「タスク管理がこんなに簡単に!」― BacklogとNulab Passの組み合わせで利便性向上とセキュリティ強化を実現
Backlog導入前の課題
・既存のツールの使いにくさと、ナレッジの共有が課題
Backlog導入後の効果
・必要な情報すべてBacklogに蓄積され、情報共有や引継ぎが効率化
・全体の業務や状況が可視化され、抜け漏れがなくなった
丸井グループのシステム・ソフトウェア開発や情報管理などを担う株式会社エムアンドシーシステム。同社では、業務の効率化に向けて、2019年にBacklogを導入しました。その後、利用者が広がってきたことを機に、セキュリティとアカウント管理をよりいっそう強固なものとするため、2023年にNulab Passを導入しています。同社システムセンター事業本部・プラットフォーム開発部プラットフォーム開発担当の中垣様、伊藤様にBacklogとNulab Pass運用のメリット、活用方法など詳しくお話を伺いました。
目次
小売システムのクラウド化推進プロジェクトの管理にBacklogを活用
―― 御社の事業概要について教えてください。
エムアンドシーシステムは、丸井グループで使用するITシステムの運用を行う情報システムサービス企業です。具体的には、店舗の「マルイ・モディ」やマルイのネット通販「マルイウェブチャネル」をはじめとした「小売事業」、エポスカードを基軸とした「フィンテック事業」に関するシステムの企画・開発・提案を行い、丸井グループの多様な事業活動を支えています。
―― お二人が所属されている部署と業務内容を教えていただけますか?
システムセンター事業本部プラットフォーム開発部に所属しています。グループ企業内の小売システムのクラウド化、そしてクラウド化で構築したシステムの保守を行う部署で、我々はクラウド化を推進する業務に従事しています。他部署、常駐の協力会社の方々と一緒に要件定義をしながらクラウド化を進めており、そこでのプロジェクト管理にBacklog、セキュリティ対策・アカウント管理にNulab Passを活用しています。
スムーズなプロジェクト進行を支えるBacklogの機能
―― お二人の部署ではどのようにBacklogをご利用されているのでしょうか。
クラウド化する案件ごとにBacklogのプロジェクトを立て、各作業は「課題」を追加して進行管理をしています。社内外含め多くの方が関わるプロジェクトが、Backlog上で進行している状況です。会議ではBacklogのボード画面を見ながら、進捗状況の確認や今後発生するタスクの認識合わせを行っています。弊社では、技術的な作業は協力会社の方にお願いすることが多く、決裁・支払い・契約などの庶務業務は主に社員が行います。我々が担当する庶務業務は属人化しやすく、弊社は異動も多いため、引き継ぎ業務の効率化も大変重要です。そこで、「Wiki」を活用し、担当者が入れ替わる際に困らないよう、業務フローやルールを蓄積しています。
―― Wikiを活用したナレッジマネジメントですね。
『Wikiを見れば何でもできるようになろう』を掲げ、プロジェクトの情報や業務フロー、庶務業務をチェックリスト化したもの、会議の議事録もWikiに詳細にまとめています。私も2か月前に異動してきたばかりですが、業務に必要なナレッジがすべてWikiに蓄積されていたことで、すぐにキャッチアップができました。経験年数に関係なく、一定のクオリティを保って業務を進めていけるのは、Backlogのおかげだと思います。
Backlog導入の決め手は「外部メンバーとのやり取り」と「使いやすさ」
―― Backlog導入のきっかけを教えていただけますか。
きっかけは、自社でクラウド環境のガイドラインを策定するにあたり、プロジェクト管理ツールの導入が必要になったことです。といいますのも、現在、全社で使っている別のプロジェクト管理ツールがあるにはあるのですが、そのツールでは社外とのやり取りが難しかったのです。また、UIが使いにくいという声も上がっていました。
我々のプロジェクトには、協力会社なども含め多くのメンバーが関わってきます。“プロジェクトを管理するためだけのツール”というよりは、誰もがすぐ操作できる使いやすさと、コミュニケーションが活性化するようなツールであることが重要でした。部長が前職でBacklogを使用した経験があり、「これらの条件に当てはまるのはBacklogしかない」と導入が決まったと聞いています。
プロジェクト管理ツールの枠組みを超える、使いやすさがBacklogの魅力
―― 導入の効果は感じていらっしゃいますか?
もちろんです! 我々の部署では”No Ticket No Work” を掲げ、すべての作業をBacklogの課題に登録するルールで運用しています。結果、全体の業務が可視化され、個々のタスク量や状況がクリアになりました。抜け漏れもなくプロジェクト全体を管理できています。Backlogさえ見れば、各メンバーの業務量と進捗状況が把握できるので、マネジメントもしやすくなったのではないかと思います。
痒いところに手が届くと言いますか、Backlogはちょっとした機能が便利です。例えば課題にコメントを入力しているときやWikiを作っている最中に、保存する前に間違って画面を閉じてしまうようなことがありますよね。そんなときもドラフト保存がされていたり、プロジェクト設定では、決裁前は緑、システム構築中は青、とフェーズに応じたプロジェクトの色分けが可能だったり、とにかく使いやすいのです。「チェックリスト」も今どこまで進んでいるかが一目で分かりますので助かります。
先ほどもお話したとおり、弊社は異動が多いため、アカウント登録や削除も頻繁にあります。Backlogはアカウント管理が楽にできるところも助かりますね。「タスク管理がこんなに簡単にできるなんてすごいな」と驚いたことを覚えています。
―― コミュニケーションの面ではいかがでしょうか。
社外の方々とも柔軟につながれるようになりました。例えば、協力会社さんに「この作業いつにしますか?」「〇日にしましょう」といったレスポンスのスピードが上がっています。Backlogの凄いところは『プロジェクト管理ツール』という枠組みを超える、使いやすさ。プロジェクトの進行状況やタスクの見える化に加え、認識の齟齬や抜け漏れもなくなります。さらに社内外とのコミュニケーションも取りやすく、情報共有のためのデータベースにもなる。生産性が向上していることを実感しています。
Backlogユーザーの増加で浮き彫りになった「SAML認証によるシングルサインオン(SSO)」の重要性
―― Backlogのご活用からNulab Pass導入に至った経緯を教えていただけますか?
Backlogユーザーの増加がきっかけです。もともとBacklogを導入していたのは我々の部署だけだったのですが、徐々に他部署も社外取引先の方々とやり取りする機会が増えたことが大きいのだと思います。「Backlogが使いやすい」との評判が広がり、今では弊社に加え、丸井グループや関連会社でもBacklogを導入する部署が増え始めていますから。
―― そこでセキュリティ面を見直したということですね。
Backlogはインターネットさえつながれば、いつでもどこでも、PCでもスマホでも仕事ができる環境が整ってしまう。それは大きなメリットでもあるのですが、セキュリティ上、定められたセキュリティ要件を満たしたデバイスからしかアクセスできない、という環境整備は必要不可欠です。もちろん、弊社をはじめ丸井グループでは会社支給のPCから業務を行うことを義務付けられていますが、セキュリティをさらに高めるためには「SAML認証でのログイン」ができるツールの導入が急務でした。そこでSAML認証によるシングルサインオン(SSO)によって、Backlogのアカウントを一括で安全に管理できるNulab Passの導入に踏み切ったという流れです。
Nulab Passでセキュリティリスクを低減し、ユーザーの利便性も向上
―― Nulab Pass導入後、セキュリティのご懸念は改善されましたか?
セキュリティは他部署が管理しているのですが、Nulab Passの導入によってアクセス管理も強化できますし、不正アクセスなどのリスクマネジメントが可能になったことで、セキュリティリスクの低減やガバナンス強化につながっているのではないかと思っています。
また、これは我々ユーザー側としての感想になりますが、SAML認証によるシングルサインオンによって、自分のIDやパスワードを都度入力することなく、ユーザー認証を一度行う。それだけで、ログインできるようになったのはとても便利だと感じています。
将来的には丸井グループ全社でのBacklog導入されるのが理想
―― 最後に、今後の展望をお聞かせください。
Backlog、Nulab Passによって、業務効率化が格段に進んでいます。理想は、Backlog活用の場が約5,000人在籍している丸井グループ全社で広がることですね。Backlogを共通言語として導入することで、異動時には業務を止めることなく動けますし、引き継ぎする側・される側の負担が大幅に減少するだろうと個人的に感じています。まずはエムアンドシーシステム全体で利用しているシステムを、Backlogに移行してくれると、より業務に集中できる環境になるのではないかと考えています。
——本日は貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。