エンジニア思いのGroovenautsが推奨する”枠にとらわれない”働き方とプロジェクト管理

「すべてはエンジニアの生産性を高めるため−−。」と自社の働き方について語るのは、福岡発のIT企業 Groovenauts代表取締役会長の佐々木 久美子氏。個人の働きやすさを最優先にする同社では、タスク管理ツールは個人が使いたいものを採用したり、子どもを持つ共働き社員のために子ども向けITアフタースクール「TECH PARK KIDS」を社内で運営するといった取り組みがされています。そんな社員思いの同社でのユニークな働き方とBacklogとのコラボレーションについてお伺いします。

--御社の事業内容をお聞かせください。

弊社の事業は大きく3つに分かれています。1つは、Googleが提供するビッグデータ処理基盤BigQueryや人工知能サービスMachine Learningなどの、クラウドプラットフォームを誰でも簡単に使えるようにした「MAGELLAN BLOCKS」。2つ目に、IoTやオンラインゲームなど大量のデータやアクセスに対応するクラウドプラットフォーム「MAGELLAN」の提供です。これら2つとは毛色の違う事業として、3Dプリンタやレーザーカッターを完備したメーカーズ向けのコワーキングスペース「TECH PARK MAKERS と子供がテクノロジーを学ぶことのできるアフタースクール「TECH PARK KIDS」からなる「TECH PARK」を運営しています。
加筆修正:現在TECH PARK MAKERSはサービス終了してMAKERS・KIDSが統合されました。
参考:TECH PARK MAKERSサービス終了とMAKERS・KIDS統合のお知らせ

共働きの社員のために始めた「TECH PARK KIDS」

--TECH PARK KIDSとは何でしょうか?

仕事を持つお母さんお父さんが、子供を預けて働くことによって感じてしまう罪悪感をなくす、という目的で作った、ITアフタースクールです。始めたきっかけは、弊社の社員のほとんどが関東出身で地域とのつながりが薄かったことと、私自身が働いていて子供を預ける場所に困っていたことでした。社員のストレスは会社がなるべくカバーするべきと考え、2016年4月にオープン。社内だけでなく社外の方も利用できます。受付時間は朝10時から夜21時なのですが、出社前にお子さんを預けたいという方もいらっしゃるので、柔軟に各ご家庭の都合に合わせています。

取材をした日はちょうど夏休み。サマースクールが開講されていました。

取材をした日はちょうど夏休み。サマースクールが開講されていました。

私たちの得意分野はITなので、ITをメインにしたレッスンをしています。弊社のエンジニアが先生になって、カリキュラム作成から授業まですべて行っています。具体的には、Youtuberになりたい子にはiMovieの使い方を教えたり、スクラッチと言われるビジュアルプログラミングを教えています。小学5年生でUnityを使ってC#を書いている子もいますよ。他には、教育版レゴのマインドストームなどを使ってロボット工作もしていますね。

--エンジニアが子どもたちの先生もする、というのはユニークな働き方ですね。

はい。弊社で一番大切にしているのは、社員が楽しく続けられるということです。TECH PARK KIDSにしても、大人が続けられるものは子供も大抵好きなんですよね。それに、子供を教えていて気づいたのですが、エンジニアも子供と変わらないな、と思うことがあります。新しい技術をずっと追いかけている姿や、新しい技術を使っていいよと言われたときの目のキラキラ具合とかね(笑)。私はエンジニアが楽しいと思える環境を作ることはとても大切だと考えています。なので、エンジニアが使いたい技術はすべて許可しています。あと、マーケティングは基本行いません。自分たちが使いたいのかを重視して、製品開発を進めています

--なるほど。プロジェクト管理はどのようにされていますか?

弊社は、エンジニアの自由度が高い分、タスク管理が重要です。しかし、日報やタスク管理は1つのツールに統一していません。私は、マネージャーの仕事は今どこにいるか・何をしているのかさえわかれば良いと考えています。リリーススケジュールなどの重要事項はプロジェクトマネージャーごとに決まった形で報告してもらっていますが、それ以外のタスク管理や報告は個人が使いたいツールを使ってもらっています。

--なぜツールを統一しないのでしょうか?

タスク管理の最終的な目的は、管理することではなく「個人の生産性を上げること」ですよね。マネージャーはそのための手段を考える必要がありますエンジニアは、自分で考えて行動することで一番高い生産性を発揮しますつまり、フォーマットを決めない方が個々人の生産性が高いチームができるんです。そういった特性を踏まえて、弊社では1日の勤務時間は決めずに、コミットメントだけを見るようにしています。決して、野放しにする訳ではないけど、信頼しているからこそ自由にさせる、弊社の働き方はそういったコンセプトです

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引っ越しやイベント設営にも使えるのがBacklogの魅力

--Backlogは貴社のどういったプロジェクトで活用されていますか?

社内のプロジェクトでは、TECH PARK MAKERSとTECH PARK KIDSの設立時のタスク管理にBacklogを使っていました。このプロジェクトは、総務や人事なども関わるので、非エンジニアでも使えるツールが必要でした。そこで、プロジェクト管理ツールをいくつか試して、もっとも操作がシンプルで簡単なBacklogを導入しました。

社外のプロジェクトでは、毎年福岡で開催する、エンジニアの成長や育成をテーマにした情報技術サミット「FITS」で使っています。こちらも、多くの非エンジニアの方々とやりとりすることが多いので、操作が簡単で仕様や機能の変更がなるべく少なく、一度覚えればずっと使えるようなツールが必要でした。

--実際にどのように使っていましたか?

両方とも、設営や様々なセグメントの人が携わるという共通点があったので、似たような使い方をしていました。TECH PARK MAKERSとTECH PARK KIDの設立については、オフィスの移転と日程が被っていたこともあり、当初のスケジュール通りにいかず、ステータスが変わりやすかったので、1つのプロジェクトに対して細かく課題を作って、変更時に柔軟に対応できるようにしていました。FITSは、プロジェクトを会場設営やゲストスピーカーの手配、コンテンツ制作などチャネルごとに分けていました。外部の人の協力が多かったので、何か共有したい情報があるときや現状を把握したい時は、各プロジェクトを閲覧するように指示を出していました。

「第29回日経ニューオフィス賞」を受賞したTECH PARK MAKERSのワーキングスペース。

--使ってみた感想はいかがでしたか?

実際に使ってみて、Backlogは女性に受け入れられやすいプロジェクト管理ツールだと感じました。プロジェクト管理ツールは基本的に男性向けなUIであることが多いのですが、Backlogは性別問わず愛されるUIですよね。それに、簡単でシンプルな操作性は非エンジニアにとっても気軽に使えるポイントだと感じます。

他には、イベント運営やオフィス移転といった実際に人を動かすプロジェクト管理に最適だと感じました。従来のプロジェクト管理ツールは、ソースコードや機能の管理など、どちらかというとエンジニアリング向けで、個人のタスク管理として使うことが多いです。一方、イベント運営は、多くの人を実際に動かさないといけません。Backlogはそういったエンジニアリング以外の用途でも使いやすいと感じます。

--Backlogを今後どのように使っていきたいですか?

TECH PARK KIDSで、宿題の管理として子どもたちにも使ってもらえないかな、と考えています。現在は連絡帳に書いていますが、こうしたツールを使って、スケジュールや物事の進め方を学んで欲しいからです。私は、子供たちに将来一緒に仕事したいと思えるような大人になってほしいと考えています。Backlogを導入することで、新しいものをどんどん取り込んで自分をアップグレードさせるハッカーのような考え方を身につけることができたら良いなと思います。

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--ありがとうございました。

 

※掲載内容は取材当時のものです。

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