属人化を超え、チームで動ける仕組みへ。Backlogが支えるイベント運営の舞台裏

メディア総研株式会社 社員の皆さま

Backlog導入前の課題

・複数のイベントを同時進行するのに、チャットやExcelではチームメンバーとの連携が困難だった
・やり取りがチャットに分散し、進捗状況がわかりにくかった
・部署間の認識ずれや対応漏れが発生

Backlog導入後の効果

・「誰がいつまでに何をするか」が明確になり抜け漏れを防げるようになった
・過去タスクの情報を再利用でき、業務の再現性が向上した
・情報を集約することで、探す手間を減らして本来の業務に集中できるようになった

教育機関と連携し、学生向けのキャリア支援イベントを手がけるメディア総研株式会社。同社のイベント運営では、業務の属人化やタスク進行状況の不透明さが課題となっていました。こうした背景から、企画制作部で導入していたBacklogの活用を営業部へと拡大。タスクの可視化と情報の一元化により、スムーズなイベント運営と部門を越えた連携が実現しました。営業部への利用拡大を主導した、企画制作部の勝毛氏に詳しく伺いました。

就職支援のイベント運営業務で、属人化を解消するためBacklogを導入

―― 御社の事業内容と、ご担当業務を教えてください。

当社は、高専生や大学生の就職活動を支援する会社です。年間を通じてオンライン・対面のイベントを運営しています。

私が課長を務める企画制作部 アド・マーケティンググループでは、学生向けイベントのマーケティングを担当しています。クライアントの目標である売上向上や採用応募数の増加を支援するために、学生への告知から申し込みまでの導線を設計し、主にデジタルマーケティングの施策を行っています。

―― 2019年に企画制作部でBacklogを導入された背景を教えてください。

導入前の課題は、業務の属人化でした。チャットのやり取りが分散してしまい、「このタスクは誰が担当で、どこまで進んでいるのか」をすぐに追えず、多くの案件が並行するほど情報が錯綜して管理しきれない状態でした。

こうした状況を変えるため、Backlogを導入してチームの業務を見える化しました。

メディア総研株式会社
企画制作部 アド・マーケティンググループ 課長
勝毛 哲也 氏

進捗の不透明さを解消。営業部にも広がるBacklog活用

―― 企画制作部でのBacklog利用が、営業部にも広がったと聞いています。経緯を教えていただけますか?

営業部では、「イベント告知」「企業誘致」「イベント運営」の3つを軸に活動しています。学生や教職員への情報発信と並行して、企業に出展を依頼し、会場予約やブース設営の調整、学生送迎用バスの手配まで、イベント全体の運営を担っています。

全国の高専生向けの企業説明会を年間で約70件運営しているのですが、ある時、その運営業務をマネージャーが前任者から引き継ぐことになりました。

しかし、運営に必要なタスクは同じでも、学校ごとに締切や進行スケジュールがすべてバラバラです。全体像を把握しながら進めるのが難しい状態でした。

―― どのように業務を乗り切ったのでしょうか?

引き継いだ年は、マネージャーが一人で管理していたこともあり、Excelでなんとか乗り切りました。ただ、他のメンバーと共有・連携して動くとなると、Excelでは限界があります。

さらに、他部署とのやり取りも多く、業務連絡をすべてチャット上で行っていましたが、複数のイベントが並行するとチャットの流れを追いきれませんでした。会話が流れて、各案件の状況が見えなくなってしまうんです。

実際に他部署のメンバーから「この件、今日が締切ですが大丈夫ですか?」とか「昨日締切だったあの件ってまだですか?」と確認のメッセージが届くこともあり、「これはまずいな」と。

―― それでBacklogを導入することになったのですね。

はい。業務の見える化はもとより、部署間のコミュニケーションをスムーズにするためにも、タスク管理専用のツールが必要だという結論に至りました。

そこで、企画制作部で活用していたBacklogを提案しました。Backlogはユーザーが増えても追加料金が発生しない、ユーザー数無制限*の料金体系ということも後押しとなり、営業部でも本格的に導入することになりました。

 *安定した運用を維持するため、最大10,000人までを推奨しています。

マルチタスクの混乱を回避。初開催の大型イベントもBacklogでスムーズに進行

―― 営業部ではBacklogをどのように活用されていますか?

主にイベントのタスク管理に活用しており、イベントごとに一つのプロジェクトを作成し、その中でタスク、Backlogで言う「課題」を管理しています。

直近の例だと、2025年3月に初開催した高専生向けの大型イベントで、Backlogを大いに活用しました。前年の8〜9月頃から準備を始め、企画の初期段階から、営業部を中心に他部署とBacklogで課題を共有しました。

―― 他部署のメンバーとどのように連携されたのでしょうか?

まず営業部でイベントの開催日と開催地を決め、学生の集客期間や出展企業への案内期間といった主要なマイルストーンを設定しました。そこからPM(プロジェクトマネージャー)が決めた方針を各部署のマネージャーに共有。Backlogへの課題登録は各担当部署に依頼し、「集客に向けていつまでにチラシや案内票を作るべきか」といったスケジュールを逆算しながら各自で登録してもらいました。

進捗報告のミーティングではガントチャートや課題一覧画面を共有し、期限が近づいている課題や、遅延のリスクがある課題を重点的にチェックしていました。

ガントチャートや課題一覧の画面をそのまま進捗報告に活用

―― Backlogの活用で、どんな変化や効果がありましたか?

一番の効果は、「誰が、いつまでに、何をするのか」が明確になったことですね。

特にイベント運営では、印刷物の制作やブース設営など、締切に遅れると致命的なトラブルにつながる作業も多いです。そのため、チャットだけだと、やり取りが流れてしまって作業を見落としてしまうリスクがあります。作業をすべてBacklogに登録するようにしたことで、抜け漏れがなくなりました。

今回のイベントでは、企業向け・学生向け・保護者向け・教職員向けなど合計8種類のチラシを作る必要がありました。それぞれ仕上がりのタイミングもバラバラだったのですが、Backlogで担当者や進捗をひと目で把握できるおかげで、混乱なく進められました。

また、情報がBacklogに集約されているので、「どこに何が書いてあったっけ?」と探す手間が減り、その分本来の作業に集中できるようになりました。

大量のタスクも「誰が、いつまでに、何をするのか」が一目瞭然

―― メンバー間の連携にはどんな影響がありましたか?

メンバーの業務が可視化されたことで、属人化を防げるようになりました。やり取りや決定事項がBacklogに残るので、情報の不透明感や認識のずれも減ってきています。

課題の担当者が明確だと、「あ、この作業は自分が最初に動くんだな」と気づけるので、立ち上がりもスムーズです。誰がボールを持っているかがわかるので、部署間の情報把握がスムーズになりました。

Backlogの情報は資産。利用拡大で生産性と業務再現性を飛躍させる

―― 勝毛さんはチームメンバーの課題を整理したり、止まっている課題を動かす「バックログスイーパー」の役割を担われているそうですね。どのような動きをされているのでしょうか。

プロジェクトを進めていくと、課題のコメント欄にやり取りがどんどん溜まっていきますよね。放っておくと状況を把握しにくくなるので、決まったことや重要なポイントをその課題の詳細欄にまとめたり、Wikiに転載するようにしています。

また、イベント当日に確認すべき内容をWikiに集約しておき、現場スタッフがスマホで見ながら動けるようにしています。紙のマニュアルよりも、情報をリアルタイムで共有できるのが利点です。

課題の粒度も意識していて、ひとつの課題の作業量が多い場合は子課題に細分化しています。ただ、細かくしすぎるとかえって全体が見えにくくなることもあるので、あくまで「細分化した方が進捗が追いやすいかどうか」を基準にしています。

タスク整理で意識しているのは、「その課題に関わってない人が見てもすぐに理解できる状態にする」ことです。それがプロジェクトを円滑に進める鍵だと思っています。

―― Backlogのどのようなところに価値を感じますか?

「情報が蓄積されて、次に活かせる」ところですね。

過去のイベントでBacklogに登録した課題ややり取りが、そのまま資産になるんです。次回開催時に課題を複製して使えるのはもちろんですが、コメント欄を見れば、「前回はこういう判断をしていたんだな」と意思決定の経緯を知ることもできます。

毎回、何もないところから手探りで進行管理する必要がなくなり、ナレッジの蓄積によって業務の再現性・効率が上がっていると実感しています。

口頭やチャットで議論すること自体は良いのですが、それを「残す」ことが大事だなと。ひと手間かかりますが、今後のことを考えると価値ある手間だと思います。

―― 今後のBacklog活用の展望や、期待していることを教えてください。

現在は管理部門へのBacklog導入も進んでいて、チラシの内容チェックや新入社員のオンボーディングをBacklogで管理できるようになりました。

この1年で、部署間のやり取りをBacklogで行う機会が増えたことで、部署をまたいだ連携もスムーズになってきました。チームワークマネジメントを少しずつ実践できていると感じます。

タスクがうまく回るようになれば、その先にあるプロジェクト全体の成果にもつながっていくはずです。Backlogの全社利用が当たり前になれば、イベント運営のクオリティもさらに底上げされていくと期待しています。

―― 本日は貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。

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