STEP2 優先度・担当者・期限などを決定する

バグの交通整理

報告されたバグに片っ端から取り掛かる取り組み方は、バグの発見されるスピードより修正の方が早い間はうまく回ります。

しかし現実としてはバグ修正に回せる人的・時間的リソースも有限ですから、バグを修正しているうちに新たな未着手のバグが積み上がっていくことが多いでしょう。そういう時に必要なのがバグの交通整理です。うまく整理することで、今着手すべきバグが見えるようになり、先の見通しを立てやすくなるのです。

バグ修正にとりかかる前に

バグ修正に取り掛かる前に、そのバグに関するいくつかの項目を決めておくと良いでしょう。チームや開発の状況によって必要になる項目は変わってきますが、特に重要な項目をご紹介します。

優先度を決める

そのバグが与える影響の大きさ、修正の難しさ、開発の状況などを考慮して、どの程度優先すべきなのかを決めます。バグのリストを優先順位順に並べることで、次に取り掛かるべきバグがわかりやすくなるでしょう。

優先度を決める「重要度」と「緊急度」
優先度を決めるにあたり、マネージャー的な役割のメンバーが決めたり、あるいはチームで話し合って決めたりすることと思います。どのような体制にしても、優先度を決めるための軸として「重要度」と「緊急度」の二つを意識すると、判断する際の基準としてよく働きます。
例えば重要度と緊急度がどちらも高いバグの場合、議論の余地なく高い優先度となるでしょうし、重要度と緊急度がどちらも低いバグであれば、場合によっては対応しなくてもよいかもしれません。
重要度が高く緊急度が低いバグはじっくり計画を立てて取り組む必要があり、重要度が低く緊急度が高いバグは、ある程度応急処置的な速度優先の対応が求められます。

担当者を決める

そのバグを担当するメンバーを決めます。

これは当然のことですが、誰も担当しないバグは修正されません。着手すると決めたのであれば、担当者を決めておくと良いでしょう。もしその担当者が取りかかれなくなったのであれば、その時新しい担当者を割り振れば問題ありません。

期限を決める

そのバグを修正する期限を決めます。

もちろんこの項目には、単純に締め切りを設けるという意味もありますが、大事なことは、期限を決めることで「遅れているのかどうか」が明確になるということです。期限が迫っているバグに対しては優先的に対応していきましょう。

情報は更新し続ける

開発の状況は日々変わっていきますから、一度決めた優先度や担当者が状況に合わなくなることもあるでしょう。情報は常にメンテナンスし、更新し続けることが重要です。週次や日次のミーティングで、軽くバグのリストの見直しをしていくと良いでしょう。

「対応しない」バグを決めることも重要

このステップにはもう一つ重要なことがあります。それは「対応しない」バグを決めるということです。

全てのバグを修正できれば理想的ですが、あまり現実的ではありません。対応するバグとしないバグを判断するために必要なのが「そのシステムはなんのためのシステムなのか?」という情報です。システムの目的と照らし合わせることで、初めて対応するべきかどうかを判断できるようになります。

これは極端な例ですが、例えばソーシャルゲームでユーザーが得をするバグが発見された場合、そのバグを修正しないことで運営とユーザーの双方に喜ばれることもあるのです。これは「バグ管理」のやや外側の領域にあたります。詳しくは姉妹サイトのサル先生のプロジェクト管理入門を参照してください。

バグ管理サービスを使うことの利点

バグの整理をするためには、どのバグが対応中で、どのバグが未着手なのかといった、バグ一つ一つの最新の状態の一覧性が重要です。

そのためには「今見ている情報が確実に最新であること」が重要ですが、このような状態管理にはExcelのようなスプレッドシートでは限界があります。バグ管理サービスを利用すればメンバー全員が最新の情報を参照できます。

交通整理でバグの渋滞を解消するばい!

サルのダイミョーくん