Backlogは単なるタスク管理ツールではない!チームの連携を深め、プロジェクトを成功に導く“シン・Backlog運用術”

Backlog導入前の課題

フルリモートにおけるコミュニケーションや情報共有、進捗管理の方法を模索

Backlog導入後の効果

業務の量・内容・進捗などすべてが可視化され、チーム力も向上

兵庫県神戸市を拠点に、AWS をベースとしたホスティング事業・自社プロダクト事業、WordPressでの受託開発/コンサルティング事業を手掛ける株式会社デジタルキューブ。全社員がフルリモートで働く同社では、BacklogとCacoo、Nulab Passを活用しチームワーク向上と業務効率向上に活かしています。

その立役者である同社・人材開発担当の恩田氏は、バックログスイーパー*(チーム全体のタスク管理をサポートし、チームの仕事を前進させる人)として、社内のタスク管理を徹底し、社内外のチームプロジェクトを大きく前進させています。

Backlogによって、どのように社内外複数のチームを統合し、共通の目標に向かって協力し合うチームワークマネジメントを行ったのか。そして、バックログスイーパーという役割が組織の働き方にどのような影響を与えるのか。詳しくお話を伺いました。

 *ヌーラボでは、組織やチーム内のバックログ(残務・未処理の作業や案件)を常にキレイして、チームの仕事を前に進める人を「バックログスイーパー」と名づけ、その活動や功績をコミュニティやブログで紹介しています。

バックログスイーパーが仕掛ける“シン・Backlog運用術”

―― 御社の事業概要について教えてください。

当社は自社ウェブサービスの開発・運営と受託開発を行っており、主に3つのサービスを提供しています。1つ目は『Amimoto(アミモト)』というAWS上で高速かつセキュリティが堅牢なWordPressを簡単に構築できるフルマネージドホスティングサービス。2つ目は『Shifter(シフター)』というWordPressサイトを静的なHTMLに変換しホスティングするSaaSサービス。3つ目は『FinanScope(ファイナンスコープ)』という企業価値の算定やIPO、M&Aのタスクを可視化・管理できるIPO支援クラウド、となっています。

―― 御社ではBacklogを積極的に活用されているそうですが、恩田さんの役割と具体的な使い方を教えてください。

当社ではコロナ禍以前から全社員がリモートワークを実施しており、社内のタスク管理はもちろん、クライアントやパートナーとのやり取りやタスク管理にBacklogを活用しています。私自身は人材開発と採用を担当していますが、この業務においてもBacklogは必須のツールです。

チーム全体のタスクの進行管理はもちろん、期限切れのタスクや進捗が遅れているタスクを洗い出したり、新入社員に使い方をオンボーディングするなど、チームの生産性向上を図るとともにBacklogの運用を促進する役割も担っています。

株式会社デジタルキューブ 執行役員 社長室 人材開発担当 恩田 淳子 氏

株式会社デジタルキューブ
執行役員 社長室 人材開発担当
恩田 淳子 氏

―― まさに「バックログスイーパー」ですね! Backlogを選定した理由は何だったのでしょうか。

私が入社する前からBacklog、Cacooは導入されていたのですが、Backlogによって、業務の量・内容・進捗などすべてが可視化され、誰が何をしているのかが見えるのが理由だと思います。当社では創業以来フルリモートワークを採り入れていますが、リモートワークを快適に効果的にするためには『見える化』が重要なポイントです。『見える化』を実現する上で、Backlogはなくてはならないツールですね。

―― リモートワークでは「タスクの見える化」が必要ということでしょうか。

それもありますが、我々はBacklogを単なるタスク管理ツールとして捉えていません。チーム全体のコミュニケーション+タスク管理のインフラとして、プロジェクトの可視化と効率化、そしてチーム力向上を図っています。

具体的にはクライアントとの共同プロジェクトから、社内のタスク管理など、あらゆる業務においてBacklogを活用することで、チームワーク力を高める。社内外のメンバー全員が共通の目標に向かってシナジー効果を発揮できる環境を整えています。

チームワークをインフラとして支えるBacklog

―― Backlogを社内、特に新入社員やゲストユーザーに浸透させるための取り組みについて教えてください。

新入社員研修では、
『仕事はチームワークで成果を出すもの』
『フルリモートワークにおけるコミュニケーションの基本はテキスティング
タスクはすべてBacklogに集約する
この3つの原則が当社のフルリモート体制を支えており、その実現に不可欠なツールがBacklogであると伝えています。

新入社員には、手始めに日報の記録や1on1の設定など、日々の業務をBacklog上で管理する習慣を身につけるためのトレーニングを行っています。

―― Backlogの使い方だけでなく、利用する理由や価値を意識した研修をされているのですね。

Backlogは、もはや我々にとってなくてはならないインフラです。だからこそ、Backlogを活用した働き方に1日でも早く馴染んでほしい、と考えています。ずっとあるものなので、効果面でのビフォーアフター的なデータはありませんが、Backlogがあるからこそ、各プロジェクトは可視化され、チームメンバー間の連携も明らかに向上しています。

株式会社デジタルキューブ 恩田氏

チームの連携を深めるBacklog運用のコツ

 ―― うまく運用していくためのコツは何かあるのでしょうか。

タスクや情報の粒度を統一することでしょうか。たとえば、『カレーを作る』というプロジェクトがあるとしますよね。すると、『カレーを作る』というタスク1つにまとめる人もいれば、『玉ねぎを買う』『人参を買う』といった細かいタスクに分ける人も出てくるわけです。このようにタスクの粒度が揃わないプロジェクトは、なかなかうまくいかないことは想像できるかと思います。

―― なるほど。タスクの粒度にバラつきがあるとスムーズな進行は難しい、と。

タスクの完了条件や作業範囲などは、認識のズレが生まれやすく、プロジェクトの遅延リスクにつながる恐れもありますよね。そのため、当社ではバックログスイーパーが中心となり、チケット運用の考え方や概念、そしてタスクの粒度に関して、社内メンバーからクライアントまで含めて、全体で共通認識を築くようにしています。

タスク管理のポイントは主に2つ。1つ目は、『いつ・なぜ・誰が・何を・どのように・どうするか』を明らかにすること。2つ目は、必ず成果物や完了条件を明確にすることです。

そして、後で追いやすいように1課題1トピックにする、担当者が突然いなくなっても経緯が把握しやすいようにするなど、中長期的な視野を持つことも必要です。

―― チーム全員が共通の認識を持つことが重要なのですね。

はい。そして、Backlogを単なるタスク管理ツールとしてではなく、チームの連携を深め、プロジェクトを成功に導くツールにする。そうなれば、チームメンバーは自分の役割を理解し、責任を持って仕事に取り組むことができるようになります。すでにBacklogによってタスクは『見える化』されているのですから、お互いの進捗を共有することで、協力し合う体制が万全になるというわけです。

相互理解を深めチームワークマネジメントを強化し、会社の成長に貢献していきたい

―― 今後の展望についてお聞かせください。

繰り返しになりますが、フルリモートワークだからこそ、仕事内容を漏れなく可視化することが重要です。仕事をやり取りする上でも、人材開発でも、Backlogを基盤にチーム全体の相互理解を深められるよう、今後もさまざまな取り組みを進めていきたいと考えています。

集まっているだけではただの集団で、メンバー全員が共通の認識を持つことで初めてワンチームになれる。そのための相互理解です。概念だけではなく、やはり実践も大切ですから、“未完成でもアウトプットする” “完璧を目指すよりはまず完了を目指す” といったことを意識しながらワンチームで戦っていきたいですね。 

今後も、Backlogを最大限に活用することで、チームワークマネジメントを強化し、会社全体のさらなる成長に貢献していきたいと考えています。 

―― 具体的なお話を伺ったことで、チームワークマネジメントの重要性、そしてバックログスイーパーがいかに重要な存在なのか、ということを改めて実感しております。本日はありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。

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