先ではBacklogを使用していることも多い為、インターンの学生がBacklogのプロジェクトに参加してタスクを進めることも多いようです。
特に、「未対応」〜「完了」まである状態の切り替えを活用して基本的な仕事の流れをレクチャーしているそうです。

また学生の卒業に伴い、オンボーディングの際は高度なノウハウを貯めたドキュメントなどは活かしにくいそうです。

その為、決まった資料の共有や定例ミーティングでのフォロー、そして学生同士が互いに助け合えるようにバディとしてパートナーを組むこともあるそうです。

Yasubeiさんの登壇資料Yasubeiさんの登壇資料

学生がプロジェクトに参加した時にBacklogが利用されているのはとてもありがたいですね。またシンプルな作りから仕事の基本的な流れが覚えられるのは良いと評価を頂きました。

ただ、学生がBacklogの状態を変更する際に、「自身の中で終わったタスク」=「完了」にしてしまうことが少しだけ問題と話していました。

たしかにレビューを受けたり、確認が取れたことをもって「完了」すると良いですね。
この「どうなったら完了になるのか」や「誰が完了にするのか」など、完了の定義付けに関する問題は過去にJBUGでもよく話されています。

もしよろしければ、福岡のJBUGメンバー、金内さんにインタビューした動画、「課題の粒度と完了ルール、カテゴリーの考え方」 をご参考にしてみてください。

登壇資料はこちらから

2週間に一度からリリースを日々の当たり前にするエンジニアリングマネジメント 新垣さん

CBcloud株式会社に勤める新垣さんには2020年8月に入社した当初のプロダクト開発状況から現在に至るまでのマネジメント術についてお話しいただきました。

2020年8月

  • 2週間に1度リリースできれば良い
  • リリースしても影響範囲やテストが不十分で切り戻しが発生することが頻繁におきる
  • リリースが怖いので夜間リリースが当たり前

現在

  • 毎日リリースするのが当たり前で1日に5回リリースすることもある
  • バグ・切り戻しがないわけではないが、頻度は確実に減っている
  • リリースが怖くないので大きなリリース以外は日中にリリースすることが当たり前

まず、現在の状況にするのに大切にしたことは「プロダクト品質への投資」とのことです。
例えばテストコードが書かれていない機能はマージしないなどのルールを設けてテストコードを書くことを定着させたようです。

またQAチームによる統合テストやモニタリングツールの導入を行い、エラー検知の速度や原因調査の速度を上げたようです。

こうすることで品質が上がり、リリースもまとめて行うのではなく個別リリースができるようになり、問題が起きた時の切り戻しの難易度を下げたようです。

新垣さんの登壇資料新垣さんの登壇資料

入社当初と現状を比較すると開発状況は大きく変わってますが、このマネジメント術は見習うべきだと思いました。切り戻しの発生頻度や夜間リリースなど、仕方ないものはあるかもしれませんが入社当初の状況をお伺いすると必ずしもそうでは無さそうでした。

結果、開発者のモチベーションに影響を与えていた部分もあったようです。

この状況を打破する為に、テストコードやQA、モニタリングの仕組み作りを行い、個別リリースを刻みながら行うことで切り戻しリスクを軽減させました。

その結果、不安や恐怖心が無くなるので、不要に夜間リリースをしなくてもよくなったのではないでしょうか。

つまり、こうすることで開発者のモチベーションを担保し、更なる品質とパフォーマンス向上に繋げることで組織として好循環を生み出すことができたのだと思います。

登壇資料はこちらから

LT1:多様な働き方のチームでPM  諸見里さん

諸見里さんは現在社員数10名の株式会社Alpaca.LabでPMをしており、開発に関しては外部のパートナーにもお願いしているそうです。

PMは諸見里さんのみで、今回は2年間、改善し続けてきた日々の業務の流れをご紹介いただきました。

Alpaca.Lab社では運転代行配車アプリ「ARICLE」(エアクル) などを開発しています。
他にもプロダクトがいくつかあり、各メンバーの働く場所や働く時間はバラバラなようです。
そこで複数のプロジェクトを並列実装し、工程ごとに分業化したようです。

その結果、各プロジェクトの進捗と各メンバーが進める業務内容の理解が分かりやすくなり、負担も軽減され業務改善ができたようです。

諸見里さんの登壇資料諸見里さんの登壇資料

また、基本的にトラブルは情報の伝達ミスと仰っており、これは僕も同意見です。
僕自身Webディレクターをしていましたが、確かにコミュニケーションに起因するトラブルや失敗は見聞きし、経験もしてきました。

(登壇資料については非公開です)

LT2:Just do it  岩田さん

まずは会場の皆さんに岩田さんから質問がありました。

  • A 思い立ったらすぐ行動する直感派?
  • B じっくり考えてから行動する慎重派?

会場ではAに手を挙げた方がやや多かった印象です。岩田さんも直感派のようで、ご自身のキャリアや取り組んできたプロジェクトになぞって直感派であるゆえんをご紹介いただきました。

まずご本人が大切にしてきた言葉で、以前勤めていたAmazon社の社訓である「Bias for Action」の意味を教えていただきました。
簡単に意味をお伝えすると、「多くの意思決定や行動はやり直すことができるため、ビジネスではスピードが重要」という考え方です。

そして今は岩田さんも独立し、様々な事業を手がけています。

直感派の岩田さんがBias for Actionで作った商品

そして何より、直感型のメリットをこのようにも述べていました。

  • 誰よりも先にアイディアを形にできる
  • 誰よりも先に困った人に寄り添える
  • 時代をリードできる人材

岩田さんの登壇の様子岩田さんの登壇の様子

話を聞いていて僕は、出身地の東京から千葉、沖縄と移住してきた岩田さんの行動力についても理解できたように思います。
そして何より、慎重派の僕も見習いたいと思いました。

登壇資料はこちらから

LT3:コザ、コミュニティ爆誕支援  おおしろさん

会場であるLagoon Kozaを提供いただいた、株式会社Link and Visibleに所属するおおしろさんからの発表です。

Link and Visible社では複数のコワーキングスペースやシェアハウスを運営しており、さまざまなコミュニティに会場をご提供いただくなど、積極的にコミュニティ支援もされています。

それだけではなく、会場のある沖縄市コザをスタートアップが集まる場所にするべく、起業家やオフィスの誘致もされています。

また商店街を巻き込んだイベントの実施や企画立案もされています。

ぜひ、昨年の夏に開催したKOZAROCKSイベントの様子をこちらからご覧ください。

おおしろさんの登壇資料おおしろさんの登壇資料

積極的にスタートアップを支援し、コザから沖縄を盛り上げようとする姿勢に刺激を受けました。またコミュニティにも積極的に支援されているので、これからもJBUGの皆さんと一緒にコザでの企画を進められるととても楽しくなりそうだなと思いました。

登壇資料はこちらから

交流会 / 二次会

今回のJBUG沖縄には東京から来られた方も数名いました。また、各セッションが終わった後の会場では、登壇者や会場に遊びに来られた方々との間で、お互いに気になったことを質問しあったり、感想を言い合いながら交流して盛り上がりました!

開催に向け準備されたおおしろさん、西田さん、鈴木さん、ありがとうございました!!
また登壇者の皆さまもお疲れ様でした!お忙しい中ご準備いただきありがとうございました!

皆さまにシェア頂いた知見からとても学べることが多く、今後の自分自身の動き方にも活かせることが多かったと思います!

また次回もよろしくお願いします。

集合写真集合写真

その後希望者だけで集まった二次会では熱い話やプライベートな話ができ、とても楽しい時間が過ごせました!

お互いをよく知れた結果、更に交流が深まったと思います!お疲れ様でした!!

二次会にて二次会にて

会場提供について

おおしろさんの登壇内容にもありますが、Link and Visible社よりとても素敵な会場Lagoon Kozaを提供いただきました。

細かいご準備や調整などお手伝いもいただき大変助かりました!ありがとうございました!とても楽しかったです♪

次回以降のJBUGについて

イベントの詳細及び参加申し込みはこちらからどうぞ👇

JBUGについて

JBUG(ジェイバグ:Japan Backlog User Group)は、Backlogユーザーによるコミュニティです。現在はオフラインやオンラインでのイベント開催をメインに、Backlogの話だけに止まらず、プロジェクトマネジメント全般やチームコミュニケーション、働き方などについても意見交換を図っています

プロジェクトマネジメントは、全ての業種/職種において必須のスキルである一方、そのノウハウが学べる場はあまり多くありません。

Backlogは国内最大級のプロジェクトマネジメントツールであり、すでに100万人を超えるユーザーがいることから、「プロジェクトマネジメント」「仕事のうまい進め方」に関する知識やテクニック、ノウハウを学び合うことをねらいとして、Backlogユーザーによって、JBUGが発足されました。

実体験から学んだ知見やノウハウのシェアを通し、より「働くを楽しくする」を実現したいと思っています。

あなたの街でもJBUGのイベントを開催しませんか?

これまで、北海道、東京、愛知、静岡、大阪、兵庫、高知、岡山、広島、福岡、宮崎、沖縄にてJBUGのイベントが開催されました。

いずれも、「イベントをやろう!」というBacklogユーザーさんが主体となり、リーダーとして話を進めてくださっています。もしあなたがBacklogユーザーで、「私の住む街でもJBUGを開催しようかな?」と思ったら、ぜひお気軽にJBUGのフォームからご連絡ください!Backlog運営メンバーの方々と一緒に、開催時期やテーマについて考えましょう!

Backlogの開発・提供のみならず、プロジェクトマネジメントのリアルなノウハウや知見を共有する場をオフライン、オンライン問わず増やしていくことにより、「働く」を楽しくしていきたいと考えています。

それでは、JBUGのイベントでBacklogユーザーのみなさまにお会いできることを楽しみにしています!

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