Fukuoka Growth Nextは、福岡市と民間企業が連携して運営するスタートアップの創業支援施設です。仕事のスタイルに合わせたワークスペースや、オープンで心地よい空間を提供し、独自のプログラムで経営から実務までのさまざまなサポートを提供しています。スタートアップの豊かな未来創りに貢献するFukuoka Growth Nextの運営事務局で、日々ご活用いただいているのがBacklogです。事務局の池園友梨氏にBacklog活用の効果についてお聞きしました。
■導入目的
・さまざまな組織からメンバーが集まる運営委員会で、タスク管理やコミュニケーションのツールが統一されていなかった
・高度な機能を持ちながら、誰にでも手軽に使えるツールとしてBacklogを選定
■課題
・さまざまな組織からメンバーが集まる運営委員会で、タスク管理やコミュニケーションのツールが統一されていなかった
■効果
・必要な情報すべてBacklogに蓄積され、情報共有や引継ぎが効率化
・全体の業務や状況が可視化され、抜け漏れがなくなった
目次
スタートアップ支援イベントのプロジェクト管理にBacklogを活用
―― Fukuoka Growth Nextは起業家と支援者が集う場であるとのことですが、事業の概要を教えてください。
Fukuoka Growth Next(以下FGN)は、「スタートアップの支援」をしている官民協働の組織です。起業家に向けてインキュベーションオフィスの貸し出しやコワーキングスペースを提供し、入居するスタートアップに対してさまざまなイベントや相談会などを実施しています。また、経営から実務まで幅広く手厚くサポートするプログラムを提供したり、投資家や事業会社、そして起業家をマッチングして、資金調達の機会を創出しています。ほかにも協業するのにふさわしい企業同士を繋いだりもしています。ハード、ソフトの両面から、起業家やそこで働くみなさんをバックアップしているのが主な仕事です。
―― 官民で運営していらっしゃるのですね。
FGNは福岡市と民間3社という4つの団体で運営しています。私はもともと運営企業の1つであるGMOペパポ株式会社に所属していて、2022年からFGN事務局を担当しています。普段は主にイベントやセミナーなどの運営を手がけています。
―― 事務局ではどういった業務をご担当しているのですか?
私の役割はスタートアップで働いているエンジニアやデザイナーの皆様に向けたイベントやセミナーを企画し、それらを遂行していくことです。例えば、昨年は「大名エンジニアカレッジ」というエンジニア育成プログラムを開催しました。Backlogは主にそういったイベントやセミナーの進行を管理するため、チーム全体で活用しています。スケジュールの確認や、どの担当者が何をいつまでにするかといった「役割」と「期限」を明確にすることなど、さまざまなプロジェクト進行の力強い味方になってくれています。
ITリテラシーにかかわらず「直感的」に利用できることがBacklogの魅力
―― 池園様が2022年にFGNに合流されたころには、すでにBacklogを利用されていたそうですね。
はい。ですから、導入当時の事情は詳しくは分からないのですが、FGNがスタートした当初は、まだBacklogはもちろん共通のコラボレーションツールは導入されておらず、スプレッドシートなどを利用して管理していたようです。
―― 利用するツールを統一していなかったということでしょうか。
ツールとしてはGoogle Workplaceが導入されていて、ツールは統一されていたんです。ただ、プロジェクトごとの課題やタスクの確認、といったプロジェクト管理が人それぞれだったようです。しかし、統一しようにもチームはさまざまな組織からFGNに関わる人が参加していて、各社で使っているツールが違ったりすることから、ツールの選定がなかなか難しかったようです。そういった中で、高度な機能を持ちながら、誰にでも手軽に使えるツールとしてBacklogが選ばれたのではないかと思います。
―― Backlogの操作が直感的で分かりやすいところを評価していただいたようですね。実はFGNとヌーラボはある共通点もありますよね。
どちらも福岡で産声を上げた…ということで、同郷の企業で開発されたシステムだからという部分でもポイントが高かったようです(笑)。
―― ほかに導入の決め手があれば教えてください。
人数が増えても料金が変わらないのはありがたいですね。経済的な面だけでなく、ITツールは「ユーザーが増える度に社内で経費増額の承認を取らなくてはならない」という事務作業の手間もあります。これがわりと面倒なのですが、Backlogではそういう手間もなくなって楽ですね。
ガントチャートとボード機能でプロジェクト全体の進捗をチェック
―― 現在、イベントプロジェクトの運営にBacklogをお使いいただいていますが、使い勝手はいかがでしょうか。
縦軸に作業内容、横軸に時間を配した「ガントチャート」が、大変便利だと思っています。私たちはイベントのプロジェクトがスタートする前段階から、いろいろと企画や準備しなくてはならないことがあるのですが、そういった細かなタスクも一つひとつ記載していくようにしています。細々とした事柄の確認や、担当者の割り振りなどは、Backlogのガントチャートで管理すると、全体像がすぐ見えますね。
―― ガントチャートは確かに一目見るだけでチーム全員のタスクや、全体のスケジュール感が把握できますね。担当者それぞれのタスクの進行状況についてはどのように管理されていますか?
「ボード」を開くと、「未対応」や「処理中」「処理済」といった状態ごとにそれぞれのタスクが表示されます。私たちは企画ごとに週1回ほどの定例ミーティングをしますが、ボードを見て進捗に気になるところがあれば、その担当者に「困っていることがないか」と、直接声をかけられます。担当者自身も自分の進捗を客観的に把握できるので、大きな遅れがトラブルになる前に、周りに相談や時間調整などの自主的な対策を講じることができます。
「こんなに簡単にできちゃっていいの!?」他社システムとの連携に感動
―― Backlogとほかのシステムとの連携はされていますか?
FGN事務局ではSlackと連携していまして、新しくBacklogに課題が登録されるとすぐSlackに通知されるようになっています。私はプロジェクトを管理している立場なので、課題の登録や返信が滞りなくされているかどうかが常に気になってしまいます。ですので、この連携はとても助かりますね。しかも、連携の設定がBacklogでは非常に簡単です。ツールの連携はちょっとしたコードをいじったりしないといけないイメージだったので、私は今回も「ああ、面倒だな」という気持ちで挑戦したのですが、本当に簡単にできました。「こんなに簡単にできちゃっていいの!?」と驚きました(笑)。
―― そうでしたか。気に入っていただけて嬉しいです。ほかにBacklogを活用した全体での効果として、何かお気づきの点がありますか。
何といっても、タスクの抜け漏れがきっちりと防げるのがいいですね。また、皆で共通のツールを持たないと、情報が個人の元で埋もれてしまったり、その人がいないと閲覧できなかったりする危険がありますよね。Backlogのおかげで、そういった属人化のリスクがほぼ解消しました。過去の資料もBacklogの中に残っているので情報不足の不安もなく、話し合いをするうえで時間の節約にも役立っています。チームでの仕事にBacklogはなくてはならないものだと実感しています。
チーム全体の業務効率化に向けてBacklogを活用していきたい
―― ありがとうございます。今後Backlogをこんな風に活用してみたいというような構想や展望がありましたら、お聞かせいただけますか?
Backlogの優れた機能に「課題の一括登録」や、「テンプレート作成」があります。こういったことを他のメンバーにも周知し活用してもらえれば、全体の業務向上に繋がると思っています。何本かテンプレを作っておけば「イベントを開催します」となった段階で、過去の課題を見ればある程度全体像が掴めますし、テンプレートで効率的に課題を登録できますよね。あとはイベントの登壇者のような外部のゲストもBacklogに招待すれば、より可能性が広がるかなと。今後はそういった外部とのコミュニケーションにも利用してみたいなと思っています。
―― 本日は貴重なお話をありがとうございました!