「優先順位」を決めることは、すべての仕事において必要不可欠です。しかし、最優先だと思う仕事が複数ある時、あなたはどのように仕事を進めていきますか?
あなたのチームメンバーは、タスクの進捗を記録して、スケジュール通り完了することに責任をもって取り組んでいるでしょう。しかし、仕事は日々目まぐるしく変わり、どうしても多忙になっていきます。だからこそ、その場で対応する力ではなく先を見越す力が求められます。
ビジネスマン、教育者、そして著者である故人スティーブン・R・コヴィー氏は
「仕事をうまく進める鍵は、既にあるスケジュール内で優先順位を決めるのではなく、優先順位を付けながらスケジュールを組み立てていくこと」
と語っています。これは、すべての仕事が最優先のカテゴリーにある場合にとても貴重な教訓です。
優先順位を付けることは、自分だけでなく周囲の人々にも良い効果をもたらします。Geckoboard編集者のShannon Byrne氏は、「自分の仕事に集中することで、チームメンバーの動きにより意識を向けられるようになった」と述べています。要するに、前向きに仕事の優先順位を決めることは、チーム全体に良い影響をもたらすのです。仕事の優先順位を適切に決めるヒントは、日々仕事のプレッシャーと向き合うあなた自身とチームのために心強い味方となるでしょう。
1.仕事を書き出したリストを作る
もしあなたがたくさんの仕事を抱えていると感じるのであれば、自分の手元にどんな仕事があるのか書き出してみましょう。すると、仕事の需要に対して、自分が実際にどこまで対応できるか判断できます。
リストを作成することで脳は仕事を取捨選択するモードに切り替わるため、何が一番重要なタスクなのか無意識に判断できるようになります。あなたの脳をタスクを識別できる究極の「イシュートラッカー」と考えてみましょう。
実現性の高いリストを作成するためにいま取り掛かるべきすべてての事を考えてみてください。そして、冷静に1日に出来る事を決めましょう。その際に仕事に影響する要因を考えてみてください。
例えば、
- 時間:1日の時間はどれくらいありますか?会議の出席からあなたの人生にいたるまで、すべての事柄にかかる時間を計算して優先順位を付けましょう。
- 重要なイベント:仕事の振り返り、調査、会議など、1日のなかで重要なイベントを洗い出しましょう。
- 日常の変化:仕事には常に変化が生じます。柔軟性のあるスケジュールは、あなたの仕事に起こる変化によるリスクを低下させるでしょう。
2.時間と労力を的確に把握する
仕事をリスト化するのは、まだ初歩的な部分です。リスト化ができたら、仕事の重要性を評価する段階に入ります。適切に優先順位をつけるために押さえておきたいことが2点あります。
仕事の優先基準
すべての仕事には優先順位があります。しかし、チームによって優先度を決める基準は異なります。優先基準に影響を与える要因の一例は以下です。
- 緊急性
- 価値
- コスト(予算・時間・人員)
- タイミング
- 投資収益率(ROI)
どの要因が、あなたの仕事、もしくはプロジェクトにとって一番重要か決めましょう。
時間と労力
プロジェクトの範囲と、あなたの関与範囲がどこまでなのか決めてください。チームプロジェクトの計画にしろ、自分の作業計画にしろ、一流のプロジェクトマネージャーは「労力」を「時間」という因数に分解して考えます。チームのリソースと生産性も重要な要因でしょう。時間と労力を理解するために、プロジェクトマネジャーたちは自分自身にこのような問いかけをします。
- Q:仕事を誰かに割り振ることはできるか?それとも自分自身が対応する必要があるか?
- Q:作業担当者は任された仕事をどのくらいで終えられそうか?彼らは、追加のサポートが必要か?
- Q:チームの生産性は期限通りに仕事を終わらせられるものか?
- Q:人・時間・費用など限られたリソースのなかで何がどれくらい利用できるか?
もし、仕事の優先順位の付け方を模索しているのであれば、これらの2つの領域における要因をじっくり考えてみてください。そして、期日と生産性のバランスが取れる時間優先順位の間にある矛盾を見つけましょう。この仕組みを理解できれば、あなたやあなたのチームにとって、実現性が高い最短ルートの計画を立てられるようになるでしょう。
3.業界に関する情報を収集する
自分の仕事に対する理解を深めれば深めるほど、様々な角度から自分の仕事が理解できます。そのためには様々な角度から優先順位を決めることが重要です。組織の目標、チームの仕組み、欠点をしっかりと理解するためにも、適切な評価基準を身につける必要があります。
そのためには、意識的に時間を作り、自分の会社と業界について学びましょう。ここに効果的に情報を収集するための4つのポイントを提案します。
- 自身の業界について知りましょう:書籍や出版物、記事やブログなど、あなたが賛同できないアイデアもあるかもしれません。しかし、目的は豊かな視点を持つということです。
- チームメンバーに彼らの仕事について尋ねましょう:チームの仕事の流れと役割を理解することでプロジェクトの全体図を把握できます。
- 部門長と積極的に交流しましょう:何があなたの部門とプロジェクトマネジメントにとって優先すべき事柄か見つけましょう。
- 社外でのつながりを積極的に持ちましょう:同じ業界の人々と交流することは、とても有益なアドバイスをもらうための優れた方法です。
4.仕事やスケジュールを可視化する
プロジェクトの見える化があなたの仕事に役立つのは2つ理由があります。
1つ目は、アジャイル開発の観点で、プロジェクトの可視化は、製品やサービスの要件を整理するプロダクトバックログのような役割を果たしてタスクの分散を防ぎます。
もし、完了させるべきすべての作業を認識できていなければ、どうやって優先順位を付けることができるでしょう?仕事の見える化は、作業を依頼するときのミスを最小限に食い止めます。チームメンバーは、自分のリソース内で仕事を完了させるために必要な時間を把握することで、仕事の優先順位付けを責任をもって取り組めるようになるでしょう。
2つ目は、プロジェクトを見える化をすることで、チームメンバーを細かく管理しなくても各自が責任を持って業務を遂行するようになります。仕事を可視化することで、全員の仕事の優先順位が明確になるからです。当初の計画通りに作業が進んでいない時に、チームはすぐにチャットをして、最優先の仕事を期日内に間に合わせるように対応できます。仕事の見える化は、会議の調整や横入りの仕事の対応など、すべてに対して役に立ちます。
5.仕事を委任することを恐れない
それでもTo Doリストが長くなりすぎることもあるでしょう。しかし、仕事の優先順位付けができるようになったあなたにとって、優先度の低い仕事をカットする事は難しくなくなります。
プロジェクトの進捗によっては、どうしても期限をずらせないのに期限が過ぎてしまいそうな状況下に置かれるかもしれません。それでも、あなたは自分の仕事を最後までやり遂げる必要があります。そんな時は、仕事をチームメンバーに委任する術があることを覚えておきましょう。
まとめ
5つの提案を実行することで、あなた自身と、チームにとって、現実的で健全な優先順位付けができるようになるでしょう。プロジェクトを完遂するために、時間をかけて仕事を分解して、プロジェクトに対する価値を認識して、適切に仕事を委任しましょう。
チームの仕事を可視化するBacklogを無料で試してみませんか?
原文はこちら「How to Prioritize When Every Issue is Top Priority」
こちらもオススメ:
プロジェクト管理とは?目的や項目、管理手法について徹底解説! | Backlogブログ
プロジェクト管理の基本や主な項目を紹介。CCPMやWBSなどのプロジェクト管理の代表的な手法やプロジェクト管理全体の流れを解説。これからプロ…
backlog.com