BacklogとWorkplace by Facebookを連携!Sansanヘルプデスクの問い合わせ管理の自動化
Backlog導入前の課題
事業拡大にあわせて、社内のヘルプデスクへの問い合わせ件数も増加。問い合わせ管理の漏れや手作業を何とかしたい。
Backlog導入後の効果
1日平均10件の問い合わせ課題登録をBacklog APIで自動化。対応漏れが激減し、ヘルプデスクのワークフローが改善。サポートメンバーの工数削減も。
仕様や画面は現行バージョンと異なる可能性があります。
Backlogの最新版についてはこちらからご確認ください。
クラウド名刺管理サービスを提供するSansanでは、社内のヘルプデスク宛に届く、350名もの社員の問い合わせをBacklogとWorkplace by Facebookで管理しています。チャットツールとタスク管理ツールを使いわけることで、問い合わせ対応のスピード向上とアルバイトの作業工数削減をどのように実現しているのかお伺いしました。
―――Sansanのサービスのご説明をお願いします。
経営管理部 ITインフラデザイングループ マネージャー 久永航(ひさながわたる):Sansanはクラウド名刺管理サービスを提供しています。法人向けのSansanと個人向けのEightの2つのサービスを事業の中核においています。現在6000社もの企業に利用されており、一般企業のほか、官公庁、金融機関など、様々な業種の企業の名刺管理を支えるインフラ的な役割を担っています。
目次
社内コミュニケーションはWorkplace by Facebook、決定事項やタスクなどの情報はBacklogを活用
―――Backlogを導入している業務内容やプロジェクトについて教えてください。
久永:Backlogは、SansanのITインフラデザイングループで利用しています。この部門では社内からの情報システムに関するお問い合わせや要望をまとめており、その管理に活用しています。Workplace by FacebookとBacklogをうまく連携させることで、お問い合わせ管理を手動から自動化しています。
―――Workplace by FacebookとBacklogをどのように併用されているのでしょうか?
久永:Sansanの社内コミュニケーションは「基本的にメールではなく社内SNSで」というルールを敷いています。社内連絡は2009年よりSNSに移行しており、Workplaceもその流れで2017年に導入しました。
Workplaceはコミュニケーションのしやすさに特化しているので、日常会話やお問い合わせのような些細な質問などの”フロー型の情報”を取り扱っています。一方で、Backlogは会話から派生したタスクのような”ストック型の情報”の管理を目的に利用しています。
―――あくまでもBacklogは”コミュニケーション”ではなく、”タスク管理”を目的として利用しているのですね。
久永:そうですね。個人的にBacklogはフロー型のコミュニケーションにはあまり向いていないと感じています。かといって、タスクの進捗管理や分析などをWorkplaceだけで行うのは限界があります。Backlogとコミュニケーション特化型のツールを上手に併用することで、問い合わせの対応漏れを防いだり、問い合わせ内容の分析なとしたりするのに役立ちます。
―――問い合わせ内容の分析はどのような目的でされているのですか?
久永:正直なところ、ヘルプデスク宛の問い合わせはヘルプサイトを使ってなるべく自己解決してもらって減らしていきたいと考えています。そのためには、ヘルプサイトの改善が必須なので、Backlogのマイルストーンなどを使って問い合わせをカテゴリ分けして、後から分析できるようにしています。
Backlog APIの活用でワークフローを改善!1日10件の問い合わせ起票の自動化でアルバイトの工数を削減
―――そもそも、Backlogを導入する際の経緯について教えてください。
久永:Backlogはインフラ周りのタスク管理ツールとして当初利用していました。Backlogを導入する前は、個々人で異なるツールを利用していましたが、チームで対応するタスクやプロジェクトが増えたため、運用がうまくいかなくなってしまったのです。そこで、チーム共通のタスク管理基盤として、Backlogを導入しました。
経営管理部 ITインフラデザイングループ 寺園大輔(てらぞのだいすけ):ヘルプデスクの問い合わせ管理はWorkplaceと連携できることを条件にして、ツールを探していました。Backlogを導入したのはAPIが豊富だったことが決め手です。
―――Backlogを導入したことで課題はどう解決されましたか?
久永:チームメンバーのタスクの進捗が一目瞭然になりましたね。問い合わせ対応での活用でいうと、事業拡大によって増え続ける社員からの問い合わせや要望を漏れなく管理できるようになりました。対応が遅れるといったこともなくなりました。
―――BacklogとWorkplace by Facebookを併用した、問い合わせの管理フローについて教えてください。
久永:Workplaceに投稿された問い合わせは自動でBacklogに課題登録されるようになっています。
(実際の問い合わせ例)
1.Workplaceのヘルプデスクグループに問い合わせを投稿
2.Backlogのヘルプデスクプロジェクトに課題が自動で登録される
以前は、Workplace側の投稿を手動でBacklogに転記するのが手間でしたが、自動化できたことでかなり使いやすくなっています。
―――Backlogへの課題登録時の担当者設定やステータスの変更はどのような仕組みで実行しているのでしょうか?
寺園:まず、Workplace内で定期的に処理を実行させることで、ヘルプデスクグループに最新の投稿があった場合にBacklogに課題が登録されるという仕組みを実行しています。課題の担当者はWorkplaceのヘルプデスクググループで問い合わせを投稿する際に、アカウントにメンションを飛ばすことで設定できます。
久永:また、Workplace側の投稿にハッシュタグをつけて情報をカテゴライズして、完了処理まで実行しています。例えば、#closeというタグを付けると、Backlogの課題をクローズするという仕組みですね。こうすることで、Workplace上での会話の流れで課題を完了することができるため、BacklogとWorkplaceを行ったり来たりしなくて済むんです。
―――そうなんですね。BacklogとWorkplace by Facebookを併用することで得れた効果について、ずばり教えてください。
寺園:WorkplaceとBacklogを連携する前は、Backlogの課題の登録やステータスの更新がどうしても忘れられがちだったのですが、Workplaceと連携してからは、こういった問題も解決できるようになりましたね。API連携で1つの作業を減らしただけで、全体のワークフローが激変したと感じています。
久永:手動でやっていた作業がなくなったことで、サポートメンバーの作業工数を減らすことができました。Workplace上で発生するお問い合わせは1日に平均10件です。それらを毎回スプレッドシートで管理していましたが、この作業がなくなったのはとても良い効果でした。
さらなる効率化のためにAIを活用した問い合わせへの自動回答なども視野に。
―――ヘルプデスクのさらなる業務効率化を図る計画などはありますか?
久永:現在ヘルプデスクのメンバーの1人が問い合わせの一次対応までの時間をどれだけ短縮できるか実験をしています。これまで頻発していた問題に、Workplaceの問い合わせに気付かないということが起きていました。
あくまでも体感レベルではありますが、BacklogとWorkplaceを連携したことで、一次対応時間は短縮されたので、次はよくある問合せをAIで自動回答するなど、人の介在を極力短縮したいです。
―――最後に、円滑にプロジェクト管理を進めるためにお二人が普段から意識していることを教えてください。
久永:ツールを使うことを目的にしないことですね。タスクを遂行することが何よりも重要なので、課題を完了することを目的にして、あまりガチガチに管理をしないようにしています。
寺園:私も同じく、管理にあまり時間をかけたくないと考えています。あくまでもプロジェクト管理ツールやコミュニケーションツールはタスクを円滑に進めることが目的なので、管理が目的にならないように意識しています。
—— ありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。