会議が「報告」から「議論」の場に。フルリモート組織はいかにしてBacklogとAIアシスタントで情報共有を変えようとしているのか

Backlog導入前の課題
・複数のツールに情報が分散していたため、必要な情報を探すのに時間がかかっていた
・フルリモート環境下で、タスクの進捗や担当者の状況が把握しづらかった
【Backlog AIアシスタント活用前の課題】
・全社定例では各部門のマネージャーごとに報告資料を作成しており、情報の基準や粒度にばらつきがあった
・90分の会議が発表に終始し、部署を超えた議論ができていなかった
Backlog導入後の効果
・Backlogに情報が集約され、「誰が、いつまでに、何をやるのか」が明確になった
・作業者と承認者のエビデンスが残ることで、監査対応にも役立っている
【Backlog AIアシスタント活用後の効果】
・AIによる課題抽出により、マネージャーひとりあたり30分〜1時間の資料作成工数を削減
・会議が「報告の場」から「議論の場」に変わり、担当者ベースの議論が実現した
九州大学発のスタートアップとして、最先端のAIを活用したESG分析・評価で企業のサステナビリティ経営を支援する株式会社aiESG(アイエスジー)。フルリモート勤務を採用し、居住地や国籍、言語などが異なる多様なメンバーが在籍する同社では、「複数ツールへの情報分散」という課題をBacklogで解消。さらにBacklog AIアシスタントの活用によって全社定例会議のあり方を変えようとしています。情報集約からAI活用へとつながる、同社の実践をご紹介します。
目次
約40名のフルリモート組織は、なぜBacklogを選んだのか
── まずは御社の事業内容を教えてください。
私たちaiESGは、最先端のAI分析技術により、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)評価を支援するスタートアップです。2022年に九州大学の研究室から生まれた会社でして、製品やサービスのサプライチェーン*全体をたどり、CO2排出量や人権リスクなどを包括的に分析・評価しています。多くは上場企業を対象に、近年、重要視されるようになった「サステナビリティ経営」の意思決定をサポートしています。
* 原材料の調達から製造、流通、販売に至る、製品が消費者に届くまでのプロセスのこと
── 今の時代には欠かせないソリューションを提供されているのですね。創業から3年目にBacklogを導入いただきましたが、その背景を教えてください。
もともとほかのタスク管理ツールを使っていたのですが、カスタマイズ性が高すぎて、チームによって使い方にばらつきが出てしまっていました。きちんと使っているチームとそうでないチームの差が激しかったんです。
さらに、Google Workspaceやチャットツールなど複数のツールを併用していたため、情報が分散して「どこに何があるのかわからない」という状態も発生していました。必要な情報を探すのに、時間がかかってしまっていたんです。
── 気軽に隣席に聞けないフルリモート環境では、情報の所在がわからないことのストレスは大きいですよね。
そうなんです。チャットツールでタスクを依頼しても、その後の進捗が追えない、ということもよくありました。
こうした課題を解消するため、Backlogを導入しました。
── 社内への導入はスムーズに進みましたか?
もともとITツールに慣れているメンバーも多く、特に目立った混乱はありませんでした。Backlogに詳しいメンバーが説明会を開催したり、ガイドラインやタスク登録テンプレートを用意したり、浸透をフォローしてくれたんです。
導入してみると、「誰が、いつまでに、何をやるのか」が可視化され、探さなくても一覧でわかるようになりました。それによって、業務が着実に前に進んでいることを実感できるようにもなったんです。今ではもうBacklogはなくてはならないツールです。誰が作業し、誰が承認したのかといった経緯も明確に履歴に残るため、監査上でも助かっています。

株式会社aiESG
(上段・左)ビジネス推進部 部長 坂本氏
(上段・右)ビジネス推進部 コンテンツ企画 森田氏
(下段)コーポレートIT 松尾氏
Backlogを情報のハブに。全社の業務を集約する仕組みづくり
── 「なくてはならないツール」とは、とても嬉しいお言葉です。そんなBacklogの活用状況について、詳しく教えていただけますか?
一部の開発業務を除いて、ほとんどすべての業務をBacklogに集約しています。名刺作成依頼や休日管理といったバックオフィス業務から、案件管理などの営業関連業務、展示会やプレスリリースの日程管理まで、幅広く使っています。
社内メンバーの40名ほどに加えて、パートナー企業のゲストアカウント10名弱で活用しています。
── ほぼ全社の業務をカバーされているのですね。運用にあたって工夫されていることはありますか?
課題のテンプレートをフル活用しています。テンプレートに「起票する際の注意事項」を入れておくことで、入力時に常に意識できるようにしています。具体的には「件名は動詞で終わること」「詳細は箇条書きにすること」「担当者・期限・完了条件を最低限入力すること」といったルールです。

タスク登録時のルールについてテンプレート化している
あとは、担当者が空欄のまま登録された課題があると、バックログスイーパー*に通知が届く仕組みも作っています。
* バックログスイーパー:組織やチーム内のバックログ(残務・未処理の作業や案件)を常にキレイにして、チームの仕事を前に進める人のこと
── Backlogの使い方を社内文書に置いておくだけでなく、テンプレートに組み込んでいるのは見事な工夫ですね。
「報告を減らし、議論を増やす」全社定例を変えた、Backlog AIアシスタント活用法
── 2025年9月からは「Backlog AIアシスタント(β版)」をトライアル利用いただいておりますが、利用前に「この業務に使おう」というイメージはありましたか?
β版トライアルのお話を伺い、まずイメージしたのは会議の活性化でした。月に一度、90分の全社定例会議を開催しているのですが、各部署の進捗を報告するのに終始してしまい、あまり議論ができていませんでした。さらに、マネージャーがそれぞれ独自の視点で情報を抽出するので、提供される情報にばらつきもあったんです。
CEOから「もう少し活発に社員が意見交換できる場にしてほしい」という依頼もあり、効率的に情報を伝えるためにBacklog AIアシスタントの活用を始めました。

Backlog AIアシスタントを正式リリースします。課題の作成や要約をAIに任せて業務効率化。導入・活用説明会を実施中! | Backlogブログ
2025年7月に先行モニター向けにご提供してきたBacklog AIアシスタントを、2026年3月5日(木)に正式リリースします。また、正式…
backlog.com── 具体的にはどのような運用をされているのですか?
会議は月初に開催するのですが、事前にBacklog AIアシスタントに課題の抽出を依頼します。以下のようなプロンプトを入力しています。
課題を抽出してください
#目的
2026.02.××実施の全社会議で情報共有をする
#条件
・下記のプロジェクトから抽出
(プロジェクトを箇条書きに)
・2026.01.01-2026.01.31で動きがあったもの
・親課題のみを抽出
・どのプロジェクトからも最低1つは挙げること
#出力形式
・課題名と選定の理由をリストにする
すると、選定した理由とともに、課題一覧が図表としてリストアップされます。それをGoogleスライドで共有して、事前に全員に見てもらうようにしました。おかげで、会議当日は的を絞って議論ができるようになっています。

Backlog AIアシスタントにプロンプトを入力
── 思い通りの答えを返してくれるまでに、プロンプトの試行錯誤を重ねる必要はありましたか?
それが、AIアシスタントはこちらの意図をよく汲んでくれるので、あれこれ試行錯誤しなくても、「なぜその課題を抽出したのか」という理由まで含めて、パッと出してくれるんです。
もちろん、AIの情報をうのみにはしないようにしていますし、とくに重要な部分はハイライトを加えるなどしていますが、たたき台としては十分以上な精度です。
── 「課題の洗い出しはAI」に、「チェックは人間」に、という役割分担をされているのですね。
一定の基準に沿って、忖度なく抽出してくれる点が、AIの強みだと感じています。AIが抽出することで、フラットな視点での情報共有が可能になりました。
「正しく入力すれば、正しく結果が出る」データの蓄積がAI活用を支える
── 定例会議以外でも、Backlog AIアシスタントを活用されていますか?
日常的にさまざまな場面で使っています。たとえば、今やらなければいけない自分のタスクをまとめて確認したり、1on1ミーティングの前に相手のタスク状況を把握したり、何かを依頼する前にその方の忙しさを教えてもらったり。フルリモートだと、別部署のメンバーの雰囲気まではわからないので、プロジェクト横断で各自のタスクの状況をまとめて確認できるのは便利ですね。
自分のタスクの確認には、このようなプロンプトを使っています。
(自分のユーザー名)が担当のもので、完了していないものをピックアップしてください。
#範囲
・全プロジェクトを対象、プロジェクトごとに仕分け
・***プロジェクトは除く
#記載内容
・緊急度ごとに仕分け
・緊急度が高になっていないが、納期が指定されているものは納期も併記
・担当が(自分のユーザー名)だが、内容的に別の方が作業中のものは別記
・上記のまとめとは別に(自分のユーザー名)が担当ではないが、(自分のユーザー名)宛のメンションがついているもので完了されていないものも抽出
・メンバー共有用のサマリーも作成
── なるほど。こうやって聞けば、担当者として登録されていなくても、メンションされているタスクまで拾えるのですね。
そうなんです。それで止まってしまっていたタスクを抽出することができました。
あとは、課題画面で英語の返信文を作ってもらうことも多いです。多国籍な会社なので、ぱっと返信できるのは助かっています。頼りになる存在として、「Backlog AIくん」「Backlog AIちゃん」など、親しみを込めて呼ぶメンバーもいます。
── Backlog AIアシスタントを、まさに「プロジェクトに伴走するメンバー」の一員として迎えてくださっているのですね。どのような効果を実感されていますか?
当初の目的だった全社定例会議の効率化については、マネージャーがゼロからスライドを作るという業務がなくなり、一人あたり30分から1時間の工数削減ができました。それ以上に大きいのは、会議の質が変わったことです。
あらかじめ話し合うべき課題を共有することによって、効果的な議論ができるようになりました。これまでマネージャー中心だった発表が、担当者ベースになり、フルリモートで薄くなりがちな横の繋がりが生まれているのもありがたいです。
── 組織のコミュニケーションが変わってきているのですね。
CEOは「あの件どうなってる?」と、人に聞く前に、まずAIアシスタントに確認するようになったようで、以前よりも、進捗の質問をされなくなったように思います。それだけ必要な情報にすぐたどり着けるようになっているのだと思います。
もし、AIが拾えない情報があるならば、それは「Backlogにきちんと入力されていない」ということでもあります。Backlog AIアシスタントの活用が、社員への入力啓発にもつながって、いい循環が生まれています。
── 今後の展望についてお聞かせください。
フルリモートの会社として、「他部署で何が起きているかわからない」という課題は常に抱えています。BacklogやBacklog AIアシスタントをさらに活用することで、情報格差を埋めていきたいと思っています。
── 最後に、これからBacklog AIアシスタントを使う方にメッセージをお願いします。
AIを最大限に活かすには、それぞれのメンバーがタスクを正しく入力していることが大前提です。入力ルールを明確にして運用することで、AIの抽出精度も上がり、結果としてチーム全体の業務効率化につながります。「正しく入力すれば、正しく結果が出る」ということがポイントです。
── Backlogへの情報集約が、AIアシスタント活用の土台にもなることをあらためて教えていただきました。本日は、貴重なお話をありがとうございました!
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backlog.com※掲載内容は取材当時のものです。