Backlogの全社展開でチームの協働を促進。会議を変え、タスク管理の工数も変えたBacklog活用法

Backlog導入前の課題

・チャットツールやエクセルなどに情報が点在することによって、各プロジェクトの状況が見えづらかった

Backlog導入後の効果

・Backlogにすべての情報を集約できたため、プロジェクトごとの進捗、メンバーのタスク量、状態や期日が可視化された。それにより情報共有や進捗管理にかかる工数の大幅な削減につながった

企業のデータ活用支援に向けたプロダクトやコンサルティングサービスを展開する株式会社primeNumber。社内外の多くのメンバーが携わる数々のプロジェクトを効率的に推進するため、Backlogを全社的に導入しました。

同社のコーポレート本部BizOpsグループでHeadを務める早川氏に、Backlog導入の経緯や具体的な活用法、そして導入後の効果について詳しく伺いました。

Backlogを全社展開し、各部門のさまざまなプロジェクト管理に活用

―― 御社の事業についてお聞かせください。

primeNumberは「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える。」をビジョンに掲げ、大きく3つの事業を展開しています。1つ目は、データ基盤の総合支援サービス「TROCCO®」の開発・運営です。2つ目は、データの発見・理解・活用を促進するデータカタログサービス「COMETA」の開発・運営です。そして3つ目は、データテクノロジー領域における課題解決を目指したコンサルティングサービスになります。

企業内にさまざまなデータが増える一方で、日本のデータ活用は海外に比べて遅れているのが現状です。そこで私たちは、誰もが必要なときにデータを閲覧でき、データに基づいた意思決定を促せるような支援を行い、お客様のビジネスを推進させることを目指しています。

—— 早川さんは、現在どのような業務を担当されているのでしょうか?

私はコーポレート本部BizOpsグループにて、全社のITを統括する情報システム部門の役割を担っています。具体的な業務は、SlackやGoogle Workspace、顧客管理ツールのSalesforceなど、会社全体で使用しているシステムの導入、運用および管理です。全社展開されているツールのひとつとして、Backlogも活用しています。

―― 御社では、Backlogをどのように活用されていますか?

主な用途は、各部門で発生するさまざまなプロジェクトのタスク管理です。タスクの内容、担当者、現在のステータスなどを管理し情報を共有するのに活用しています。たとえば私たちの部門では、システム改修などのプロジェクトにおいて修正内容や実施の流れ、期限などを管理しています。

株式会社primeNumber コーポレート本部 BizOpsグループ Head 早川功氏

株式会社primeNumber
コーポレート本部 BizOpsグループ Head 早川功氏

 チャットツールだけのタスク管理では、経緯やステータスの把握に時間がかかっていた

―― Backlog導入前は、どのようにプロジェクト管理を行っていたのでしょうか。その中で抱えていた課題があれば教えてください。

以前はプロジェクト管理の方法が統一されておらず、個別でGoogleスプレッドシートやエクセルが用いられるなど、使用ツールもまちまちでした。いろいろなツールに情報が点在することによって、各プロジェクトの状況が見えづらく、管理が属人化する点を課題に感じていました。

当社ではチャットツールのSlackを利用したコミュニケーションの頻度が多いのですが、Slack上での依頼や詳細のやり取りは埋もれてしまいがちです。後から経緯や現状、担当者を確認しようと思うと、やり取りの履歴を遡って見ていく必要があり、把握するのに非常に時間がかかってしまいます。

Slackはメンションが簡単にでき、通知にもすぐに気づけるといった利点がありますが、ステータスを管理するのには適切でないと感じていました。これらの課題が、プロジェクト管理の効率を低下させる要因となっていたのです。

社内外のメンバーが協働するプロジェクトが複数進行する中で感じた、Backlog導入の大きなメリット

―― プロジェクト管理ツールが統一されていなかった状態から、どのようにBacklogの導入に至ったのでしょうか?

Backlogの選定には、複数の理由があります。まず、全社導入される前から一部の部署ですでに使われており、社内での利用実績があったことが大きな要因です。利用していた社員からも「使いやすい」との声を聞いていたため、安心感が持てましたね。

さらに、社内外の多様なメンバーが協働するプロジェクトが同時並行で走る中、アカウントの増加にも柔軟に対応できることが魅力的でした。Backlogは従量課金制ではないため、ユーザー数が増えてもコストが変わりません(※)。これは全社展開を検討する上で大きな利点でした。

金銭面だけでなく、ライセンスの購入申請や見積もり取得などの作業が不要になるため、作業工数も大きく削減できます。毎月新メンバーが入社する中、この点は非常に助かっています。

※ スタンダードプラン以上が対象

―― ほかのツールも検討されましたか?

実際のところ、Backlog一択でした。先ほど申し上げた理由により、使いやすさやコスト面での利点が明確だったため、他社のツールを検討する必要性を感じなかったのです。

BacklogとSlackを連携。従来の作業フローを変えずに社内浸透を促進

―― Backlogの全社展開にあたり、ツール浸透のために工夫された点があれば教えてください。

まず、BacklogとSlackを連携し、Slack上からBacklogの課題登録ができるようにしました。これによって、社員はSlackを使うという従来の作業フローを大きく変えることなく、タスクの入力が可能となります。

また、Backlogの操作性が直感的でわかりやすいこともあり、初心者でもすぐに使い始められる点は、ツールの活用浸透を後押ししてくれたと感じます。実際、「Backlogの使い方が分からない」という社内からの問い合わせはほとんどありません。社外のゲストユーザーから質問されるような場合も、担当者から回答できているのだと思います。

―― 簡単に使い馴染んでいただけたようで何よりです!

私たちの部門内では課題のテンプレートを用意し、入力すべき項目をわかりやすくしました。課題を登録するユーザーが迷わずに必要な情報を入力できるので、非常に便利です。

primeNumber様_課題のテンプレ

早川氏の部門で利用している課題のテンプレート

すべての情報がBacklog上に集約され、チームへの情報共有やプロジェクトの管理工数が劇的に削減

―― Backlogを導入して感じられた効果についてお聞かせください。

プロジェクトごとの進捗、メンバーのタスク量、状態や期日が可視化されたことで、情報共有や進捗管理にかかる工数の大幅な削減につながりました。

以前は、都度プロジェクトメンバーに確認しないと正確な情報が得られない状況でした。しかし、Backlogにすべての情報を集約できたので「誰が何を担当しているか」が一目で把握できるようになったんです。

また、タスクが発生したら必ずBacklogに起票するルールを設けたことで、タスクの漏れや大幅な期日超過も減少しました。定例会議での進捗管理も、Backlogを見ながら行っています。

―― 定例会議の進め方にも変化がありましたか?

はい、会議で議論される内容が大きく変わりました。Backlog導入前は、プロジェクトの状況共有から始めていたため、その分ディスカッションの時間が限られていました。

今はBacklogを見れば状況がすぐに把握できるので、詳細を詰めたり業務上の相談をしたりと、より本質的な議論に時間を割けるようになったんです。

さらに、複数のプロジェクトに関わるマネジメント層の立場としては、Backlog上でプロジェクトをまたいだ検索もしやすく助かっています。ガントチャートやプロジェクト内の課題一覧など、Backlogではさまざまな表示方法ができるので、目的に合わせて使い分けています。

primeNumber様_画像2

―― 最後に、今後の展望についてお聞かせください。

Backlogはすでに社内に浸透し、各部署で大いに活用されています。今後も社内外のメンバーとさまざまなプロジェクトで積極的に活用していきたいと考えています。

当社は設立10年未満の比較的若い会社であり、業務上のルールが確立されていない部分もまだまだ多いです。ルールを整備していくフェーズの今、Backlogによって漏れのないプロジェクト管理が行えるようになったことは、会社として大きなメリットだと感じています。

一方で、Backlog運用上の課題も残っています。Slackでコミュニケーションを取る文化が根強く、小さなタスクはSlack上のやり取りで完結してしまうことがあります。できればそういったタスクもBacklogで管理して、期日超過や対応漏れのリスクをできる限り防ぐ体制を整えていきたいですね。今後も、Backlogを活用してプロジェクト管理の効率化と透明性の向上に努めていきたいと思います。

——貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。

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