入門編まずは1人で書く

ここまでの説明で、「自分の仕事でも Wiki を使いたい!」と思っていただけたかもしれません。

しかし、いままで Wiki を使っていなかった組織では、みんなが Wiki を使うようになるまでに長い時間がかかる場合があります。その場合、まずはあなたが最初の Wiki ユーザー です。

ここからは、Wiki を組織に導入してから、Wiki が定着するまでのステップの一例を紹介します。

自分にとって役に立つ情報を書く

まずは自分がWikiに慣れるばい!
Monkey

導入の初期段階では、「(もし他の人が誰も使わなくても)自分にとって役に立つ」ことをモチベーションとして、ページを継続的に書く習慣を作りましょう。自分があとから読んでわかれば十分で、丁寧に書きすぎる必要はありません。気楽に書きましょう。

Wiki のユーザーはなかなか増えないことがありますし、ポジティブな反応を返してくれる人は更にその一部になります。そのため、「自分の知識を他の人に伝える」ことをモチベーションとすると、挫折してしまいがちです。最終目標は組織のためとしても、まずは自分のためと考えることをお勧めします。

自分が知ったことを書く

まずは自分が仕事中に知ったことのなかで、自分が忘れそうなことをページに書きましょう。例えば、以下のようなページを作ってみましょう。

会議の議事録

自分が参加した会議の、簡単な議事録を書きましょう。自分に役立つ範囲で、配布資料へのリンクや、会議の結論の要点を書くだけでも十分です。書いた議事録を、参加者に共有してみましょう。

社内サイトのリンク集

社内の Web サイトや、ファイルサーバ上のファイルの URL をまとめたリンク集を作りましょう。社内情報を探すのに苦労することがあったら、そのときがリンク集を作るチャンスです。

Tips
Tips
書くべき情報が思いつかない人のために、実践編にて、Wiki のページ構成のテンプレートを紹介します。

他の人から聞いたことを書く

他の人から仕事について教えてもらったときに、その内容のまとめをページに書きましょう。そして、仕事を教えてくれた人にそのページの URL を送り、「この理解で正しいですか?」と聞いてみましょう。運良くその人がページを直接編集してくれれば、口頭のみで教えてもらうよりも理解が進みます。

他の人から聞いたことを書く

情報の探し方を他の人に教える

Wiki に慣れたら仲間を増やすばい!
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Wiki のページを書くことに慣れて、情報量が増えてきたら、次は情報の探し方を他の人に教えます。Wiki 上の情報を見てもらえれば、質問で仕事を中断されることが少なくなります。「他の人を啓蒙しよう」などと重く考えずに、まずは自分が楽になることを第一に考えましょう。

Wiki のユーザーを増やすためには、Wiki に慣れてもらうことが第一ですし、書くよりも読むほうが敷居が低いです。そのような観点からも、情報の探し方を先に教えることをお勧めします。

Wiki の存在をアピールする

一般的に、Wiki の各ページには、時間が経っても変わらない URL(パーマリンク)が割り当てられます。事あるごとに URL を共有して、「Wiki に情報が集まっている」ことをアピールしましょう。

  • 打合せに関連するページがあったら、その URL を打合せ資料に埋め込む
  • 仕事について何か聞かれたときに、ページに簡単な回答を書いて、その URL を共有する

Wiki によっては、ページの追加・更新を、自動的にメールやチャットで通知する機能を持っています。自分から Wiki を見てくれる人が少ない場合は、そのような機能も活用しましょう。

自分なりのページの探し方を教える

Wiki のページ数が増えてきたら、自分なりのページの探し方が固まってくるはずです。例えば、トップページからリンクをこう辿るとか、全文検索でこういうキーワードを入れる、といった探し方です。自己流の探し方で構わないので、それを他のメンバーにも伝えましょう。

ページの探し方についてのページを書く

ページの探し方についてのページを作って、目につく場所(Wiki のトップページの先頭など)に書きましょう。そのほかには、新メンバーが必ず読むべきページが増えてきたら、「新メンバー向けページ」というページを作って、そこから関連ページにリンクを貼るというのも良い方法です。

ページの探し方についてのページを書く