テレワークが広がりを見せる中、「自社はまだテレワークできる環境ではない」として、導入を躊躇う企業が多いことも事実です。
しかし、どうしても現場に出る必要がある一部の職種を除いて、デジタル化(DX化)をすることでテレワークの可能性がグッと広がることをご存じでしょうか。
今回は、テレワーク導入時に役立つデジタル化(DX化)について解説します。
導入時に課題となりやすいポイントや注意点にも触れるため、今後新たな働き方を模索したい企業ご担当者様は、ぜひ目を通してみてください。
目次
テレワークと業務のデジタル化(DX化)の関係性
テレワークを導入する際は、デジタル化(DX化)が欠かせないと言われています。社員同士が離れた場所で仕事をするため、場所や物に頼らないシステムづくりが必要です。
例えば、電話やファックスだけに頼らないオンライン上でのコミュニケーションシステムを構築することなどが挙げられます。タイムラグなく情報共有するためにも、チャットツール・オンラインミーティングツール・クラウドサービスを活用している企業は多いのではないでしょうか。
また、紙での情報管理をなくしてペーパーレス化し、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも仕事ができる環境を整えることも大切です。正確かつ実態に即した勤怠状況の把握や、情報漏洩に配慮したセキュリティシステムなど、気を配らなければならない点は多数存在します。
こうしたテレワーク特有の課題を解決するためには、デジタル化(DX化)を促進する必要があります。自社の実態に即したデジタル化(DX化)を進められれば、テレワーク環境下でも想像以上のパフォーマンスを発揮することも不可能ではないでしょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
DX(=デジタルトランスフォーメーション)には、「「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」という意味があります。※1
簡単に言えば、ITを活用した業務の見直し・変革だと言えるでしょう。単に、これまで紙で作業していたことをパソコン上での作業に切り替えることを指すのではなく、課題ごとに適切な最先端のテクノロジーを使っていることがポイントです。
前述したようなテレワーク環境を想定したクラウドツールの導入や、ペーパーレス化を視野に入れたオンラインシステムの構築なども、DX化に当たります。
DX化は、業務のムダを省いて、限られた時間・人員でも効率よくパフォーマンスを上げることに貢献します。テレワークでは特に場所が離れていることによる制約が多いため、DX化が欠かせません。
※1 参照:DX推進ガイドライン
テレワークが実現できない主な原因
テレワークが実現できない理由として、下記の3つが挙げられます。
1.遠隔で行えない業務がある
2.業務上のコミュニケーションに支障が出る
3.業務の進捗を管理できない
それぞれ詳しく解説していきます。
遠隔で行えない業務がある
どうしても遠隔で行えない業務がある場合、物理的にテレワークの導入が難しいとされています。セキュリティ上の問題ではなく、サービスの提供や業務を行うこと自体のオンライン化が難しいためです。
例えば、以下の業務が完全なオンライン化を妨げています。
・書類への捺印
・紙の書類の提出
・契約書など紙の書類の内容確認
・社外秘の資料の閲覧
ルーティンワークの多くをオンライン化していても、稟議書や経理関係の書類をはじめ、一部の書類は紙でやり取りしているという企業は少なくありません。社会情勢の影響でテレワーク化が急激に進んだ当初、上長へ提出する書類に捺印するためだけに出社する、というインタビュー動画が話題になったほどです。
契約書など重要度の高い書類は紙で残しておきたい、と考える現場もあります。仮に自社が完全オンライン化できていても、取引先が紙の書類でやり取りを希望している場合、書類の確認や捺印、返送のために出社を余儀なくされます。
また、セキュリティ面の不安があることから、社外秘の資料をクラウド上に保存していない企業も多いのではないでしょうか。必要な情報を得るために、入室管理が徹底されたオフィスに出社して資料を閲覧せざるを得ない場合もあります。
今後の技術発展が期待されているものの、この様な場合は即時のテレワーク導入は難しいと言えるでしょう。
業務上のコミュニケーションに支障が出る
業務上のコミュニケーションに支障が出ることを懸念し、テレワーク導入に難色を示す企業は多いものです。特に、対面でのコミュニケーションや気軽な雑談による情報交換を重視している場合、テレワークに対する不安は強くなるでしょう。
コミュニケーションにハードルを感じないか、コミュニケーションが疎かになることでミスやトラブルを誘因するのではないかという心配も根強く、本当にテレワークをすべきか迷ってしまうことも考えられます。
業務の進捗を管理できない
業務の進捗管理ができないことを理由に、テレワークを導入したがらない企業もあります。特に経営者・部署長・管理職など、部下をまとめるリーダー的ポジションに就いている人からの懸念が多いでしょう。
進捗管理が手軽に済まない場合、プロジェクトの遅れやミスの見落としにつながります。「細かな報告を命じたとしても限界がある」と感じる場合、テレワーク導入はさらに遠ざかります。
テレワーク実現に向け、企業が取り組むべきDX事例
最後に、テレワーク実現に向けて企業が取り組むべきDX事例を紹介します。
どんな手法があるのか知り、自社の課題と照らし合わせながら導入施策を検討していきましょう。
資料のペーパーレス化・電子化
資料のペーパーレス化・電子化は、テレワークに向けて必須の項目です。オンライン上でドキュメントをやり取りできれば、タイムラグなく情報を共有できます。
ハンコレスなワークフローを構築すれば、社内申請や稟議を回すときにも「いつ誰がどこまで完了させているか」を可視化できます。電子契約システムを採用すれば、社外とのやり取りもペーパーレス化できるでしょう。
また、ペーパーレス化は経費削減とも相性のよい項目です。コピー用紙・インク・トナー・複合機稼働の電気代・書類保管費用などを一律でカットする手段としても有効であり、さまざまなメリットが生まれます。
デジタルでのコミュニケーション手段の確立
デジタルでのコミュニケーション手段を確立し、ストレスのないコミュニケーションができるよう対策します。ただチャットツールやオンラインミーティングツールを導入するだけでなく、対面で向き合っているときと変わらないコミュニケーションができるよう、工夫していきましょう。
例えば、作業時間中はオンラインミーティングツールをつないだままにして、いつでも発言できる状態にしたり、オンライン上でも朝礼・終礼をして伝達事項を共有できるようにしたりする手法があります。
まずは、いつものやり方をそのままオンライン化するよう、意識してみることが近道です。
プロジェクトマネジメントのデジタル化
プロジェクトマネジメントをデジタル化し、オンライン上でいつでも進捗状況をチェックできるようにすることも効果的です。チャットによるこまめな進捗報告はもちろん、タスクリスト・スケジュール・ガントチャートなどをフル活用して情報共有に努めましょう。
プロジェクト管理ツールには、これらの機能が全て搭載されていることが多いです。情報の一元管理にも役立つため、プロジェクト単位での進捗を把握したいときは検討してみましょう。
まとめ
テレワーク導入を妨げる要因として、コミュニケーション不足やプロジェクト進捗の不透明さに対する懸念が挙げられます。
しかし、最適なツールを導入してデジタル化(DX化)できれば、課題を解決しながら最大限のパフォーマンスが発揮できるようになるでしょう。
Backlogは、SaaS型のプロジェクト管理ツールです。中小企業から大手企業まで幅広く導入実績があるツールであり、テレワークを推進する企業での活用が広がっています
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