組織を強化する業務可視化とは?メリットや促進方法を解説


組織を強化するには、業務の可視化が重要なカギを握るといわれています。一方で、なぜ業務可視化が組織の強化につながるのかイメージしづらいと感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、業務を可視化する目的や具体的な進め方について解説します。業務の可視化を進めるにあたって注意しておくべきポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

業務を可視化する目的

そもそもなぜ業務可視化が重要であるのか、根本的な目的を整理しておきましょう。業務が可視化されていない場合に生じやすい問題と併せて押さえておくことが大切です。

業務の全体像を明らかにする

業務を可視化することで、業務の全体像がより明確になります。各自が担当業務を把握するだけでなく、全体像から自分の担当業務が果たす役割を把握しやすくなるのです。

業務の全体像が曖昧な状態で仕事を進めていると、各自が担当する業務範囲以外への関心が低下しやすくなります。後工程を考慮することなく、各自の業務範囲を機械的に処理する仕事の進め方になりがちです。自分が担当する業務の意味を正確に把握するには、業務可視化が欠かせません。

業務の工程と進捗状況を見える化する

業務を可視化する過程で、業務を構成するタスクを洗い出すことになります。業務の工程を客観的に把握する必要があるため、必然的に業務の進め方を言語化・標準化せざるを得なくなるのです。

また、業務を構成するタスクが整理されれば、進捗管理をよりきめ細かく実施できるでしょう。誰がどこまでタスクを完了させているのかが把握できるため、業務全体が遅延する兆候を察知しやすくなります。担当者任せの進捗管理から脱却するポイントは、業務可視化にあるのです。

チーム全体や管理者が状況を把握する

業務の進捗状況が見える化されることによって、チームメンバーや管理者がリアルタイムで現状を把握しやすくなります。ボトルネックとなっているタスクを早期に発見できれば、問題が大きくなる前に対処できるはずです。

業務の遅延やトラブルは、初期段階ではわずかな異変となって現れるケースが大半です。管理者だけが進捗に目を光らせるのではなく、担当者同士が情報を共有できる仕組みを整えることで、重大な遅延やトラブルを未然に防げるのです。

業務を可視化するメリット

業務を可視化することによって、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。とくに重要度の高い3つのメリットをまとめました。

業務の属人化を防ぎやすくなる

業務が可視化されることで、担当業務の属人化を防ぎやすくなります。業務内容や進捗状況が開示され、特定の従業員だけが把握している業務を減らすことにつながるからです。

業務のブラックボックス化を防ぐことによって、メリットを得られるのは管理者だけではありません。時期によって異なる繁忙状況や負担の偏りが可視化されるため、担当者間でも発生しがちな不公平感を是正できるようになります。業務が属人化しにくい組織へと変えていくことは、業務を一人で抱え込んでしまう従業員を減らすことにもつながります。

後工程を考慮して業務を進めやすくなる

業務が可視化されれば、各自が担当する業務の意味付けがより明確になるでしょう。担当業務の範囲だけでなく、後工程も踏まえて仕事を進められるため、結果として組織全体で業務を円滑に進めやすくなるはずです。

各自が後工程を考慮して仕事を進める組織では、従業員がストレスを抱えにくい傾向があります。業務を可視化することは組織運営を円滑化するだけでなく、従業員のメンタルヘルスに配慮するためにも重要な意味を持っているのです。

個人の特性を活かしやすくなる

業務の工程が可視化され、手順が統一されることによって、各自の業務スキルや得意・不得意を客観的に判断しやすくなります。

業務のプロセスを評価する指標となるため、各自が得意とする業務に人員を配置することで個人の特性を活かしやすくなるはずです。

従業員としても、自分が得意なことで評価されるほうが仕事のやりがいを実感しやすいでしょう。チーム全体のタスクと担当者単位でのタスクの透明性を高めていくことによって、個人の特性を最大限に活かせる組織を築くことにもつながるのです。

業務可視化を進める方法

業務可視化を進めるには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。次に挙げる手順に沿って、業務の可視化を着実に進めてください。

1.業務プロセスを細分化して抽出する

最初に取り組んでおくべきことは、業務プロセスの細分化です。現状どのような業務があるのか、それぞれの業務はどういった手順で進められているのかを抽出しましょう。

抽出された業務は、具体的なタスク単位まで切り分けておくことが大切です。必要に応じて担当者へのヒアリングを実施し、実際にどのような手順で業務を進めているのか把握しておく必要があります。タスクを漏れなく洗い出すことが、業務可視化の第一歩と捉えてください。

2.手順書と進捗管理表を作成する

次に、洗い出したタスクごとに手順書を作成しましょう。担当者の感覚や経験に頼らない客観性のある手順書を作成することが大切です。現時点での担当者以外が手順書を見た際に、業務の基本的な流れが把握できるレベルを目指す必要があります。

また、タスクごとに進捗管理表を作成し、担当者と期日を明確にしておくことも重要なポイントです。未着手のタスクが放置されていないか、予定通りにタスクが進行しているかを確認するためにも、タスクが抜け漏れなく記載された進捗管理表は必須です。

3.報告・管理方法のルールを決める

業務の進捗状況を正確に把握するには、進捗管理表を随時更新していく必要があります。担当者から報告を受ける方法と、管理者が全体の進捗を確認する方法をセットで決めておくのがポイントです。

報告の頻度は、高すぎても低すぎても適切な状況把握から遠ざかってしまいます。業務の性質や部署ごとの繁忙状況に応じて、管理者・担当者の双方にとって負担が少ない報告のルールを定めることが大切です。ルールの運用開始後も現場にヒアリングを実施し、必要に応じてルールを柔軟に見直していく必要があるでしょう。

業務可視化を進める際の注意点

業務可視化を進めるにあたって、注意しておくべきポイントを紹介します。業務可視化を推進したことでかえって業務が滞ることのないよう、次の注意点を必ず押さえておきましょう。

個々のタスク把握が目的化しないようにする

業務を可視化する重要な目的の1つは、チーム全体のタスクを把握することです。担当者が自身のタスク処理状況を把握することが第一の目的ではありません。タスクが一覧化されることによって、個々のタスク把握が目的化しないように注意しましょう。

担当者間で業務の状況を共有するために、隣接する部署間・チーム間で定期的に報告会を開催するのも効果的な方法です。可視化された業務状況を振り返る場を設けることで、情報共有が促されるでしょう。

業務可視化の趣旨・目的を周知する

業務可視化は、捉え方次第ではマイクロマネジメントに陥るリスクを持ち合わせています。各自のタスクが開示されることによって、従業員が監視されているように感じる可能性もあるのです。

業務可視化はタスクの偏りを防ぎ、各自の特性を活かすために取り組む施策であることを周知徹底しましょう。従業員が趣旨・目的を理解し、前向きに捉えることで業務可視化の効果が高まります。従業員にとってメリットのある取り組みであることを知ってもらうことが大切です。

まとめ

業務を可視化する目的は、単に進捗状況を管理することだけではありません。個人の特性を最大限に活かし、組織を強くする上で有効な施策といえます。

今回紹介したポイントや手順を参考に、ぜひ業務可視化を実践してください。個々の従業員が担当業務の意味をより深く理解し、お互いを助け合う風土が育まれていくことで、組織の活力はいっそう高まっていくはずです。

チームで使えるプロジェクト・タスク管理ツールならBacklog

  • お役立ち資料

    Backlogの資料のほか、タスク管理に関する最新情報や事例・ノウハウをダウンロードできます。

    お役立ち資料を見る
  • 無料説明会

    Backlog導入時の基本操作説明や導入後の活用セミナーをオンラインで開催しています。

    開催スケジュールを見る
  • お問い合わせ

    導入前から導入後まで、Backlogの使い方や導入方法などお悩みや不明点にお答えします。

    サポートに問い合わせる