BacklogとCacooをフル活用。利便性と安全性を両立しながらプロジェクトを推進し、社内研修にも力を入れる
Backlog導入後の効果
・システム設計~構築~保守にわたる、すべての情報を網羅して集約可能
・使いやすいUIでお客様も含めたプロジェクトの情報基盤としても活用
・「チケットを回しながらタスクを進める」といったより実践的な研修を実施
「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」をビジョンに掲げ、その高い技術力でクラウドサービスAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)専業のクラウドインテグレーターとしてソリューションを展開している株式会社サーバーワークス。同社では、以前よりプロジェクト管理ツールとしてBacklogを、AWS構成図の作図ツールとしてCacooを活用されています。BacklogとCacooを併せて活用することのメリットや、今後の展望について同社アプリケーションサービス部の兼安氏にお話を伺いました。
目次
アプリ開発のプロジェクト管理、研修ツールにBacklogを活用中
——御社の事業概要と兼安様のご担当業務を教えていただけますか?
弊社はAWSに特化し、主に企業のクラウド導入を支援するAWS専業のクラウドインテグレーターです。クラウド戦略のコンサルティング、導入支援からクラウド移行後の運用まで一貫したサービスを提供しています。私が所属するアプリケーションサービス部は、インフラストラクチャの導入だけではなく、AWSのサービスを組み合わせてアプリケーションの構築や、データ分析基盤の構築などを行っているような部署です。
―― Backlogをご利用いただいている主な業務内容についてお聞かせください。
アプリ開発のプロジェクトと、エンジニアを育成するための社内研修にBacklogを活用しています。前者ではプロジェクト管理ツールとして、後者では入社後の研修や各分野の技術を習得する教材を載せる場として使用しています。教材は技術を習得した人が都度追加しており、最近は、開発(Development)と運用(Operations)が密に連携し、高品質かつ迅速なシステム開発・改善を継続的に実施していく開発手法“DevOps”の教材を追加しました。
——教材を載せる“場”としてのBacklog、ですか?
はい。研修を受ける人はBacklog上で研修課題を発行してもらい、実案件と同じようにタスクを消化していきます。これを通して、タスクを受け取る、議論する、レビューしてもらう、記録を残すという仕事の一連の流れを学びます。
私も入社時にはBacklog上の研修課題を通して会社の文化への適応と足らないスキルの補完をさせていただきました。現在でも案件にて未経験の技術を扱う場合は教材を見るようにしていて、とても頼りにしています。
私は部のプロジェクトマネージャーを担当していますが、プロジェクトのメンバー全員が研修課題を経てタスクの扱いを習得してくれているのは、プロジェクトの立ち上げにとても有効だと感じています。
要件定義書や経緯、コミュニケーションまでBacklogに集約
——プロジェクト管理ツールに加え、研修のトレーニングツールなどさまざまなシーンでご活用いただいているのですね。 まずはプロジェクト管理ツールとしての活用方法を教えていただけますか?
システム開発・保守運用時には、我々とお客様を合わせて10人ほどのメンバーによるプロジェクトの管理ツールとして活用しています。タスクや進捗など全体の管理を行っていますが、特徴的な活用といえば、例えばWiki。Wikiを活用して、設計書や要件、パラメーターの情報などをすべてストックしています。
Backlogは、「いつ」「誰が」「どのような」タスクに取り組んでいるのか、が常に可視化されていますし、プロジェクトに関する情報の集約、さらにはコミュニケーションツールとしても非常に頼もしい。Backlogの課題を見れば構築までの経緯も振り返ることができます。
——お客様と共通の情報基盤として活用されているのですね。
設計業務はWiki、そして設計に関するコミュニケーションは課題を通じて行っています。設計~構築までの約半年を経てシステムの保守段階に入るわけですが、この時点でWikiには設計書をはじめ要件定義書、プロジェクトすべての過程と情報が自然に蓄積されています。我々は構築後の保守サポートもさせていただくので、設計・構築を終えてもプロジェクト自体は続きます。そのため、Backlogにある全情報をお客様にまるごと納品し、お客様ご自身がいつでも過去の情報を確認できる形をとっています。
「Git」「Wiki」「柔軟な外部連携」「Cacoo」ユーザーの利便性を高める多彩な機能
——よく使う機能や外部ツールなどを教えていただけますか?
WikiのほかにはGitやガントチャートですね。Git機能でソースコードの保管からレビュー、かつ関連するコミュニケーションもBacklog一つで行えます。しかもBacklogはSaaSなので、サーバー管理をする必要がない。ソース管理ツールは世に多くありますが、お客様によってはソース管理のためだけにSaaSの契約を増やすのは負担になることがあります。Backlog一つで一通りのことができるのは、運用保守コストと契約の手間などで大きなメリットがあると思います。
外部ツールではSlackを連携して、Backlogに登録があったときに自動的にSlackへ通知するようにしています。先ほど課題に関わるコミュニケーションはBacklogを通じて行う、と話しましたが、やり取りを残すほどでもない細かなものはSlackで行うようにしています。Slackはアイデア出しや相談など細かな議論を、Backlogではプロジェクトに必要な情報をストックする、という運用をしています。
Cacooも連携して利用しています。Cacooには元々AWSアイコンが入っていて、簡単に構成図が作成できますので、AWS事業を手掛ける我々にとって大変便利です。Cacooで作った構成図を画像としてエクスポートして、お客様に共有するWikiに貼り付けているメンバーもいますね。Backlog同様、UIがよく、スムーズに作業できています。
実践的な研修の場としてBacklogを活用中
—— Backlogをトレーニングツールとして活用されていることについて詳しくお伺いしたいです。
弊社の社員は入社時に新人研修、また入社後も定期的にスキルアップを図る研修を受講することになっていますが、この研修にBacklogを活用しています。研修課題数はおよそ200。これらのひな形をGitHubで管理していて、必要な時に研修をBacklog課題として起票できるようにしています。
——実践的な経験を積むことができるだけではなく、職種に応じてカスタマイズできる研修スキームを構築されているのですね?
私自身、今フルリモートで業務に従事しているのですが、やはりリモートワークの作業効率を上げるにはタスク管理が必須です。チケットを回しながらタスクを進める、課題を簡潔に起票するコツ、次の人にメンションを付ける、聞きたいことをテキストベースでどう端的にまとめるか――。このようにタスクや課題をベースにした働き方を身に付けるには、実際に手を動かしてみるのが一番だと思います。また、まわりに同僚がいないリモートワーク故に自主的かつ効率的にスキルアップする仕組みは大事です。Backlogを活用し、ノウハウのインプット、実務に直接通じるスキルが身に付くようなトレーニング環境は、今後ますます重要になってくると感じています。
—— Backlogを利用することのメリットはどこにあると思われますか?
シンプルかつ圧倒的な使いやすさ。これに尽きると思います。前職で使っていた他社サービスと比較しても、Backlogに軍配が上がりますね。どれだけプラグインがたくさんあってできることが多くても、“開発者以外”のユーザー、特にお客様が使いやすくなければ意味がありません。例えば、Backlogは課題の親子関係一つとっても分かりやすいので、ITエンジニア以外の方にも使いやすいと思います。誰もが使えるほどシンプルなUIと複雑すぎない設定。Backlogのおかげでプロジェクトをスムーズに進めることができています。
Backlog活用でコミュニケーションが活性化する場を創出
——使いやすさと安全性のほかに、Backlogの利便性を感じる場面はありますか?
単なるプロジェクト管理ツールにおさまらないところです。これまでの経験から、“記録を残す”重要性を痛感しているのですが、Backlogは情報を時系列に整理・記録し管理する場を作り出せます。
例えば、課題をExcelで管理すると、だんだん情報が煩雑になり管理しきれなくなってしまうケースがよく見受けられますよね。しかし、Backlogは違います。起票した課題に基づいてコミュニケーションが構造的に整理されるため、議論のプロセスや発言内容、変更点に至るまで正確に情報をストックできる。Backlogという“場”があるからこそ、社内外のコミュニケーションが活性化し、安心してしっかりした議論ができるようになったと感じています。
個人的に便利だと感じている点は、Wikiで設計書を作成する際に関連ページのリンクを貼って、グループ化できることですね。関連する情報にも直接飛べるようにすることで、探す手間が省けますし、何より伝わりやすくなります。きれいに情報を整えられるので書いていて楽しいです。
例えば、AWSはプログラムとその権限を切り離して実装することができます。複数のプログラムのできることが同じ場合、権限の設定を使い回すことが多いです。このような時は権限の設定はページを分けてリンクで繋ぐようにして効率化しています。
——今後の展望をお聞かせください。
今私はDevOpsの教材に力を入れていますが、他の分野の教材も日々増えています。今後は、BacklogのAPIを活用し、受講したい方の条件に合わせた課題の一括登録や進捗状況の共有・連携など、研修の質をさらに高めていきたいと考えています。新しい技術の習得にチャレンジしたいという思いを持つ方たちが成長できる環境をBacklogで整えていきたいですね。
——本日は貴重なお話をありがとうございました!
■株式会社サーバーワークスについて
サーバーワークスは、「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」をビジョンに掲げ、2008年よりクラウドの導入から最適化までを支援している AWS 専業のクラウドインテグレーターです。 2024年1月末現在、1240社 18,800件のプロジェクトを超える AWS 導入実績を誇っており、2014年11月より AWS パートナーネットワーク( APN )*最上位の「 AWS プレミアティアサービスパートナー」に継続して認定されています。
移行や運用、デジタルワークプレース、コンタクトセンターなど多岐にわたって認定を取得し、 AWS 事業を継続的に拡大させています。
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※掲載内容は取材当時のものです。