実践編よくあるページ構成
新たに Wiki を導入する場合、どういうタイトルで、どういう内容のページを書くべきか悩むかもしれません。あるいは、あなたは大丈夫でも、慣れていない他の人が悩むかもしれません。
そのような場合の参考になるように、よくあるページ構成の一例を紹介します。また、Wiki の Home ページにコピペして使えるテンプレートもあわせて紹介します。
組織全員が参加する Wiki のページ構成
入門編の「Wiki を使う 〜 書く人が増えたら」では、組織全員が参加する Wiki とプロジェクトの Wiki を分ける運用について話しました。
ここでいう「組織全員が参加する Wiki」とは、ある会社、部署またはチームの全員が参加している Wiki のことです。その組織が存続する限り、1個の Wiki が長い間使われ続けます。そのため、組織内でページ構成を決めて、情報を探しやすい状態を保つことが重要です。
このような Wiki でよく共有される情報を、以下に示します。
- その部署(チーム)の組織図
- 新しく来た人に共有すべき情報
- 部署内の手続きに関する情報
- マニュアルなど
- 打合せの議事録
- 仕事のなかで得た情報
- 部署内で共有すべき情報
- 個人的な備忘録
これらの情報を共有するために、例えば以下のようにページ構成を決めます。
共有したい情報 | ページ構成 |
---|---|
その部署(チーム)の組織図 | 「組織図」ページに書く |
新しく来た人に共有すべき情報 | 「新入社員向けページ」からリンクする |
部署内の手続きに関する情報 | 「マニュアル」ページの子ページに書く |
打合せの議事録 | 「議事録」ページの子ページに書く |
仕事のなかで得た情報 | 「メモ」ページの子ページに書く |
以下は、このページ構成に沿ったテンプレートです。これをコピペして Home ページに貼り付けることで、Wiki を書きはじめることができます。
# ○○部のWiki
* [[組織図]]
* [[新入社員向けページ]]
* 新しく来た人に共有すべき情報は、このページからリンクしてください
* [[議事録/2017/09/01/定例会議]]
* [[議事録/2017/09/03/臨時会議]]
* [[マニュアル/勤怠管理]]
* [[マニュアル/経費精算]]
* [[マニュアル/会議室予約]]
* [[メモ/メモのタイトル1]]
* [[メモ/メモのタイトル2]]
プロジェクトの Wiki のページ構成
一般的に、プロジェクトは一定期間で終了して、成果物が残ります。プロジェクトの終了後は、Wiki はほとんど更新されず、成果物を見たい人がときどきアクセスするだけになります。そのため、成果物の場所さえ明らかなら、きれいなページ構成を保つことはそれほど重要ではありません。
このような Wiki でよく共有される情報を、以下に示します。
- そのプロジェクトの目的
- そのプロジェクトの期間
- そのプロジェクトの組織図、関係者一覧
- 新しく来た人に共有すべき情報
- 打合せの議事録
- プロジェクトの中間成果物
- プロジェクト内での議論のために作った資料など
- プロジェクトの最終成果物
- 最終的に顧客に納品した資料など
- 仕事のなかで得た情報のうち、そのプロジェクトに特に関係するもの
- プロジェクト内で共有すべき情報
- 個人的な備忘録
これらの情報を共有するために、例えば以下のようにページ構成を決めます。
共有したい情報 | ページ構成 |
---|---|
そのプロジェクトの目的 | 「目的」ページに書く |
そのプロジェクトの期間 | 「期間」ページに書く |
そのプロジェクトの組織図、関係者一覧 | 「組織図」ページに書く |
新しく来た人に共有すべき情報 | 「新メンバー向けページ」からリンクする |
打合せの議事録 | 「議事録」ページの子ページに書く |
プロジェクトの中間成果物 | 「中間成果物」ページの子ページに書く |
プロジェクトの最終成果物 | 「成果物」ページの子ページに書く |
仕事のなかで得た情報 | 「メモ」ページの子ページに書く |
以下は、このページ構成に沿ったテンプレートです。これをコピペして Home ページに貼り付けることで、Wiki を書きはじめることができます。
# ○○○プロジェクトのWiki
* [[目的]]
* [[期間]]
* [[組織図]]
* [[新メンバー向けページ]]
* 新しく来た人に共有すべき情報は、このページからリンクしてください
* [[議事録/2017/09/01/定例会議]]
* [[議事録/2017/09/08/定例会議]]
* [[中間成果物/第1回レビュー向け資料]]
* [[中間成果物/第2回レビュー向け資料]]
* [[成果物/仕様書]]
* [[成果物/マニュアル]]
* [[メモ/メモのタイトル1]]
* [[メモ/メモのタイトル2]]
プロジェクトの数が多い場合、会社や部署全体でテンプレートを揃えることをお勧めします。テンプレートが揃っていれば、社員がプロジェクト間を移動したときに、新しい Wiki にすぐ慣れることができるでしょう。
ページ構成にうまく当てはまらない情報
以上のようなページ構成を採用すると、新しいページ名を決めやすくなるというメリットがあります。一方で、ページ構成にうまく当てはまらない情報を書きづらくなり、「どこに書けばいいのかわからないから、書くのをやめる」という人が出るというデメリットがあります。
そのため、Wiki のページ構成を決める際は、ページ構成にうまく当てはまらない場合のルールも決めたほうがよいでしょう。例えば、以下のようなルールです。
「メモ」ページの子ページには、どのような名前のページを作ってもよい
上記のテンプレートは、このルールに従っています。ただし、このルールでは「メモ」ページの子ページが多くなりすぎる可能性があります。そのような場合は、以下のルールのほうがよいかもしれません。
ルールの例(2)自分の名前がついたページの子ページには、どのような名前のページを作ってもよい
* [[メモ/鈴木/メモのタイトル1]]
* [[メモ/鈴木/メモのタイトル2]]
* [[メモ/田中/メモのタイトル3]]
ページ構成の見直し
とりあえず「メモ」ページ以下に書いた情報でも、他の人にも役立つ情報についてはあとから扱い方を見直しましょう。そうすることで、あとから情報を探しやすくなります。
他の人にも役立つ情報は、見つけやすい場所にあとから移動する
ページ名や、そのページの親ページは、あとからでも変更できます。例えば、「メモ/障害対応時の注意点」というページが新メンバーにも有用であれば、「新メンバー向けページ/障害対応時の注意点」に移動します。
他の人にも役立つ情報は、特定の人しか更新しないページから、何人かで更新するページに変える
個人的なメモから始まったページは、ページを移動しても、最初に書いた人しか更新しないことになりがちです。個人の努力や善意には限界があるため、「このページは今後は他の人も更新する」ことを組織・プロジェクト内で合意しましょう。そうすることで、情報を最新に保ちやすくなります。