会議時間を30%削減し資料作成は不要に。コロナ禍のテレワーク移行でも活躍

九州大学情報企画課では、2018年、事務用電子計算機システム機種更新のプロジェクト管理を目的にBacklogを導入しました。プロジェクトが完了した現在も、さまざまなプロジェクトでBacklogの利用を継続しておられます。

「今後もBacklogのタスク管理文化を醸成し、定着を図りたい」と語る同大学情報企画課の横山様、河村様に、Backlogの継続利用に至った理由やBacklogの活用法、そして今後の展望についてお話を伺いました。

■導入目的
業務システムの導入・管理業務において、ベンダーやエンドユーザーと一緒にプロジェクト管理を行うため
■課題
・メール、課内のみで利用する課題管理ツール、学内の共有フォルダなどツールが乱立して情報が散在していた
・プロジェクトが大きく複雑化し、エクセルでの管理は限界だった
■効果
・ベンダーとの定例会議で資料作成が不要になり、会議時間も3割削減
・コロナ禍でのテレワークへの移行も、業務に滞りなく対応できた
・ナレッジが蓄積され、新任者も即戦力として活躍できる基盤作りが出来た

九州大学の業務システムを支えるBacklog

――九州大学情報企画課様の業務内容について教えてください。

人事給与、財務会計、学務など九州大学の事務部門における各業務システムをはじめ、それを支えるサーバーやネットワーク等の情報インフラの維持管理をしています。事務用のネットワークやサーバー、業務システムの運用保守は、外部の各ベンダーと協力して行っています。

――Backlogをご利用いただいている部署と主な業務内容について教えていただけますか?

当課、システムの導入先となる業務所管部署、そして外部ベンダーの3者間のやり取りでBacklogを活用しています。利用し始めたきっかけは、現在稼働中の事務用電子計算機システムの機種更新プロジェクトでした。

導入当初は内部の案件管理、外部ベンダーとのやり取りなどに活用していました。主に事務用電子計算機システムの機種更新プロジェクトと、同時並行していた「学務情報システム(学生の学籍や授業や成績などの情報を管理するシステム)」の更新プロジェクトでの活用です。プロジェクトが完了してからも、その使いやすさから活用が進んでいます。現在は文書管理や人事給与等のシステムの導入や運用保守プロジェクトまで広がっており、学内外含め140人ほどのメンバーがBacklogを活用しています。

導入から1つ目のプロジェクトで大きな効果を実感!他プロジェクトもBacklogに集約

――Backlog導入前にはどんな課題を抱えていましたか?

課題は大きく2つありました。1つ目は複数ツールの乱立による情報の分散です。Backlog導入前、外部ベンダーとのやり取りはメール、タスク管理は課内のみで使う課題管理ツールで行っていました。一方システムの導入先となる学務部をはじめとする関係部署とのやりとりは、メールや学内の共有フォルダで行なっていたのです。学内外で情報が分散するだけでなく、3者間でリアルタイムな情報共有ができずに定例会議での確認事項が多くなる傾向にありました。

もう1つは、エクセルによるタスク管理の難しさです。案件が複雑化するほどタスクごとの確認作業が増え、タスクを進めていく中で発生する子タスクなども出てきます。エクセルでは、そういった複雑化したタスクを追うのがとても難しいんです。

――Backlog導入時からご活用の幅がかなり広がったのですね。その経緯を教えてください。

事務用電子計算機システムや学務情報システムのプロジェクト管理が、Backlog導入によってとてもスムーズに行えたことがきっかけです。ベンダーとの定例会議ではBacklogの画面を確認することで会議資料の作成が不要になり、会議での確認事項が減ることで会議時間自体も90分から60分に短縮されました。

圧倒的な定量効果があっただけでなく、定性的な効果も感じています。Backlogという1つのツールに情報を集約し、学内各部署とベンダー間においてリアルタイムでの情報共有が可能になったことで、プロジェクトの進捗スピードと精度が上がったんです。

そんな中で「プロジェクトに関する業務は、全部Backlogに集約して管理する方が効率良くなるよね」という話につながり、自然な流れでBacklogによるプロジェクト管理にどんどん移行していきました。

テレワークへの移行でタスク管理の価値を再確認

――Backlog活用によるメリットはどういった点にあるとお考えですか?

Backlogの強さを改めて実感したのは、コロナ対策でテレワークに移行した時です。コミュニケーションは対面からTeamsに変わり、担当者内でのコミュニケーションが取りにくい状況になりましたが、業務を止めることなく乗り越えることができたのはBacklogのおかげかもしれません。

例えばシステムに変更を加える際、当課では上長の承認を得るフローを経てから実行しています。対面で丁寧な確認作業ができない中でも、Backlog上で課題を起票して承認をとることで、詳細な内容を課題上で確認できるだけでなく、承認フローを踏んだ証憑としても残ります。一歩間違えたらシステム全体に影響が及びうる作業をしていますので、ヒューマンエラーを防止するという意味でも、対応する職員の負担を軽減できるという意味でも大きなメリットを感じています。

――そのほかにはいかがですか?

メールでの課題登録機能が便利ですね。システムのアラート対応がとてもスムーズになりました。導入前には時間を問わず飛んでくるアラートメールの内容を担当者が精査し、対応が必要と感じたものを手作業で案件管理ツールに登録。それと同時に保守ベンダーにメールや電話でエスカレーションするステップがあったため、どうしても時間がかかっていました。

しかし、メールから課題を起票できる“メールでの課題登録”を活用することで、費やしていた工程は必要がなくなり、アラートを受信するだけでBacklogに課題が起票されベンダー側で対応ができるようになりました。その結果、ダウンタイムの短縮につながっています。

業務引き継ぎはWikiを見るだけ。学習コストを抑えられるBacklogはユーザーの強い味方

――ナレッジマネジメントに BacklogのWikiを活用されているとお聞きしました。

大学職員は異動が多い職種です。人事異動などで担当者が変わる際に困らないよう、Wikiに担当業務のノウハウを蓄積しています。日々アクセスする情報がまとまっていることで毎日の業務にも役立つうえ、コロナ禍で特にその重要性に気付かされました。

コロナ禍では大学も日々特別対応を迫られ、学生対応に追われる中で新任者の教育に十分な手間を掛けられない場面もありました。しかし、Backlogに業務に必要なナレッジを蓄積していたことで、着任後間も無い新任者も当課ではスムーズに業務に取りかかれました。ナレッジマネジメントができるだけでなく、シンプルなUIのおかげで新任者も直感的に使えるので、マネジメントする側としても、とてもありがたいですね。

――嬉しいお言葉、ありがとうございます! 今後の展望についてお聞かせいただけますか?

Backlogによって、あらゆる業務において効率化が進んでいます。とてもテクニカルな業務を継続できているのは、Backlogのおかげだなと日々感じますね。本学では、この流れを止めることなく、日々の業務管理や新しい業務システムの導入時にはBacklogでのやり取りを原則とする文化の醸成、定着を推進しながら、今後もさらに活用の場を広げていきたいと考えています。

――引き続きBacklogがご支援できるよう改善を進めてまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました。

チームで使うプロジェクト管理・タスク管理ツール

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