メールやチャットメッセージのような一時的なやり取りに使われる情報は「フロー情報」、Wiki ページのように何度も読み返される情報は「ストック情報」と呼ばれることがあります。

Tips

フロー情報とストック情報については、サル先生のプロジェクト管理入門の 「フローとストック」 の節も参考ください。

Wiki をストック情報の保存先として活用するためのコツを紹介します。また、Backlog の特徴的な機能も併せて紹介します。

メールやチャットの要約を Wiki ページに書く

過去のメールやチャットメッセージは、時間が経つと探すのが難しくなります。また、複数のメールを読み返さないと、その会話の最終的な結論がわからないこともあります。

入門編（Wiki と他の情報共有ツールの比較）で触れたように、会話の結論だけを要約して Wiki ページに書くことで、あとから情報を探しやすくなります。引用やコードブロックの記法を使って、チャットの重要な部分を Wiki にコピペしておくといいでしょう。

また、Wiki サービスによっては、チャットの内容を簡単に引用するための機能を持っています。例えば、チャットツールとして Typetalk を使っている場合は、Backlog の Wiki からチャットを簡単に引用できます。

Typetalk 上で、ある話題に関連するメッセージにチェックを入れる

チェックを入れたメッセージからまとめを作る

Web ブラウザでまとめページを表示したときの URL を、Wiki ページに書く

Wiki ページを保存すると、チャットの内容が以下のようにインライン展開されます。

課題（チケット）の結論を Wiki ページに書く

課題管理ツール（チケット管理ツール、Bug Tracking System）では、1つの課題（チケット）のもとに、対応結果がコメントとして追記されて、最終的に課題が解決します。

一般的に、課題管理ツール自身にも検索機能はあります。しかし、複数のコメントを読み返さないと、似たような課題が発生した場合の対処方法がわからないことがあります。そのような場合には、メールの場合と同様に、結論だけを要約して Wiki ページに書くことで、あとから情報を探しやすくなります。

Backlog には、Wiki ページと課題の間で、簡単にリンクを張るための機能があります。Wiki ページに課題のキー（例：PROJECTKEY-1）を書くと、その課題ページへのリンクに自動変換されます。また、課題のコメントに [[Wikiのページ名]] と書くと、Wiki ページへのリンクに自動変換されます。

更新され続けるページと更新されないページを分ける

「更新され続けるページ」という印象を与えるページは、きちんと更新する

• ページ名がなにかの全体像を指す場合
  • 例1：あるプロジェクトに関する Wiki で、関係者全員が書かれた「組織図」ページ
  • 例2：ソフトウェア開発に関する Wiki で、サーバ同士の接続関係が書かれた「システム構成」ページ
• そのページが新メンバー向けの導入として示されている場合
  • 例：トップページからリンクされている「新入社員向けページ」

「更新されないページ」については、今後更新されないことを明記する

• ページの先頭に明記する
  • 例：ページの先頭に「このページは2017年8月時点の調査結果です」のように書く
• 親ページ名で表現する
  • 例：技術的な調査結果について、今後更新しないものは「中間成果物」ページの子ページに書き、今後も更新するものは「成果物」ページの子ページに書く

極端な例としては、どれが「更新され続けるページ」かを Wiki のトップページに書くという方法もあります。例えば、「よくあるページ構成」の「組織全員が参加する Wiki」のテンプレートを以下のように修正することで、更新され続けるページが明確になります。

# ○○部のWiki
## 更新され続けるページ
* [[組織図]]
* [[新入社員向けページ]]
    * 新しく来た人に共有すべき情報は、このページからリンクしてください
* [[マニュアル/勤怠管理]]
* [[マニュアル/経費精算]]
* [[マニュアル/会議室予約]]

## 更新されないページ
* [[議事録/2017/09/01/定例会議]]
* [[議事録/2017/09/03/臨時会議]]
* [[メモ/メモのタイトル1]]
* [[メモ/メモのタイトル2]]

情報がどこかに行く前に Wiki に溜めるばい！