世界中のBacklogユーザーのみなさま、こんにちは! コミュニティマネージャーのTanny(タニー)こと、谷山鐘喜(たにやましょうき)です!
今回はテーマである「越境」にふさわしく、JBUG広島とJBUG岡山の初のオンライン共同開催です。その時の様子をレポートとし、コミュニティマネージャーとしての所感をお届けします。
リーダー陣のご挨拶
JBUG広島
中道さんからはリーダーを務めるJBUG広島のご紹介がありました。ご自身が開催時に心掛けている事は「皆でより良い仕事のやり方を探す事」だそうです。
なので参加メンバーの皆さんは和気あいあいとした雰囲気で楽しく交流する中で業務改善へのヒントも持ち帰って頂けるそうです。
JBUG岡山
阿部さんからはリーダーとしてJBUG岡山ではどのようなトピックが多いかのご紹介を頂きました。例えばプロジェクトマネジメントの話とあわせて、「組織へのツール導入や文化の構築」や「心理的安全性」など「物事を上手く進める為」という観点での話題が多いそうです。
JBUGの「広島と岡山」は以前から拠点の垣根を超えて楽しく交流しています。また年次の祭典であるBacklog World の2020にご登壇頂ける方を多く輩出するなど、大変盛り上がっているエリアでその勢いは今後も目を離すことができなそうです。
セッション1:株式会社ドリーム・アーツ帆足さんによる「KSFを支えるBacklog」
プロジェクトを絶対成功させる為にBacklogを使用しているという帆足さん。
失敗したプロジェクトと成功したプロジェクトを比較した際にその重要成功要因は「信頼」だったと気づいたそうです。
まずは「信頼関係を構築」する為に「全員でBacklogを使用し、いかなる情報もオープンにするよ」という姿勢をプロジェクト参加者に示したそうです。
実際にプロジェクトには131名が参加し、情報もオープン化、「気づいた・気になる」というカテゴリーや「議論したい!」というカスタム属性を設けるなど、メンバー間の心理的安全性にも配慮し、チーム全体の風通しを良くする事で信頼関係を構築したそうです。
結果的にはBacklogを使用した事で「計画値を超える利益率を確保」し、なおかつ「お客様の評判もとても良かった」と振り返っていました。
Tanny’s eye
とても参考になる点は前述したカテゴリーやカスタム属性です。プロジェクトでたまに起きるのが、「気づいたけど言わなかった」というものです。
しかし、この背景には実は「言えなかった」または「言い出せなかった」という実態があったりもします。
そこには心理的安全性の欠如から来るコミュニケーション不足があり、そこから見えない所で不満が募り結果としてパフォーマスの低下に繋がることもしばしばあります。
そこに注目した帆足さんはその打開策としてBacklogとその機能を使い、ステークホルダー間での信頼関係の構築に成功し、「お客様からの評価」と「自社の利益」の双方を勝ち取る事ができたのではないでしょうか。
そうなれば当然、社内と社外のメンバーそれぞれで信頼関係は構築され、チームメンバーの士気も上がり、全体を通して好循環が始まることだと思います。
セッション2:株式会社クレオフーガ逸見さんによる「ちいさくはじめるBacklog」
Backlogを使用する前はチャットだけでの運用をしていたそうですが、営業や運営など様々なポジションの方から開発部に質問が飛び交ったりと、コミュニケーションが乱立していたそうです。
そこでBacklogを導入し、開発部に対する質問専用のプロジェクトを立て、下記の通りシンプルなルールを設けることで初めて使う人にも分かりやすくしたそうです。
- 質問がある人が担当者を入れずに課題を起票する
- 開発の中で対応できる人が自分を担当者にして処理中に切り替える
- 作業完了したら処理済みにして依頼者に返す
- 依頼者が確認して問題なければ完了に変更する
導入後の感想としてはタスクが一覧で見える事で混線も無くなり、現状把握も楽になりとても良かったというもので、その後、営業チームも導入したようでその時の感想もプロジェクトマネジメントツールを提供する会社としては非常に喜ばしいものでした。
Tanny’s eye
個人的にとても良かったと感じたのは、Backlogの利用に関して「まずは小さく始める」事を徹底し、その中で工夫しながら徐々に組織へ浸透させていけた事だと思いました。Backlogに限らず新しいツールを組織に浸透させるのは至難の技です。
また職域によってITリテラシーは様々で、人により発生し得る心理的ハードルを理解していたからこそ、いかにして優しく、滑らかに利用頂くかを心掛けていたのではないでしょうか。
それとあわせ、便利さを感じて頂ける運用方法だったからこそ営業や社長含め、他の組織へも浸透させる事ができ、結果として会社全体の業務効率化へ繋げる事ができたのではないかと考えています。
LT1:株式会社総合オリコミ社小栗さんによる「10年以上アナログ管理をしていたチームがプロジェクト管理ツールを導入して変わった話」
プロジェクトマネジメント自体初めてのことで何から始めたら良いか分からない状態の中で最初はBacklogではない別のプロジェクトマネジメントツールを使い始めたそうです。
その後プロジェクトに慣れてきたメンバーから意見を募り、新しいツールの必要性を感じる中でJBUG広島に参加したそうです。
JBUGで様々なBacklog活用事例を聞いた結果、既存のツールからBacklogに移行したそうです。その後は課題の立て方など簡単なルールを決めて運用し始め、最終的にはシステムチーム以外にも利用が広まったそうです。
Tanny’s eye
小栗さんの場合はJBUGに参加したことがキッカケでBacklogの導入を決めたケースです。しかもJBUGで聞いたBacklogやプロジェクトマネジメントの運用方法などを早速そのまま業務で試し成果を上げたのですから、これぞまさにコミュニティの力ですね!!
このようにコミュニティというのは導入を迷っている方々に対して「まずは話を聞いてみる」という貴重な場所にもなっています。
しかもユーザーが忌憚なく自由闊達に意見交換するので参加する意義は大きいと思います。そう考えるとやはりJBUGメンバーには大変感謝していますし、とてもコミュニティマネージャー冥利に尽きると思いました。
LT2:株式会社ドリーム・アーツ上谷さんによる「Backlog活用事例の紹介」
2ヶ月弱という短期で少人数のプロジェクトでBacklogを利用した事例をご紹介頂きました。短い期間なので複雑な運用ルールは設けず、まずはWikiと課題登録のみの利用に徹底したそうです。
Wikiは仕様書や議事録に利用し、課題も解決したら終わりではなく必ず残して後から振り返りを行っていたそうです。
また、リリース後も引き続きBacklogをご利用頂いているそうで、親課題の活用など新しい試みを行う中で更なるBacklogの可能性を追求頂いているそうです。
Tanny’s eye
「バックオフィスの方などを含め、一般的に学習コストが低いBacklogですが、その中でも当初は「Wiki と課題登録」に絞って運用した」という話を聞き、とても参考になる進め方だと思いました。
限られたリソースの中でのプロジェクト運営ですから、大切なのは誰もがいち早く新しいツールに慣れる事であり、学習するための時間はありません。
そのような状況下では必要最低限の情報に絞り、的確でスムーズな連携を行うことが余裕のないプロジェクトには最も効果的なのだと思います。
上谷さんはその事を最初から承知していたので、極力分かりやすい運用ルールにしたのだと感じました。普段から様々な想定外の事態が起こるプロジェクトの中で多くの判断を下さないといけないPMですが、このように環境面にも目を配り、現状を理解した上で運用ルールを決めるというような適応力も必要不可欠かもしれないですね。
セッション3:広島修道大学佐藤先生による「BacklogWorld2020 re:Union Episode.0」
プロジェクトマネージャーの役割は目標を達成すること。そしてプロジェクトにとっての一番のリスクは「自分がプロジェクトマネージャー」であること。と話す佐藤先生。
つまり、自分に求められていることを知ることが大切で、別の言い方をすると自分ができないことを知ることであり、それが一番のリスクマネジメントに繋がるそうです。
そのように考えたキッカケはご自身の苦い経験から来るものだそうで、大切なのは「信頼関係を築くこと」というメッセージもございました。
Tanny’s eye
佐藤先生のお話は個人的に身に染みました。特に人は「仕事」に対してのダメ出しは受け入れられるが、「個人」に対してのダメ出しは受け入れられないという話がありました。
つまり、評価は「人」ではなく「仕事」に対して行うということです。これは当たり前のようでなかなかできていない人が多いのではないかと思いました。
僕自身違う業界にいたこともあり様々な現場を経験してきましたが、いわゆる「個人攻撃」を見たことがあります。
それは「攻撃する側の怒りや焦りから来る冷静ではない思考」から来るもので、元をたどると上司や顧客などからのプレッシャーという外的要因があることにも起因していると考えています。
自戒も込めてですが、何かトラブルが起きた時は「失敗」に目を向けることで建設的な話し合いを行い、「個人」に対して目を向けないようにしたいですね。
最後に
最後は中道さんと阿部さんの締めの挨拶で終わりましたがその中でBacklogを選んだ理由について、登壇者にお話を聞く一幕がございました。
簡単ではありますが下記にご紹介します。
- 帆足さん:柔軟なUIとそのゆるい雰囲気がとても良かったから
- 逸見さん:JBUGというコミュニティもあり、UIも直感的で分かりやすかったから
- 小栗さん:他社のツールでできない事があった。その中でJBUGで聞いた成功事例からBacklogを使ったら成功すると直感的に感じたから
また、今回の開催に向けご尽力された、JBUG広島の中道さん、井上さん、JBUG岡山の阿部さんお忙しいところお疲れ様でした!!ありがとうございました!!
最後は恒例の記念撮影😃
参考資料につきまして
JBUGについて
JBUG(ジェイバグ:Japan Backlog User Group)は、Backlogユーザーによるコミュニティです。現在はオフラインやオンラインでのイベント開催をメインに、Backlogの話だけに止まらず、プロジェクトマネジメント全般やチームコミュニケーション、働き方などについても意見交換を図っています。
プロジェクトマネジメントは、全ての業種/職種において必須のスキルである一方、そのノウハウが学べる場はあまり多くありません。
Backlogは国内最大級のプロジェクトマネジメントツールであり、すでに100万人を超えるユーザーがいることから、「プロジェクトマネジメント」「仕事のうまい進め方」に関する知識やテクニック、ノウハウを学び合うことをねらいとして、Backlogユーザーによって、JBUGが発足されました。
実体験から学んだ知見やノウハウのシェアを通し、より「働くを楽しくする」を実現したいと思っています。
あなたの街でもJBUGのイベントを開催しませんか?
これまで、北海道、東京、愛知、静岡、大阪、兵庫、高知、岡山、広島、福岡、宮崎、沖縄にてJBUGのイベントが開催されました。
いずれも、「イベントをやろう!」というBacklogユーザーさんが主体となり、リーダーとして話を進めてくださっています。もしあなたがBacklogユーザーで、「私の住む街でもJBUGを開催しようかな?」と思ったら、ぜひお気軽にJBUGのフォームからご連絡ください!Backlog運営メンバーの方々と一緒に、開催時期やテーマについて考えましょう!
Backlogの開発・提供のみならず、プロジェクトマネジメントのリアルなノウハウや知見を共有する場をオフライン、オンライン問わず増やしていくことにより、「働く」を楽しくしていきたいと考えています。
それでは、JBUGのイベントでBacklogユーザーのみなさまにお会いできることを楽しみにしています!
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