工数を「60分→1分」に。Backlogが社内外をつなぐ業務インフラになるまで

Backlog導入前の課題
・従来使っていたオンプレミス型のプロジェクト管理ツールは、運用負荷が高かった
・ファイル共有はメール添付+パスワード別送で行っており、送受信双方に手間が生じていた
Backlog導入後の効果
・Backlogプロジェクトの立ち上げをAPI連携で自動化し、約1時間かかっていた作業を1分以下に短縮
・BacklogにGit/SVNが標準内包されており、ソース管理の環境構築が不要に
・社内の部署間連携だけでなく、社外パートナーや顧客との協働基盤として定着
システム開発を基盤に、DX支援やAI活用支援まで幅広く手がける株式会社神戸デジタル・ラボ。
同社は、オンプレミス型ツールの運用負荷を解消するためにBacklogを導入し、開発プロジェクト管理基盤へと育ててきました。開発プロジェクト立ち上げの劇的な効率化から、部署を越えた活用の広がりまで、10年以上にわたるBacklog活用ノウハウを伺いました。
目次
課題はオンプレミスの運用負荷。ツール移行を決断した理由
── 御社の事業内容と、皆さまのご所属についてお聞かせください。
神戸デジタル・ラボ(KDL)は、1995年に神戸で創業したIT企業です。システム開発や情報セキュリティサービスを主軸に、DXコンサルティングやAI活用支援にも力を入れています。お客様の現場に寄り添いながら、課題の整理から業務効率化の提案、システム実装までを一貫して手がけ、お客様企業の事業成長や新たな価値創出を支援しています。
私たちが所属する「KDX」は、2023年10月に情報システムとDX推進が統合されて誕生した部門です。情報システムの役割に加えて、KDLのDX推進や業務プロセスの改善、AI導入の企画・運用など、全社的なデジタル変革を推進する役割を担っています。

株式会社神戸デジタル・ラボ
経営戦略本部 KDXチーム
チームオーナー
明田 充央 氏
── 神戸デジタル・ラボのDXを牽引されているんですね。続いて、Backlog導入の背景を教えてください。
Backlog導入以前は自社でサーバーを構築して運用する、「オンプレミス型」のプロジェクト管理ツールを使っていました。しかし、新しい開発プロジェクトが立ち上がるたびに、一からサーバーを準備してツールをインストールし、その後のアップデートも個別に管理する……という膨大な作業が発生していたのです。
プロジェクトが増えるほど運用の負担が膨らんでいく状態で、「このままではいずれ情シス(現:KDX)が耐えられなくなる」という強い危機感がありました。そこで、何か別のサービスに移行しなければという話になったんです。
そんな折、当時の上長から薦められたのがBacklogでした。
── ほかのツールと比較検討されましたか?
ほかのツールは「ユーザー数(利用人数)に応じた従量課金制」が多く、利用者が増えるほどコストが膨らみます。
一方で、Backlogはユーザー数もプロジェクト数も“無制限”という点が魅力的でした。利用人数の増加を気にせず使えるため導入のハードルが格段に低く、会社への導入メリットの説明もしやすかったです。
── その後、社内への展開はどのように進めましたか?
最初に社員全員のアカウントを登録し、まずは実際に使ってもらうことを優先しました。使い方に関しては詳細な手順書を整備するのではなく、必要に応じてBacklogのヘルプセンターを案内する運用でしたが、大きな混乱なく利用が広がっていきましたね。Backlogは直感的に操作できるため、現場でもスムーズに受け入れられたのだと思います。
移行にあたっては、進行中の案件は従来のツールで継続しつつ、新しいものからBacklogを使い始める方針をとりました。今では、ほぼすべての開発プロジェクトをBacklogで管理しています。

株式会社神戸デジタル・ラボ
経営戦略本部 KDXチーム
武富 佳菜 氏
タスク管理からソース管理、社外連携まで。Backlogが担う三つの役割
── 現在のBacklog活用状況について教えてください。
KDXでは、チーム内の進捗管理が基本的な用途です。タスクが発生したらBacklogに登録し、ガントチャートを見ながら進捗を管理しています。
システム開発会社として非常に大きなメリットになっているのが、BacklogのGit機能を使ったソースコード管理です。以前の管理ツールでは、プログラムの変更履歴を管理する外部システムと連携させるために、開発プロジェクトごとに複雑な設定を行う必要がありました。Backlogは標準でGitやSVNが内包されているので、その手間から完全に解放されています。
── ソース管理まで一つのツールで完結するのは、現場にとって大きなメリットですよね。社外とのやり取りにもBacklogを使われていますか?
はい。KDXでは、外部パートナーへの依頼や、逆に先方からの連絡など、コミュニケーションツールとして幅広く使っています。
特に便利なのは、やり取りの中で共有されたファイルがBacklog内に集約・保存される点です。導入前は、メールでファイルをやり取りしていたため、送受信の手間が発生していました。Backlog上でファイル共有を行うようになったことで、手間なく情報を一元的に管理できるようになり、必要な情報を探しやすくなっています。
── お客様とのやり取りにも活用されているのでしょうか?
お客様から請け負っている各プロジェクトでは、「KDL社内専用のプロジェクト」と「お客様と共有するプロジェクト」を分けて運用しています。後者では、お客様と確認事項をやり取りしたり、プロジェクト全体の進捗を共有したりするのに活用しているんです。
また、KDXが担当するプロジェクトについては、今後の新たな取り組みとして、お客様からの問い合わせ窓口をBacklogに一本化する準備を進めています。これまでは担当者ごとにメールやDMなどで個別にやり取りしており、対応状況や全体の件数が見えにくいという課題がありました。
そこで、「PCを交換してほしい」「アカウントを新たに作成してほしい」といった依頼をBacklogに集約しようと考えています。進捗状況が全員に見える形で管理されるため、業務の属人化が解消されるだけでなく、問い合わせ件数を定量的に把握できるようになるはずです。これによって、今後の運用改善がさらに進むと期待しています。
── 社内外でBacklogを幅広く活用されている様子がうかがえます。「使い方」については、レクチャーの手間はどの程度かかりますか?
新しく入社したメンバーに対する特別なレクチャー会などは開いていませんが、直感的に操作できるため現場ですぐに習得してもらえています。使い方に関する問い合わせを受けた記憶はないですね。
お客様の中にはITツールに馴染みがない方もいらっしゃいますが、いったん説明すれば問題なく使ってもらえます。これもやはり、Backlogの操作性が直感的で分かりやすいからこそだと思います。

株式会社神戸デジタル・ラボ
経営戦略本部 KDXチーム
勇美 貴洋 氏
開発現場だけにとどまらない。部署横断で広がる活用ノウハウ
── Backlogを部署横断で活用されている事例を教えてください。
品質管理部門の活用方法が特徴的だと思います。品質管理部門のメンバーは、 品質管理に必要なプロジェクトの状況を横断的に確認できるようになっています。これにより、進捗の遅れやトラブルの兆候があれば、品質管理側が早い段階でフォローできる体制が整っているんです。
また、現在KDXと品質管理部門が共同で、社内独自の業務管理システムを開発しています。コードの発番や特殊な入力項目など、自社の開発業務により特化したシステムなのですが、この開発の管理もBacklogで行っています。
── さまざまな場面で活用されているのですね。Backlogの社内浸透について課題はありますか?
開発現場では週に一回ほどのペースで新しいBacklogプロジェクトが追加されるなど、活発に活用が進んでいます。
一方、バックオフィス部門では、まだ十分に活用できていないのが現状です。以前、バックオフィス業務でも活用を試みたことがありますが、定着には至りませんでした。今後は、開発現場のノウハウも活かしながら、バックオフィス部門での活用も進めていきたいですね。
「Backlogは業務に欠かせない存在」
── Backlog導入の効果を教えてください。
定量的な効果として最も分かりやすいのは、プロジェクトの立ち上げにかかる時間の大幅な短縮です。
Backlogならインフラ管理の手間がなく、画面上からすぐにプロジェクトを追加できます。さらに、APIを使うことで、作成から管理台帳への記録までの一連のフローをすべて自動化しています。おかげで、立ち上げにかかる時間は今や1分もかかっていません。
── それは大きな改善ですね!あらためて、Backlogの価値とはどのようなものでしょうか?
Backlogを使い始めて10年以上経ちますが、現在では「使うのが当たり前」のような存在になっており、Backlogは業務プロセスに深く定着しています。
プロジェクト数もユーザー数も無制限*で、ソースコード管理もできる。そういった機能面の魅力はもちろんですが、管理者目線で見ても、サーバーの維持管理・アップデートといった運用負荷が一切なくなったことが、何よりのメリットだと実感しています。
さらに、業務の「引き継ぎ」の際にもBacklogの存在は大きいです。たとえば、「1年前にどういう手順でこの作業を行ったか」を確かめたいときは、Backlogで振り返るようにしています。もしBacklogがなかったら、過去の経緯やデータが散在し、情報を探すだけで何時間も費やしていたでしょう。
*プランにより異なります。
── 最後に、今後の展望についてお聞かせください。
バックオフィスへの浸透拡大を推進していきたいですね。効率化につながる成功体験を積み重ねながら、全社的にBacklogをもっと活用していきたいです。
── Backlogが社内外をつなぐ業務インフラとして根付いている姿がよく伝わりました。本日は貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。